石の森 第 113 号
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夕焼けみち
大薮 直美
長い影を踏んでやろうと
力強い一歩を地面に叩きつけていたあの日
確かに影は私と繋がっていたけれど
決して満足なんかしていなかった
スキップさえ
笑わなければ出来ない大人が
私をせかした
おいていかれることを覚悟で
あと一歩を
さらに強く踏み出していた
私に夕焼けみちは見えていなかった
私は影にせいいっぱいで
でも大人には
それが夕焼けみちだった
一日の終わり
休息への路
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