2006年末のプリンタ 〜エプソンとキャノンのプリンタを比較〜 (2006年10月24日著・12月11日最終更新) エプソンとキャノンから、2006年年末商戦向けのプリンタが発表された。これらの製品をプリンタ、複合機、ダイレクト印刷対応プリンタの3種類を価格帯別に比較していこう。各比較は、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。
今年のラインナップが去年と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
今年のエプソンの特徴や、前モデルと比較してみよう。複合機のラインナップは5機種へと増えている。と言っても基本は4機種で、順当な性能アップが図られている。さらにその上にテレビとの接続が可能なPM-T990がラインナップされているが、これは特殊機種なのでここでは触れないことにする。 印刷に関しては、1.5plのインク滴と5760×1440dpiの解像度というのは去年と変わらない。ただ、染料インクが変更され、「つよインク」が「つよインク200」となった。アルバム保存なら200年、耐光性50年、耐オゾン性25年へと向上し、キャノンの「ChromaLife100」を越える保存性を持つようになった。さらに、印刷の際に3種類のドットサイズを打ち分けるMSDTが進化し、5種類のドットサイズを打ち分けるようになった「Advanced-MSDT」となっている。スムーズな階調表現が行えるようになったほか、印刷速度が若干ながら全体的に速くなっている。 それ以外の特徴として、PM-A970にCD/DVDドライブが搭載された。これによりメモリカードの写真を、パソコンを使わずにCDに書き込みできるようになった。またPM-A920が前面給紙カセットに対応し、これで前面給紙が上位2機種まで広がった。また、PM-A920はオプションで自動両面印刷に対応した。PM-A750の後継機種のPM-A820は、上位機種と似たようなデザインに変更されたが、スキャナ解像度が下げられている。従来はCIS方式ながら2400dpiとなっておりネガフィルムのスキャンが行えたが、今回は1200dpiになっている。結局CIS方式でのネガスキャンは無理があったと言うことだろう。液晶サイズが全体に大型化しているのも特徴だ。その関係で最下位のPX-A720まで小型ながら液晶ディスプレイが搭載されている。細かい点では、PM-A970とPM-A920で動画からの写真印刷が行えるようになった点が挙げられる。最近のデジカメは動画が撮れるが、いざ動画で取ってしまうとパソコンで見るには動きがあって良いが、印刷するのが面倒であった。今回の機能はこの点便利である。もう一つ、手書き合成シートの手書き部分の背景に印刷される写真がカラーになりより分かりやすくなったのも、細かな改良点だ。 ダイレクト印刷対応機は今回は上位機種の1機種のみになっている。前モデルPM-D800と比べると、複合機と同じ進化をしている。つまり、Advanced-MSDT対応による画質と印刷速度の向上がと液晶ディスプレイの大型化である。印刷機能はPM-A820とほぼ同等である。 単機能プリンタは売れ筋のPM-G730がPM-G850になっている。PM-G730よりインクサイズ、印刷速度等が向上し、PM-A820レベルになっている。また、今回初めてエプソンの単機能プリンタがPictBridgeに対応している。 A3ノビ対応機は、顔料インクの上位機種PX-G5100は継続販売となり、その下に染料インクのPM-G4500が追加された。コンパクトプリンタとしてE-700、E-500、E300がラインナップされているが、E-700はPM-A970と同じCD/DVDドライブ搭載でとなっている。
今年のラインナップが去年と比べてどのようになっているか、まずは見てみよう。
今年のキャノンのプリンタは複合機の機種数は5機種のままだ。ただ、最下位の機種が無くなり、その代わり上から4番目の位置に機種が追加されている。品番を見る上で注意が必要なのは、去年のPIXUS MP950/800/450はそれぞれPIXUS MP960/810/460という風に品番に10を足しているが、PIXUS MP510はPIXUS MP500の後継機種ではなく、先ほど説明した上から4番目の機種である。ではPIXUS MP500の後継機種はというと、PIXUS MP600となっている。 印刷の関しては最小1plで9600×2400dpiとなっており、去年と変わらない。一方のスキャナは大きく進化しており、PIXUS MP960とMP810が4800dpiに、MP600のCISタイプも2400dpiへと高解像度化されている。去年はエプソンに比べて劣っていたスキャナ解像度が、逆に今年は追い抜いた印象である。 エプソンのオートフォトファイン!EXに近い「顔明るく補正」という機能が搭載された。ただしダイレクト印刷時にしか使えない。印刷速度も高速化されている。手書き合成機能が去年は上位1機種のみだったのが、今年は3機種まで広がっている。また上位2機種はCDレーベルへの手書き印刷も対応しておりパソコンを使わずにCD/DVDレーベルがデザイン出来るようになった。 操作面では、上位3機種に「イージースクロールホイール」というホイールをくるくる回して操作する新しい操作法が取り入れられている。また、スキャナのフタ側に液晶ディスプレイと操作パネルが配置されているので、原稿等で隠されてしまう心配がない反面、蓋を開けて手で原稿を押さえてスキャンする場合に操作しにくいという問題がある。 PIXUS MP510は、染料ブラックを除いた4色構成で2plのインク滴と4800×1200dpiの解像度という点では下位機種と同じだが、普通紙のみだが前面給紙が行える点と各色独立したインクタンクにないる点が上位機種に近い。 ダイレクト印刷対応機は小さな変化に留まっており、去年のPIXUS iP6600Dと比べてインク構成や印刷解像度、インク滴、印刷速度、液晶サイズなども同じでデザインにも変化がない。顔明るく補正などに対応しただけである。 単機能プリンタはPIXUS iP4200がiP4300に進化しており、PIXUS iP2200とほぼ同じ性能でiP1700になっている。そしてその間にPIXUS iP3300が新たに挟まれた。PIXUS iP3300は、PIXUS MP510と同じで、染料ブラックを除いた4色構成で2plのインク滴と4800×1200dpiの解像度という点はPIXUS iP2200に、普通紙のみながら前面給紙に対応しておりインクタンクが各色独立している点はPIXUS iP4300に近い。印刷スピードも丁度中間だ。 A3ノビ対応機は4色インクのPIXUS iX5000に加えて、上位に半切用紙まで対応した機種が2機種ある。8色インク対応のPIXUS Pro9000と10色インク対応のPIXUS Pro9500がある。但しPIXUS Pro9500は2007年以降の発売となる。コンパクトプリンタとしては、PIXUS mini260とPIXUS mini220の2機種がラインナップされている。
各機種を詳しく見てみよう。価格帯別の比較、独立したページとして用意してあるので、下記のリンクから飛んで頂きたい。
(H.Intel) 今回の関連メーカー エプソンホームページ http://www.epson.jp/ キャノンホームページ http://canon.jp/
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