"Malleus Monstrorum"
神格データ 追加・変更一覧

"Malleus Monstrorum"における「クトゥルフ神話の神格」のデータについて、“クトゥルフ神話TRPG”のものと比較対照して追加・変更されている部分を書き出した一覧です。文章は原文の訳出ではありません。また、インデックス以外のページへのリンクは基本的に一方通行です。このページに戻る時はブラウザーの機能を使ってください。

[ ア / / / / / / / / / ]

アイホート

セヴァーン渓谷の迷路は、ミスカトニック渓谷に存在する別の迷路と、そしておそらく夢幻境ともつながっている。

教団:子ども達は特にアイホートの力を受けやすいらしく、よく小規模な教団が結成されている。

アイホートの雛:時々、大量の雛が寄り集まって人体の組織に擬態し、人間であるかのように装う事がある。

アザトース

いくつかの資料では、ウボ=サスラはアザトースの「双子」であるとされている。

教団:イギリスのゴーツウッドには、アザトースを崇拝する小さな魔女教団がある。また、シャッガイからの昆虫もアザトースを崇拝している。
夢幻境にあるペガーナの地では、アザトースはマアナ=ユウド=スウシャイ "MANA-YOOD-SUSHAI"という名前で崇拝されている。この事は覚醒の世界ではほとんど知られていない。

マウス・オブ・マッドネス(狂気の戸口):アザトースの宮廷の別名。

マアナ=ユウド=スウシャイ:伝説において、神々と世界を創造した後に永劫の眠りにつき、目覚めた時には全てを破壊し新たにやり直すとされる存在、マアナ=ユウド=スウシャイこそはアザトースである。彼を眠らせておくために太鼓を叩き続けているとされる神スカアルは、特に巨大な異形の神々の従者である。アザトースの退去の呪文は、全てを沸騰する混沌へと帰し新たなビッグバンを引き起こそうとするマアナ=ユウド=スウシャイを、再び眠りにつかせる事ができるかもしれない。

化身:

ザエダ=グラー/ザーダ=ホーグラ "XADA-HGLA"

アトラック=ナチャ

棲み処の洞窟の何本かは夢幻境とつながっている。

アブホース

項の表記は「アブホース、グレート・オールド・ワン」。しかしタイプ別神格表では「外なる神」に分類されている。
棲み処の洞窟の一部は夢幻境とつながっている。

イグ

姿の明確な描写。蛇あるいは人間の頭部を持つたくましい男の姿で、下半身は人間の二本の脚か、または蛇の尾部である。また時には、群れ集う無数の蛇という姿で現れる事もある。

教団:砂にすむもの及びクン=ヤンの住民もイグを崇拝している。人間の教団としては、「ククルカンの教団」"Cult of Kukulcan"、中央及び南アメリカにおける「蛇の同盟」"La Culebra la Union, Union of the Sneak"、アメリカ東南部に存在する蛇を扱う結社がある。

攻撃及び特殊な効果:イグの噛みつきによる毒の効果の描写。犠牲者の身体はすぐに黒く変色して膨れ上がり、血液等の体液が噛まれた傷口やその他の開口部から流れ出てくる。そして犠牲者は水気の多い生肉を入れた紙袋のように裂けて破裂する。
犠牲者をつかんだ後の攻撃手段として、生きたまま丸呑みする事もある。イグは自身のSIZの2倍までの大きさの犠牲者を呑み込む事ができる。

イグの呪い:犠牲者に狂気を与え奇形の子を授からせる。イグの落とし仔のほとんどは、この呪いによって生まれる。イグのPOWと自身のPOWとの抵抗表によるロールで打ち負かされた犠牲者は1D100ポイントの正気度を喪失する。抵抗できた場合は1D10ポイントだけですむ。

イグの竜戦士 "DRAGON WARRIORS OF YIG":イグによって創造された、11体の伝説的な従者達。実在するならば、おそらく夢幻境に棲んでいると推測されている。

イグの聖なる蛇:説明の項が独立。同種の個体より大きくて頭部に白い三角形の印を持ち、イグの支配下にあるという事を除けば、呪文のような超自然的な能力は持っていない。

武器:「手でつかむ」が「手/尾でつかむ」に変更。噛みつきによる即死の条件が「貫通した場合」とされている。「呑み込む」の攻撃が追加され、つかんだ場合に自動的に成功し、ラウンド毎に窒息による1D6ポイントと胃酸による1D10ポイントのダメージ。

正気度喪失:群れ集う無数の蛇という姿のイグを見た場合は、0/1D2ポイントの正気度を喪失する。

イゴーロナク

教団:堕落し道徳的に腐敗した人間を特に好んで司祭に誘う。「貪りし手の息子達/喰らう手の息子たち」"Sons of the Hands that Feed"という名前の教団が存在する。

イタクァ

姿や化身についての具体的な描写。典型的なものは、水かきのある足と燃え上がる目を持つ巨大な骸骨のような人間型の姿である。細部は歪んで恐ろしいものになっていて、顔は引き伸ばされて苦痛に満ちた人間のそれのパロディのように見える。あたかも怨霊のように現れ、髪や身体の一部は強風の中にいるかのように大きくうねっている。
また、牡鹿か雄のオオジカの巨大な枝角を生やし、爪の伸びた手と蹄と邪悪な牙と燃え輝く目を持った、毛むくじゃらの人間型の姿もある。口からは蒸気と霧でできた雲の息を吐き、その周囲には雪が奇妙なパターンを描いて舞っている。この姿はいくつかの神話における角を持つ神や野生を司る神の元になったと思われる。
イタクァの出現の一形態として、凍てついた寂しい夜に聞こえてくる雷鳴のような足音がある。後には雪の上に足跡が残され、その歩幅は半マイルにも達する。足跡を追うと、それが突然消えているのが見つかる。イタクァがそこで飛び去ったという事である。
イタクァに連れ去られた犠牲者については、荒野に生えた木々の梢に腐敗死体となって突き刺さっているのが発見される事もある。

教団:「風に乗りて歩むものの秘密結社」"Secret Order of the Windwalker"という教団がカナダのトロントに存在している。

攻撃及び特殊な効果:吹きすさぶ強風と吹雪からなる猛烈な嵐を発生させるという特性が追加。極地以外でも、イタクァ自身が現れる事なく、そこに凄まじい雷を伴う嵐、竜巻あるいは台風を呼び出す事ができる。そのような嵐の強さと持続時間はイタクァの意図しだいであり、数分の場合もあれば数時間に及ぶ事もある。

呪文:1D6体のウェンディゴを自在に召喚する事ができる。

正気度喪失:荒野を進むイタクァの雷鳴のような足音を聞いた場合は、1/1D3ポイントの正気度を喪失する。

化身:

歩む死 "DEATH-WALKER"

中心部に憤怒で歪んだネイティヴアメリカンの顔を浮かばせている、稲妻と豪雨を伴う猛烈な大嵐、という姿のイタクァの化身。北米の原住民の中には、この化身をなだめるために生贄を捧げている者達もいる。

生きている雪 "SNOW-THING"

二つの目を輝かせ猛烈な冷気を伴っている渦巻く雪雲、という姿のイタクァの化身。崇拝されてはいない。犠牲者を巻き込んで凍傷を引き起こし、複数の能力値にダメージを与える。

イブ=スティトル

夜鬼との関連から、いくつかの資料では旧神の一柱であると主張されているが、忌まわしいショゴスに似たグレート・オールド・ワンのバグ=シャースと密接な関係を持つ神である事を考えると、この主張には同意できそうにない。

教団:神自身は夢幻境に棲んでいるにもかかわらず、その影響力は覚醒の世界の方において感じられる事がほとんどである。

ザ・ブラック:説明の項が独立。

武器:タッチのダメージが「何らかの激烈な喪失あるいは変異」に変更。

呪文:《バグ=シャースの招来》が追加。

ウボ=サスラ

その他の特徴:いくつかの神話関連資料においては、ウボ=サスラは魔王アザトースの「双子」であると主張されている。彼らは最初のオールド・ワンであり、旧神の奴隷として創造されたがこれに反旗を翻し、旧神のあらゆる偉大な力を記録したもの(「旧き鍵」)を盗み出して、グレート・オールド・ワンの軍勢を産み落とし、宇宙大戦争を巻き起こした。しかし戦いに敗れて、アザトースは宇宙の中心へと逃走し、ウボ=サスラは地球の内部に身を隠した。その際に「旧き鍵」の持つ万能の魔力を使って、ウボ=サスラは地球をその本来属する宇宙から切り離し、この宇宙へと移動させた。ついには旧神がオールド・ワン達に対して大勝利をおさめ、罰としてアザトースとウボ=サスラはその知性を奪い取られ、精神の無い存在にされた。この物語は真実をより空想的に描き直し、寓話化したものである。

ウボ=サスラの落し子:奉仕種族として独立して取り上げられたので、攻撃手段等の描写(及び項末の特性値)が削除。

特性値:CONとSIZの値が300、POWの値が100に変更され、耐久力も300になっている。

武器:偽足の命中率が100%に変更され、ダメージが「つかんで吸収」のみになっている。

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下級の異形の神たち

教団:これらの小神はほとんどの場合、洗練されていない粗雑な活動を行う集団の、性や狂気や死に関する儀式を含む名状し難い典礼に加わるために召喚される。死の儀式は教団の生贄に対する残忍な拷問や殺人を伴い、小神自身がそのような大虐殺に参加したり、生贄の残骸を貪り食ったりもする。
性の儀式はよりいっそう恐ろしいものであり、召喚された小神による生贄のレイプを含む。この儀式の犠牲者の女性は妊娠して混血の怪物の子供を産み落とすかもしれないし、時には男性の犠牲者が小神を妊娠させ、同様の子供を産み落とさせる事もある。親の持つ異界の穢れを宿すこのような混血児は、恐ろしい奇形の姿と奇怪な力を有している。その姿を見る事で失う正気度は、親である個々の小神によって異なる。混血児のほとんどはその教団の指導者となり、親である小神やその親族達の影響力を高めるべく活動する。個々の特異な姿に関係なく、どの小神もこのような性の儀式に加わる可能性がある。

その他の特徴:姿の特徴として、以下の形容詞が列挙されている。昆虫のような、金属状の、液体状の、ガス状の、結晶のような、生きている機械のような、植物のような、知性ある微生物のような、幾何学的な、無定形の、燐光を発する、炎のような、獣のような、人間に似た、生きている音のような、生きている色のような、等々。また特殊な攻撃としては以下の動詞が列挙されている。溺れさせる、焼き尽くす、感電させる、毒に冒す、凍結させる、押し潰す、能力値を吸収する、老化させる、干からびさせる、分解する、溶解する、丸呑みにする、等々。

従者:小神が何らかの奉仕する存在を従えている可能性もある。そのような従者は召喚された小神と共に現れたり、必要に応じて単独で召喚されたりするが、いずれの場合も主人である小神が退去させられると一緒に消えてしまう。キーパーはそれぞれの小神についてどのような従者が仕えているのか適当に決定する事。従者となる存在は必ずしも奉仕種族でなくてはならないわけではなく、独立種族が仕えている場合もあり得る。

特性値:INTの値が「さまざまだが通常は0」に変更。

正気度喪失:「小神の姿の恐ろしさや異質さによってさまざま」に変更。

小神のサンプル:それぞれ異なる姿と特徴を持つ12柱のサンプルデータを収録。

ガタノトア

記述:引用が追加。「私が一瞥したのは、ぽっかり開いた巨大な揚げ戸を抜けて、巨石造りの窖からうねるようにぬっとあらわれたものであり、その信じられないグロテスクな姿といえば、直接目にした者を殺す力があるとしても不思議ではないと思えるほどだった。こんなふうに記しておこうか。そいつは巨大で……触腕があり……長い鼻が備わり……蛸の目をもち……なかば無定形で……可塑性があり……鱗と皺におおわれ――」(「永劫より」青心社「クトゥルー 7」収録)

ガタノトアは時々「ガンタ」"Ghanta"という名前で言及され、触手と無数の目を持つヒキガエルのような姿で描写されている。

正気度喪失:「ガタノソアを見て失う正気度ポイントは1D10/1D100ですが、これは探索者が被る被害の最低限にしか過ぎません。」という第5.1版の頃の記述に変更。

クァチル・ウタウス

攻撃および特殊効果:クァチル・ウタウスは寛容ならざる神であり、例えば永遠の命を授かった召喚者が、後にこのグレート・オールド・ワンの怒りを買ってしまい、病んで萎れた老人の脆弱な身体のまま永遠に生き続けるという呪いをかけられた事もある。

クトゥグァ

教団:今日では、「新千年紀教団」"Cult of the New Millenium"と「ネスター派」"Nestarians"がクトゥグァを崇拝している。また、「炎をもたらすもの」"Bringers of Fire"という集団もクトゥグァを崇拝しているが、彼らの起源はハイパーボレアやアトランティスにまでさかのぼる事ができるものである。この教団は何らかの手段で恐ろしい自然災害を幾度か引き起こした事があると考えられている。クトゥグァ自身は炎の精として知られる存在を従えている。フサッグァという存在もまたクトゥグァに仕えており、これは炎の精を指揮するものであると言われている。

焼け焦げ攻撃:クトゥグァが炎の精の大群と共に招来された場合、キーパーの裁量によっては10%の確率でフサッグァが同時に到来する。

呪文:《フサッグァの招来》、《炎の精の召喚/従属》の呪文が明記。

化身:

漆黒の生命ある炎 "LIVING FLAME OF DEEPEST BLACK"

真っ黒な体表に炎の揺らめきを宿す、筋肉質の巨大な牡牛のようにも見える無定形の身体に、9本の角が王冠のように生えそろった目の無い頭部を持つという姿で現れるクトゥグァの化身。「炎をもたらすもの」がクトゥグァ自身の恒久的な召喚の儀式に失敗した結果、その炎の本質だけが地球に引き出された存在。ギリシャのどこかにある地下迷宮に封印されており、ミノタウロスの神話の原型となった。
この化身の身体は周囲の光を吸収し、暗黒の中に猛烈な熱気のみを生じさせて対峙する者達の耐久力を奪っていく。さらに「フォマルハウトの影より来たりし黒き炎」の角やひづめの攻撃を受けた可燃性の物質は全て燃え出す。

クトゥルフ

クトゥルフや、ゾス神族あるいは星の落し子と呼ばれるその眷属は、地球の夢幻境を訪れているようには見えないが、実は彼らはクトゥルフ自身によって維持されている独自の異質で恐るべき夢幻境――「悪夢工場」"nightmare factories"を地球の夢幻境の中に有している。そこはあらゆる悪夢の源泉であると言われており、夢幻境に住んでいるクトゥルフの狂信者達によって守られている。
いくつかの資料は、クトゥルフには配偶者にあたる3柱の神がいると主張している。クトゥルフはそれらの神と共に、ゾス=オムモグやガタノトア等のグレート・オールド・ワンを誕生させた。

教団:銀の黄昏錬金術師協会は、クトゥルフとヨグ=ソトースを崇拝している。

化身:

コラージン/コラジン/コラツィン "CHORAZIN"

鮫の父祖 "FATHER-OF-ALL-SHARKS"

聖書の怪物リヴァイアサンを想起させる、古代の鮫メガロドンのような姿(SIZ140)で現れるクトゥルフの化身。具体的な記述はポナペ経典の中にあるが、ポリネシアやハワイに伝わる神話においてもそれぞれ独自の名前で言及されている。崇拝する人間はほとんどいないが、その怒りをなだめるために生贄を捧げる習慣を持つ文化は多い。深きものはこの化身を崇拝しており、招来する儀式を知ってもいるが、制御する儀式は存在しないので、沿岸都市の人間による環境破壊や海軍の攻撃等によって深きものの共同体全体が危機に瀕する等の、よほどの緊急事態でなければ行わない。
鮫の父祖は大型で獰猛な鮫の群れを従えて現れ、SIZが45までの獲物なら一呑みにし、噛みついて引き裂いたり体当たりをしたりして大型船すら沈め、自らの身体で作り出した津波によって沿岸部の建物を破壊してしまう。

ビーモス/ブモス "B'MOTH"

青や緑や黄色の冷光を発する、ぞっとするような冷たい霧という姿で現れるクトゥルフの化身。またの名をベヒモス "Behemoth"。この化身の崇拝者は世界中に散らばっていて、原始的で迷信的な生活をしている。ビーモスの司祭は、いつの日かこの神があらゆる文明を破壊して世界を原始の状態へと戻してくれると信じており、猥雑で荒々しい祭祀を行い、犠牲者をサメやワニに貪り食わせるという形で生贄を捧げている。崇拝者はまた、ビーモスの助力となるよう、文明に対するテロリズム的活動を行う事もある。
ビーモス自身は何ら物理的影響力を持たないが、犠牲者を包み込んでその精神を完全に支配化においてしまう事ができる。

グラーキ

グラーキの棲み処であるブリチェスターの湖の底には、世界各地、あるいは他の世界に存在する池や海等の水場へとつながっている「門」が存在している可能性がある。グラーキは夢幻境に対してもある程度の影響力を持っており、時々現れている。
グラーキはグレート・オールド・ワンのウートゥルス=ヒール "UT'ULLS-HR'EHR"と何らかの関係を持つようである。

入門の儀式:「夢引き」の項から独立。

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シアエガ

シアエガは、同じく触手に囲まれた目という姿で現れるグレート・オールド・ワンのオスイェグと何らかの関係があるかもしれない。

教団:フライハウスガルテンの教団の他にも、「主たる目の従者」"Dienstboten das Auge Herr, Servants of the Eye Master"という小規模な教団がシアエガを崇拝している。

シュド・メル

シュド・メルがクトーニアンを産み出したのか、それともこの神は単にこの種族の中で最も強大な存在であるだけなのかは明確ではない。

教団:「大いなる闇」"Great Dark"及び「マトビ教団」"Matobi Cult"という名前のシュド・メルの教団が存在している。

シュブ=ニグラス

シュブ=ニグラスの乳については、それがもたらし得る効果として、巨人症、多肢症、その他の先天性欠損症や、精神感応その他の心霊的能力等が挙げられる。森の黒山羊の乳はまた、グレート・オールド・ワンをまどろみから目覚めさせる助けとなるかもしれない。この物質がどのような力と効果を持っているはキーパーの決定による。

教団:「シュベ=ミグ教団」"Cult of Shubbe-Mig"という名前のシュブ=ニグラスの教団が存在する。また、大企業ニュー・ワールド・インダストリーズの構成員には、シュブ=ニグラスとニャルラトテップを崇拝している者達がいる。ほとんど崇拝されていないにもかかわらず、森の黒山羊は時々夢幻境にも忍び入る事がある。

武器:「踏みつけ」のダメージが「ダメージボーナス」に変更。実際の数値には変化なし。

化身:

畝の後ろを歩むもの "HE WHO WALKS BEHIND THE ROWS"

パンの大神 "GREAT GOD PAN"

シュブ=ニグラスの男神としての側面である、自然の飼い慣らされる事のない荒々しい豊穣と生命の力の化身。その真の姿はシュブ=ニグラス自身と同じく描写された事がなく、女神とは異なり崇拝される事もない。何故ならそれを目撃した者は恐怖のあまり死ぬか、回復不可能な狂気に陥ってしまうからである(正気度ロールを行い、失敗した場合は恐怖で即死、成功した場合は1D100ポイントの正気度を喪失して発狂)。
時にはAPP18の美少年の姿や、(特に夢幻境においては)山羊の角と耳と脚部を持つ美少年というサテュロスの姿で現れる事もある。サテュロスの姿の時はパンパイプ(葦笛)を吹いて周囲の対象を魅了する事ができ、これはパンの大神が退去するまで解かれる事はない。そしてどの姿の時も、動植物や天候等の自然の各要素を支配し操る事ができる。人間やサテュロスの姿の時は普通に傷つける事ができるが、耐久力が0になるとその真なる姿があらわになる。
パンの大神は時々、人間の女性との間に子をもうける事がある。犠牲者となった女性は回復不可能な狂気に陥る。パンの大神の子供の特性値は普通の人間と同じだが、APPは最大値の18となり、その目には野生と異界のきらめきを帯びている。そしてPOW対POWの対抗ロールで負かした相手を狂気に追いやったり、自殺させたりする事ができる。

ムーンレンズの守護者/ムーンレンズの番人 "KEEPER OF THE MOON-LENS"

ゾス=オムモグ

記述の追加、変更は特に無し。

[ / / / タ / / / / / / ]

ダオロス

この神は夢幻境においても招来され得る。

教団:「聖光をもたらすもの」"Bringers of the Sacred Light"及び「ダオロス教団」"Cult of Daoloth"というのが、数少ない人間によるダオロスの教団である。

化身:

聖光 "SACRED LIGHT"

あたかもガラス管の中を垂れ落ちてくる粘液のように天空から降り注ぐ、この宇宙のものではない色を宿し脈動する光の柱という姿で現れるダオロスの化身。地表をなめ回すこの光に触れてしまった者は「真実という贈物」"Gift of Truth"を授かる事となり、現実という名の幻影のヴェールを引き裂かれて、世界の真なる姿――宇宙的恐怖を知覚するようになってしまう。聖光との接触は即座に激烈な正気度喪失を引き起こし、犠牲者は目をえぐりだす等して視覚を永久的に失うか、ダオロスの像に触れてこの贈物の消失を願うかしない限り、その後も日々正気度を喪失していく。

チャウグナー・フォーン

このグレート・オールド・ワンも時々夢幻境を訪れる事がある。

攻撃及び特殊な効果:武器の項の註釈から移された、「心臓麻痺」の攻撃の詳細な説明。他の攻撃の合間に、チャウグナー・フォーンは1人の攻撃対象に心臓麻痺を起こさせる事ができる。攻撃対象は1D100で自身のCONの5倍以下をロールしなければならない。成功した場合、続いてもう一度同じロールに成功すれば何の影響も受けないが、失敗すると1D6ポイントのダメージを受けて意識不明となる。最初のロールに失敗した場合、対象は心臓麻痺を起こした事になる。その結果(即死する、耐久力へのダメージを受ける、等)は、キーパーの決定による。間を置かずに誰かが〈医学〉技能のロールに成功すれば、犠牲者を救う事ができる可能性がある。

全ての耐久力を失い不活性の状態になったチャウグナー・フォーンに再び生命を取り戻すには、星辰の座によって異なる数ヶ月から数十年、あるいは数世紀の間、複数の儀式と生贄が必要となる。

ツァール

「ツァールとロイガー」として2柱まとめて収録。これに伴い、ロイガーの正体に関する推測が削除。文中でも「ツァールとロイガー」または「ツァールあるいはロイガー」として言及されている。

教団:カナダのトロントには、「星間を歩むものの結社」"Brotherhood of the Star-Treader"というロイガーの強大な教団が存在する。

ツァールあるいはロイガーの接近は、この異界の神が何らかの手段で発生させ、それに乗って移動する強風によって知らされる。このグレート・オールド・ワンには、犠牲者を捕まえるために、ごく小さな裂け目を通り抜けてにじみ出てくるという能力がある。
ツァールとロイガーは同一の特性値を持つ。

特性値:項目が「ツァールとロイガー、双子のひわいなるもの及び星間を歩むもの」に変更。

呪文:ツァールとロイガーは思いのままにお互いを招来する事ができる。大気や風を扱う全ての呪文、という記述が追加。

ツァトゥグァ

教団:奉仕種族として、「ツァトゥグァの無形の落し子」と同じくン・カイや神殿に棲んでいる、さらに大きな落し子の「ツァトゥグァの御子」"SCIONS OF TSATHOGGUA"が存在する。

その他の特徴:ツァトゥグァを怒らせたり、この神に関わる何らかの禁を犯したりした者は後に、恐ろしいツァトゥグァの御子か、1体以上の無形の落し子に追跡され、攻撃を受ける可能性がある。

呪文:ツァトゥグァは自分の無形の落し子や御子を思うがままに召喚する事ができる。

トゥールスチャ

攻撃及び特殊な効果:「炎の塊」による攻撃の記述が、武器の項の註釈から移動。

[ / / / / ナ / / / / / ]

ニャルラトテップ

記述:「ニャルラトテップ、無限の姿と慄然たる魂を持つ、異形の神々の使者たる恐怖」に変更。

この神は、夢幻境の「大いなるもの」――主に夢の領域に住んでいる神々の守護者であり、どうやらこれらの神々を管理しているようである。ニャルラトテップは覚醒の世界に干渉する「大いなるもの」を軽蔑しつつ傍観しており、そのような干渉を目撃された神々はしばしば「這いよる混沌」の激怒を被る。覚醒の世界への好奇心によってこの外なる神を怒らせた「大いなるもの」が、実際に破壊されてしまった事があるのも知られている。
ニャルラトテップの999の姿のうち、今まで描写された事があるのはほんの数種類だけである。各化身に関する項が特性値付きで設けられたため、姿等の詳細は省略。人工知能の姿である「チクタクマン」と、恐ろしいトーテムの姿である「憎悪の像」についても言及。

教団:「黒い同盟団」"Black Brotherhood"及び「暗黒のファラオの結社」"Brotherhood of the Black Pharaoh"が追加。また大企業ニュー・ワールド・インダストリーズの構成員には、ニャルラトテップとシュブ=ニグラスを崇拝している者達がいる。
ニャルラトテップの化身の多くは、特別な奉仕種族を有している。シュゴランの「シュゴラン(奉仕種族)」、セトの「暴風獣」"typhonian beasts"、「憎悪の像」の「憎悪の像の従者」等である。

化身:アトゥも含む、知られているニャルラトテップの各化身のデータが追加。化身はさらに何百と存在するので、探索者達を恐怖たらしめる「仮面」をキーパーは追加する事ができる。

赤の女王 "QUEEN IN RED"

豪奢な深紅の衣装をまとい、様々な宝石で贅沢に身を飾っている、非常に美しく威厳のある女性という姿で現れるニャルラトテップの化身。大勢の取り巻きを引き連れはするが教団を持つ事はなく、宮廷や有力者達の間を動き回り、その権力と影響力を振るって大規模な混沌と破壊を推し進めようとする。ある文明においては残忍な女帝として君臨し、またある文明においては民衆を苦しめる暴君の愛妾として現れ、狂気と殺戮に満ちた恐怖政治を行ったりそそのかしたりした。現代社会においては、影響力を持つハリウッドの大立者やウォールストリートの実業家として現れる可能性もある。
敵対する者に対しては、自分から半径100フィートの範囲に及ぶ魅了の力によって無力化するか、この力で魅了している取り巻き達に防護させるかして、自ら手を下す事はなるべく避けようとする。しかし取り巻きがいなかったり、耐久力を0にされたりした場合は、その怪物の姿――汚れた赤いローブを着て蝙蝠の羽と髪の毛代わりの蛇を生やし、狂暴な牙と鋭い爪を持った恐ろしい女性の姿を現し、血で深紅に染まった大鎌を振るって敵対者を排除する。

悪心影/闇将軍 "AKU-SHIN-KAGE"

アトゥ "AHTU"

暗黒の男 "BLACK MAN"

暗黒のファラオ "BLACK PHARAOH"

暗黒の魔物 "BLACK DEMON"

ウィッカーマン "WICKER MAN"

6メートルから9メートルほどの高さの、柳等の小枝や藁で編まれた巨大なかかしのような姿で現れるニャルラトテップの化身。その硬く強張った四肢や顔立ちは、見れば見るほど恐ろしいものである。イギリスの島々に住んでいた古代人はこの化身を豊穣と繁栄の神として崇拝しており、その似姿の像の中に動物や人間を閉じ込め、生きたまま焼いて生贄として捧げた。後の世においてもドルイドや魔女達の間には知られていたが、今日ではこの化身を崇拝する人間はほとんどいない。ウィッカーマンの像は時おり異教の儀式やガイ・フォークス・デイ "Guy Fawkes Day"等において燃やされているが、その真なる起源は秘されたままである。夢幻境においては、この化身に敬意を払い人間の生贄を捧げる暗黒の儀式が、一部の住民によって行われている。
戦闘において、ウィッカーマンはその熊手のような指で相手を引っかく事でも攻撃するが、最も恐ろしい攻撃方法は犠牲者を呑み込み生きたまま焼き殺すというものである。この化身につかまれた犠牲者は、次のラウンドに小枝や藁等で包みこまれ、体内に呑み込まれてしまう。体内の犠牲者は身動きする事はできないが、隙間だらけのウィッカーマンの身体を通して外を見る事ができ、外の仲間達も犠牲者の姿を確認する事ができる。さらに次のラウンド、ウィッカーマンは突然炎に包まれ、犠牲者は生きたまま業火に焼かれていく。犠牲者は断末魔の悲鳴を上げつつも瞬く間に灰と化し、燃え尽きると同時にウィッカーマンの炎も消え、無傷の化身とその足もとの遺灰だけが残る。この恐ろしい光景は仲間達にも正気度の喪失を引き起こす。なお、火によって攻撃されるとウィッカーマンは燃え出すが、実際には何のダメージも被ってはいない。

浮き上がる恐怖 "FLOATING HORROR"

オールド・ワンの使者 "MESSENGER OF THE OLD ONES"

影たまり "POOL OF SHADOW"

黄色い仮面のもの/口にするのもはばかられる大司祭 "THING IN THE YELLOW MASK/HIGH PRIEST NOT TO BE DESCRIBED"

黒い雄牛 "BLACK BULL"

血走った右目と猫に似た緑色の瞳が2つある左目、そして怒張した男根を持ち、黒い巨体(SIZ350)に星々をきらめかせている雄牛という姿で現れるニャルラトテップの化身。また、炎のように燃え上がる頭に雄牛の姿の時と同じ両目、白いまぶた、突き出た下唇をそなえ、すねから下が細い両脚と、胸にナイル河の神ハピ(Hapi)の印を持つ、人間に似た姿を取る事もある。「星々の彼方より来たりし黒い雄牛」は先史時代のエジプトにおいて崇拝され、古代のパピルスには「破滅の先触れ」「人間を堕落させるもの」「異形の神々の大使にして彼らの到来する道を準備するもの」等のさまざまな名前で記されている。
人間に似た姿を取った時は、権力を約束する事で人々を互いに争わせ、しもべ達に呪文を教えて狂気と苦痛を広めていった。時には犠牲者に宇宙の真理に関する幻影を見せて、狂気へと駆り立てる事もある。それに対し雄牛の姿の時は、単にそのひづめで一度に10人の犠牲者を虫けらのように踏み潰していく。この化身の崇拝の中心地は古代エジプト文明が興るより前から南エジプトの山中にあり、ミイラ製作の文化はこの「黒い雄牛の教団」の儀式からエジプトのそれへと取り入れられた。実際、この教団を率いていたのは生ける死者達だった。なお、「暗黒のファラオの結社」と「黒い雄牛の教団」との間には、長年にわたる憎悪の歴史が存在している。

黒い風 "BLACK WIND"

黒い獅子 "BLACK LION"

別の化身ニャルラトフィスの頭部を持つ、黒く巨大な(SIZ100)畸形のライオンという姿で現れるニャルラトテップの化身。ファラオの印である頭布ネメスとあごの付け髭を備えた姿は、ギザの大スフィンクス像にも似ている。第11王朝の終わりに、アフリカ北東部の、殺されたニャルラトフィスの炎上する隠れ家から現れた。人間を貪り喰い、一度に20人までを踏み潰し、建物を打ち壊して古代エジプト文明のほとんどを破壊したが、当時のファラオがカルナクの平原に仕掛けた罠に捕らえられ、そのまま生き埋めにされたと伝えられている。

ココペリ "KOKOPELLI"

骨格の恐怖 "SKELETAL HORROR"

サメディ男爵 "BARON SAMEDI"

ジャック・オ・ランタン/ハロウィンマン "JACK O'LANTERN/HALLOWEEN MAN"

出っ張った目と大きく裂けた口を持ち、手には悪魔のようにニヤリと笑うカボチャのランタンを携える、あるいは頭部がカボチャのランタンになっている、歪んだ人間という姿で現れるニャルラトテップの化身。ボロ着かまたは上品な燕尾服を着ているが、いずれの姿の場合もカボチャのランタンには地獄の炎が灯っている。崇拝している教団は存在しないが、アイルランドの伝説にあるこの化身はドルイドや魔女等の異教の人々には知られ、恐れられていた。またワシントン・アーヴィングの「スリーピー・ホロウの伝説」に登場する「首無し騎士」の着想に明らかに影響を与えている。
闇の中に浮かび上がるジャック・オ・ランタンの顔を見た者は魅了されて深い森や沼地へと連れて行かれ、そこで殺されたり、流砂やワニの棲む穴や崖等の危険な場所に誘導されたりする。魅了を免れたとしても、恐慌状態に陥って何もかも投げ捨てて逃走し、自動車の前や崖等にもかまわず跳び込んでしまう可能性もある。この化身はまた、人間サイズの相手を呑み込んでしまったり(犠牲者は消え失せて二度と姿を見る事はない)、カボチャのランタンを投げつけて犠牲者の頭を粉々にし即死させたりもする。さらには、他のカボチャのランタンの彫り物を通してその周囲を見聞きする事ができ、それに不気味な悲鳴を上げさせて正気度を奪ったり、カボチャのつるを操って犠牲者をからめ捕ったりする事もできる。
この化身はまた、アメリカの都市伝説として語られるハロウィンマンの姿も持っている。不自然に長く尖ったあごと鼻、死人のような黒い目を持ち、指には長い爪を生やし、やせ細った身体にボロボロの黒い燕尾服を着てつぶれたシルクハットをかぶり、肩には大きな黒い袋を担いでいるというその姿は、邪悪なハロウィン版サンタクロースである。ハロウィンマンはハロウィンの夜に一人で居る子どもを袋に入れてさらっていく。そのような子どもの姿は二度と見られる事はない。

シュゴラン/シュゴーラン/ショグラン "SHUGORAN"

セト "SET"

小さき這うもの "SMALL CRAWLER"

チクタクマン "TICK TOCK MAN"

血塗られた舌/闇に吠えるもの "BLOODY TONGUE"

角を持つ男 "HORNED MAN"

テスカトリポカ "TEZCATLIPOCA"

トート "THOTH"

嘆きもだえるもの "WAILING WRITHER"

憎しみの像/憎悪の像 "EFFIGY OF HATE"

ニャルラトフィス "NYARLATOPHIS"

白い麻のシェンティ(エジプト風キルト)の上に鮮やかな赤いローブを羽織り、ファラオの印である縞模様の頭布ネメスと蛇形章を頂く、浅黒い肌のすらりとした美男子(APP18)という姿で現れるニャルラトテップの化身。その容貌についての証言は他にもさまざまで、頭部自体が羊、蛇あるいは蛙等の動物だったというものもあるが、最も多いのはその大きなネメスが落とす影によって見えないというものである。その影があまりにも濃いので、ニャルラトフィスにはそもそも顔が無く、あえてそれを覗く者は顔のあるべき場所に、星々や銀河の渦巻く虚無の深淵を見る事になる、と断言する者もいた。岩等の無生物を塵と化したり、口に含んだ鉱物を別の物質へと変化させたり(例えば鉛を銀に等)する事ができ、また、特殊な攻撃手段は何も持たないが、殺されると別の化身「黒い獅子」へと変身する。
この化身は数千年前に砂漠より現れて古代エジプトを破滅に導こうと画策し、第11王朝の終わりに国土の大半を蹂躙して数千の人民を殺戮したが、カルナクの地において倒された。今日この化身を崇拝している教団は存在しないが、ニャルラトテップのこの側面は「暗黒のファラオの結社」のような古代エジプトに起源を持つさまざまな教団によって、誤ってか意図的にか「暗黒のファラオ」として崇拝されている可能性がある。

人間の姿 "HUMAN FORM"

這い寄る霧 "CRAWLING MIST"

パズズ "PAZZUZU"

皮膚無きもの "SKINLESS ONE"

膨らんだ女/膨れ女 "BLOATED WOMAN"

緑の男 "GREEN MAN"

無貌の神 "FACELESS GOD"

野獣 "BEAST"

宿主 "Host"

ニャルラトテップが地球上に現れる際に、器として利用された人間が変身した化身。身体中が黒い鱗で覆われ、目鼻立ちは元の人間とほとんど変わらないものの、口はイグアナのもののようになり、目の周囲には黒い輪を帯びていて、人体には不可能な方向に曲がる関節を有するゴムのような四肢と水かきのある指を持つ。
宿主として選ばれる人間は最初に、くさび型文字に似た模様の彫りこまれた、手のひらほどの大きさがある緑色の石の鋭い角で、出血のない奇妙な黒い傷をつけられる。犠牲者はそれから数時間後に、1D10日間続くこん睡状態に陥る。こん睡中の犠牲者は迷宮や怪物等の悪夢を見続け、最後に人間の姿の一つをとったニャルラトテップ自身と出会う。そして這い寄る混沌に自分が選ばれし者であるという事を告げられて、こん睡から目覚める。その後すぐに、切り傷からはかゆみと強烈な腐敗臭を伴う黒い鱗が、ゆっくりと身体中に広がっていく。それから一週間以内に、犠牲者の四肢はゴムのようになり、指の間には水かきができる。その間に犠牲者の身体は完全に、憑依したニャルラトテップの支配下に置かれてしまう。犠牲者は時おり自我を取り戻し、自らの置かれている状況に恐怖するが、これに抗う事は不可能であり、真なる狂気に陥るまで日々正気度を失っていく。
この化身はハイチにおいて、ヴードゥー教の急進派によって崇拝されている。司祭は宿主を発見すると、ハイチのどこかにある「星の池」"Star Pools"と呼ばれている秘密の場所へと連れて行く。宿主はそこで司祭とともに、人間の殻を脱ぎ捨てて「浮き上がる恐怖」と呼ばれる別の化身へと変身する時を待つ。この過程は通常、宿主を殺す儀式によって早められる。
宿主は呪文によって身を守る事が多いが、必要に応じて人間の武器を使う事もできる。また、〈回避〉ロールによって耳をふさぐ事に失敗した者の聴覚を永久的に失わせてしまう、恐ろしい絶叫をあげる事もある。犠牲者は、宿主への変身が完了する前に殺された場合は普通に死ぬ事ができるが、完了後は殺されると「浮き上がる恐怖」へと変身する。

闇に棲みつくもの "DWELLER IN DARKNESS"

闇の魔神 "DARK DEMON"

闇をさまようもの "HAUNTER OF THE DARK"

ルーシュチャ方程式 "KRUSCHTYA EQUATION"

ルログ "LROGG"

ニョグタ

記述の追加、変更は特に無し。

ノーデンス

この旧神は地球において教団を持っていないが、夢幻境では広く知られている。

[ / / / / / ハ / / / / ]

バースト

地球の猫と反目しあっているのは「夢幻境における土星及び天王星の猫」に変更。

その他の特徴:第5.1版の頃の記述が再記載。他の旧神と同様、バーストが自ら行動を起こす事はほとんどない。もし猫に対して著しく残酷な人間がいるなら、猫科に属するしもべ達を通じて行動を起こすかもしれない。しもべ達が困難を解決できない場合には、バーストが自らやって来る可能性がある。この神はいつも、側近である毛並みの良い大きな猫科の獣達と共に現れる――ほとんどは家猫達だが、大きな雌のライオンかトラ、あるいは大型の猫を少なくとも1匹は含んでいる。
「世界中の猫に対する召喚と命令」の特殊能力に関する記述が、呪文の項から移動。

攻撃及び特殊効果:「高い回避能力と同ラウンドにおける複数回攻撃」の特殊能力に関する記述が、呪文の項から移動。

装甲:「マジックポイント消費による耐久力の回復」の特殊能力に関する記述が、呪文の項から移動。

呪文:バースト自身の特殊能力に属するものが削除され、旧神及びその眷属や仲間に関する呪文という記述に変更。

ハスター

記述の追加、変更は特に無し。

化身:「黄衣の王」を含む各化身のデータが追加。

エメラルド・ラマ/翠玉大僧正 "EMERALD LAMA"

彼方より来たりて饗宴を張るもの/彼方より来たりて饗宴に列するもの "FEASTER FROM AFAR"

黄衣の王 "KING IN YELLOW"

ヒプノス

記述の追加、変更は特に無し。

ボクルグ

その他の特徴:遭遇した際にイブの亡霊を引き連れているという記述が、教団の項から移動。

攻撃及び特殊効果:「噛みつき」及び「尾の打ちつけ」の追加効果に関する記述が、武器の項の註釈から移動。

[ / / / / / / / ヤ / / ]

ヨグ=ソトース

教団:ヨグ=ソトースの教団には「ネ=パン教団」"Cult of Ne-Pang"があり、また「銀の黄昏錬金術師協会」もクトゥルフとヨグ=ソトースを崇拝している。イギリスのテンプヒルにある「テンプヒル教団」や、「光と音クラブ」もヨグ=ソトースを崇拝する組織である。

武器:「移送 POW対POW、ダメージ 特殊」が攻撃方法として追加。おそらく「その他の特徴」の項に書かれているものと同じと思われるが、回避のための判定方法が異なっている。

化身:「タウィル・アト=ウムル」を含む各化身のデータが追加。

アフォーゴモン "AFORGOMON"

タウィル・アト=ウムル "TAWIL AT'UMR"

[ / / / / / / / / ラ / ]

ラーン=テゴス

20世紀初頭にこの神を最初に発見したのはロンドンの博物館の所有者だったが、この人物は後に奇怪な状況で失踪している。その後この神はカナダのトロントにあるロイヤル・オンタリオ博物館に売却され、アレウト族(アリューシャン列島からアラスカ西部にかけて居住する先住民族)の彫像であると誤解されていた。
ナコト写本等のわずかな神話関連書物において見つかる特別な儀式だけが、ラーン=テゴスを目覚めさせる事ができる。いくつかの資料は、ラーン=テゴスが滅ぼされた場合にはグレート・オールド・ワンは目覚める事ができなくなるであろうと主張しているが、実際にラーン=テゴス(あるいはその他のグレート・オールド・ワン)を滅ぼすというような事は、人類の限界を超えているように思われる。
ノフ=ケーという名前の存在が時々このグレート・オールド・ワンと関連づけられている事がある。これは独立種族としてのノフ=ケーではなく、実在する個体の事である。この謎めいたグレート・オールド・ワンはノフケズ "GNOPHKEHS"という名前でデータ化されている。

呪文:「外なる神と旧神、及びそれらの眷属に関するものを除いた全ての呪文」に変更。


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