称量(秤量)貨幣(しょうりょう・ひょうりょうかへい)
商(殷)時代の晩期になると、青銅塊、青銅餅、銅器の破片(銅片)等が実質的な貨幣として使用され始め、西周時代に盛行され、春秋時代末期まで使用されました。 春秋時代中期には、白銀、黄金の秤量貨幣が登場し、秤量貨幣には、青銅、白銀、黄金の三種類があります。 白銀の秤量貨幣にはサン幣(サンは農具、文字は金+産)、銀版、銀餅、銀貝があり、黄金の秤量貨幣には金版、金餅、金貝があります。 いずれも、形状に基づく呼称ですが、非常に少なく貴重な物です。 青銅餅、銀餅、金餅:青銅、銀、金を餅状にしたもの。青銅餅の場合は流通時に砕いて用いられた。 青銅塊:青銅餅を砕いた塊(破片) 銀版、金版:銀、金を板上にしたもの。流通時は切取って用いられた。 銀貝、金貝:銀、金で貝貨を模倣してつくられた。 これらの貨幣は、形状、重量、成分、額面価値が一定ではなく、使用する際には成分の鑑定と重さを量りながら使用しました。その為、秤量貨幣と呼ばれています。 元来、品物の取引に用いられた現品(牧畜、食料、布等)では個別の価値が小さく、実際の取引では多量が必要となり、携帯や貯蔵に不便でした。 そこで登場したのが一般等価物としての金属でした。 金、銀等の貴金属は、量が小さくても価値は大きく、材質が安定しており、堅固で破損しにくく、耐摩性に優れ、随時分割、合併が容易、また、別の用途にも適用可能であり、光り輝く事から、人々を惹きつけていきました。更に、携帯や貯蔵に優れていた事もあり、貨幣として用いられていきます。
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