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第23号 意志未来 will の用法

 Subject: 英語の文法と語法 023
    Date: Fri, 8 Sep 2006 06:50:00 +0900 (JST)
    From: Chick Tack
      To: Readers

=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英 語 の 文 法 と 語 法    No.023    20060908
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             ● 第 23 号 ●

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 Contents  (1)will −1 〜意志未来〜

       (2)above と over 〜「上方」と「真上」〜

       (3)against one's will「心ならずも」

       (4)英語の発音学習のCDブック


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(1)will −1    〔意志未来〕「〜するつもり」「〜する予定」
……………………

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    “I'm going to不定詞”は、話し手が話をしている時点より
     前に、何かをすることを決めている場合に使うが、
    “I will”は、話をしているときに何かをしようと決めた場
     合に使われる。
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  (a) I think this suits you very well, sir.
    -- OK.  I'll take it.  How much is it?
   「お客様、とてもよくお似合いですよ」
   「じゃあ、これをいただこう。おいくらですか」

  話をしている時点で買う気になっている。話しているときに買うことを決め
 ている。this suits you で「これはあなた似合います」という意味。think
 のあとには、接続詞that が省略されている。下記のページに少し説明あり。
             http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/noclo.html


  (b) I don't know how to write a letter in English.
    -- Don't worry.  I'll teach it to you.
   「英語でどうやって手紙を書いたらいいかわからないの」
   「心配ご無用。僕が教えてあげよ」

  話し相手の言葉を聞いて、教える気になった。
  “how to不定詞”について説明が欲しい方は、下記のページへ。
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/infio.html#interrog


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     I think I'll.... と I don't think I'll.... で、自分の
     意志を控えめに伝えることができる。
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  (c) I think I'll leave early tomorrow.
    「私は明日、早く出発しようと思っています」

  (a)の構文と同じ。think と I'll の間に、接続詞that が省略されている。

  I think の部分を〔主節〕と呼んでいる。そして、I'll leave eraly   
 tomorrow の部分は、主節の他動詞think の〔目的語〕となっているので、
 〔従属節〕と呼んでいる。

  〔目的語〕は〔名詞〕〔代名詞〕の役目なので、この従属節は機能の面で
 〔名詞節〕と呼ばれる。that節(この文も that の省略)の他にも、〔目的語〕
 となる名詞節がある。それらの名詞節は下記のページで紹介している。
      http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/object/noclo2.html


  (d) I don't think I'll go with you.
    「私はあなたと一緒に行こうとは思いません」

  (e) I think I won't go with you.
     「私はあなたと一緒には行くまいと決めている」

  〔否定〕の場合、通常主節内の think を否定して、従属節の will go は否
 定しない。(e) のような英文も可能だが、「意思を控えめに」伝えることには
 失敗している。


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     will not は、話し言葉では、won't[wount]が用い
     られることが多い。
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  (f) I won't bother you any more.
    「私は、これ以上あなたに迷惑をかけるつもりはありません」

  will not が willn't となっていないのは、won't が will の古い現在形の
 中の一つ wol と not がくっついたものだから。


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  will は次のような状況のとき、よく使われる。

  ・何かを申し出るとき。

  (g) I will do whatever I can do for you.
    「私はあなたのために、できることは何でもやります」

  ・何かをすると約束するとき。

  (h) I will never play near the pond. (;`ー´)o/ ̄ ̄ ̄~>゜))))彡
    「僕は二度と池の近くでは遊びません」

  ・何かをすることを了解したり、賛成するとき。

  (i) All right.  I'll do so.「わかりました。そうします」

  ・特に will you...? で、人に何かをしてくれと依頼するとき。

  (j) Will you show me your album?
        「私にあなたのアルバムを見せてください」

  ・won't で、何かを拒んだり断るとき。

  (k) We question the suspect, but he won't tell us.
     「私たちは容疑者を尋問している。でも、どうしても口を割らない」

  (l) The door won't open.「そのドアはどうしても開かない」

  人や動物ばかりでなく、無生物が主語でも使える。まるで意志があるかのよ
 うに「開こうとしないのだ」。高校の英文法の教科書を探したら、どこかに出
 ているはず。

  〔擬人法〕の一種(?)と考えていいのではないだろうか。


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  今号で紹介したように will に主語の意志が入っている使い方を、〔意志未
 来〕と呼んでいる。


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(2)above と over
…………………………

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    ・above「上方(真上ではない)」
    ・over は「真上」「覆うようにかぶさって上」
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  (a) (○)She has a cottage above the lake.
    (×)She has a cottage over the lake.
      「彼女は湖畔にコテージを所有している」

  真上ではないので、above。

  (b) A helicopter flew over the city.
    「1機のヘリコプターがその都市の上を飛んだ」
   =A helicopter flew across the city.

  横切って飛ぶようなときには、over が使える。

  (c) She spread a cloth over the table.
    「彼女はテーブルの上に布をかけた」(旺文社『ロイヤル英文法』)
       http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#royal

  over(, under) は接触していてもよい。

  spread は、過去形も過去分詞形も spread。


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    ・above・・・気温、標高など、上下方向の高低について言及
          するとき、「〜をこえて」「〜より上」
    ・over・・・年齢、速度、時間が「〜を過ぎて」「〜をこえて」
          といいたいとき
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  (d) The temperature was above average yesterday.
    「昨日は、気温が平均より高かった」

  (e) The height of that mountain is 1120 meters above sea level.
    「あの山の高さは海抜1120メートルです」

  (f) That woman must be over eighty.
    「あのご婦人は80歳をこえているにちがいない」

  (g) The car can run at over 140 mph. (・_・ΞΞ==−− 
    「その車は、時速140マイル(約224km)以上で走ることができる」

  over は、more than に置き換えることができる。厳密にはその数字は含ま
 ずに、それよりも多い数・量を表す。


  (h) The task is above his ability.
    「その仕事は彼の能力を超えている」
    →「その仕事は彼の手には負えない」(((p(>o<)q)))
   =The task is beyond his ability.

  物事が、人の理解を超えているときにも、above が使われる。


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(3)against one's will
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    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・against one's will「心ならずも」「意に反して」
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  (a) They sought to give me a husband against my will.
    「彼らは私の意志に反して、私に結婚させようとした」
     (“The Age of Chivalry”Thomas Bulfinch)

  (b) I left my favorite golf clubs against my will.
    「私は心ならずもお気に入りのゴルフクラブを置いてきた」

  (a)は one's の部分が、文の主語と異なるので、厳密には against O's    
 will としなければならないか。でも、この使い方も(b)の使い方も、同じ考え
 からきている。

  will には「意志」という〔名詞〕の意味がある。「ある者の意志に反して」
 と直訳しても問題ない場合が多いのではないだろうか。

  現在の英和辞典には載っていないことが多いが、“The American Heritage 
 Dictionary of Idioms”によると、will の元々の意味の1つに「承認」「黙 
 認」というものがあるそうだ。その意味が生きているのがこのイディオムだと
 いう。http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahi

  そうすると「その人の承認に逆らって」「その者の黙認に反して」という意
 味が始まりとなる。


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(4)英語の発音学習のCDブック
……………………………………………

  どこかの英会話学校の宣伝だったか。かなり強烈な日本語英語の発音で、自
 分の意思を伝えている映像が映されていた。発音が違っても臆せず、正しい英
 語を堂々と話せば、カッコいいだろ、という趣旨であろうか。

  以前何かのメルマガで、ネイティヴでない者がいくら頑張っても、ネイティ
 ヴの発音は出ないと書かれていた。

  この2つ、確かにそうであろう。時間をかけて努力して、限りなくネイティ
 ヴの発音に近づいても、いい加減な英文をつくって話していては、見掛け倒し、
 いや、聞掛(きか)け倒し(?)だ。

  しかし、ネイティヴは無理としても、努力して発音がきれいになるのなら、
 やってみる価値はある。

  英語の発音学習を進める上で、役に立つ本を教えていただいたので、紹介し
 ておく。

  1990年初版本なので、残念ながら、現在では店頭等で手に入ることは少ない
 ようだ。確認したときには、楽天ブックスは売り切れだった。Amazon にも新
 品はなくて、ユーズドが数点出品されていた。高騰しているということはなか
 った。

  お求めになるときは、「CD付き」かどうかを、必ず確認するようにしたい。
 安い価格につられると、付属品などがついていないことがある。

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     『LとRの英会話』〜日本人最大の弱点が20分で治る〜
     光文社 マーティン・フォルズ著 初版1990/3 CD付き
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/books02.html#lr
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● あとがき

  「高1ならば読める」と、うたっておきながら、高2以上にならないと習わ
 ない構文や文法を使った例文を載せている。

  少し反省して、今号では難解と思われる英文に、簡単な説明を加えている。
 また、編集者の管理する英語のウェブ・ページに説明のあるものは、そちらへ
 のリンクを張っておいた。

  ただ、細かく説明しだすと、本筋と離れることも実感した。この辺のさじ加
 減は編集人に任せてもらうしかないようだ。

  理解できない英文があったり、おかしいと思う例文があれば、メールをくだ
 さい。説明できることは、可能な限り伝えさせていただく。


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 旧タイトル『中学英単語100』の「100」を取りました。お読みください。
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        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2006
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