36番青龍寺から須崎までのルートはお遍路地図では三つのコースが示されています。
そのうち一番海よりのコースが横浪ロードです。
青龍寺を打ったあと奥の院に行きその日は国民宿舎土佐に泊まりました。
国民宿舎というから宿代は高いのかと思いきや二食付きで6800円。
これなら普通の民宿と変わらないお値段。
ここに着いていささか驚いたのは、建物がギリシャ風の色使いだったこと。
白、白、白。
そして所々に鮮やかなブルーを配してあります。
ギリシャのニコス島と言いましたかね。
あれをコピーしたんでしょう。
そして露天風呂からの眺めは最高でした。
建物が高いところにありますから海の眺めが抜群。
疲れが吹っ飛びます。
(あまり褒めると宿の回し者かと思われそう)
翌朝の朝日がすばらしかったのでこの時間帯に露天風呂に入れたら最高だったでしょうね。
さて翌朝、横浪ロードを歩きました。
ここの道は平坦なところはありません。
常に上りか下りかのどちらかでした。
ただ自動車道ですからそれ程きつい上り下りはありませんが常に10〜20m位のアップダウンの連続です。
この道の良さはいくつか挙げられます。
その一つはアップダウンがあることで歩いていて変化があることでしょう。
長い平坦な道は案外に退屈なものです。
二つ目は景色の良さ。
だいたい標高100m位のところを歩くのですが海岸線ですから眺望はかなりいいです。
時々立ち止まって景色を眺めたり、写真を撮ったり、スケッチしたりして景色を眺めながら歩きました。
三つ目は車の交通量がさほど多くないことです。
道は片側一車線が確保されており車の数も多くないのでかなり安心して歩けます。
逆に車の数が少ないと少し不安な気持ちも起きますがここは適度に車が走ってくれます。
というわけで平坦な道を歩くよりは多少疲れますが、気持ちの良い歩きが出来る道でした。
直線のやや上りの道にさしかかった時、あの道が自分を待っているなあーと思ったらなぜか涙がこぼれそうになりました。
本当に幸せな気分でした。
もしかしたら、このまま死んでもいいような・・・・・・。
須崎に着いて別格5番大善寺を打った後、全く意外な人との出会いが待ち受けておりました。
もう会えないだろうなと思っていたお遍路さんとの。
その日の宿は須崎にある一福旅館。
新築間もないこの宿は檜の香りいっぱいの大変に安らげるところでした。
それにここのご夫婦がすてきな方で、本当にアットホームな気持ちにさせてもらえました。
今回の遍路旅はここで一区切りとなりましたが、「まっこと」(これ土佐の人がよく使う言葉ですよね)すばらしい濃密な一日でした。
(2006.5)
|