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簡単SF用語集

   


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や・ら・わの部   総索引  


第五氷河期

氷河期は繰り返し訪れている。現在は第四紀洪積世の第四間氷期にあたるが、もし従来どおりのパターンが繰り返されるならば、あと1万年ぐらいで第五氷河期が訪れる。だがもし今、氷河期がやってきたなら、文明圏は壊滅的な打撃を受けるだろう・・・。こうしたところから破滅ものの設定としてしばしば第五氷河期が使われる。現在地球温暖化の危険性が叫ばれているが、油断してはならない。自然の猛威の前には、人類などあまりにも無力なのだから・・・。


ダイソン球

「太陽を巨大な球状の殻ですべて覆えば、球殻内面は太陽エネルギーを効率よく利用できるだろう」と物理学者フリーマン・ダイソンが提案した事からこの名がついた。要するに巨大な中空のボールの中心に太陽があり、ボールの内側に住むのである。困難ではあるが、決して不可能ではない。仮に地球と同じ距離に建設すれば、内面の表面積は地表面積の10億倍になるそうで、居住空間に不足はなく、エネルギー問題も一挙に解決できる。
もし高度な宇宙文明を発見するのならば、こうした人工建造物から放出されているであろうエネルギーを、探知してみてはどうかというおまけもついている。
このアイデアを元にしたSFには、ラリイ・ニーヴンの「リングワールド(環状世界)」などがあり、名作。


タイムスリップ

時間SFで使われる言葉のひとつ。まるで地すべりのように、ある地域や空間が時間的にスリップし、突然過去や未来に移動してしまうというような現象をさし、ひきおこす原因としてタイムクエイク(時震)を想定することもある。


タイムパトロール

時間旅行におけるタイムパラドックスをなくすために考え出された組織の代表的な呼び方。
初期においては、宇宙も歴史の流れもひとつであり改変は許されないとするタイムパトロールと、歴史改変による世界征服をたくらむ悪との戦い・・・のような娯楽作が多かった。並行世界的時間SFが主流になった現在でも、並行世界の彼方から来る次元・時空を越えた侵略者対タイムパトロール・・・のように図式はさほど変わらない。これは基本的にタイムパトロールが体制側であるところから来ているもので、やむを得ないことだろう。楽しめればそれでいいかも♪


タイムパラドックス

「もし時間旅行ができ、過去にさかのぼって自分の祖先を殺してしまったなら、自分はどうなってしまうのか?」に代表される、時間旅行にまつわる逆説のこと。【例=自分が祖先を殺しに行くためには祖先はいなくてはならず、祖先を殺した瞬間自分が存在しなくなるのなら、存在しないものは祖先を殺せず、祖先は生き続け自分が生まれる】
このテーマも魅力的なため、数限りないバリエーションと解決が考案されている。初期のSFにおいて、主にタイムパラドックスをなくすため幅を利かせていたのは、歴史改変を許さないタイムパトロール。その後量子論の多世界解釈からくる並行世界のアイデアが導入されるにつれ、歴史改変は常に新しい未来への分岐点になる、という考え方が主流になり、現在にいたっている。


タイムマシン

時を越え、時間の流れの中を自由自在に現在・過去・未来へと移動できる装置。
現実的にはまだ夢物語でしかないが、可能性は2つあると考えられている。一つは、光速より速い速度を持つタキオンという素粒子を発見し(まだ理論的な存在でしかない)、それを利用する方法。もうひとつはこれまた理論的存在であるワームホール(ブラックホールとホワイトホールをつなぐ、宇宙の虫食い穴)を利用する方法である。
H・G・ウェルズがこの魅力的なアイデアを世に送りだして以来、シリアスな時間SFから娯楽作まで、時間をテーマとしたSFは数多い。本気で取り組むには難しいテーマのためか、シリアスものよりタイム・パトロールのような娯楽作の方が多いが、それでもタイム・パラドックスぐらいはきっちり押さえてほしいところ。


タキオン

光速を超えた速度を持ち、虚(マイナス)の質量を持つとされる理論上の素粒子。ふつう特殊相対性理論では、光速度を越えるものなどないとされているけれど、一般相対性理論ではタキオンははじめから光速度を越えているため(矛盾しているようだが)この制限にひっかからない。むずかしくて理解しているとは言い難いが、つまり特殊相対性理論で言っているのは、質量を持つ、普通の光速度より遅い素粒子が、光速度に達するためには無限大のエネルギーを必要とする。ゆえに光速になりえない、ということであって、はじめから質量0(とされている)光子もマイナスの質量を持つタキオンも光速度以上であるためそのまま計算式が成り立ってしまうそうだ(^^;;これ以上はとても説明できないので御自分で調べて下さい)
もしタキオンが理論上でなく、現実に実在すれば(理論が先で発見はあとという例はいくらでもある)、光速度を越えているため、相対性理論によれば自動的に過去にさかのぼれる。利用可能な技術をもてばタイムマシンはできるかも・・しれない。


地球空洞説

18世紀の初めに、当時の天文学者たちが唱えた【地球の内部は空洞になっている】という説のこと。いまとなっては支持するものはほとんどいないのだが、当時の地磁気の研究では空洞であると解釈でき、エドモンド・ハレー(ハレー彗星の発見者)を始めとして大真面目に論ぜられた。
この説をもとにして書かれた作品はロマンチックな冒険ものが多く、ロスト・ワールドものや超古代文明ものと影響し合うことも多い。古典的な作品としてはジューヌ・ヴェルヌの「地底旅行」やE・R・バローズの「地底世界ペルシダー」シリーズなど。


地底人

地球空洞説をはじめとする、地底テーマの冒険SFには欠かせない、文字通り地底に住む人間。
ほとんどは遙か昔に地上をはなれ、独自の文明を築いているというパターンだが(失われた種族とリンクすることもある)、エルンストの「小さな巨人」のように、超高密度の身体で地面の中を自在に通りぬけられる地底人、といったアイデアもある。


超光速飛行

特殊相対性理論によれば、我々が光速をこえることはできないわけであり、仮にできたとしても同時に時間旅行をも含んでしまって扱いは難しい。となれば、スケールの大きな大宇宙で主人公達が活躍するには、必然的になんらかの方法を考え出さねばならない。そこで初期のSFでは光速をこえるためのありとあらゆる架空の理論が生み出され、その成果として主人公達が大宇宙を駆けめぐられたのである。
しかし科学の発達が加速するにつれ、そうした牧歌的なSFが生き残る余地は少なく、いま力業でこれを破るものはほとんど現れない。現在の主流は超光速ではなく、むしろワープなどの超空間跳躍に移っている。


超古代文明(第一紀文明)

SFの設定のひとつ。人類はかつて、遥かな昔に現代以上の高い文明を築いていたが、何らかの原因で破滅し(戦争、天災、他星からの侵略、etc)、生き残りは文明を再建することもかなわず原始人にもどってしまった。その彼らが築いていた文明を第一紀文明とし、いまの文明は第二紀文明であるとするもの。
大抵は数十万年前に設定することが多いが、アトランティス大陸伝説などとからめて設定されることもめずらしくはない。


超知性

人間は唯一無二の存在ではない。そういう巨視的なスケールでみた場合、人類以上の知性がSFで登場することはごく普通で、多くは通常の宇宙人として友好的であったり、侵略者であったりする。が、ヒト以上への憧れは強く、理解不能のレベルまでに達した存在もしばしば描かれ、超知性体として登場する。
これらの超知性体はソラリスの「海」のように意志疎通できない理解不能の存在であるはずだが、理解不能な存在の描写は難しいためかなんらかの意志疎通を果たせる場合が多い。多くはもはや肉体を持たず、光子だけで構成されていたり、ホログラム的に空間に貯蔵される純粋知性であったりと存在のあり方は様々。その性格上神性を帯びてしまうことも珍しくはない。


超能力

文字通り通常ではありえない能力をさしている。サイ能力、ESP(Extrasensory Perceptionの略)とも呼ばれ、人間の五感を越えた第六感として研究する超心理学もあるが、実証可能な段階にはいたっていない。
よく知られているものにはテレパシー(精神感応)、テレキネシス(念力)、プレコグニシヨン(予知能力)、クレヤボヤンス(透視能力)、テレポーテーション(瞬間移動)などがあるが、そのほかありとあらゆる不可思議な能力が超能力として主張されており、そうした場合心霊的なものとの境は曖昧である。
SFでは超能力は魅力的なテーマ、あるいは小道具として数多く登場し、傑作も多く書かれている。が、なかには論理を重要視せず、ファンタジーにおける魔法と区別がつかないようなあつかいの作品も少なくはないため、そうした作品をSFと認めない考え方もある。
A・C・クラークの言葉に「十分に発達した科学は、魔法と区別がつかない」というものがある。もし超能力が存在するもの【な・ら・ば】、科学の光のもとで検証されるその日まで、言及はさしひかえたいところだ。


超文明

スペースオペラ等によく出てくる、銀河系のあらゆる上位文明をはるかに凌駕し、宇宙に進出したばかりの人類には、理解することも出来ないようなテクノロジーを持つ文明のこと。
多くは謎めいた存在として姿をあらわさず、ふだん銀河系の紛争などには介入したりはしないのだが、なぜか地球人類に興味を持ってくれ、危機を救ってくれるのはお約束。バリエーションとして滅びた他星の遺跡を発掘し、超文明のテクノロジーを得るというパターンもある。


テラフォーミング

この宇宙に、地球のような、人類の生存に適した惑星は稀だ。ほんの少しの軌道のずれ、わずかな密度の違い、大気組成、その他多くの要素が星々への人類の進出を妨げている。
テラフォーミングは、そうした条件を、実現可能な場合できるだけ地球に近づけようとする、惑星改造計画のことである。テラフォーミングがおこなわれれば、星々への道はひらかれるが、それには莫大な資金と長い年月がかかり、実現は容易なことではないだろう。それでも母なる地球だけにとどまらず、未来への扉を開く鍵として、テラフォーミングの実用化を祈りたい。



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