3年ぶりに四国を歩いて、以前と変わらない景色もあれば、変わってしまった景色もあります。
歩きの遍路さんを見ていると、3年前こんなに野宿する人がいたかなー、という印象があります。
勿論この前も野宿の荷物を背負った人は見かけまいしたがせいぜい10人に一人か二人程度だった気がします。
それが今回は3〜4人に一人は野宿派と見受けました。
野宿といっても全く宿に泊まらないわけではなく、天気の悪いときとかは宿に泊まるという人は結構います。
野宿の方が泊まるところが制限されないだけに歩きやすい点があるのでしょうし、なんといっても安くつきます。
でも私にはとても出来ません。
虫に刺されやすい体質だし、それ以上に今のご時世不安感が大きいですね。
老人に関する施設があちこちで目に着きました。
特養ホームとかデイケアサービス施設など。
これは全国的なことで別に四国に限ったことでもないでしょう。
それにしても四国はお年寄りが多い気がします。
田舎を歩くことが多いせいでしょうか。
田んぼ道を歩いていたら突然「これから生徒が帰宅いたします。地域の皆さんの見守りをお願いします」というスピーカーから大音量で発せられた声が山々にこだましました。
ここでもやっぱり。
前回はこんなことは勿論ありませんでした。
朝歩いていると校門で先生が立っていて、こちらに「ご苦労様です」と声を掛けてくれます。
「先生も大変ですね」と返しました。
日本も情けない国になりました。
ずっとずっと山の中まで畑や田んぼが続きます。
こんなところにと思うようなところに田んぼがあったりします。
以前と変わらない景色です。
でも、荒廃した田畑や森林の姿もまた以前と変わりありません。
稲や野菜が植えられていない田や畑。
間伐がされていないと思われるあれ放題の森林。
傾斜地にある田や畑を見ると、こんな山奥まで良くぞ開墾したものだと先人の努力に頭が下がります。
しかしいま日本はその努力をどぶに捨てています。
観光資源としての千枚田などが保存されたりしていますが、あれはあくまでも見せ物です。
この国の土地が国土がどんどん荒廃していくのが透けて見えるようです。
教育基本法で「国と郷土を愛せよ」というけれど愛せるような郷土作りに国は手をさしのべていますか。
先人の血と汗の滲む努力を捨ててしまうような国を本当に愛せるのでしょうか。
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