WINGWIN会報(39)
されどアキュラシー
 「あー、またやってしまった27点!」いつも、ガクッとくる種目がアキュラシー(正確さ種目)なのである。
今回は、一見簡単そうで厄介なアキュラシーについて考えてみたいと思います。ブーメランを練習するとき、日頃みなさんは、アキュラシーの練習はよくやりますか?ファーストキャッチやMTAなどと違いアキュラシーは、スピードもタイムも関係ないし、キャッチすらしなくてよいのであまりかっこよい種目とは言えないですよね。そう思いつつ、つい練習をサボってしまうのがアキュラシーではないでしょうか。私の場合、私がまだ新米プレーヤーだった頃、大好きな種目だったのです。なぜかって、なにしろキャッチしなくてもよいし、しかも、投げたブーメランが得点圏内(投げた地点から10メートル円内)に落ちるか、転がってくれさえすればよい種目なのですから。また、他種目と違い0点などということは普通ではまずありえないし。それが最近では、どうも苦手な種目になってしまったのです。ちなみに、過去3年間の大会でアキュラシーの自己データを調べてみると、平均点は27点(最低得点はなんと0点)で、順位平均は8位、順位でも全種目中最低レベルであることが分かったのです。そういえば、自分が所持しているアキュラシーブーメランの本数も一番少ないようです。自分のブーメランを種目別で本数の多い順に並べてみると 1.オージーラウンド 2.ファーストキャッチ 3.MTA  4.トリック/ダブリング 5.アキュラシーであった。(アキュラシーはファーストキャッチブーメランで兼用ができるということもあるが・・・)クラブでは、時々みんなで集まってブーメランを作っていますが、そこでは当然ブーメランの話題に花が咲き、新作ブーメランなどの研究会に発展してゆきます。速くて、絶対頭を超えないブーメランとか、強風にめっぽう強いトリックとか、そういう話しは出ても、アキュラシーの話しはまずなしなのです。要は、誰にもアキュラシーは不人気なのである。人気がない、作らない、練習もしないではアキュラシーが他種目と比べてへたくそなのは当たり前である。あの長島茂雄も言っていた。"大会では、やっただけのことしか結果は出ない。"それ以上のことは絶対望めないのである。もう少し掘り下げてアキュラシーを自分なりに観察してみよう。過去の記録を見ると、風の穏やかなコンディションのよい時には結構高得点をマークしてる場合が多い。問題は風のときである。ことアキュラシーに関しては他の種目と違い、投げたら最後、取り返しがつかない。(他種目と違いキャッチなどでカバーできない。)"あとは風まかせ"なので、風のときは他種目と比較してポイントがかなり少ない。、とくにアキュラシーは"風まかせ、ブーメランまかせ"では、なんの進歩もないのである。アキュラシーを投げるときは、十分風に対応できる高性能のブーメラン(一念発起、今、試行錯誤中で、これがなかなかむずかしくてまだ満足できるものがない)があるとして、まず、精神を集中し、風を正確に読みきって構えることがすべてであるような気もする。アキュラシーは距離は短いが、微妙に投げる方向がくるうと得点にかなり差が出てしまう。また、ファーストキャッチのように強く投げると転がったりしてしまうので、力の抜き方もきわめて重要なポイントだ。投げるときの力の加減も結構むずかしい。ブーメランの習性によっては転がりやすいもの、フワー、ポトンと落ちるものも頭にいれておきたい。また、たまに、初心者の投げたブーメランが中心円よりかなり離れたところからブーメランが転がって高得点になるような偶発性もあり、アキュラシーはホント意外性をもった種目でもある。ブーメランハンドブックをひも解くと、"単純に見えるが使用するブーメランの特性を熟知し、風の読み、投げる時の集中力、といった体力よりも精神力が要求される種目"と書かれてある。まさにそのとおりなのだ。競技ブーメランはキャッチが基本である。唯一キャッチをしないのがアキュラシーである。キャッチしなくてもよい、ではなく、キャッチをしてはいけないのである。そこに落とし穴があるということを忘れてはいけない。たかがアキュラシーと思っているあなた、あなたもこのアキュラシーに足をすくわれてはいませんか。

S.Kiyomaru
フランス セバスチャンのトリボール アキュラシー50点満点の日本記録(飯塚選手)と同型
 今大会は我水戸ブーメランクラブ(大会参加者は4名)としては満足いく競技会であったといってもよいのではないか。関根(kiyomaru)清が個人総合2位、海老沢(えびちゃん)義明が総合4位。さらに、kiyomaru氏は、アキュラシー、トリック/ダブリング種目で1位!えびちゃんは、ファーストキャッチで1位!初陣の細谷(夜勤明け)隆も、まさに、夜勤明けで寝ていないという、テンションも最高潮というコンディションの中、総合20位と大健闘!

 2003年5月25日(日)朝5時過ぎにkiyomaru宅へ集合。そこで、奥様の入れて頂く熱いコーヒーを啜りながら、kiyomaru、えびちゃん、そして小祝(まじっすかMTA)慶紀の3名、(細谷君は現地集合!)が今日の作戦について早くも口角泡を飛ばしていた・・・なんてことはなく、天気予報を見ながら「ちょっと眠いっすね。」なんて話しをしていた。いよいよ出発!途中、つくば市でスパブー(スパブーについてはスパブーのHPをご覧ください)に所属している「チグチグさん」というお嬢さんと合流し、おやじ3名、お嬢1名の計4名は一路さいたま市の荒川河川敷を目指すのであった。我々は、お会いするまで、「チグチグさん」は男性ということになっていたので、待ち合わせ場所に走ってくる女性を見て「朝から、おねえちゃんが走ってるよ!」なんて言っていたのである。なんと、その女の子が「チグチグさん」ご本人だった。関係者の皆様には大変失礼を致しました。 さて、そうこうしているうちに、開始予定の9時、天候は曇り、風がやや強く、さらに不規則な風というコンディションの下で春季競技会が始まった。今大会は、種目も一巡し、アキュラシー、ファーストキャッチ、MTA、オージーラウンド、トリック/ダブリングの順に競われる。最初のアキュラシーで順調だと波に乗るのであるが・・・。さすがkiyomaruとえびちゃん、しっかり2メートルサークル内に決めてくる。これで波に乗ったのか、ファーストキャッチの時、私のグループの後方で「スゲー!」の声。この時えびちゃんが記録を出していたのである。最後のトリック/ダブリングでは、我が水戸ブーメランクラブの秘密兵器である「ブーメランモドキ」(kiyomaru命名)が大活躍!風が強くなればなるほど、その威力を発揮するという魔法のブーメランである。そのお陰?もあって最初に書いた記録となったのである。「二人とも超すごくない!」って感じ?みたいなって・・・あんた・・・。やはりブーメランを競技スポーツとして愛するものとしては、総合順位も勿論ですが、部門別1位ってのは、いいよなあ。 今回もやはり痛感したのは、風対策である。(毎回、悩まされるのに・・・)。とくに今大会では風が不規則だったため、なかなか風が読めず苦労する場面が多々あった。ブーメランを選択するといっても、さすがの風用とはいうものの、一定の風力を超えるときついなあという感じであった。実は、オージー用の「R3」という秘密兵器もあった。この「R3」、練習のときには強風でも飛距離50bを超え、アキュラシーポイントもまずまずという優れもののブーメランであったのだが、今回はその威力を十分に発揮できずに残念な結果となった(って、投げたのが僕だから・・・反省・・・)。悔しかったので、この原稿を書いている今日(6月1日)、海老沢さんと練習してきた。なんと、とっても調子がいいんです。そうゆうもんだよね「R3くん!」。風用のブーメランをどう製作し、如何に使いこなすか. . . この辺が今後の課題といえる。 ところで、細谷君。今だからいうけどさあ、ちょっと目が充血してたよ!やっぱ寝ようよ。 え?なんで小祝(まじっすかMTA)慶紀なのかって?それはね. . . MTAの時・ ・ ・ っと、後は、ひ・み・つ!
2003春季競技会を振り返って
小祝 慶紀

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