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建設記録とレイアウト製作上のエピソードやテクニックなど Let's BGM(汽車)

補足とまとめ、そして今後について
★★実際にありそうな風景の創造★★
 本格的なレイアウト製作や精巧なジオラマ作りを志す人に共通のテーマは、いかに実感的に作るか、または実物に近づけるか、だと思います。いわゆるリアリティの追求です。私もその志向ですので、どうしたらリアルな情景になるのか、いろいろと考えてきました。その結果得た結論は、「どこかで見たような風景=実際にありそうな情景」がリアルさを生み出すということでした。日常的にありふれたシーンや見慣れた景色、それに日本中のどこにでもありそうな建造物や山川など、平々凡々としたものを織り込んでいけばいいのではないかと思ったわけです。確かに名所のような景勝地や建造物を模型化して、実際にある風景を忠実に再現していくのはリアリティの追及の最たるものでしょう。(私が製作をお手伝いした山陰本線・餘部鉄橋のジオラマは、まさにこのコンセプトで製作しました) しかし実景を正確にスケールダウンするにはあまりにも巨大なスペースが必要であり、限られた設置場所では無理がありますので、どうしても架空の情景を創造するしかないのです。
 「実際にありそうな風景」とはどんなものか。こう考えてくると、高層ビルのすぐ横に山があったり、ビル街と農村や漁港の風景が隣接していたりというシーンはありえない(開発が進む現代ではありえる風景になりつつありますが)ですね。また、シーナリィーでは昔からよく言われる「饅頭山」(平地の中に饅頭を置いたようにポツンとある山)や、ストラクチャーでは路線の時代設定や雰囲気に合わない建物・町並み、行き止まりや不自然なカーブを描く道路などもありえない風景です。それ以外にも細かな点を挙げますと、どれも同じ車間距離で走っているように配された自動車・同じ方向に歩いていたり顔を向けている人形・目立たないところで広告の効果のなさそうな場所に置いてある看板などなど…。これらがリアリティをいかに削いでいるか、わかって頂けると思います。
 私がレイアウト製作の前に漠然と思い浮かべていたのは、都会の駅を中心とした近郊を走る幹線か、山河の中を行く非電化・単線のローカル線のどちらかでした。「どこかで見たような風景」という観点からは、ローカル線を選択することも有りでした。けれども普段あまり行かない・目にしない風景を「実際にありそうな風景」にするのは難しく、取材にもそう簡単に行くこともできません。そこで毎日通勤に使っている京都線なら、目を瞑っていても車窓からの眺めが思い浮かびますので、多数の列車を同時に走らせたいという願望とあいまって、モチーフに選んだ次第なのです。


★★市販ストラクチャー多用の是非★★
  Nゲージは昔から「走らせて楽しむスケール」と言われていたためか、車輛の充実とともにストラクチャー類も市販品が充実しています。私がレイアウトを製作した時期も、グリーンマックスの各種プラスチック製キットをはじめ、車輛メーカーからもそこそこの製品が発売されていました。最近ではさらにラインナップが増え、ディティールの精密化も進み、鉄道関連施設以外にも様々なアイテムが発売されています。また小さなメーカーがアクセサリー的な小物を製品化したりして、まさにレイアウト・ジオラマ向きのゲージになってきました。しかしこのような傾向を良しとしないオールドファンもいらっしゃって、あくまでスクラッチビルドでオリジナルに拘ったストラクチャーを製作されている方もたくさんいらっしゃいます。かつては鉄道模型の専門雑誌でも、それが王道のように語られていたり、市販品の普及で個性的・本格的なレイアウトが少なくなったことを嘆いたり、また、コンテストでは市販品を多用した作品では入賞できないとさえ言われていた時もありました。確かにどのレイアウトを見ても同じ製品が使われていては個性に欠けると、私も一時期思っていたこともありましたが、いざ自分で製作するとなると、スクラッチビルドには相当な技術と手間と時間がかかることに気づかされます。それで改めて考え直した結果は、市販品を使用して時間や手間を省き、それらの配置でオリジナリティを出すという方向でした。前項で述べたように実感的な配置を工夫すれば、町並みでも駅構内でも個性を出せるのではないかという考えに至ったわけです。走らせるスケールとしてレイアウトやジオラマがもっと一般的に普及していくことは、このゲージのファンである私にとって好ましい方向性です。そのためにも簡略化できるところはそれでいいと思います。「市販品ストラクチャーでは没個性」という悩み?で製作に二の足を踏む方や、ストラクチャー製作の手間や時間の問題で途中で投げ出してしまう方がいらっしゃるのであれば、ぜひこのような考え方を検討してみてください。
 それでもどうしてもオリジナリティが欲しいのならば、市販品にディティールを付け加えたり、塗装によって変化をつけてみたり、腕に覚えのある方なら改造をしてもいいでしょう。塗装を元の製品とは全く変えるだけでなく、部分的に塗り替えてみたりするだけでも雰囲気は大きく変わりますし、いろいろな既製品を組み合わせた改造作品はスクラッチビルトと大差のないものもできることがあります。
 もうひとつ、塗装といえばよく使われるテクニックに「汚し」と呼ばれるウェザリングがあります。気候や環境による汚れや退色を表現し実感的にすることですが、実は私はこれが大の苦手で下手なのです。とはいっても新品の艶あり・ピカピカは好きではないので、同色系の落ち着いた色で塗ってしまいます。あえて言わせていただけるならば、その際の筆ムラがウェザリングぽく見えていると思います。


★★使用する線路の選択についての再考★★
 使用する線路の素材にも同様のことが言えます。ここで道床付き線路(組み立て式線路)とフレキシブルレールについて考えてみましょう。自由自在に曲げることのできるフレキシブルレールを使用してレイアウトされた線路は、確かに実感的です。また、路盤をしっかりと作り、線路際の犬走りやバラストのザクザク感まで表現するとなるとフレキシブルに勝るものはありません。 反面、路盤の製作や正確な線路敷設、次のレールとのスムーズな接続などが難しく、面倒な作業が必要になります。一方、道床付き線路は少々トイライクであり、曲線半径や1本の線路の曲がる角度に選択の余地が少なく、自由に引きまわすことができません。しかし、敷設は非常に簡単にでき、線路の接続・通電もしっかりとしています。
 さらに具体的な例を挙げれば、直線から曲線に移る場合の緩和曲線(いきなり急なカーブに入るのではなく徐々に曲がり具合が急になる曲線)があります。実感的なカーブ作りにはぜひ取り入れたいもので、フレキシブルなら比較的簡単にできます。道床付き線路の場合でも、JR近畿ではスペースの都合上取り入れることはできませんでしたが、半径の小さいR280程度の曲線の入り口にR450ぐらいの曲線を1本入れるだけで雰囲気は変わってきますし、車輌の走行もかなり実感的かつ安定的になります。
 フレキシブルレールを使用したいけれども、敷設に自信がなくて、レイアウト製作にとりかかれないのなら、道床付き線路も検討されてはいかがでしょうか。厚みのある道床も、プラスターや粘土、あるいはプラ板・ボール紙等で周囲をかさ上げして犬走りを表現すれば緩和されます。 要は工夫次第で、フレキシブルの持つ優位性に近づけることが可能なのです。加えて、道床付き線路の優位性も挙げておきます。それはフロアやお座敷レイアウトなどの中に、シーナリィ・ストラクチャー付きの小レイアウトやモジュール・ジオラマを組み込む際の接続です。フレキシブルでももちろんできますが、初めから同じ道床付きを使用しているほうが簡単なのは、誰にでもおわかりいただけるでしょう。
 私のレイアウト製作当時には、KATOのユニトラックは黒の木枕木のものしか製品にはありませんでした。今では複数のメーカーから、PC枕木付きや複線、カントの付いたものも製品化されており、より使いやすくなっているといえます。他メーカーの製品を接続するアダプター線路も発売されて、選択の幅も拡がってきており、「道床付き=フロア・お座敷・テーブル運転用」とは言えなくなっています。


★★季節や時間、そして時代の設定は必要か★★
  レイアウトに季節の設定は必要かと問われれば、私は「必要である」と答えます。日本には四季があり、春には桜・秋には紅葉などその季節により自然の情景が異なりますので、リアリティを追いかけるのならば、季節を限定してシーナリーを制作するのが当然と、個人的に考えています。満開の桜のとなりの木が紅葉の真っ盛りとか、海水浴をしている浜辺に雪だるまがあるなどというシーナリーを作る人はまずいないでしょう。ただここでひとつ注意をしなければならないことがあります。それはフィギュア(人形)です。市販品のフィギュアを使って配置するケースが多いと思われますが、屋外のプールで泳いでいる人をマフラーを巻いた人が見ているとか、半そで姿の人の横にコートをまとった人が立っているのは、普通はありえないことで不自然ですね。人形の服装にも、設定した季節に合った統一感が必要だと思います。
 時間の設定も同様に必要ではないでしょうか。都市型のレイアウトでは、朝夕の時間帯としたならば通勤・通学のラッシュタイムでホームに人がたくさんいて大量のフィギュアが必要でしょうし、逆に真昼の時間にすれば小学生ぐらいの子供が街中にたくさんいるというのも微妙に違和感を感じます。
 ということで、JR近畿では、季節の設定は梅雨に入った頃としています。これなら若者が半そででいてもおかしくはないですし、コートを着ている人はレインコートだとみなせばいいので、両方のフィギュアが使えます。そして時間については、午後の2〜3時ぐらいと想定しました。小学生が連れ立って下校していることもありえますし、駅では人があまり多くなくて閑散としていてもおかしくないということからこの時間帯に決めました。
 あと「時代」の設定についてですが、これは非常に難しい課題だと言えます。走らせたい車輌が特定の年代のものだけというのならば、その時代にふさわしいストラクチャー等を作ればいいので簡単です。しかし古いものから最新の形式までいろいろな時代の列車を走らせたいのなら妥協が必要になってきます。時代設定が如実に問題となってくる例を挙げますと、看板等の広告物があります。建物ならある程度時代を経ても変わらないで建っているでしょうが、仮に今現在と設定した場合、広告看板に表示されている最新の商品は時の流れとともに旧製品になって古くさい広告になっていきますし、流行の移り変わりもあります。また企業も社名が変わったり合併したりあるいは倒産したりして変わっていきます。現にJR近畿製作当時には実在した銀行や保険会社・スーパーマーケット等の看板を作りこみましたが、現存しているものはほとんどありません。某模型メーカー発売のストラクチャー付属のシールのように実在しないものにするか、最新のものに作り変えることもできますけれどキリがないですね。元々の主役である車輛でさえ、電化された複々線の本線上を堂々とSL牽引の旧型客車が走っていること自体がおかしいので、JR近畿の中では「つい最近」という程度のあいまいな時代設定にして、古い車輛は動態保存しているイベント用の車輛ということにしてあります。


★★拘りと妥協とのクロスポイント★★
 鉄道模型を趣味とする人に様々なタイプの人がいることや志向のジャンルがあることは前にも書きましたが、レイアウトだけを見ても目指す方向は人それぞれです。ここだけは譲れない・是非ともあのシーンを再現したいという「拘り」は、あって当然のことです。しかしスペースや資金・時間などの現実的な問題から、どこかで「妥協」しなければならないのが模型の世界なのではないでしょうか? 私は当初から、この建設記の一輌め「レイアウト製作までの過程」で挙げたコンセプトを設定し、それを完成までの間に変えないという方針で臨みました。もし時間と技術と資金があったならば、車輛にもストラクチャーにも照明を組み込み、夜景を再現していたかもしれませんし、信号も点灯させていたかもしれません。ただ、すべては無理なら全くやらないという考え方で「妥協」し、製作をスタートさせています。しかしながら極力実感的なシーンを追及して、建物等のストラクチャーの配置や小物類の配置、フィギュアのボーズなどには「拘り」をもって行いましたし、看板や標識などにもそこにある理由に「拘り」、考えながら設置しています。列車の通過に合わせて自動的に開閉する踏切や、最近ギミックとして製品化されてきたバスの自動運転も、あればそれで面白いでしょうが、実際にレイアウトの中を動いているのは車輛だけで、人や車は動かないから不必要と割り切った「妥協」で取り入れませんでした。このように、どこかで拘りと妥協が交差したポイントからレイアウト製作が進んでいくといえると思います。
 雑誌などに掲載された秀作のレイアウトからも、それらは見て取れます。典型的な田舎の風景とローカル線をモチーフにして、シーナリィやストラクチャーも精巧に作りこまれたレイアウトの線路配置は非常にシンプルだったり、逆に複雑な線路構成でいろいろな運転が楽しめるのに、鉄道以外の自然や建造物が省略やデフォルメされている場合もあります。それぞれに製作者の個性が出ていますが、そこにたどり着くまでにはさまざまな点で拘りと妥協があったと推測します。あくまで趣味の世界であり、プロとしてこれで生計を立てて行く訳ではないので、それでいいのです。また同じようなことを言いますが、拘りを捨てきれずに、または妥協を一切許したくないので、レイアウト製作になかなか踏み切れないのなら、ぜひご一考頂きたいと思います。


★★レイアウウトのメンテナンスを考える★★
  私のレイアウト製作に対する考え方はほぼ書き尽くしましたので、ここからは話題を変えてレイアウトの保守について述べてみたいと思います。
 レイアウトの大敵は、以前から言われているとおり、「ほこり」ですね。部屋をきれいにしていてもいつのまにか積もってしまいますし、動力車のギアなどに糸ぼこりや綿ぼこりが入り込むとやっかいなことになってしまいます。実際にレイアウトやジオラマを所有されている方にとっては、悩みの種になっていることも多いことでしょう。ほこりにはカバーをかけるかケースに入れるのが、簡単で最も有効な対策です。しかし、ガラスやアクリル製の高価なケースに入れるとか、博物館のようにガラス貼りで空気清浄や空調の効いた展示室のようなところに設置するのならいいでしょうが、個人でそこまでできる人は少ないと思います。JR近畿では、現在の住まいに引っ越す前までは分割して収納する必要がありましたので、段ボール紙を使用したカバーをかけていました。1プロックは600o×1800oという大きさがあり、それをすっぽりカバーできる段ボール箱はなかなかありません。偶然にも当時の勤務先に廃棄する大きな段ボールの箱がたくさんあったのでそれをもらって帰り、継ぎ合せて大きな蓋のような箱を作って、かぶせていました。引っ越し後は収納の必要がなくなりましたので、大きなサイズの透明なポリ袋(大型シュレッダーのくずを入れるものらしい)で作ったカバーをかぶせてあります。
 しかしカバーをかけてあっても、運転時や写真撮影の間はカバーをはずしているわけですし、どんなカバーでも100%ほこりを防止できません。従って定期的に清掃という面倒な作業が必要になってきます。私が清掃の際に使用しているのは、カメラのレンズのほこりをはらうブロワーブラシと充電式コードレスのハンディタイプの掃除機です。積もっているほこりをすきま用の細い吸い込み口をつけた掃除機で吸い込み、吸い込み口が届かないところや吸い取れないほこりはブラシで掃き、舞い上がったところを掃除機で吸い込ませます。そしてブラシの入らない狭いところや、標識などの小さなアクセサリーやフィギュアの近くでは、ブロア−でエアを吹き、舞い上がらせます。誤ってアクセサリーなどを吸い込むのが怖い場合は、掃除機の吸引力が調整できる場合は弱にしておくと、吸い込む確率は小さくなりますし、また万一うっかり吸い込んでしまっても、掃除機の中にたまったほこりの中から見つけ出すことができます。なお、コードレスを使用するのは、コードがストラクチャーなどをひっかけるのを避けるためです。
 たいていのほこりはこれで取れますが、私は掃除を怠っていたところがあり、こびりついた状態になっている部分がありました。考えた結果、綿棒に薄い洗剤をしみこませて軽くこすって落としました。とにかくカバーをしっかりとかけて、こまめに掃除するのが重要ということですね。


★★線路の通電の保守★★
 メンテナンスで最も厄介なことは、レールの良好な通電状態の維持でしょう。鉄道模型は車輛がスムーズに走ることが求められて、そうでないとディスプレイモデルになってしまい、意味がありませんね。基本的にレールに電気を流して車輪から集電する方式のため、金属と金属が接触し、そのうえ車輪が回転して移動していくので、その間で起きる目には見えないスパーク(火花)で双方に汚れが発生します。また逆に長期間走らせないことによるレール表面の酸化なども、通電不良の原因になっていきます。
 昔は、目の細かな紙やすり(サンドペーパー)でレールの表面を磨く(いわゆる乾式クリーニング)が主流でした。物理的に酸化した皮膜や汚れを取り除くので、効果は絶大であり、今でも模型メーカー製のレールクリーニングカーの一部に、似たような方式を採用しているものもあります。ただ、かなり目の細かいペーパーを使ったとしても、逆にレール表面を傷つけてしまうことになり、そこを走行させるとさらにスパークが発生してしまいます。そこで現在では、専用の液体レールクリーナーが発売されており、それでレールを拭く(いわゆる湿式クリーニング)という方法が主流となっていて、クリーニングカーにもこの方式のものがあります(乾湿併用もあります)。また模型メーカー品以外のクリーナーとしては、電気製品の接点洗浄剤として市販されているものにも効果が認められます。ただし、これらクリーナーはすべては油分を含みますので、後で空拭きをしないとそれが残って走行中にスリップ(空転)したり、油分がほこりを取り込んで車輪から内部に回ってしまう可能性もあります。私の場合は、クリーナーを綿棒または綿製品の布を巻きつけた発泡スチロールを棒の先につけたものにしみこませて、それでレールを拭いた後に、再度クリーナーを付けていない同じ道具で空拭きしています。
 しかしながら、トンネルの中やストラクチャーに囲まれているところは手が届きにくいですし、もし架線を張っていたりすればさらに大変ですね。もちろん自走式のクリーニングカーもいいと思いますが、JR近畿では、脱線対策のために、背景板の裏側に開閉できる小窓をつけたり、山の一部を蓋のように取り外しできて持ち上げれば中に手が入るようにしてありますので、そこから作業ができます。それでもまだ面倒なので、湿式のクリーニングカー用の貨車に若干の改造を加えて、その後ろに他の貨車や客車を多数連結してレールに乗せ、手の届くところから押したり引いたりして動かしながらクリーニングしています。
 一方、車輪のクリーニングにも気を遣う必要があります。現在は専用のクリーニング装置も販売されていますし、なければこちらも綿棒とクリーナーで拭いてやるのですが、一部のゴムタイヤ付きの動輪には注意が必要だそうです。
 クリーニングのタイミングとしては走行前と走行後に行うことがベストと言われていて、理屈では納得できるものの、これもなかなか面倒なことですね。このように線路の通電の保守には多くの労力?が必要なのですが、一番の予防方法は、実物の「錆取り」列車同様に定期的に走らせることなのではないでしょうか?


★★今後のJR近畿について★★
 繰り返しになりますが、鉄道模型は「走ってこそ」であり、走らせるならやはり風景の中のほうが車輛たちは一段と輝きます。レイアウトを作りたいけれど、時間・スペースや経済的に問題があるというのなら、一部分のジオラマを作りそこに線路を引いて、あとは組み立て式のお座敷やテーブル上の線路でもいいので、走らせてみてください。そこから出発して、ブロックやセクション式に次々に伸ばしていったり、仲間を募ってモジュール式にしてもいいでしょう。また、「レイアウトに完成はなし」という名言があります。でも常に改造をするとか新しい技術を利用したギミックを組み込むとか、飽きたら作り直すということではなく、手を加え続けて作りこめば作りこむほど精密さやリアリティが増していくというふうに、私は理解しています。現実的には、自分の求めるレベルが完成の基準になるでしょうし、そうでないと底のない沼に落ちたようになってしまいますね。人それぞれの感性の問題になってきますので、「名言」が「迷言」にならないよう、自由でいいと思います。
 最後に「JR近畿」の今後の展開?について、書いておきたいと思います。数年前に転居をして、レイアウト専用ルームが確保できました。その際に全面的に内装をリフォームし、ついでに専用ルームにレイアウト設置用の棚を作ってもらいました。しかし、当然ながら前の部屋と今度の部屋とは、形や広さや柱・出入口・窓の配置が異なります。また、面積が少し広くなったため、棚とベースボードの大きさが一致しておらず、一部が宙に浮いています。せっかく広くなったのだからと、延長部分を継ぎ足して若干ですが路線の延長をする計画を練っていました。さらに完成から20年近くも経っていることと、転居時の引っ越し作業で破損している部分もあり、修理も必要です。ところが残念なことに、仕事の勤務地が変わったり異動があったりで忙しくなったうえに、首を突っ込んでいる趣味以外の活動も増えてきて、取り組む時間がなくなっていました。最近になって、ようやく少しずつではあるものの時間が取れるようになり、ベースボードを継ぎ足して製作を始めています。
 先ほど述べたように出入口などが変わったので、トンネル内の脱線・清掃に備えて背景板にあけていた点検口が壁に沿うようになって使用できなくなり、向日水駅下の部分やローカル線のトンネル内部で手が届かないところが出てきました。いろいろ悩んだあげく、思い切って手の届かないところを廃止して、駅下の線路は不自然なのをあきらめて手前に出して駅前を通過させることにしました。そして旧線については、先々、新たにローカル線のレイアウトを作る計画をしていますので、あっさりと廃線にしてしまいました。(ただ、ふたつの駅の前後は走らせられるように残して、列車交換や西大爺駅での簡単な入れ替えは楽しめます) そして、ヤードの暇崎運転所は、隣室(といってもカーテンで区切ってあるだけですが)に移しましたので、引き込み用の線路の敷き替えという大幅な改造が必要になり、増設完成はかなり先になりそうですが、できましたらまたこのホームページで披露いたします。
 さて「JR近畿・京都線」の建設記も終わりになります。参考になるような大した技法やテクニックもなく文章も拙いものでしたが、ここまでお読み頂いた方に感謝し、この拙文がレイアウト・ジオラマ製作を考えておられる人の背中を少しでも押すことができれは幸いです。
(続いて、余部鉄橋下の民宿に展示してあるジオラマの製作記を書いていこうと思います)


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