COLT M16A2 Rifle Model 705

M16A2は、老朽化し数々の不満も指摘されていた米軍のM16A1を更新する為に開発された、M16A1の改良型ライフルである。 M16A1の老朽化が深刻化した為、1979年に米海兵隊とコルトが共同で始めたM16PIPによる、 研究成果を元にして開発されている。

1980年には、従来の5.56mm×45(.223Rem、M193)と同寸でより高い貫通能力と有効射程を発揮する、 SS109(NATO制式、米軍制式名M855、FNが開発)を使用するFN ミニミが、 分隊支援火器XM249として仮制式となり、弾薬の統一の為に、 M16A2もSS109を使用するように設計されている(M193も使用可能)。 12インチ1回転のライフリングのM16A1でもSS109を使用することは可能だが、 貫通能力が低下する等、弾薬の能力を発揮することが出来ない為、M16A2ではライフリングのピッチが、 SS109に合わせて7インチ1回転に変更された。 M16A1の銃身を7インチ1回転の物に交換する案もあったが、採用されなかった。 その他のM16A1からA2への主な改良点は以下の通り。

数々の改良を加えられたM16は、M16A1E1の名称で呼ばれ、1982年12月にM16A2の名称で米軍に制式採用された。 実際の配備は、1984年3月に米海兵隊から開始され、米軍全体のM16/M16A1からM16A2への更新は、1990年代始めに完了している。

M16A2はフルサイズのライフルを基本に、全長を短縮したカービンやサブマシンガン、 オープンボルト方式のライトマシンガン、セミオートのみとした民間向け版等、 多くのバリエーションが作られ、各国に輸出もされている。

テクニカルデータ
口径.223(SS109,5.56mm×45)
全長999mm
銃身長536mm
重量3530g
マガジン容量20発/30発

M16A2の左側面の写真
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M16A2左側面。装着されているマガジンは20発容量。全体的にかなり使い込まれている。
M16A2の右側面の写真
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M16A2右側面。イジェクションポートのダストカバーを開いた状態。プラスチック部分の材質は、 M16A1より強度を向上する為にナイロン系の樹脂に変更されている。
M16A2のハンドガードを外した状態の写真
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プラスチック製ハンドガードを取り外した状態。 ハンドガードはA1の三角形断面の物から、丸型断面の物に変更されている。 上下に銃身の放熱の為の穴が設けられ、上下2分割になっている。上下のハンドガードは区別がない同一の物で、 補修で交換する場合に都合の良いようになっている。ハンドガードリングはハンドガードの着脱を容易にする為に、 テーパーが付いた形状に変更されている。

銃身は強度を上げる為に太いヘビーバレルになったが、太いのはフロントサイトポストより前の部分だけで、 ハンドガード内ではA1と同じ太さになっている。これは、重量増加を抑える為と、A1用のM203グレネードランチャーを そのまま取り付けられるようにする為だ。全体がA1と同じ直径のライトバレルを使用したモデル(Model 703,711等)も存在する。

銃身の上には、発射の際の高圧ガスの一部をボルトキャリアー内に導く為の、ガスチューブが付いている。

M16A2のフロントサイトのクローズアップ写真
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フロントサイトのアップ。 A1ではフロントサイトの形状が円柱だったが、A2では四角柱に変更されている。 調整用のノッチの数も、A1では5箇所だったが、A2では4箇所に変更されている。
M16A2のリアサイトのクローズアップ写真
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リアサイトのアップ。遠近2段階切り替えのL型フリップサイトに加え、 2個のダイヤルで300〜800mのエレベーション調整とウィンデージ調整が可能になった。

使い方は、リアサイトを前に倒し、一番下までダイヤルで下げた状態で0〜200m、 後ろに倒した状態でダイヤルを使って300〜800mのエレベーション調整をするようになっている。 ウィンデージ調整用のダイヤルは、1クリック毎に100mで0.5インチ、 300mで1.5インチ着弾点が左右に移動するようになっている。

M16A2のレシーバー左側面の写真
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レシーバー左側面。セレクターは、SAFE、SEMI、BURSTの3ポジション。 このモデルは3発バーストだが、フルオートモデル(Model 701、現在のコルトの型番ではR0701)も存在する。 ロアーレシーバーは、A1用の部品が流用されているようで、ピボットピンの下の部分が直角で、 レシーバー後部の膨らみが無く、現在のモデルとは形状が異なる。

無可動の加工の関係で、トリガーの停止位置が可動状態の場合より、かなり前寄りになっている。 長年使い込まれた為、出っ張りやエッジの部分が削れてきて、銀色の地肌がむき出しになっている。

M16A2のレシーバー右側面の写真
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レシーバー右側面。ダストカバーは開いた状態で動かないように加工されている。 ボルトは下半分がカットされ、ボルトキャリアーは後退した状態で固定されており (ストックの中にボルトキャリアーの後半が入っている)、現在の加工基準に従ってテイクダウンすることは出来ない。

イジェクションポートの後ろには、左利きの人が撃った際に、イジェクトされた空薬莢が顔にぶつかるのを防ぐ為の、 ケースデフレクターと呼ばれる突起が付いている。A2系の中にはA1用のアッパーレシーバーを流用したモデルも有り、 全てのA2にケースデフレクターが付いているわけではない。

M16A2のイジェクションポートの写真
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イジェクションポート部のアップ。ダミーカートを入れたマガジンを装着した状態。 フィーディングランプの部分は切り取られているが、ロッキングラグは残されている。
M16A2の前方部分の写真
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M16A2の前方部分。フロントサイトポストの下には着剣ラグが付いている。 スリングスイベルは音がしないようにプラスチックコーティングされているが、使い込まれて殆どはがれてしまっている。

A2のフラッシュサプレッサーはプローンで撃った際に砂埃を巻き上げないように、上半分だけにスリットが入った物に変更されている。

M16A2のストックの後部の写真
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ストックは現在の米国人の体格に合わせて、A1の物より16mm延長されている。 バットプレートには滑り止めのチェッカリングが付き、クリーニングキットを収納する為のドアが設けられている。

出典・参考文献:
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