学校や幼稚園などの集団では、ひとたび感染症が発生すると、あっという間に病気が広がってしまうことがあります。
そこで学校保健法では、伝染病に罹患した生徒の登校停止のや学校の休業(学級閉鎖や学校閉鎖)措置について定めています。
伝染病患者が他人に感染させるおそれがある状態の時は、その感染を蔓延させないため、集団(学校や幼稚園)を避ける必要があります。またその治療に専念する必要もあります。
このため、「学校保健法」では伝染病に罹っている生徒の出席を停止させることがあります。出席停止が必要とされる伝染病に罹患した場合、医師の許可がでるまで登校登園は禁止となります。よって出席停止は欠席扱いとはなりません。
また、出席停止は学校保健法施行規則によって、伝染病を3種に分けて規定しています。
分類 | 伝染病の種類 | 出席停止期間 |
第1種 | 「感染症予防法」1類・2類 | その病気が治癒するまで |
第2種 | 飛沫感染する伝染病 | 出席停止期間の基準を規定 |
第3種 | 学校教育活動を通じて流行を広げる可能性がある伝染病 | 医師の判断や条件により異なる |
【戻る】
●第1種(「感染症予防法」1類・2類)
病名 | 登校停止期間 |
コレラ・赤痢・腸チフスなど | 治癒するまで |
●第2種(飛沫感染する伝染病)
病名 | 登校停止期間 |
インフルエンザ | 解熱した後2日を経過するまで |
百日咳 | 特有な咳が消失するまで |
麻疹(はしか) | 解熱した後3日を経過するまで |
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | 耳下腺腫脹が消失するまで |
風疹 | 紅斑性の発疹が消失するまで |
水痘(みずぼうそう) | すべての発疹が皮化するまで |
咽頭結膜熱(プール熱) | 主要症状が消退した後2日を経過するまで(ただし医師が伝染のおそれがないと認めた時はこの限りではない) |
結核 | 医師により伝染のおそれがないと認められるまで |
●第3種(学校教育活動を通じて流行を広げる可能性がある伝染病)
病名 | 登校停止期間 |
腸管出血性大腸菌感染症 | 症状が改善し医師により伝染のおそれがないと認められるまで。(無症状性病原体保有者は登校停止不要) |
流行性角結膜炎 | 眼症状改善し、医師により伝染のおそれがないと認められるまで。 |
急性出血性結膜炎 | 眼症状改善し、医師により伝染のおそれがないと認められるまで。 |
【戻る】
●第3種(学校教育活動を通じて流行を広げる可能性がある伝染病)
病名 | 登校許可のめやす | 留意事項 |
溶連菌感染症 | 適切な抗生剤治療後24時間を経て解熱し、全身状態良好となったとき | 5~10日程度の抗生剤の内服が推奨される。 |
ウイルス肝炎 | 主要症状が消失し、肝機能正常化した時 | B型・C型肝炎の無症状性病原体保有者は登校停止は不要 |
手足口病 ヘルパンギーナ |
解熱し全身状態安定していれば、登校可能(咽頭内でのウイルス増殖期間中飛沫感染するため、発熱や咽頭・口腔内の所見の強い急性期は感染源となる。 | 一般的な予防法の励行 |
伝染性紅斑 (りんご病) |
発疹期には感染力はほぼ消失していると考えられるので、発疹のみで全身状態良好なら、登校可能 | 妊婦への感染注意。急性期の症状変化にも注意 |
マイコプラズマ感染症 | 感染力の強い急性期が終わった後、症状改善し全身状態良好なら登校可 | |
流行性嘔吐下痢症 | 下痢・嘔吐から回復し、全身状態良好なら登校可 |
【戻る】
●第3種(学校教育活動を通じて流行を広げる可能性がある伝染病)
病名 | 留意事項 |
アタマジラミ | シラミの駆除。爪きり。タオル・くし・ブラシの共有を避ける。着衣・シーツ・枕カバー・帽子の洗濯と熱処理。発見したら一斉に駆除することが効果的。 |
水いぼ | 原則としてプールを禁止する必要はないが、二次感染のある場合は禁止とする。多数の発疹のある者はプールでビート板や浮き輪の共有を避ける。 |
とびひ | 病巣の処置と被覆。共同の入浴やプールは避ける。炎症症状の強いものや広範なものでは、病巣の被覆を行い、直接接触を避けるよう指導 |
【戻る】
《これだけは厳禁!》
【戻る】