本文へスキップ

富田林寺内町の探訪

江戸時代の町並みが残る寺内町(じないまち)をご紹介します

大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。

じないまち随想8 2005年7月17日

 「真珠の小箱」~関西企業復権への思い~

昭和34年(1959年)3月以来、近鉄がスポンサーになって、毎日放送(MBS,大阪市)が制作、毎週土曜日午前中に2千3百回を超えてTBS系列で放映された最長寿番組。奈良・大和路や伊勢・志摩など、近鉄沿線の自然や名所・旧跡を毎回訪ね歩くこの番組を、今でも記憶に留めておられる方が多くいらっしゃるのではないでしょうか? 

休日朝のくつろいだ時間の中、わずか15分間の放映でしたが、落ち着いた雰囲気のBGMと毎回交代する案内者の淡々とした語り口でその余韻を楽しみながら、視聴者の旅情を誘う隠れた人気番組でした。通学で毎日利用した近鉄電車の車内吊り広告では、毎月の放送内容がいつも知らされていたもので、近鉄電車の乗客にとってはいつもながらの日常風景でした。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、「富田林・寺内町」は長年の放送の中で、1989年1月(第1555回放映)と1999年9月(第2085回放映)に2回取り上げられました。先日、ある方のご協力を得て、当時放映されたこのテレビ番組のVHSダビングテープを拝見する機会を得ました。時の流れが止まったような寺内町の雰囲気が、当時の画面を通しても伝わってきました。初回のテレビ放映を収録したビデオは、その後暫く、富田林市の文化施設「すばるホール」の1階ロビーで観ることができました。ところが、何時頃からかそれもなくなってしまい、何とかあの放送ビデオをもう一度見てみたいとの想いが募りましたが、十数年を経てようやく希望が実現しました。

昨秋、近鉄の会社業績不振でプロ野球球団バッファローズが売却・解散され、パリーグ再編の引き金になりましたが、前後して昨年(2004年)3月27日に45年間続いたこの最長寿番組もあえなく中止され、いわば近鉄広告塔の役目を終えた象徴でした。沿線紹介のため、今でも「週刊文春」や「文藝春秋」などの雑誌広告は続いているのでしょうか?

ちょっと固い話になりますが、関西経済・関西企業の地盤沈下進行の裏側で、東京一極集中の情報発信に偏る現実。 関西の民間放送が地元の素晴らしい自然や文化遺産を全国に向けて長期間に亘り情報発信し続けることの難しさを痛感しています。関西で学校卒業後、23年間東京での会社勤めですが、毎日の往復で車内吊り広告もゆっくりみられないほどの混雑の中、関西発信の文化情報番組を全国の小・中学生に毎週見てもらい、日本文化の原点に理解を深めることの重要性を改めて感じている次第です。民間放送が制作する文化番組を、時代の浮き沈みに左右されがちな企業が長年に亘り、安定的に支え続ける。近鉄1社単独がたとえ無理でも、関西民営鉄道協会などがスポンサーになって、いわば国際化時代の文化・社会貢献として、こうした番組の復活を強く望んでいます。 関西復権を目指して関西企業よ、頑張れ。
(2005年7月17日、管理人)
じないまち探訪記
  じないまち随想
 ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人)


Information


富田林寺内町
(城之門筋)
(富田林市提供、禁無断転載)

道順
寺内町へは近鉄長野線 富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分
です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。

散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館で散策地図がもらえます。

立ち寄ってみたいお店

休憩所(トイレ)
じないまち交流館寺内町センターじないまち展望広場にあります。

車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。

尚、団体用の大型観光バスでお越しの場合は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力をお願いします。


じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館)

ナビゲーション