ホームズ闘病記 本文へジャンプ
 

ホームズの腫瘍、耳垢腺腫瘍と現在飲んでいるアガリクス、サメ軟骨について気になっていたので、すこし調べてみました。ここに書いてある事は、私の考え、ホームズの状態を見て感じた事などが入っていますので色々なご意見があろうかと思います。また、先生からのお話も私なりの解釈で書いております。一つの事例としてお読みください。

耳垢腺腫瘍について
本来この病気はたれ耳の犬に多い病気だそうです。耳垢腺腫瘍について書かれたもの少なく色々と調べた結果分かったのが次のような事です 。

耳の中に塊をつくって,あるいはじわじわと浸透して行くように増える腫瘍です。単なる外耳炎かと思っていると腫瘍だったと言うこともあるので、特に中年以降は注意して下さい。
良性の腺腫と悪性の腺癌があります。どちらも完治のためには早期発見が決め手です。
また癌とまちがえやすいものにポリープというものがあります。これは慢性炎症によって作られるものですが、キノコのように生えてくるので、癌と見た目では区別できないこともあり、切ってから病理検査で診断します。(日本獣医臨床学フォーラム )

耳垢腺腫瘍は症例が少ない為、何が有効かまだはっきりとは分かっていないようです。唯一放射線治療は効果がある事が分かっているそうですが一か月に10日から2週間もの通院、その度の麻酔などこれは猫にかなりの負担になります。また、機器自体もかなりの高額になる為設置している病院も少なく、通院の労力、金銭的な負担はかなりのものがあります。

免疫療法について
ホームズは去年の11月、悪性腫瘍と分かった時点でアガリクスの服用を始めました。転移性のかなり高い腫瘍が転移しなかったのは、手術で腫瘍が全摘出出来た事が一番ですが、アガリクスの効用もあったようです。正直最初は全く期待していませんでした。先生からもかなりの個体差があると聞いていました。
そして今年3月、手術をしていない方の耳が出血をはじめた時からサメ軟骨も併用する事になったのです。サメ軟骨については初めて聞く物で、先生から血管を細くするとのお話を伺ってもよく分かりませんでした。ネットで色々と探した所WAN’S TAILさんと言うHPを見つけました。こちらは犬について色々と詳しく載せてらっしゃるHPですが、その中にあったアガリクス、サメ軟骨の効用についてに興味を引かれ転載をお願いした所、快く受けていただく事ができました。以下はWAN’S TAILさんからの転載が主なものです。

免疫療法について
抗腫瘍療法のうち、外科療法、放射線療法、化学療法は、直接的にアプローチする方法です。これに対して、間接的に腫瘍の増殖抑制や縮小を起こさせようとする方法が研究されるようになり、「免疫療法」と呼ばれています。免疫療法は、1960年代にBCGをはじめとす細菌製剤、植物多糖類および低分子化合物が開発され、その後、サイトカインなどの生体内微量物質などが発見され、1980年代に臨床応用が行われるようになり、非特異的免疫賦活剤による治療も含め、BRM療法と呼ばれました。
現在はさらに進んで、細胞治療、抗体療法、免疫遺伝子療法などが開発されて、呼称も、バイオセラピーと呼ばれるようになりました。癌バイオセラピーは、免疫活性物質を投与するあるいは何らかの行為により、原則的には生体のもつ自然抵抗性を介して抗腫瘍効果を発現させる治療法をいいます。(WAN'S TAIL ふじたさん)


免疫療法については最近かなりその効用が言われております。先生ももし効果が無くても体には良い物だからと仰っていました。ホームズのように転移性の高いガンの場合外科療法で手術を繰り返すのは、余りにもリスクが大きいと考え生命力に期待し免疫療法の道を選びました。たとえ完治しなくてもQOL(クオリティーオブライフ)を考えるとこの選択が最適と思っています。QOLについてはご存知の方も多いかと思います。院長先生にも悪性腫瘍と分かった時点で言われました。これは10年ほど前から言われだした事ですが、いかに長く生きるかよりも、いかに充実した命をまっとうするかと言う事と私は理解しています。人間でもペットでも充実した人生が長く生きる事よりも重要と考えます。

アガリクス、サメ軟骨
この二つについてはご存知の方も多い事と思います。特にアガリクスに関しては最近でもかなりの書籍が出ています。そこでこの二つについて少し調べてみました 。

アガリクス茸の効用について
アガリクス茸には、免疫を強化する作用を有すると言われています。
この有効性は、多くの科学者によって研究され報告されていますが、実際の腫瘍症例を用いて抗腫瘍効果を検討した科学論文は医学領域と獣医学領域を通じてもほとんどないそうです。

アガリクスHCC
アガリクスHCC(Agaricus Hexoses of Carbohydrate Complex)は、アガリクス茸の菌糸体を液体培養し、これを濃縮、乾燥したものを加圧熱水抽出後、限界濾過(低分子成分を除去)によって得られた高分子成分を含有する液体を乾燥し、これに乳糖を加えて10倍散とした粉末の錠剤です。アガリクス菌糸体抽出物の10倍散を95%含有します。その成分にベータ-D-グルガン、アルファ-グルカンなどの水可溶性、蛋白グルガンなどの水不溶性の多糖類を含み、これらは、細胞性免疫に効果を発現すると言われています。
ガン細胞に侵されている体内に入ると、免疫担当細胞のマクロファージ、補体や細網内皮系機能を活性させ、インターフェロンやインターロイキンなどのサイトカインの誘発を促進するBRMとして作用し、ガンの進行度を遅らせたり、転移を防ぐ役目をし、延命効果を発揮するのだそうです。
さらに、ガン細胞増殖を抑える成分であるステロイド類も含まれています。
そのほか、血糖下降、血圧下降、脂質低下作用などが報告されています。小動物臨床NO.108「犬と猫の難治性疾患に対するアガリクス(アガリクスHCC)の臨床効果」によると、アガリクスHCCを48mg/kg、及び、消化管におけるアガリクス有効成分の吸収性を増強する目的で、アガリクス茸子実体粉末を18mg/kgを一日1回または2回に分けて、継続投与した結果、上記の効果以外に、コレステロール値の低下、肝酵素の低下、A/G比の上昇など血液生化学検査所見上の有効性も見られ、改善効果による食欲改善、体重増加、寝付けるようになるなどのQOLの改善効果も見られています。同じ資料によると、犬63例中5例(7.9%)に下痢、嘔吐、食欲不振が軽度に認められたけれど、いずれも一過性のもので、とくに加療することなく速やかな回復がみられたそうです。(WAN'S TAIL ふじたさん)


アガリクスよりも効果の高いAHCCについては他の方からも何度かお聞きした事があります。病院でもAHCCについて伺ってみましたが、先生はまだご存知ありませんでした。ただ、ホームズの場合に関して言えばアガリクスがそれなりの効果を出しているような気がします。本文に出てくるグルガンについてですが、ベーターD-グルガンはアガリクスに含まれている事で有名で、マウス実験によって抗癌作用があるとのデータ―もあるようです。別名グリコプロテインとも呼ばれているそうです。

サメ軟骨について
サメ軟骨には、血管新生を抑制する物質が含まれ、腫瘍の成長に必要な腫瘍血管の新生を阻害する機能性食品として注目されています。
現在、サメ軟骨の抽出物であるNeovastatは、血管新生阻害剤としてヒト医学において臨床試験が進められています。サメ軟骨の有効成分は、ムコ多糖類で、腫瘍細胞が正常細胞から栄養をとるため、さらに微小転移腫瘍が遠隔部で生着するために余分な新しい血管を体内に作る作用を防げる働きがあります。
その効果によって、腫瘍のほかに、リューマチや関節炎による腫れや痛みといった進行を止めることが報告されています。
その他に血管内皮細胞増殖阻害作用、metallo-proteinase阻害作用、免疫増強作用、強力な鎮痛作用も認められているそうです。
サメ軟骨が抗腫瘍療法として注目を集めているのは、腫瘍とくに固形癌においては、腫瘍血管数が予後と関連すると言われているからです。ムコ多糖類中のコンドロイチン硫酸に含まれるスロンボスポンディンという蛋白質が関与しているといわれ、スロンボスポンディンという蛋白質の阻害効果は、サメ軟骨粉末を非加熱処理することでみられるそうです。
小動物臨床NO.107「協和アガリクス茸粉末とサメ軟骨粉末混合製剤の担癌犬と担癌猫への臨床応用」においては、さまざまな大きさの粒子のものが市販されているが、1500メッシュという非常に細かい粉末を用いるほうが新生血管の造成抑制効果をよりよく反応し、白血球や血小板を増やす作用を有していると書かれています。(WAN'S TAIL ふじたさん)


私が調べた物にもサメの骨の70%は血管のない軟骨で形成されており、軟骨には血管の生成を抑制する成分が含まれているとありました。
その為ガンの新生血管の生成を抑え、増殖・転移を防ぐそうです。
これが先生が仰っていた血管を細くする事だと理解できました。ムコ多糖類もなんだろう?と思い検索したところ、動物組織内で遊離またはタンパク複合体の形で存在する多糖類の総称だそうです。これは専門用語が多く難解ですが、何となくの感じで理解しました。

アガリクスとサメ軟骨の併用について
最後に、今ホームズが飲んでいるアガリクスとサメ軟骨の併用についてです。 サメ軟骨とアガリクス茸を併用した場合、それぞれの単独作用に比べて、免疫能や抗腫瘍効果は相乗的な働きをすると考えられています。

小動物臨床NO.113「犬と猫の腫瘍症例における「アガリクス茸」および「アガリクス茸粉末+サメ軟骨」の臨床学的効果」によると、協和工業のアガリクス茸とサメ軟骨を犬・猫それぞれに0.1g/kgあるいは0.05g/kg+0.05g/kgを一日1回ないし複数回に分けて経口投与した結果、アガリクスのみの場合よりも、併用して与えたほうが、生存曲線が優れている傾向が認められたとしています。
QOLについても、投与後1ヶ月間は維持していることを示し、全身状態の良好さ、毛並みの改善、腫瘍に伴う兆候の軽減などが飼い主のコメントとして得られていますが、飼い主の効果への期待という先入観もあると考えられるので、プラセボを対照群においたさらなる評価が必要としています。
サメ軟骨に含まれる鎮痛効果が大きく影響していることも考えられています。 これらの食品による血液学上の変化は特に認められず、飼い主が好ましくないと思われる変化もほとんど認められなかった。そして、猫に対するアガリクス茸以外は、嫌がらずに容易に食べてくれることなどから、食品としての大きな問題はないと思われるとしています。小動物臨床NO.109「協和アガリクス茸粉末単独または協和アガリクス茸粉末+サメ軟骨粉末混合粉末経口投与時の犬の免疫系に及ぼす効果について」によると、協和アガリクス茸粉末+サメ軟骨粉末混合は、放射線照射による傷害をうけた免疫系をより早く回復させる効果があることが示唆されています。(WAN'S TAILふじたさん)


アガリクスとサメ軟骨の併用を始めて2ヶ月がたちますがホームズの状態はかなり良好です。現在0.5グラムの粉薬を1日1回飲んでいますが、飲用前に比べると動作の活発さが目立っています。食欲も安定しており、したがって体重も減る事はありません。ホームズの場合アガリクスも嫌がらずに飲んでくれました。これは錠剤になっていた事で飲みやすかった事もあると思います。
今回、このページを書くにあたって色々なところのHPを参考文献として拝読致しました。以下が今回参考にさせて頂いたものです。

これだけの内容を転載させてくださる事を承諾して下さったWAN’S TAILさんには本当に感謝しております。ありがとうございました。

WAN’ TAILふじたさん
*** 参考資料 ***

・小動物臨床NO.107「協和アガリクス茸粉末(Kyowa Agaricus Blazei Murill powder)とサメ軟骨粉末(Shark Cartilage powder)混合製剤の担癌犬および担癌猫への臨床応用」
藤田道郎、織間博光、野枝かおる、馬場美岐、井谷恭子、栗田憲枝、長谷川大輔、谷口明子(以上、日本獣医学畜産大学獣医放射線学教室)、島田健次郎(協和発酵工業株式会社)

・小動物臨床NO.108「犬と猫の難治性疾患に対するアガリクスHexoses of Carbohydrate Complex(アガリクスHCC)の臨床効果」
多川政弘(日本獣医畜産大学獣医外科学教室)、山村穂積(北川動物病院)、井上寛(国分寺台動物病院)、佐藤清二(サトウ動物病院)、湯本哲夫(湯本ペットクリニック)、高野雅人(高野動物病院)、東郷正治(東郷動物病院)、大野秀樹(大野犬猫病院)、村井妙(キンダーケア動物病院)、藤田桂一(フジタ動物病院)、安田英巳(安田獣医科医院)、中島邦泰(中島動物病院)、小林孝之(アニマルクリニックこばやし)、長谷川正昭(海浜動物医療センター)、大塚克彦(弥生台動物病院)

・小動物臨床NO.109「協和アガリクス茸粉末(Agaricus Blazei Murill powder)単独または協和アガリクス茸粉末(Kyowa Agaricus Blazei Murill powder)+サメ軟骨粉末(Shark Cartilage powder)混合粉末経口投与時の犬の免疫系に及ぼす効果について」
藤田道郎、織間博光、井谷恭子、栗田憲枝、金子真未、高村みさと、長谷川大輔、谷口明子(以上、日本獣医学畜産大学獣医放射線学教室)、島田健次郎(協和発酵工業株式会社)

・小動物臨床NO.113「犬と猫の腫瘍症例における「アガリクス茸」および「アガリクス茸粉末+サメ軟骨」の臨床学的効果」
廉澤剛、奥村正裕、藤永徹(以上、北海道大学大学院獣医学研究科診断治療学講座獣医外科学教室)、島田健次郎(協和発酵工業株式会社)


Happy Life 管理人猫まま
参考資料
日本臨床獣医学フォーラム
 猫の病気
黄麦堂
 アガリクスについて
 サメ軟骨について
SKK情報研究所
 サメ軟骨について