鉄道模型・Nゲージ・レイアウト 建設ドキュメント JR近畿社名ロゴ
JR近畿公式?ウェブサイト サイトマップへ
建設記録とレイアウト製作上のエピソードやテクニックなど Let's BGM(汽車)

Aブロック「向日水駅」の製作
EF64顔アイコン ★★上段プラットホームの取り付け★★
  ここからは、各ブロックごとに製作していくことにしました。この方が場所もとらず、ひとつひとつ完成間近の状態まで仕上げていくので達成感があり、また反省点は次のブロックに活かせると思ったからです。
 最初に取り掛かったのは、メインステーションの向日水駅のブロックです。まずは上段のプラットホームから始めました。ユニトラックを使用している以上、当然ホームはKATO製ですが、変化をつけるため、ローカル線用の上屋をTOMIXのY字型に替えてみました。KATOのホームへの柱土台部分の接着は困難でしたが、ゴム系と瞬間接着剤の併用でなんとか誤魔化しています。確実にしたいのなら、柱にピン状のものを刺し、ベースのホームに穴を開けてこちらにも差し込むようにして接着すればよいでしょう。これでも上から見ることの多い屋根部分は変化に乏しいので、一番手前の屋根を色を変えて塗装してみました。
 中央の10輌分の有効長をもつホームを優先に階段部分の位置を決め、他のホームもそれに合わせるようにします(階段の位置がバラバラだとおかしいですので…)。それが決まれば、ホーム上の売店やベンチ等を適当に配置し、案内表示・看板・ポスター・乗車位置などのステッカーの貼り付け、人形の配置、といった楽しい作業に移ります。とうぜんベースに固定するまでにやっておかないと、後からでは手が入らないところばかりです。付属しているパーツから適宜選択し、必要なら塗装してつけていきますが、なんでもかんでも付属のパーツをつけるのではなく、ベンチや案内板の統一感、本線とローカル線での設備の違いなど、普段から実物をよく観察して、実際にあるような感じにしていきました。他の製品の余剰パーツも利用しながら作業を進めますが、ここがセンスの見せ所かもしれません。
 ところで、全長180pのブロックでいくら4番ポイントを使用しているとはいえ、本線の中央のホーム以外は4輌編成がやっとの有効長しかとれません。端の一方がカーブして先が細くなっているホームを使用すれば、2輌分ぐらいは稼げますが、あのホームは私鉄臭がするので使いたくありませんでした。そこで苦肉の策として、直線側のホーム半分を延長することにしました。後から増設したという雰囲気を出すため、上屋を取り外して余ったTOMIXのホームを切って高さを合わせてつないであります。これを上下線4方向に設置して、なんとか6輌編成の停車できるホームを確保したわけです。

EF6524系24系24系24系24系

★★ホーム以外の高架上の表現★★
 ホームの設置が終わると、次に高架部分の側壁の取り付けに移ります。実は側壁の材料について、いろいろ悩んでいたのですが、ある日中古品を扱う模型店で、TOMIXの高架橋がジャンク品として売られているのを見つけました。その場でこれでいくことを決定し、不足分は新品を購入して帰りました。この高架橋から、必要な側壁の部分だけをレザーソーで切り取り、ベニヤ板の高架基板のサイドに貼り付けていきます。ただこの側壁には、架線中を差し込むための穴?がありまので、それをふさぐ必要がありました。今なら高架駅の立派なストラクチャー類も市販されていますので、こんな作業は不必要でしょうし、もっとスムーズにできることでしょうね。
 この作業が終わるとバラスト撒きに入るのですが、その前に、線路の間の処理とストラクチャー類の配置と固定があります。模型の道床の間は、どうしても実物より広くなってしまうので、全部バラストで埋めるとなると、かなりの量が必要になります。当然出費と手間が嵩むわけで、これを節約するための方法を検討しなければなりません。当時、毎日通勤で通る高架の大阪駅には、一部の線路間にコンクリートのたたきのようなスペースがあり、昔は列車への給水に使ったであろうと思われるホースが、その上に放置されていたりしました。これにヒントを得て、プラ板やボール紙を使って道床の間に橋を架けるようにしてベースのかさ上げをし、グレー系統に塗ってコンクリートを表現してみました。そしてスチラクチャーの方は、中央のホームの両端に、GMやKATOの詰所・信号所などのキットを作って配置。またアクセントとして、向かって左手の旧線と本線の間には、ダミーの引き込み線を引き、保線車輌の駐機場所にしてあります。それから、駅の下をパスする本線の出口で、向かって左側の3線が顔を出す部分の上のスペースは、保線作業員の詰所と資材置き場にしてみました。そこには作業の打ち合わせをする作業員たちの人形も配置。こういったミニシーンは、余剰スペースを埋めるだけでなく、いきいきとしたレイアウトにしてくれます。
 これらの作業が終わっていよいよバラスト撒きに進むのですが、このバラストでたいへんな間違いをしでかしてしまったのです。
22系顔アイコン

221系221系221系221系221系221系

特急はと顔アイコン ★★バラスト散布と小物アクセサリーの配置★★
 バラストを購入したのは、KATOのホビーセンター大阪なのですが、バラストのサイズを確認せずに、だいたいの目分量ならぬ目検討で買ったため、家に帰ってよく見ると粒がかなり大きかったのです。また色も当時のユニトラックの道床を参考にしたつもりだったのですが、明る過ぎて新設の線路のようでした。思案の結果、大きさのほうは、もともとNゲージのレール自体がオーバースケールなのだからバランスは悪くないと、無理やり?納得しました。アップで撮影したレイアウトのフォトをじっくりとご覧になると、枕木の幅に近い直径のバラストがところどころでゴロゴロしているのが分かります。一方、色のほうは、別に買ってあったTOMIXの茶色のバラストと混ぜて使用し、さらにユニトラックのグレーの道床にうすいブラウンの水性アクリル塗料を塗るつもりだったので、同時に着色することで対処することにしました。
 ここで道床の塗装に関連して、もうひとつ誤り?が露見するはめに…。それはレール側面の塗装です。当初は塗装しないつもりだったのですが、ここまで作業すると、先ほども述べたとおり、レールのオーバースケール感が目立ってきます。それを少しでも減らそうと、やはり塗装を施すことにしたのですが、線路はベースに固定されてさらにホームまで固定済みなので、細かいところに気を使いながら、筆を動かしそして塗料の回った踏面をサンドペーパーで磨きだすという、面倒な作業になってしまいました。レールや道床の塗装を考えておられる方には、線路固定前の作業をオススメします。なお、バラストの固着方法は、水溶性の木工用接着剤を水で薄めてスポイトで垂らすボンドバラスト法です。もちろん浸透力を増すために、事前に食器洗い用の中性洗剤の水溶液を撒いておくこともしました。
 バラストが固着したら、線路周りの小物のアクセサリーを取り付けます。ここで最も苦労したのは架線柱でした。市販の架線柱は、KATO製といえどもビームのスパンが全く合いません。そこで加工の可能なGM製の架線柱のビームを切り繋いで、実寸に合わせました。駅への取りかかり口など既存のビームでピタリと合う線路間隔のところと、シングルの架線柱は、各社の既製品を使いわけ、バラエティに富んだ?構成になっています。そして、さらに信号や柵などを取り付けていきます。信号はダミーですので実感重視でGM製を使用。この当時は3灯式しかなかったのですが、これを組み立てさらに3灯×2タイプに加工したりして、取り付けました。その他にはフェンスや作業員用通路、さらに距離票・リレーボックス・ATC地上子など、手に入るものは全てつけていきました。ただし、これらも闇雲につけるのではなく、実際にある様子を観察して、位置や必然性を検討していくことが大事です。

EF65タキタキタキ

★★ストラクチャーの工作=駅の高架下★★
 線路周りが終わると、それ以外のストラクチャー関係の工事に移ります。まず最初に取り掛かったのは、高架下の部分です。駅の下ですから、入口や切符売り場に改札口は必須ですが、ここでは、当時唯一販売されていたTOMIXの高架駅を使用しました。これは、高さがちょうど高架下にスッポリとはまり込むので、大変重宝しました。改札口のあるタイプは奥と側面にプラ板やボール紙で壁をつけ、店舗タイプのほうは、裏側に隠れて見えなくなってしまう部分がもったいなく感じましたので、中央で真っ二つに切断し、改札口の左右に並べてみました。側壁になる部分にアクセントを加えることと、結果的に経費の節約になっています。このストラクチャーを二つに割って使用するという方法は、他のブロックやのちに出てくる背景板の製作にもかかわってきますので、そのときにさらに詳しく説明したいと思います。また、若干塗装で手を加えたのと、付属ステッカー類の取り付けならびに人形の配置を、取り付けより先にしておくのはもちろんのことです。
 一方、駅の施設のない部分はコンクリート壁の状態にしてあります。ただあまりにも殺風景になってしまうので、グリーンマックスから出ている高架下の店舗キットの余剰品をはめこんで、旅行代理店や日通の営業所を作ってみました。それ以外にも、大きな壁面を利用した広告看板類を雑誌やパンフレットからの切抜きから製作し、貼り付けてあります。
 裏側となる反対側の高架下についても、同様の壁にしました。見えないところなので省略してもいいところですが、裏から覗いてやろうという輩もいないとは限りませんので…。想定ではこちら側が表口になるのですが、中心部は背景版と接してしまいますので、両サイドの背景から離れている部分だけが必要です。この辺りを上から覗くと、駅前のロータリーから外れた裏通りのような雰囲気になっています。
 表側の向かって右手には、高架下にもぐりこむ本線の入口がありますが、この入口の表現には悩みました。角度的にポータルから、舞台裏?が丸見えになってしまうためです。考えた結果、コンクリートのボックス型のポータルを高架から出っ張らせて、内壁の一部も作って内部が見えにくくなるようにしました。そして左手の反対側の入口は、3本の線が並行して出入りしますので、開口部の大きなコンクリート製ポータルにしています。
ヨ8000顔アイコン

キハ35系キハ35系キハ35系キハ35系

683系顔アイコン ★★ストラクチャーの工作=駅前の道路★★
 駅前を高架と並行して走る道路は、ちょっと場違いに思えるぐらい立派なものになりました。駅側が右折専用レーンを入れて3車線+バス・タクシー・送迎車両用の側道2車線の計5車線で、対向側も2車線あります。これだけ広くしたのは、手前(駅の向かい側)に建物を作ると、その建物は見る者にお尻を向けた形になり、ビルが立ち並んで続く情景が表現しにくいことと、その高さのために広がりが感じられなくなる気がしたからです。道路の途中でベースが切れていると、駅前の様子がよく見えますし、何よりもストラクチャーを作る手間と費用が節約できます。なお、アクセントとして、途中に駅へ向かってくる道路とのT字路の交差点を作りました。
 道路の表面には、白ボール紙を使用しています。実はこれをペースボードに張り詰め、いざ塗装となってから、色の選択に迷ってしまいました。アスファルト舗装の場合、舗装したての場合や雨上がりは「黒」でもいいでしょうが、じっくりと実物を観察すると、通常はグレーに近い感じです。そこで数種類のグレーを試しに塗り、もっともイメージに近いものを採用しました。道路上の各種のラインは、パソコンでアドレスシールなどを作成するときに使う粘着シート紙を適当な幅に切って貼り付け。レーンマークの矢印は、運転免許の更新時講習にくれる教則本の図から型紙をつくり、ラインと同じ粘着シートに型を写してから切り抜いたものを使用。一部には、制限時速の表示などとともに、津川洋行製のものも使っています。センターライン部分・側道との間の分離帯は、プラ板やボール紙でつくり、変化をつけるため側道の分離帯は芝生にしてみました。
 駅前の歩道は、GM製と津川製を使い分けています。改札口の前には、タクシー乗り場と、少し離れてバス停を配置。ガードレール・街灯・信号機をはじめ、交通標識・ポスト・看板類などの小物と人形・自動車を適当にならべて、活気のある様子を表現してみました。また、駅入口右手の日通の営業所前は配送車輌が入るということで、歩道は切り欠きにしてあります。
 さらに右手の空いたスペースには、JRバスの乗り場を作ってみました。待合室兼切符売り場の建物も作りましたが、バスの転回スペースを考えると設置場所はバスの扉とは反対側になってしまい、乗降客には不便な状態になってしまいました。また、さらに右手に行くと道路は急に手前側にカーブしてベース外に消えていきますが、これは隣にくるブロックとのつながりを自然にするための緊急避難?です。そのまま隣のブロックまで直進すると、線路にぶつかって直角に曲がることになり、さらにそのプロックのメインシーナリーである川にぶつかることになりますので、手前にはけていけば、ベースのないところはシーンが連続していなくてもいい「想像におまかせ」的発想です。そしてカーブした道路の外側の余剰?地には、小さな会社の建物と商店を並べて埋めています。

165系165系165系165系

★★仕上げと背景板の取り付け★★
 駅の裏側になる部分は、背景板と線路との間隔が少ししかありませんが、何もないと空間が間延びしたように見えてしまいます。そこで、その間に入るストラクチャーを、ローレリーフで組み入れることにしました。ローレリーフは、建物などの一部を切り取って背景の一部とする、言わば立体背景のようなものです。市販のストラクチャーのなかからビル数点を選び、完成品の場合はレザーソーで約半分にカット。キットは、組み立て前に切る部分をケガキしてカットしてから組み立てました。駅の高架下の製作の際にも述べましたが、この方法では、裏側に隠れて見えなくなるサイドのディティールが活かせる(見られる)ことと、ひとつのビルがふたつになり、スペースを埋めるのに経費の節約となります。結局、分割したものを横につないで、TOMIXの総合ビルが百貨店のようなショッピングビルに、GMの中型駅がスーパーマーケットの入っているビルになりました。また、さらに厚みのないローレリーフとして、キットの余剰パーツを板状に並べて壁面だけを作ったものや、ボール紙から自作したものもあります。
 背景板については、6o厚のベニヤ板を使用しました。ホームセンターで1800o×900oの板を購入し、半分にカットしてもらいました。よって背景板の高さは、約45cmとなります。背景画については、自分で描くといった絵心はとてもありませんし、当初使用するつもりだったGM製の背景画はすでに生産中止となっており、どこへ行っても売っていませんでした。さればとPECOの製品を探して買い求め、貼ってはみたのですが、やはり日本のレイアウトにはマッチしません。いろいろ考えたあげく、絵を描けないなら写真ではどうかと思いつき、このブロックの背景用に、JR京都線・上淀川橋梁付近の淀川の北岸から大阪市内側の風景を撮影しに行きました。この場所を選択し淀川の対岸を撮影した理由は、レイアウトを普段見る位置からは、背景は駅を挟んだ向こう側の景色になるわけで、ちょうどよい遠近感がでるのと、川の上には何もないため、余計なものが写りこまないからです。当時はデジカメなどなく、撮ってきて焼いた写真をカラーコピーでA3ぐらいのサイズに拡大しましたが、ただそのままのシャープで鮮明な写真よりぼかし気味のほうがいいような気がして、たまたまコピー機の機能にあった「絵画調」という加工をしてみると、適度に全体がぼやけ、かすんだ具合が模型に合いそうな感じでしたので、これを使用。すでに貼ってあったPECOの背景画の上に模造紙を貼り付けて、まずはスカイブルーの水彩絵の具で着色し、そこへ貼っていきました。そのまま貼った部分以外に、コラージュの要領で継ぎ合わせたり重ねたところもあります。
 後は、駅前の自動車・人形等を適度に配置して、Aブロックの製作は一旦完成となります。そして次は、Bブロックの製作へと移っていきます。
201系顔アイコン

Back NEXT
   EF6524系124系224系2
レイアウト製作までの過程  製作開始へ Aブロックの製作 Bブロックの製作
           
サブメニューへ 24系4
C・Dブロックの製作 Eブロックの製作  Fブロックの製作 補足・まとめと今後