WINGWIN会報(40)
(03'9/5)
03'ブーメランジャパンカップ終る
S.Kiyomaru
 今大会会場が前橋市(群馬県)に決定したのを聞きいて、まず思ったのは暑さ対策だった。群馬は内陸部に位置するので茨城との気温差は2〜3℃もある。今年の夏は冷夏で過ごしやすい日々が続いたのだが、予報では大会当日の2日間は夏の暑さに戻るらしい。戻るというか、ずっと梅雨の延長のような天気だったのでやっと夏らしい天気になるらしい。その暑さ対策であるが、小祝さんなどは、日中、陽の盛る暑い中、ウィンドブレーカー上下を着て練習にこられたので「どうしたんですか、この暑いのにウィンドブレーカーなんか着込んじゃって、ダイエットでもやっているんですか。」と笑いながら問うと、彼曰く「暑さ対策ですよ。群馬は暑いところですからね。」と大真面目、もくもくと練習に励むのである。。私も私なりに当日は帽子をかぶり、ジャグには氷水をいっぱいにし準備して行こうと思った。大会当日は予報どうり、朝から気温がうなぎのぼり。大会会場である前橋工科大学に着いたのは午前11時で、もうすでに30℃を軽く超えたと思われる暑さだった(この日の前橋市の最高気温は36℃だった)。予定より早く着いたので、フィールドで軽くブーメランを回していたら、もう汗がドクドク。群馬の前田さんが挨拶にこられて「昨日まで時々雨が降っていたんですよ」と。どうりで深い芝のフィールドは熱気ムンムンである。フィールドに立っているだけでもクラクラしそうである。大会は 1日目/アキュラシー(正確さ種目)、ファーストキャッチ種目、MTA(滞空時間) 2日目/オージーラウンド種目、トリックキャッチ・ダブリング種目と進行し、成績は関根が個人総合準優勝(オージーラウンド種目優勝)、海老沢7位、小祝14位、細谷19位と健闘した。1日目試合終了後、選手スタッフ全員で市内にあるスーパー銭湯で疲れを癒し、宿舎へ帰ってみんなでワイワイ、恒例のブーメランオークションをやった後、明日の大会のことも忘れて、いつものことながらブーメラン談義でもって世がふけてゆくのである。振り返ってみると、この2日間、大会はまさしく暑さとの戦いであった。空からは強烈な日射、下(地面)からは湧き上がる猛烈な湿度で体感温度はもっとあったように思う。汗が目に入るし、ブーメランのグリップは滑るし(ゴムスプレー大活躍 ! )で、今大会は体力の消耗もさることながら精神力・集中力も試される大会であった。


やっぱりむずかしい、 アキュラシー
S.Kiyomaru
 フィールドは、暑さを除けば風もない絶好のコンディション。結果如何では、本大会の流れを左右してしまうといっても過言ではない最初の種目アキュラシー(正確さ種目)。一度投げたら取り返しがきかない、相変わらずプレッシャーのかかる不得意な種目である。それでも、春季大会でたまたま40点超えをし、よいイメージがまだ残っていたのでいつもより落ち着いて投げることができ、第一投目は9点とまずまずのスタート。二投目は風が抜けてしまい4点と最悪(屋外では、投げる地点はたまたま無風でも周囲は微妙に不安定な風が吹いているものである・・・言い訳 ? )三投目も4点、四投目はブーメランを4枚翼にかえて10点(4枚翼は転がりやすいがフィールドの芝が深かったのでダイレクトに10点を狙った・・・狙い的中)五投目は同じブーメランで投げたが、久々に投げたブーメランのせいかややシャンク気味、十分に戻らずで4点で計31点。「10点入れたら今度は4点と出入りの激しいアキュラシー。いったいどうなってるの。」と思いつつ投げてたら、いつの間にか終わってしまった。「ああ、またやってしまった。」と、またしてもいつものぼやきで終わるのである。アキュラシー/正確に風を読む・的確なブーメランの選択・投げるときの集中力。・・・やっているつもりがいつもしっくりいかないのだ。大会の帰途、車中ででひそかに神頼み。「ああー、アキュラシー神よ!次の大会は高得点が出せますように、どうぞ私にお力をお貸しください。よろしくお願いしまぁーす。」次回は絶対頑張る。
 サークル換わってファーストキャッチ2回目のチャレンジ。一投目は頭上を越えそうになりジャンプして片手でキャッチ。二投目は20メートル円のちょうど半分くらいのところで草の上に落下、転がっていってしまった。その瞬間、今回のファーストキャッチが失敗に終わったことを思い知らされた。競技でのファーストキャッチは2回チャレンジすることができ、タイムのよい(速い)ほうが記録として残る。ここ最近は安全策をとり、1回目多少遅くとも確実に5回連続キャッチできるブーメランを投げ、2回目のスローの時に速いブーメランでタイムにチャレンジするというパターンでやってきた。2回目は攻めた結果での失敗なので仕方ないがそれでもやっぱり悔いが残る。ブーメランが落ちたことが悔しいのではなく、練習のときと同じにスローできなかったことが悔しいのだ。ファーストキャッチは5回キャッチできればよいのだが、大会で使用するブーメランは練習時10回連続キャッチできるものでないといけないと自分では決めている。10回連続キャッチできるものだけが自分のバックの中に入る。私の場合、ファーストキャッチで最も大切に思うことはコントロールで、競技会というプレッシャーの中でそれを見失ってしまったのだ。あんなに練習していたのに・・・・・・。私は5種目のうちでファーストキャッチが一番好きで一番練習をする。スピードが速ければ速いほど快感だ。朝練の時など、スピードが速いと寝ぼけ眼でいると手をすり抜けブーメランが顔に当たったりもするが、スリルがあってそこがまたいい。手元で遅くなるブーメランは無難に記録はこなすがクラブのみなさんは本当はこれではいけませんよ。スローの時にコントロールに注意して戻りは左手の脇(右利きの場合)のあたりに安定して戻るようにしましょう。♪わかっちゃいるけどやめられない♪さあ、今日もビュンビュン投げるどー。
わかっちゃいるけどやめられない
海老沢義明
オージーはブーメランの華!?
 オージーラウンド、正確にはオーストラリアンラウンドというが、この競技用のブーメランこそ、「これぞブーメラン!」って僕は思っている。大空(ちょっと大げさか ? )を優雅に駆け戻ってくるさまは、まさに、ブ゛ーメランの原点を見るようで、オージーラウンド用ブーメラン(以下「オージー」という)を投げた者は勿論、見ている者をも魅了する(って勝手に思っているからか)。ここでオージーラウンド競技について簡単に触れておこう(このHPを見るぐらいの人は先刻承知ってところだろうけど・・・ね。)『ブーメランハンドブック』(先光吉伸著・1999・日本レクリェーション協会発行)によると『ブーメランの3要素である「正確さ」・「飛距離」・「キャッチング」の総合力で競う代表的な種目』(同頁57)とある。そう、この3つがひとつになってこそオージー競技である。できるだけ飛距離を伸ばし、かつ正確に戻し、キャッチが要求される。たとえ飛距離がグーンと伸びても、最後のキャッチでしくじれば飛距離の得点もゼロという過酷な競技である。それだけに、ブーメラン自体の性能はもとより、投げる技術にも高度なものが要求されることになる。この「ブーメランの性能」と「投げること」が大事なわけだが、今回(次回はあるのか ? )は、「ブーメランの性能」についてすこし考えてみようなんて思っている。(って大層な!)。なぜ、「ブーメランは戻るのか」とか数値に基づくブーメラン理論 ?などというのはひとまず置いといて(「ブーメランはなぜもどるのか」については、前出『ブーメランハンドブック』頁10-12 を参照されたい。)はは・・・。あくまでも数少ない経験と感という、なんとも頼りない ? 話しで恐縮だけど、ちょっと考えてみよう。まずは、「ブーメランの性能」について。オージーにも二枚翼と三枚翼とあるが、これらの性能の違いはどこにあるのか。「正確さ」を重視する場合には、三枚翼が優れているように感じる(あくまでも主観です・・・はい)。ドリーム・80という三枚翼の名機があるが、これらの性能の違いはどこにあるのか。これなどは正確さを重視したブーメランだろう。三枚翼は「飛距離」を押さえている分、「正確さ」を狙うと決めた場合に懸命な選択になる。逆に、思いっきり飛距離〜挑戦する場合は、二枚翼ということになる。「飛距離」を伸ばすにはやはり二枚翼のブーメランだと思う。二枚翼が50m以上の飛距離を出し、大きく弧を描きながら戻ってくる姿は本当に優雅で、最後にきちんと自分のところへ戻って来た日にゃ、思わず頬ずりをしたくなる(ってあぶねぇなあ・・・)。飛距離50m以上というは、僕にとっての目標でもある。しかし、遠くへ飛ぶ分「正確さ」という点が、ちょっと怪しくなる。したがって、「正確さ」では三枚翼、「飛距離」では二枚翼がより優れているって言えるのではないかってね。また、屋外での場合ブーメランはすべて風の影響を受ける。したがって、風にどう立ち向かうかが、ブーメランすべての課題でもある。特に、オージーは「正確さ」プラス「飛距離」も重要な競技要素なので、風の影響は大きい。これは、先ほどと共通しているのだが、「飛距離」を出そうと思えば風の影響が大きくなるわけだから、「正確さ」が怪しくなってくる。したがって、強風(ってのが、どれらいかは経験だけどね・・・)で得点を考えた場合(「飛距離」より「正確さ」の方が得点が高い)、「飛距離」を抑えた分、風の影響も軽減されるのではないかと思う三枚翼を選択し、「正確さ」を狙うほうが賢明である。(でも、これも主観ですから・・・)。良風の場合には、思いっきり飛距離に挑戦できるので、二枚翼ということになる。以上の関係を簡単な図にすると、次のような感じになる。
     
                             風弱い   →   二枚翼>三枚翼
                     正確さ <
                                  風強い   
    三枚翼>二枚翼
     オージーラウンド 

                                  風弱い  
 →    二枚翼>三枚翼
                     飛距離 <
                                  風強い
    →    三枚翼>二枚翼


 風を読み誤ると、せっかく戻ってきたブーメランも、キャッチの直前で巻いてしまうということになりかねない。こうなると、「正確さ」の問題にも関わってくる。この「巻いてしまう」ことも問題である。「巻く」ことへの対応については、投げ方や風も影響することは言うまでもないが、「ブーメランの性能」も大きく影響すると思う。翼の削り、形状などといったところが重要だろう。理想的なオージーは、風に強く、飛距離、正確さも十分確保できるブーメランということになるが、これができればうれしいよね。できないから苦労してるんだから。まだまだ、奥が深いぞオージー!。こんなこと書いてきたけど、やっぱり最後はキャッチだよね。今回のジャパンカップで5回中2回もキャッチ外しておきながら、「正確さ」も「距離」もないか・・・。やっぱり、オージーはブーメランの華!
トリックと気合! ?
 トリック/ダブリングキャッチ(以下「トリック」という)である。はっきりいって苦手(笑)。使っているトリック用ブーメランは、抜群なんだけどね。トリックはなんといっても、器用さが要求される競技だと思う。練習を積んで克服するというタイプではなく、天性の器用さといったものが如実に現れるのがトリックじゃないかって気がする。今回のジャパンカップで同じグループだった、O 平さんや I 塚君などのトリックキャッチを見ていて、つくづくそう感じたもんね。ほんと。なんと言うんでしょうか、"綺麗"って言ったらよいのか、"しなやか"なんだよね。私の師匠である清まる氏もやっぱりこんな感じかな。実際氏は、第2位ですからね、今回。では、そんな「天性の器用さ」なんてものがまったく無い私なんぞは、それを補うためにはやっぱり「気合!」ってやつですかね。「ファイト一発!」じゃないけど、「気合一発!」でトリックに望まないとってところかな。でもこの「気合」ってやつが、どうもねえ。学生時代、体育会にいた私にはこの言葉には、つらい思い出しかなく・・・涙がでそう(笑)。とはいっても、トリックは気合!というのは、意外と当たっているような気がするんだけど。ブーメランを投げる。ホバーリングするブーメランをじっくり見る。そして、すーと降りてくるブーメランを、それっ!気合一発!ってな具合に行けばね(笑)。さあ、"器用さ"を"気合"が上回ることができるのか ? まさに今後の気合次第ってとこでしょうか(笑)。ちなみに、"気合"って漢字の意味を国語辞典で調べたら「敵にせまる気勢や掛け声」って書いてあった。ブーメランって敵か ? ところで、試合終了後、T 山さんから特上のダブリング用のブーメランを譲ってもらえたので、気合プラス技を磨いて、次回に望みたい・・・なんてね( T 山さん、ありがとうございます)。


(39)
(38)
(37)
(35)
(34)
TOP
大会アラカルト
今大会で使用したアキュラシーPP4mm微風用(4枚翼は転がりやすいので大会ではあまり使われていない。)


改造MTAで・・・
細谷  隆
 大会一日目の最終種目はMTAである。、夕方近くになってしまったので風が出てくると予想していたが、風速1〜2メートルで、しかも、さっきまで息苦しいほどの暑さだった太陽も雲に隠れてしまい、投げやすい感じになってきた。しかし、夜勤明けのあと朝練をして30時間ずっと寝ていない自分の体調は下降気味。でも、ブーメランは上昇して欲しいところだが。まずはブーメランの選択、選択といってもこれ一本しかないロジャーベリーのMTAだ。でも、今回はそれを一回り小さく改造してある。改造前(22g)の春の大会では記録21秒だった。改造後は18gにしたので重さもかなり軽い。軽ければ落ちてくるのも遅いだろうという安易な考え方である。他にもいろいろ作ってはみた。航空ベニヤが手に入らずホームセンターで見つけたアガチス材で作ったが、こんどは軽すぎて失敗。貧乏人憧れの1万円以上もするディマンチェスを真似て、カーボン繊維にチクチク刺さりながら作ったものは、チューニング時に折れて失敗(カーボンは加工が難しいけどカーボン繊維のキレイなところが惚れちゃいました)。と、まあ、苦労話はこれくらいにしといて、その改造ロジャーベリーだが、自分の投げ方は砲丸投げスタイルなので、ブーメランはらせん状に回転しながら上昇する。その回転の軌道が重要で、頭の中でイメージしながら投げるとなぜかブーメランが安定する。しかし、本番前の練習では、イメージしながら投げたにもかかわらず、1回も安定した収入じゃなくて飛びはしなかった。そうしてるうちに、いざ本番、なんと順番は一番手。いきなりよいタイムを出してやろうと、そうもくろみながら投げる。かなり高く上がったものの上空で安定せずブランコのように揺れながら下りてくる。「落ちるな!安定しろ」「だめだこりゃ」と叫びながらブーメランを追いかけキャッチ体制に入るが、そのときブーメランが暴れだし、手に当てるのがやっとで落としてしまう。取れていれば25秒。地面近くの風の強さが変わることはよくあるが微風だったので予想もしていなかった。まあ、18gと軽いブーメランの欠点でもあるが。気を取り直しての二投目は力が入すぎ、しかも横投げして墜落。とうとう三投目。三投目をしくじったらタイムなし。ふつうは、ここで安全策として安定したブーメランに替えるのだが、冒険野郎の自分としては同じものを投げる(ただ単に、安定したブーメランがないだけの話しなのだが)。プレッシャーの三投目。一投目と同じような飛び方をして、上空またもや安定はしなかったが、それでもなんとか暴れずに下りてきた。よくばって、しゃがみ込んで地面スレスレでキャッチ、成功!と思った瞬間に手の横からポロリ、あわてて転がりながらキャッチしようとしたが、落下!後頭部を強打しただけで、そのまま気を失いたい気持ちだった。これもキャッチしていれば25秒とまあまあのタイム。なんと3回とも失敗。これで、秋の大会に向けてMTAは課題が多くなった。それまでには、ベークライトやカーボンでたくさんのMTAを作って秋季大会に備えたいと思う。。
小祝慶紀(こいわいひろのり)
(36)

-ブーメラン材料在庫11/10現在-

黒ベーク  1.5mm  1.6mm  3mm
紙ベーク  1.6mm  1.6mm(一級) 1.8mm(工業用) 2mm 2mm(一級) 3mm  3mm(一級)
布ベーク  2mm  2.5mm  3.5mm.
P P      4mm
ABS     3mm
塩ビ     3mm
発砲塩ビ  2.5mm  6mm
ガラエポ  1.5mm
カーボン  1.5mm
航空ベニヤ2mm  4mm
樺三角板   5mm  
協会シナベニヤ 4mm

(41)
(42)