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第147号 be used to doing something


=━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ English Grammar and Usage ━━━
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┛┛   英語の文法と語法    No.147    20100323   Chick Tack
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             ● 第147号 ●

………………
 Contents      be used to doing something
………………
       (1)be used to something

       (2)be used to doing something

       (3)boil down

       (4)during の後ろに“動名詞”は来ない


………………………………………………………………………………………………
(1)be used to something
……………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・be used to something「何かに慣れている」
    ・get[become, grow] used to something「何かに慣れる」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) When we first came to Scotland we weren't used to the cold    
  weather.(“Longman Language Activator”)
  「私たちが初めてスコットランドに来た時、寒冷な気候に慣れていませんで
   した」

  be used to の to は〔前置詞〕である。(a) では、to の目的語は the  
  cold weather という〔名詞句〕。


 (b) I do the dishes every day, so I'm used to it.
  (“LONGMAN Dictionary of Contemporary English 4th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#ldoce
   「私は毎日お皿を洗っています。だから、皿洗いには慣れています」

  to の目的語に〔代名詞〕が来ている例。it は doing the dishes のことだ。

  do the dishes は wash the dishes のこと。「食事で使った特定の」とい
  う意味が込められているからか the がつく。


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 (c) Eventually you'll get[become] used to the smells of the      
  laboratory.(“Cambridge Advanced Learner's Dictionary 2nd edition”)
   「ゆくゆくは、あなたはその実験室のにおいに慣れますよ」

  be used to は「慣れている」という状態を表し、get[become, grow] used 
  to は「慣れる」という〔動作〕に重点がある。


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  寺澤芳雄他編『英語語源辞典』研究社
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#kdee
  酒井典久著『英語のしくみが見える英文法』文芸社
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#sakai
  によると、

  use は14世紀に「〜するのに慣らす」という〔他動詞〕の使い方がスコッ
  トランドででき、19世紀まで使われていたようだ。

  He used me to hard work.「彼が私を厳しい労働に慣れさせた」
  のような文の〔受動態〕として、
  I was used to hard work (by him).「私は厳しい労働に慣れさせられた」
  →「私は厳しい労働に慣れた」
  という文が可能になり、やがて能動態の方は使われなくなった。しかし、受
  動態の方は生き残った。

  このように『英語のしくみが見える英文法』では考察している。


………………………………………………………………………………………………
(2)be used to doing something
……………………………………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・be used to doing something「何かをするのに慣れている」
    ・get[become, grow] used to doing something
                  「何かをするのに慣れる」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) I'm used to sleeping on the floor.
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu
    「私は床(ゆか)の上で眠るのには慣れている」

  to は〔前置詞〕なので、目的語に〔準動詞〕が来る場合〔動名詞〕が選ば
  れる。

 (b) I used to sleep on the floor, but now I sleep in the bed.
   「私は以前床(ゆか)の上で寝ていたが、今はベッドで寝ている」

  “used to do something”は「よく〜をしたものだった」「以前は〜だった」
  という意味になる。これについては、下記のページに説明がある。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/011-020/egu020.html#1
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/051-060/egu058.html#1

  use には「習慣にする」という意味があった。現在形は「〜を習慣にしてい
  る」という意味であったが、現在では使われていない。
  過去形の“used+to不定詞”「〜を習慣にしていた」→「よく〜したものだ
  った」だけが生き残ったようだ。


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 (c) They got used to not going to school, and to seeing very little   
  of Mother.(“The Railway Children”by E. Nesbit)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer03.html#railway
  「彼らは学校に行かないことにも慣れた。そして、母親にほとんど会わない
   ことにも慣れた」

  〔be動詞〕の代わりに get, become, grow を使うと、やはり〔動作〕に重
  点が置かれる。

  little は〔名詞〕の使用例と考えられているもので、see little of   
  someone の形では「人にほとんど会わない」という意味になる。

 (d) Gradually, I became used to seeing the gentleman with the black
  whiskers.(“David Copperfield”by Charles Dickens)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer02.html#copper
  「徐々に私は、黒いほおひげを生やしたその紳士を見慣れるようになった」

  遅くなったが、この構文の used は[ju:st]と発音する。
  used to で[ju':stu]となる。


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 (e) Barbara's husband is often away from home.  She doesn't mind this.
  She is used to him being away.
  (“English Grammar in Use 3rd edition”Raymond Murphy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#egu
    「バーバラの夫はよく家を空ける。彼女はこのことを気にしていない。
     彼女は彼が家を空けるのに慣れている」

  “to+動名詞の意味上の主語+動名詞”の例。


 (f) He wasn't used to being loved by his parents.
   「彼は両親に愛されるのに慣れていなかった」

  動名詞句が〔受動態〕になっている例。

  
…………………………………………………………………………………………
(3)boil down
……………………

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    ・boil down 「煮詰まる」「沸騰して量が減る」
          「煮詰める」「ゆでる」
          「話が要約される」「つまるところ」
          「話を要約する」
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a) He boiled down red wine.「彼は赤ワインを煮詰めた」

  boil down は、〔自動詞〕としても〔他動詞〕としても使われる。
  boil して水分を蒸発させ、全体の量を down させている。


 (b) My decision to stay at this awful job boils down to one thing ―  
  money.
   (“THE ULTIMATE PHRASAL VERB BOOK SECOND EDITION”Carl W. Hart)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#upvb
    「この恐ろしい仕事にとどまるという私の決定は、煮詰まると1つのこ
       ひどい(2010/05/11訂正)
     とになる。それはお金だ」
    →「私がこの恐ろしい仕事を続けると決めたのは、つまるところ1つの
          ひどい(2010/05/11訂正)
      理由からである。それはお金だ」

  “boil down to...”で「…に話が要約される」という意味になる。
  水分と同じように、余分なものを蒸発させて残ったものが to 以降のものに
  なるのだ。

  日本語でも「煎(せん)じつめると」という表現は昔からあった。もちろん
  「煮詰める」という表現も比喩的に用いられるが、広辞苑では「議論や考え
  をとことんまで押し進める」と定義している。微妙に違うか。「煎じつめる」
  も同じような定義なのだが。


 (c) What it boils down to is that he's well-intentioned but doesn't  
  know what he wants.(イギリス英語書き言葉)
  (“Collins コウビルド英英辞典 改訂第5版”トムソンコーポレーション)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#cobuild
   「それが煮詰まってできるものは、彼は善意で行っているのだが、何が
    欲しいのか分かっていないことだ」
   「つまりそれは、彼には悪気(わるぎ)はないのだが、彼に何が欠けて 
    いるのか分かっていないということなのだ」

  最初の what は〔先行詞〕を含む〔関係代名詞〕。What...to までがこの文
  の主語[部]。補語は that 以降。

  後ろの what は〔間接疑問〕と取ったが、〔関係代名詞〕とみて訳してもよ
  いだろう。


 (d) John finally managed to boil his thesis down to 200 pages.
  (“The American Heritage dictionary of Idioms”Christine Ammer)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#ahdi
    「ジョンは、最後にようやく彼の論文を200ページに要約した」

  boil が〔他動詞〕になっている例。his thesis を要約して 200 ページに
  (to) する。

  “manage+to不定詞”については、第126号(4)に例文がある。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/121-140/egu126.html#4


 (e) The original speech I had written got boiled down to about ten  
  minutes.(“Oxford ADVANCED LEARNER'S Dictionary 7th edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html#oald
   「私が書いたスピーチ原稿は、約10分に要約された」
   「私が書いた元々のスピーチは、約10分に要約された」

  get を使った〔受動態〕が使われている。

  I had written は後ろから the original speech を〔限定修飾〕している
  〔形容詞節〕。I の前に目的格の〔関係代名詞〕が省略されている。


………………………………………………………………………………………………
(4)during の後ろに“動名詞”は来ない
……………………………………………………

  during については、第9号の(2)で、for, in と比較した。
  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/001-010/egu009.html

  また、 while との比較については、いつか取り上げたいと思っている。

  ここでは、during は前置詞だが、〔目的語〕として〔動名詞〕を置けない
  ことを見ておきたい。

    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
    (×)during+動名詞
    (○)during+(theまたは所有格)+名詞
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 (a)(×)During waiting for the train, I met an old friend of mine.
   (○)While waiting for the train, I met an old friend of mine.
   (“LONGMAN Dictionary of Common Errors New edition”)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#dce
   「列車を待っている間に、私は古い友達の一人に会った」

  during の後ろに〔動名詞〕は来ない。〔定冠詞〕the や〔人称代名詞〕の
  〔所有格〕my などを伴った〔名詞〕が来る。

  (a)の while は〔接続詞〕。文中では直接動名詞が続いているように見える
  ので〔前置詞〕と勘違いするが、While I was waiting... の I was が〔省
  略〕されているという。(2010/05/11追記補足)

  接続詞の後ろの〔主語〕と〔be動詞〕は、〔主節〕の主語と一致する場合に
  省略できる。(a)では、I met... の主節の主語 I と、while節の主語 I が
  一致しているので I was を省略している。


 (b) During his stay in Japan, he studied electronics.
   「日本に滞在中に、彼は電子工学の勉強をした」
   (江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html#newguide

  staying と動名詞にはしていない。stay という〔名詞〕を使っている。所
  有格の his が名詞の前に置かれている。

 (c) You're not allowed to smoke during the flight.
  (“CAMBRIDGE GRAMMAR OF ENGLISH”Ronald Carter & Michael McCarthy)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#cge
    「あなた(たち)は飛行中は喫煙を許されていない」
    「飛行中は禁煙です」

  定冠詞 the 付きの〔名詞〕が来ている。

  (c)の during は「(飛行の)間ずっと」という意味がある。

 (d) It rained all Monday but stopped raining during the night.
  (“A Practical English Grammar”A. J. Thomson & A. V. Martinet)
   http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english02.html#peg
   「月曜は1日中雨が降っていた。でも夜の間に降りやんだ」

  (d)の during は「(夜の)間のある時点」という意味を出している。

  (d) は the night だが、that night のように冠詞の位置に〔指示代名詞〕
  が来ることもある。

  during World War I や during daylight hours など〔定冠詞〕〔所有格〕
  〔指示代名詞〕が置かれないこともある。

  関連記事「while の後の ing形」を用意した。(2010/05/11この行挿入)


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 参考文献  http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/egu/refer.html
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       http://www5d.biglobe.ne.jp/~chick/books/english01.html
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● あとがき

 我が家の庭には、黄色い花が3種類、花を咲かせています。いずれも落葉低木
 です。春が来たことを実感します。

 多分、日向水木(ヒュウガミズキ)と山茱萸(サンシュユ)・支那連翹(シナ
 レンギョウ)の3種です。
 http://www4.cty-net.ne.jp/~dem09ri/plants/2010spring/hyuga.html
 http://www4.cty-net.ne.jp/~dem09ri/plants/2010spring/shinarengyo.html



・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
        (c) Matsumiya Institute of Thinking 2010
・・・‥‥……──────────────────────……‥‥・・・
      

while の後の ing形

本文記事(4)の例文(a)とその下のコメント部分について補足する。

while の後ろの ing形について、手持ちの参考書を見た。記述をそのまま抜き出す。なお、このメルマガでは取り上げていないが、分詞構文の概要を理解されていると読みやすいと思う。

●安藤貞雄著『現代英文法講義』開拓社

(この書籍では〔分詞構文〕という名前は使わずに〔分詞節の副詞的用法〕という用語を使っているが、同じものである。その分詞節の説明のところで)

15.5.5. while reading のタイプ
分詞節の意味は、接続詞を用いず、ただ理論的推論にのみ頼って意味解釈しなければならない以上、ときにあいまいである。そこで、意味が不明確になりすぎる場合は、分詞の前に when, while, though, once などの接続詞を付けて文意を明確にすることがある。

(1)While (=While I was) reading, I fell asleep.(日本語訳略)


●江川泰一郎著『英文法解説(改訂三版)』金子書房

(分詞構文の項目のところで取り上げて)

(2)接続詞を加えた例
接続詞を加えたものともみられるし、接続詞と分詞との間の「主語+be動詞」の省略とみることもできる。

While staying (=While we were staying) in Paris, we fell in with a party of Swiss tourists.(日本語訳略)
While resembling (=While he resembles) his father in appearance, he has inherited much from his mother in character.(彼は外見は父親に似ているが、性格は母親譲りのところが多い)
(この while は「時間」を示しているのではなく、「〜なのに…」「〜の一方…」という意味を出している)


●安井稔著『英文法総覧(改訂版)』開拓社

35.1.2.3.「接続詞+分詞など」の場合.

While belonging (=While I belonged) to the tennis club, I practiced hard.(日本語訳略)
Do not read while (you are) eating.(日本語訳略)

時を表す副詞節の主語が主節の主語と同一の場合、副詞節はしばしば主語と述語が省かれて「接続詞+補語」の形をとる。この場合、「主語+be動詞」の省略と考えることもできるが、範例の第1例の while belonging の場合は省略とするわけにはいかない。belong は進行形にはならない動詞であるからである。したがって、分詞の前に接続詞がついたものとして扱う。この形は when, while, if, though などとともに生ずる。


●宮川幸久、綿貫陽、須貝猛敏、高松尚弘著『徹底例解ロイヤル英文法』旺文社

Q&A While staying in Paris, I met Jane. は分詞構文か?

分詞構文と考えてよい。
分詞構文はその表す意味があいまいになることが多いので、これをはっきりさせるために、分詞の前に接続詞をつけることがある。問題の文も、Staying in Paris, ... という分詞構文の意味をはっきりさせるために while をつけたものと解することができる。しかし、この文はまた While I was staying in Paris, ... という副詞節の I was を省略したものと考えることができる。<主語+be>を補って考えることができる場合は、どちらかというとこの方が自然であるともいわれる。ただし、ふつうは進行形にならない動詞でも、-ing の形になるので、そのような場合は分詞構文と見たほうがよい。


●石黒昭博監修『総合英語Forest 第4版』桐原書店

1.分詞構文の応用 分詞構文のさまざまな形
(2)分詞の前に接続詞を置いて意味を明確にする

While skiing in Hokkaido, he twisted his ankle.(日本語訳略)

分詞構文の意味を明確にするために、分詞の前に接続詞を置くことがある。この文では、while を置くことで「時」を表すことを明確にしている。
分詞の前に置かれる接続詞は when や while が多い。また、このような場合は<主語+be動詞>の省略と考えることもできる。

●OUP“Practical English Usage 3rd Edition”Michael Swan

411.6 participle clauses after conjunctions and prepositions
-ing clauses は、多くの接続詞・前置詞の後ろで使うことができる。それらは普通、after, before, since, when, while, on, without, instead of, in spite of, as と共に使われる。前置詞の後の -ing形は、しばしば分詞とも動名詞とも解される。両者の区分ははっきりしていない。


以上を読んでみると、
〔分詞構文〕というのは、when節やas節・if節・though節・while節などさまざまな意味を表すことができる。そのため、どの意味かが分からなくなる時がある。意味を明確にするために〔分詞〕の前に〔接続詞〕を置いていると考えられる。

ただし、
While she was in Austraria, she met and married Bert.
の she was を省略して、
While in Australia, she met and married Bert.
のように、表現することもできる。
基本的に「時・条件・譲歩」などの〔副詞節〕中では、主節と一致する〔主語〕と〔be動詞〕は省略できる。

While skiing in Hokkaido, he twisted his ankle.
の英文も、while と skiing の間に he was が省略されてるとも考えられる。こう考えて理解してもらってもよい。

ところが、
While belonging to the tennis club, I practiced hard.
のような英文では、
While he is belonging to the tennis club, ...
となることはない。belong が〔進行形〕をつくらない〔動詞〕だからである。
While I belonged to the tennis club, ...
という英文ならば正しい書き換え文となる。
この文は〔be動詞〕はないので、省略とは考えられない。分詞の前に接続詞が置かれたと考えるしかない。〔接続詞〕+〔分詞〕は万能なので、これで問題なく理解できるという人は、これを採用してみるといいだろう。


一通り読んだくらいで、あまり理解できていないのだが、酒井典久著『英語のしくみが見える英文法』文芸社の第18章に「分詞構文の背景」がある。22ページを割いて説明されている。

何でも、分詞構文は、フランスの分詞構文が祖先であるようだ。そのフランス語の構文は、英語の in に当たる前置詞 en〜ant という形が基本となっているようだ。これは〔前置詞〕+〔動名詞〕なのである。この構文をフランス語では gerondif と呼んでいるそうである。英語の gerund「動名詞」に当たる。

本家が動名詞と呼んでいるのだから、英語も〔動名詞構文〕と呼んではどうか、と提唱している。そして、さまざまな意味の〔分詞構文〕を〔前置詞〕を使って書き換える試みを行っている。“with+O+〜ing”についても、この観点に立った見事な説明がある。私も、もう少し理解できるように勉強してみるつもりだ。

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