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簡単SF用語集


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海底人

海は人類にとってはまだまだ未知のフロンティアといえる。地球上の7割を占める海に人間が住めたなら・・・というのは人類の古来からの夢でもある。
SFで、遠い昔に陸と決別して独自の進化をとげた海底人や(半魚人のような怪物的なものから超科学を有する文明までいろいろ)、海底に沈んだ伝説のアトランティスの子孫が海底人として登場するのは、そうした夢の反映かもしれない。


化学燃料ロケット

化学反応(燃焼)を推進エネルギーとするロケット。
固体燃料を使用する固体ロケット、液体燃料を使用する液体ロケットが実用化されていてそれぞれに長所があり、スペースシャトルのように両方を組みこんだ例もみうけられる。パワーは高いが、莫大な燃料を必要とするため効率は悪い。
また、固体燃料と液体酸化剤、あるいは固体酸化剤と液体燃料を組み合わせて、両方の長所を一度にもとうとするハイブリッド化学ロケットや、大気圏通過の間だけでも空気から酸素を取り入れようとする空気吸入式ロケットなども研究されているが、まだ実用化までにはいたっていない。


慣性飛行

宇宙空間では、物質の密度が極端に低いので抵抗が少なく、かつまた外力も無視できるほど小さい。このため慣性(物体が外力を受けないかぎり、現在の状態を変えないという性質)が地球上より保たれやすい(地球上では空気抵抗、重力等が存在する)。
つまり宇宙では、いったん十分に加速すれば、その速度・方向はは何らかの力を受けない限り変わらず続く。この性質を利用して、エネルギー節約のためにも宇宙航行の大部分は慣性飛行でおこなわれる。逆に言えば慣性飛行をせず、無尽蔵のエネルギーで加速し続ければ、限りなく光速に近づくこともできる(光速度そのものは不可能)。どちらにしても宇宙を舞台にする場合、無視できない要素のひとつ。


巨石文明(文化)

古代において巨石文明(文化)というのは実に多い。ドルメン、ストーンサークルのようなものは、規模の違いはあれど世界各地に存在するし、堅牢な材料であるため当然建築物も多い。多種多様に存在する巨石文化。なかにはイースター島のように生活や技術に不釣り合いなほどの巨石群が謎として残されている場合もあり、大いにロマンをかきたてている。
SFでこうした巨石文明は、超古代文明の名残であるとする設定は非常に多く、謎を追って古代世界にタイムスリップするというパターンが典型的。おおむね冒険ものになりやすいが・・。


銀河帝国・銀河連盟

広大な銀河系が統一されたとしたら・・として考えられる、政治形態の代表的なもの。前者は、封建的な帝政により星間が統べられるものとし、後者はいわゆる星間連盟(国際連合のような、さまざまな星々の政府の集合体)。
現実的に成立するのは、超光速などの技術があったとしても非常に難しいが、いまなおロマンをかきたてる、スケールの大きい舞台として、ともに書き続けられている。


銀河パトロール

スペースオペラによく登場する、銀河系全体の紛争や事故、犯罪を監視する宇宙警察のようなシステム。ふつう個々の文明(宇宙国家)の法律にしばられず、超法規的な権限をもつ。それだけに倫理面でも高潔な人格がもとめられ、体力的に優れ、あわせて最新の科学理論を理解する頭脳をもつという(^^;; エリート集団が通常のパターン。


クラインの壺

位相幾何学(トポロジー)で出てくる、表と裏のない曲面(不可符号曲面)のうちの閉曲面の例。まず長方形ABCDの外周に矢印で向きをつけておき、ABとDCをそのまま矢印が反対になるように合わせると円柱になる。次に円柱の上下端の円周をそのまま向きが反対になるように合わせればドーナツ状の輪環面(トーラス)ができる。ここで、この向きが一致するようにあわせると普通三次元では円柱はねじれてしまうが、これを四次元空間中に入れて図形の一部分を四次元方向へずらせばねじれない。この閉曲面をクラインの壺という。クラインの壺は二等分すると、それぞれがメビウスの帯となるので、二つのメビウスの帯を境界に沿って貼(は)り合わせてもできるが、数学的には可能でも、現実の私たちは三次元の世界にいるためこの図形を正確に作ることは出来ない。
次元SFで次元の不可思議さを説明する時に、メビウスの帯とならんでしばしば登場することがある。


クローン

同じ遺伝組成をもった細胞または個体の集団。 クローンはもはやSFではなく現実なので、SFとして残っている部分はほとんどない。クローン人間も可能だし・・・。
SFではクローンは記憶注入技術とセットになっている。記憶が同一でなければただの遺伝的双子(時差のある)でしかないので、記憶は重要なポイントとなる。いずれにせよメインテーマではなく、小道具のひとつとなってしまっているのが現状。


原子力ロケット

原子力エネルギーを利用し推力を得るタイプのロケット。原子炉で熱を発生させて液体水素等の推進剤を加熱し、発生したガスを噴射して飛ぶ。パワーとしてはイオンロケットに劣り、万一の放射能汚染なども重大であるため実用化への道は険しいが、燃料の効率は高く、宇宙空間での超長距離、長時間飛行となると出番はおおいにありえる。


光子帆船

光にも圧力はある。ごくわずかとはいえ、無尽蔵にあるこの光をエネルギー源として利用できないだろうか? というアイデアに基づく燃料要らずの宇宙船。これは技術的にも可能で、光を良く反射するきわめて軽い素材で十分な広さの帆を作り、制御できればいい。
ただし、途方もない広さの帆が必要だし、加速度も非常に小さい。時間をかければ速度は増大するが、太陽から遠ざかれば必然的にそこで加速度はなくなるので、緊急の場合には不向き。
しかし光子帆(ライト・セール)をかかげて星の海を駆けめぐる・・・というこの優雅なアイデアは抵抗しがたい魅力を放っていて、実用的ではないにもかかわらず愛されている。クラークの短編「太陽からの風」は光子帆船を扱った名作。


光子ロケット

光そのものを噴射し、亜光速で飛ぼうとするタイプのロケット。
加速式では途方もなくかかる亜光速を、一気に達成できるためSFでは人気が高いが、光子(フォトン)そのものの推進力が非常に小さいため、現実ではまず実用化の見込みは薄い。


ゴンドワナ大陸

大陸移動説でいう原初大陸パンゲアが、1億8000万年前になって分離したときの南半球側の大陸。北半球のローレシア大陸とともに超古代の舞台になる。
やがてゴンドワナはアフリカ‐南米地塊、南極‐オーストラリア地塊、インドの3つに分かれ、さらに現在の形へと姿をかえていくのである。



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