北極亭日乗 |
平成十五年十二月 |
平成十五年十二月三十一日(水曜)曇 雪降らず寒くも無く、暮れにせば極めて穏やなる天気なり。午前中にお供え飾り終へ、午後一時銭湯へ駆け参ず。昨年大晦日は客疎らなりしに、今日は又、何とも大入りにてサウナの順番を待つの盛況。常連の御歴々も御出座し、斯くの如き込み様にてはのんびり湯浴みもできぬとて、世事談議もそこそこサウナもそこそこに帰路に就きたり。我は今暫しと居残りて汗流し、喉の渇き来て麦酒欲するの状態と成るを待ちて上がりぬ。番台に挨拶為し戻り来て、三時なれど麦酒一杯飲み干したる後、日乗の筆を執りたり。 この一年を振り返り見ても、我が身我が家に然したる異変凶事無く、慶事祝い事もなかりせば先ずは良き一年なりしと言ふべきか。日々齷齪忙しなき暮らし様なれば、再思三省怠るのこと多くして慙愧に堪えぬもやんぬる哉。老残の身なれば事総てに潔く、恥膨らむの振る舞いだけ為すまじと心掛けおれど、中々に難し。人、死を迎へるは紛れも無き道理なりて、我が余命を思へば唯生くるを噛み締め暮らしゆくの他無けれど、日々三省、「人として在る」の存念忘ること無きを期したし。 惑星地球号の行方、益々混沌として計り難し。人それぞれ、国それぞれ、皆勝手な言い分にて争いおるも愚か、哀れ。SMAP『世界に一つだけの花』の歌詞を思ふ。此の国の在り様も亦、如何に嘆けど叫べど変化の兆し見へず、何時か来た道への愚行をば繰り返すが如き政府与党の暴走ぶり。年明けての自衛隊イラク派遣、事無きを祈るのみなれど胸塞がるの思い止むこと無し。 筆を進め行けば気重き事ばかりにてあれば、日乗を認めるは此れ迄とす。先ずは家族一同生きて在ることを寿ぎ、年取りの膳を囲まん。 ☆ ☆ 我が身には平穏無事の一年なりしも、世情騒々しく混沌としたる年。以下に今年の主なるニュースをば掲げおく。 ◆2003年北海道二十大ニュース◆ ★ ★ ◆31日=松本弁護団、全員辞任へ。国選11人私選1人、2月の一審判決後に。控訴は必至、人選に焦点。 ◆30日=イラン地震。死者4万人超か、大統領が見通し。すでに2万8000遺体を埋葬。 ⇒リビア、ウラン濃縮用遠心分離器を調査団に公開。 ⇒イラク連続自爆テロの容疑者5人を拘束、連合軍発表。 ⇒イラク債権大幅放棄。小泉首相、米特使に表明。 ⇒イラン地震、自衛隊きょう派遣。C130を2機、テント・毛布など輸送。 ⇒イラン地震救援、日本医療チームが始動。 ⇒BSE牛・日米緊急会合。米、全頭検査に応じず。来月、米へ調査団派遣。 ⇒円、一時106円台後半。 ⇒輸血でHIV感染。日赤検査すり抜け、献血時「高精度」導入で初。 ⇒新井議員を逮捕。自民埼玉8区、衆院選で買収の疑い。 ⇒道内のJR、トラブル続出で帰省の足混乱。 ⇒旭川で650万入りATM盗難。建物、ショベルカーで壊し。 ⇒炭労の歴史に終止符。太平洋炭鉱労組が解散へ、来年5月提案。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十二月二十八日(日曜)曇時々雪 例年なれば二十八、二十九両日は暮れの大掃除の日なれど、今年は日常掃除のみにて済ませ、大掃除は春に持ち越すこと月初めに女房と合意しおれば、久方に楽な暮れとなりたり。ただ日頃の無精にて散らかり放題の我が部屋、机上をば整頓整理せんがため雑巾を持ちたるは已む無き事。其れとて手抜きのちょちょいのちょいの掃除なれば然したる事無く終わりたり。「掃除」に「大」の在る無しにて気持ちの在り様亦、大きく変わるものなり。 今朝も雪掻きせり。昨日は前夜からの雪殊の外積もりて、掻き集め裏へ運ぶに三時間を要したり。歳なれば無理をせずゆるりと為さんと思ひおる上、動作も緩慢になりおれば若い衆の様には行き申さず。ぎっくり腰になりて年寄りの冷や水などと言われるも悔しければ、一日がかりになりてもの気構へにてゆるりゆるりと掻き運ぶ故、時間を要すは致し方無き事なり。今朝の雪掻き、二時間強に及ぶ。 昨日、ようようにして賀状書き終へ投函す。月初めに書き始め中頃には書き終へる、が当初の計画なれど今年も亦例年の如く斯く相成り、尻に火が付かねば動き出さぬ我が性根、女房ならずとも「困ったもんだ」と苦笑のほか無し。 ☆ ☆ イラン地震による死者日毎に増え行く状況にて、一九九〇年六月の地震時死者と同数の三万五千人に達するとの予測も報道されたり。 我が政府早速に医療チームを派遣したるは良けれど、医師一人、看護婦一人、外務省職員ら三人の一チームと聞きては、お粗末の一言。第二陣二十人の派遣を検討中と謂ふも亦々お粗末。負傷者五万人以上と伝へられおる中、医師一人を派遣して事足れりと誰が考へるか。即座に数十人規模の派遣を指示するが常識と考へる我が非常識なのか。罹災者の手当てに一刻の猶予もならぬの状況下、政府・役人の馬鹿どもは何を検討中と謂ふのか。 お粗末を今一つ記し置く。政府はテント、発電機、毛布、簡易水槽などの物資援助も決め、其の総額二千五百万円。阿呆どもめ。建物の七割倒壊、死者・負傷者八万から九万人と言ふ被害に、此の額は一体如何言ふことぞ。イラクには湯水の如く血税を注いでも、地震被害には此れっぽっちしか出せぬと謂ふか。日本国民として世界に顔向けできねえ。恥ずかしくて穴が在ったら入りてえくらいなもんだわ。 ☆ ☆ 二十六日、たふたふ空自先遣隊出立。此の後、空自本隊、陸自先遣隊、海自と、自衛隊派遣が続く。此れでよきか。他に為術無しと言い切れるや。我には斯様な行動が国際貢献とは思われず。自爆・爆弾テロ、ゲリラ戦頻発せる地は紛れも無き戦場。此れでよきか。我未だ納得できず煩悶するを絶えず。 ☆ ☆ 市の財政健全化へ協力せんと、北見市職員労働組合が「賃下げ」を自主提案の報。私企業であれば業績悪化による賃下げは勿論、首切りも当然の事。此の御時世、自治体職員だからと例外視する必要も無し。財政危機にある自治体は先ずもって、高いと指摘されおる職員給与を下げるべきなり。組合も亦、其れに協力するが当たり前。 住民から「仕事の割に高給過ぎる」と批判される自治体職員給与なれば、「賃下げ」して下されと申し出た北見市職労の態度は住民受けも頗る良かろうふし、市も労組も一丸となりて財政健全化に取り組みおることを深く印象付けたに相違無し。札幌市職員も道庁職員も、文句ばかり並べおらずに北見市職労を見習ふが良かろうふ。 ☆ ☆ 最終判断は当然小泉首相が為したるを考ふれば、標榜し来たった「改革」は完全に失速、墜落せり。日本道路公団等民営化の枠組みが二十二日、政府・与党協議会で決定。何の事無し、単なる看板の掛け替え。公団民営化推進委最終報告の「上下一体方式」が採用されなければ改革の意味皆無なり。道路族議員の思ふ壺、今頃議員連中は手を取り合いてほくそ笑みおろう。国土交通省の役人が籠絡されしか、自ら擦り寄りしか。省に全く以って改革の意思無しと謂ふの外無く、石原大臣の政治能力にも疑問を呈さざるを得ず。 同枠組みは「現行の焼き直し」として、田中一昭委員長代理、松田昌士委員の二氏が辞任せるも当然。此れ迄の作業が総て無駄、報告の意味無しでは遣り切れぬだろうふ。今井敬、中村英夫両委員は長期欠席中、二氏の辞任、川上裕子委員も今後の欠席を予告し、推進委に残りしは猪瀬直樹、大宅映子の両委員のみ。当然にして委員会は開けず、政府・与党、国交省は如何に対処すべき心積もりなるや。注視を要す。 ☆ ☆ 二十七日、コンサドーレ札幌は、来季監督にJ1ジュビロ磐田の柳下正明監督(43)が就任する旨発表せり。契約期間は来年二月一日から二年間。今季後半、コンサを率いた張外竜監督は韓国・Kリーグ「仁川(インチョン)」のコーチに就任予定。 「攻守にわたり自らボールを支配し、試合をコントロールできるアクションサッカーを行い、サポーターに感動を与えられるチームを作りたい」との柳下氏の談なれど、現戦力で何処までアクションサッカーを実現できるか疑問。氏の目指すチームづくり、契約期間二年内には到底無理なり。と悲観的見方ばかりでは始まらぬが、理想を口にするは易けれど成すは難し、厳しい資金状況と戦力事情を考へたれば旨い話は差し控えるがよし。其れにても新監督の選手づくり、チームづくり如何なものか、その手腕に期待するところ大なるは皆々変わり無きところなり。 ★ ★ ◆28日=イラン地震。救助隊イラン入り、20か国から400人以上。米は200人派遣予定。 ◆27日=イラン地震。死者2万人超す、建物の7割倒壊。負傷5万人、捜索難航。国連専門家が現地入り。テント輸送や医療支援で自衛隊派遣を検討、首相指示。 ◆26日=空自先遣隊が出発。イラク特措法、初の部隊派遣。 ◆25日=中国・重慶の天然ガス噴出、191人死亡、3万人が緊急避難。 ◆24日=予算政府案決定、赤字国債最高更新。30兆900億円、社会保障費膨張で。 ◆23日=天皇陛下、古希を迎えらる。一般参賀に1万8800人。 ⇒陸自派遣予定地・サマワでODA実施、医療機器提供や学校建設。政府方針。 ⇒イラク復興。露、債権の65%放棄。大統領、統治評議長に表明。 ⇒IAEAが来週にもリビア査察、ウラン濃縮の解明重点。 ⇒エルサレム。パレスチナ組織、エジプト外相を襲撃。 ⇒米・カリフォルニア州でM6.5の地震、2人死亡。(現地時間) ⇒私有財産保護を明記。中国・全人代、憲法改正案を審議。 ⇒道路公団民営化枠組み決定。高速道、全線建設可能に。道内2区間(士別―名寄、足寄―北見)一時凍結。 ⇒道路公団民営化枠組み決定。推進委2氏が抗議の辞任、「現行の焼き直し」。猪瀬氏は評価、意見割れ空中分解。 ⇒情報収集衛星、運用2006年度以降に。予備機打ち上げ前倒しせず。 ⇒「解任、手続き不備で違法」、道路公団藤井前総裁が提訴。 ⇒茨城県警、236の少年事件放置。93―01年計10署、15人を処分。 ⇒豊郷小新校舎、工事費支出差し止め。大津地裁判決、住民側実質勝訴。 ⇒征伐隊。村上容疑者全23事件認める、オウム道場「自分が撃った」。 ⇒昨年度の猥褻教職員懲戒、過去最悪の148人。文科省教職員懲戒処分状況調査。 ⇒9歳男児が放火未遂。現場で補導、別の民家全焼認める。(長野・松本市) ⇒ダイエー・王監督夫人の遺骨、「300万払えば返す」。球団に電話。 ⇒道開発予算。復活折衝、上積みなし。前年度比4.3%減、7822億円確定。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十二月二十一日(日曜)曇時々雪 ☆ ☆ 此の三日間、雪掻きが日課の様になりて、些かくたびれたり。毎夜湯に浸かり、ビールを呑みて「何のこれしき、闘いは此れからぞ」と意気軒昂なれど、目覚めて窓外の雪を見れば気萎へるは確か。然したる量にはあらねど、三日目の今日は応えたり。今から弱音を吐くが如きなれど、暫し何もしたく無しの心境。 ☆ ☆ 十八日、自衛隊イラク派遣実施要項決定せり。語る気力無し。石破防衛長官の会見の一部のみを記し置く。 「隊員の安全確保に可能な限りの対策を講じたうえで、慎重かつ柔軟に、人道復興支援活動を実施し、国際社会の責任ある一員として、イラク復興に寄与できるよう全力を尽くす。活動に際しては、現地の住民とも良好な関係を構築したい。国民には、引き続き、格段の理解、支持をしていただけるようお願いする」 ☆ ☆ 二十日、コンサドーレ札幌ユースU−18のMF・鈴木智樹(18歳、岩見沢緑陵高三年)、同GK・蛯沢匠吾(18歳、北広島西高三年)と契約成立。広島のFW・梅田直哉(25)獲得へ動きあり。 ★ ★ ◆21日=米兵死者200人に、イラク戦闘終結宣言後。 ◆20日=2004年度予算財務省原案。3年連続の緊縮、国債新規発行額は過去最高の36兆円。「道開発」4.3%減の7822億円。 ◆19日=イラク支援派遣命令、空自先遣隊26日にも出発。陸・海は準備命令。 ◆18日=自衛隊派遣。本隊は首相承認後、イラク支援実施要項を決定。 ◆17日=バグダッド。タンク車爆発、10人死亡。警察署近くバス巻き添え、「拘束」に報復か。拘束への抗議デモ暴徒化、死傷者も。 ⇒対イラク債権、独も「一部放棄の用意」。仏に続き表明、米欧修復も。 ⇒イラク復興支援、露の参加を要請。小泉首相、カシヤノフ首相に。 ⇒神崎氏、イラク視察へ出発。米軍と調整、現地入り探る。 ⇒厚生年金、保険料率上限18.35%。与党合意、給付水準50%維持。 ⇒「消費税含め抜本改革、2007年度めど」「定率減税の縮減・廃止、05、06年度検討」を与党税制改正大綱に明記。 ⇒自民税調。税源移譲で所得譲与税を新設、基幹税要望の地方に配慮。 ⇒国交省など、戸倉ダム建設中止を正式決定。 ⇒東海地震、救助応援3万8000人必要。中央防災会議、防災機関へ初の指針。 ⇒東南海・南海地震、防災推進652市町村を初指定。避難・耐震化を計画。 ⇒医薬品販売、コンビニなどで350品目可能。厚労省報告、消化・整腸薬など15群。 ⇒学校運営に住民参加、中教審が中間報告。文科省、2005年度導入目指す。 ⇒トヨタ、フォードに並ぶ。来年の生産台数700万台超に、日本初。 ⇒ベア論外「ベースダウン」に言及、日本経団連春闘指針。 ⇒スカンディア保険撤退へ。変額保険大手日本法人、ミレアなど買収に名乗り。 ⇒住基ネット長野県実験、個人情報「盗難の危険」。インターネットからは侵入できず。 ⇒村松さん殺害、ゲリラ司令官を拘束。 ⇒JRバス飲酒運転に実刑、懲役2年判決「くむべき事情ない」。 ⇒開かずの踏切500か所、半数が都内に集中。国交省が緊急対策要請。 ⇒道の特別交付税(12月分)212億8600万円。台風10号、十勝沖地震で増額。 ⇒「裁判員は裁判官の3倍以上」、座長試案に札幌弁護士会が声明。 ⇒道スポーツ記者倶楽部が選ぶ、MVPに柔道・上野雅恵。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十二月十五日(月曜)曇 朝風も無く暖かければ外歩き楽なり。最高気温5.6度なれど我が体感10度前後。顔見知りとの挨拶、決まりて「いい按配。此のまま降らなきゃ、上々ですがねェ」。少しく考ふればお互い、そうも行くまじき事は重々承知。環境破壊の張本人同士が異常気象を歓迎するが如き挨拶を交わしおるは笑止千万。 昨日、裏庭に埋め置きし大根をば掘り出し「中華風風呂吹き」にして食す。大根未だ瑞々しく旨し。燗酒との相性抜群にして、酌むほどに心地良き陶酔に身を任せ、何をか謂わん暫し至福の時を過ごせり。大根は千変万化の食材にして味わひ深ければ、調味には細心の注意が必要なるを復習せり。 札幌北部は九日、終日断続的に吹雪に見舞われJR学園都市線などで早朝よりダイヤ乱れたり。市中心部、南部にては然したる荒天にても非ず、局地的なる吹雪となりぬ。 ☆ ☆ フセイン元大統領拘束。十三日午後八時半(日本時間十四日午前二時半)、イラク駐留米軍がイラク中部ティクリート南方約十五キロのアッドールにて、逃亡中のサダム・フセイン元大統領を拘束せり。 米国、と謂ふよりはブッシュ大統領が待ちに待った成果であることは確かなれど、此れにて一件落着とは行くまい。「フセイン拘束で『戦争』は終わった」などと暢気な事を申す評論家も居る様なれど、反米武装兵力が鳴りを潜めるとも思われず、自爆・爆弾テロが終息するとも思われじ。寧ろ反米武装勢力の活動が活発化、復興の障害となる懸念大なり。 我が政府・与党は、此れにて復興派遣の自衛隊の危険度が減少したなどと考へぬが肝要。フセイン拘束を機に復興派遣を一気に為さんと急ぐことあらば、末代に禍根を残すは勿論、年明け早々にも苦き思いを噛み締める仕儀に相成るは必定と知るべし。 懸念すべき事、今一つ在り。サダム・フセインなる独裁者を如何に裁くか、の件。イラク国内法を適用するか、国際法廷にて裁くのか、誰が裁判官を務めるのか、何の罪で裁くのか。死刑を宣告したき米国がどう動くかにより、占領統治への撥ね返りも違うだろふ故、気になる事なり。 ☆ ☆ 九日夕、臨時閣議にてイラクへの「自衛隊派遣基本計画」決定せり。我思う。どう繕いても軍隊派遣、そは憲法違反の謗り免れずと。戦争に加担する事が国際貢献なれば、貢献などせぬが善い。戦争に加担せず、貢献せぬと国際社会から非難されるなれば、国際社会の一員などにならずとも善い。我は今、そう考へおる。 ☆ ☆ 盗聴指示容疑にて逮捕拘置中の武井・武富士会長、八日遂に容疑を認め、会長を辞任する旨発表せり。 二日の逮捕当初より頑なに全面否認を続けいた武井会長、遂に司直の厳しき追及に降参せり。と、思いたきところなれど、一筋縄ではいかぬ御仁ゆえ訳在りは当然。貸金業規制法に依れば、役員等が禁固刑以上の罪を犯したる場合、刑確定と同時に貸金業の許可は取り消し。但し刑確定前に罪を問われし役員等が交代、辞任せばお構い無し。此の旨お抱え弁護士より説明を受け「此処は一番、罪を認めるのほか武富士を救う手立ては在りませんぞ」と謂るれば、恥より金を選ぶに躊躇無しか。 会長を辞めたとて大株主、遠隔操作での権力行使は可能にて影響力残存は必至ならん。今回事件の「社内ぐるみ」疑惑に対する真相解明への取り組み姿勢からして、現社長の力の無さは歴然なれば、傀儡社長を通しての武富士支配など容易なることなり。今回盗聴されしジャーナリスト諸氏は、斯く成らぬよう取材・監視を更に徹底、続行せよ。斯様な人間は社会から完全に抹殺するが世の為と我考ふ。 会社PR用パンフに「四坪の事務所に、机と金庫を置き、私を含め五人の社員で、朝七時から深夜まで年中無休で働いた」と書かれおる由。苦労を重ねての立身出世を喧伝するは嫌味なれど敢て止め立てはせぬ。比べようも無かろうが六畳一間から創めた松下幸之助を思ふ。社会の為に奉仕する経営哲学と、金の為に社会から搾取する高利貸し根性。物を作り出す人間と、他人から掠り取る人間。現今、日本に経営者と呼べる者幾人居るか。 ☆ ☆ 集団万引き、常習・多額の万引きなど悪質なる万引きには、本の代金に防犯カメラ設置費等万引き対策費の一部を加算し、保護者らに損害賠償を求める方針を打ち出せし東京都書店商業組合。少年らによる万引きが社会問題化しおる中、至極当然の対処法にて、寧ろ此れ迄の対し方が甘過ぎたが故に万引きを助長せるの感無きにしも非ずなれば、今後は厳しく対すが良し。 二〇〇二年に万引きにて検挙・補導されし少年は全国で四万五百四十一人。此の数が多いか少ないかは各人の捉え方にも拠ろふが、一店当たり年間二百十万円の被害(経産省02年、全国500店調査)と聞かば誰しも多しと思ふに相違無し。 昨今の万引き、自ら読まんが為に非ず、中古本屋チェーン店等へ売りて遊興費を得るが目的。嘗て万引きと謂へば、苦学生の読みたき一心の出来心であったに……。「本は読むものに非ず換金するもの」とあっては、読書離れを云々するどころの話ではあるまい。遊ぶ金欲しさとあらば、微罪を思はする「万引き」などと申すまじ。店員は「ちょっと此方へ」などと謂はず、大声にて「こら!泥棒!」と叫ぶが良し。馬鹿者どもには熱き鉄槌を食らわす以外無ければ、暴言と指弾さるるを覚悟で謂ひたし。現行犯にて捕まりたる今時の罪人に情けは無用、と。 ★ ★ ◆15日=フセイン元大統領を聴取、供述で幹部ら拘束。米軍、テロ関与など追及。 ◆14日=フセイン元大統領を拘束。故郷ティクリート近郊、農家の穴底に潜伏。急襲され「撃つな、私は大統領だ」。(現地時間13日午後8時半ごろ) ◆13日=6か国協議。「年内」見送り確定、1月中旬開催に向け調整へ。 ◆12日=EU首脳会議「安保戦略」を採択、脅威には予防介入。「独自防衛体制の構築」も最終合意。 ◆11日=イラク復興・事業受注国限定方針、EUが見直し求め声明。アナン国連事務総長も批判。ネオコン論客2氏が批判、ブッシュ大統領「危険の対価」で十分妥当性。 ◆10日=三位一体改革。補助金1兆円削減決着、公立保育所施設運営費1700億を一般財源化。たばこ税、地方へ5000億程度。 ◆9日=自衛隊派遣、基本計画決定。月内に空自先遣隊、イラク復興へ人的貢献。米軍の武器運ばず、首相名言。 ⇒露下院選、与党大勝。共産半減、極右伸長。リベラル勢力壊滅、「改革」支持得られず。新議会は「プーチン翼賛」、来年の大統領再選は盤石。 ⇒アル・カーイダ、大挙イラクへ。アフガンから移動とタリバンに通告。米誌ニューズウィーク報道。 ⇒対北朝鮮、安全の保証。米、文書案は示さず。次回6か国協議で方針。 ⇒刑務所改革提言骨子。受刑者の外出・外泊容認、「不服審査会」創設も。 ⇒みずほ、無担保融資を拡充。取引先1万社の社員限定で、金利4%後半―7%。 ⇒東京駅前に新顔、198m「新丸ビル」。三菱地所が建て替え概要発表、丸の内側で一番ノッポ。 ⇒世界ユース、日本8強。坂田V弾、同点弾に続き連発、延長2―1で韓国破る。 ⇒西武からFA宣言の松井稼頭央内野手、ニューヨーク・メッツ入り決定。 ⇒建設費倍増の八ッ場ダム、国の見積もり問題視。埼玉県、独自試算へ調査委。 ⇒埼玉知事、戸倉ダム建設事業からの撤退を正式表明。 ⇒滋賀4区、岩永議員側に300万円。暴力団関連企業が寄付。 ⇒山崎拓・前議員の敗訴確定。女性問題訴訟、控訴取り下げ。 ⇒田中元外相の不起訴「相当」、検察審議会が議決。 ⇒買収事件。近藤浩議員辞職へ、自民党に意向伝える。 ⇒武富士盗聴。武井会長、容疑認める。取締役、会長職を辞任。 ⇒破綻先物会社・アイコム、元副社長らへの仮払い金16億円不明。管財人、背任で告訴状。 ⇒「息しないから電気通した」。4か月女児重体、34歳父親を逮捕。(埼玉・朝霞市) ⇒道警報償費疑惑。物品購入費を水増しか。2001年度から、「上部の指示」複数証言。 ⇒札幌地裁、岩見沢市に7300万賠償命令。院内感染後、措置怠り後遺症。 ⇒月形でも住民投票実施、1月下旬めどに。合併問題で道内2か所目。 ⇒平均貯蓄残高953万円、全国最低。日銀家計調査道内分、7年ぶり1000万円割れ。 ⇒今年の道内水稲作況指数は73、1993年に次ぐ不作に。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年十二月七日(日曜)曇時々雪 昨夕よりちらつき始めたる雪、今朝には十センチ程も積もりおりたり。此処暫くは降ることなかろうとて、雪掻き道具は物置に仕舞い込んだるままにてあれば、今朝の仕事先ずは道具一式引き出すより始む。「昨日のうちに用意し置けば……」と女房言ふも、「此れ程積もるとは思ひもせなんだ故のこと、雪を眼前に今更詮無き事をば言ふでない」と言ひ返したり。油断、と謂ふよりは何やかや理由を付けて冬構へを先延ばしにし来る報ひ。早々に準備整へおれば、今冬初の雪掻き順調に滑り出したるものをと悔やみたり。 雪遅しと謂へども、此のところの天候考ふれば正真正銘の冬本番。四日は道内ほぼ全域で真冬日、道南・函館にても氷点下の雪景色となり、山間部の降雪も本格化。上川・音威子府村四十センチ、空知・幌加内町三十五センチ、上川・美深町で三十四センチを記録。札幌管区気象台は「五日以降も日本海側にては雪の降り易き状態が続く」と発表せり。斯様なる状況に相成れば、大概は雪掻き道具の準備を為すが当たり前。其れを為さなんだ我が雪を前にあたふた、女房に当たるも大人気無く恥ずかしき所業。備へ有れば憂ひ無し、とかや。何事も先へ先へ、余裕を持ちて為し置くが肝要と思ひつも中々に為し得ぬが我ながら情け無し。 今朝の重きベタ雪運びおれば昨冬の足腰の痛みなど思ひ起こされ、厄介なる雪よと腹立ち、然る後雪に腹立ておる己に腹立ち、苦笑せり。此の先、幾度の雪掻きとなるやは知らねど、昨冬為し得たる事、今冬とて為し得るを疑わず。冬場の運動不足解消に最適なれば、と考へて精出すの他無し。男手在るに女房に任せるも不甲斐無き事なれば為さねばならじ、等々大仰に構へいたるは体力横溢せし若き頃の事。歳取れば雪と闘うの必要此れ無く、唯淡々粛々と降りたる雪を掻き運ぶのみ。万一、我病みたれば女房が為すは当然にて、本人も重々承知しおる事なれば心配もせず。 初除雪、なかなかに手間取り約一時間を要す。此れしきにては足腰痛むことも無く、心地よき一仕事の感。など謂ふも痩せ我慢にて、結構応へたり。為さねばならぬ仕事なれば楽しみつつ為すが一番と思ひ、「楽し楽し、雪掻き楽し」と呟きつ己に言い聞かせおれば徐々に其の気になるも面白き事なり。 ☆ ☆ 杞憂のままにてあれば好しと思ひ居たれど、悲しき哉其れもならじ。先月二十九日、イラク中部・ティクリートにて日本人外交官二人が凶弾に倒れたり。小火器にて車両を銃撃されたる模様にて、金品奪われし痕跡無く、福田官房長官「テロの可能性強し」の見解。イラク復興の道筋を付けんと現地にて懸命の努力を為しおりし両人であったろふに、其の無念を推察せば同胞として断腸の思ひ禁じ得ず。 今回の惨事、現地にては日々繰り返されおるテロの一端に過ぎぬやも知れぬが、我が日本に対するものと認識せば包含せる意味殊のほか深く重し。テロの標的、当初は米英軍、間を置かずイタリア、スペイン軍関係へ、遂には国連から同胞イラク人へと見境無き拡大ぶり。テロの為のテロの様相。余所者は総て敵、其の余所者に従ふ同胞も亦敵と見做しおるかや。テロを為しおるは仰何者なるや。旧バース党勢力か、旧フセイン政権の残党か、アル・カーイダか。掲げ得る如何な理想も夢も無く、繰り返す殺戮の果てに残るは怨念と憎悪のみ。何故だ、何故テロを為さねばならぬ。 新国家建設へ渾身の手助けを為さんとせる者に、何故のテロか。「自衛隊派遣への警告」と謂ふ者も多けれど、文官虐殺が何の警告になろふか。寧ろ「派遣」に口実を与ふるだけぞ。三十日夕、小泉首相は自衛隊派遣方針に変更無しを強調、「イラク復興支援、人道支援に対し、自衛隊であれ、文民であれ、政府職員であれ、やるべきことをしっかりやると明言してきた。この基本姿勢に変わりはない」と力説。世間には「二人の死を無駄にするな」「二人の遺志を継ぐのが我々の使命だ」と謂ふ雰囲気が何処からとも無く醸成され来り、人道復興と安全確保の支援活動を「適切かつ迅速に実施する」イラク復興支援特別措置法成立を後押しせるが如き情況なり。世の動き、危惧すべき事日毎に多し。 ☆ ☆ 二日、消費者金融業界トップ「武富士」の武井保雄会長逮捕さる。電気通信事業法違反(通信の秘密の侵害)容疑なり。かねてよりの盗聴疑惑、会長自らが指示したるの確証を掴みての逮捕と思わるるも、武井会長容疑をば全面否認しおる由。 此れ迄の報道からして罪あるは傍目にも明々白々、此処に至りて尚認めざるは見苦しきこと甚だし。高利貸しに「潔さ」を求めるが土台無理な話か。会長が斯くの如き故、社長も社長。「会長は無実だと思ふか」との記者の質問に、清川昭社長「私は現在、そう思っている」。実権無く、飾り物としての社長職なれば致し方なけれど、社内に生起せる事象を把握せずして何の為の社長か。 一九九八年に東証一部上場、二〇〇二年には日本経団連に加盟と、高が金貸し有体に申さば蛇蝎の如き高利貸し稼業に金熨斗を掛けた迄は万々歳なれど、意地汚き高利貸し根性抜け切らず御用と相成りたるも哀れなり。各報道、武井会長のワンマンぶり、異様なる社員管理等々披露せり。元幹部曰く「会長以外は社長だろうが、専務だろうが、みんな平社員だった」。社員曰く「絶対服従を求められた」。注目すべきは「携帯電話履歴調査」。社員個人の携帯電話の交信記録をば、有無を言わせず定期的に調べたと謂ふ。正に「通信の秘密の侵害」其のもの、社内で予行演習でもなかろふが、猜疑心は些か異常の域か。 ☆ ☆ 第83回天皇杯2回戦。七日、室蘭・入江運動公園陸上競技場。コンサドーレ対静岡産大戦は、3−2でコンサ辛勝。 雪混じりの強風吹きつけ、気温2度。サポーターが望むは悪天を撥ね返すが如き熱き試合なれど、其れもならじ。パス、シュートに凡ミスを重ね、ロスタイムに追い付かれる不甲斐無さ。若手・相川のゴールで辛勝せしも、素人相手に此の体たらくでは「お前ら、やる気あるのか!」と怒鳴られて当たり前。恥を知れ。 ★ ★ ◆7日=ロシア、下院選投票始まる。プーチン政権の足固め焦点。 ◆6日=サマワ付近、襲撃受ける。ハンガリー部隊、支援物資輸送中。 ◆5日=ロシア、列車自爆テロで40人死亡。チェチェン武装勢力か。 ◆4日=「サマワ、治安は安定」、自衛隊派遣調査団の調査概要が判明。 ◆3日=小泉首相、イラク行きを希望。イラク南部の部族との会談で表明。 ◆2日=武富士会長を逮捕。盗聴指示の疑い、元課長に会長室で直接。40か所捜索。 ◆1日=イラクのテロ、「アル・カーイダ関与」。国連が報告書、米駐留後に浸透。 ◆30日=米軍と戦闘、46人死亡。イラク・サマッラ、サダム挺身隊か。 |