ほしたびの旅

日本一周2001 本州・北海道編

旅日記1~10日目: 山陰・南紀・東海、東京

1日目: 5月25日(金) 山口県、本州最西端

77777.7kmを示すオドメータ
オール7だ

8時50分に自宅を出発。少し薄雲が出ている程度の晴で、走ると心地良い。途中でイベント発生、バイクのオドメーターが77777.7kmを指した。ラッキーな旅立ちの日である。

時間短縮のため大竹から徳山東まで山陽道(高速道路)を使った後は国道2号を西に進む。新南陽から防府に入る峠を越えると、海に落ち込むように立つ山と青い海が目に飛び込んできた。きれいだ。

下関市毘沙ノ鼻
本州最西端

下関に入り、壇ノ浦で休憩。修学旅行らしき小学生の団体が観光バスでやってきて九州へとつながっている地下歩道へ入ろうとしている。私も小学校の修学旅行で地下歩道を歩いて渡ったことを思い出す。本州最西端である毘沙ノ鼻展望台に行った。何も無いがきれいに整備されたところである。海岸の岩場に最西端の碑があるようだが、拝観手続きなどをしなければならないようなので、先を急ぐことにする。

日本海沿いの国道191号を長門、萩と通過し、田万川町まで進む。事前調査では田万川キャンプ場は無料だったのだが、道の駅たまがわで訊ねたところ去年から500円になったとのことだった。しかし、道の駅の裏でもテントが張れそうなので、そこに張ることにした。田万川キャンプ場の隣にある田万川温泉「憩いの湯」(400円)は道の駅からも近い。温泉には露天もあり、きれいな施設だ。休憩室で弁当を食べたり時間をつぶし、適当な時間に道の駅に行ってテントを設営した。夜はカエルの大合唱だ。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:365.2km
  • 宿泊地:山口県阿武郡田万川町 道の駅たまがわ
  • 入浴地:田万川温泉(400円)

2日目: 5月26日(土) 島根・鳥取

日の出の時刻とともに起床。朝食、片付けをして6時半には出発、国道9号を東へ進む。島根半島の日御碕に着く直前に日御碕神社を見下ろせる場所があったが、そこからの神社はきれいに見えた。日御碕の駐車場には、灯台の形をした「もしもし灯台」という名前の公衆電話ボックスがあった。


出雲大社

出雲大社では、広い表参道とその参道を3つに分けるかのような2列の樹木が印象的だ。社殿に人の何倍もあるような大きな縄がかけてあった。あっ、そういえば出雲大社は縁結びの神でもあるのだ・・・。

次に美保関に向かう。1992年にこの町の松本さん宅に隕石が落ちたのだ。松本さん宅前には記念のレリーフが建てられている。七類港にあるメテオプラザにも寄る。ここにはその隕石が展示している。しかし、一つの隕石の展示と、前座のしょうもない映像、そして隕石結晶の顕微鏡拡大コーナーだけで600円は高いなー。

さらに東へ進み、鳥取砂丘へ。砂丘展望台から見るとなかなか見ごたえがある。しかし、あちこちで緑が目に付いた。おもしろいことに、展望台から見えるこの砂丘の斜面に、だれが描いたのか落書きがされている。相合傘に名前が書かれたりもしている。遠くから眺めてもはっきりわかる巨大なものをよく作ったものだと感心する。

今晩は鳥取砂丘そばの柳茶屋キャンプ場にテントを張った。無料だが施設はまずまずでゴミ捨て場もある。土曜日ということもあってか人も大勢いる。ライダーも結構いる。

近くに温泉があるということでみさき湯(380円)という所に行った。施設的には銭湯のようである。

  • 今日の天気:曇
  • 走行距離:416.4km
  • 宿泊地:鳥取県鳥取市柳茶屋キャンプ場
  • 入浴地:鳥取市みさき湯(380円)

3日目: 5月27日(日) 丹後半島から南下、尼崎へ

昨晩寝る頃に小雨がぱらつき始めていたが起床時はやんでいる。出発する頃になって小雨がぱらつき始めた。この旅3日目にして初めてカッパ姿になり出発したがまもなく雨はやんだ。国道178号に入り、但馬の海岸線を東に進む。この辺りの海の透明度は良くきれいだ。

舟の格納庫と一体化した家屋
伊根の舟屋

丹後半島の先端、経ヶ岬あたりの山斜面には海から霧がかかっている。経ヶ岬から国道178号に戻って東に進みだしてすぐのところに猿がいる。山の斜面の林の中にたくさんいるようだ。伊根では住居の下に船が入る舟屋が並んだ独特な景観を眺めた。

舞鶴市に入り、国道27号を南に進んでいると天気が怪しくなってきたので、休憩がてらどこかに寄って雨装備の準備をしようと思った矢先に突然大きな雨粒が落ち始めた。屋根のあるところを探したが見つからず、とにかく止まろうと思って止まったところに民家のひさしがあった。ちょっと拝借して雨宿りさせてもらった。綾部市から国道173号に入り、南に進む。川西市に入り、一庫ダムを過ぎて最後のトンネルに入る直前に渋滞が始まった。これは強烈だ。えんえんと続いている。すり抜けしながらなんとか池田市まで出る。その後、大阪城に回って、尼崎にいる友人の家に泊まらせてもらいに行った。

  • 今日の天気:曇一時にわか雨
  • 走行距離:371.0km
  • 宿泊地:兵庫県尼崎市友人宅

4日目: 5月28日(月) 滋賀県経由、奈良県明日香村

朝、友人の家を出発。渋滞を避けるため、豊中から京都南まで名神高速を利用する。インターを降りた所から北に向けてしばらくはひどい渋滞だ。それに街中は暑い。三条大橋あたりを回った後、東山に上がろうと思って行って見ると、二輪通行止めの標識があった。なんで二輪だけを締め出すのか?むちゃをするのがいるのは四輪でも同じではないか。

狸の焼き物がずらり
信楽焼きの店先にて

大津からは県道16号で信楽に向かう。それまでの街中とは違い、木々の中の道を走ったりして心地良い。信楽でたぬきの置物と記念写真を撮った後、奈良へ向かう。県道5号沿いの和束町では茶畑が多く見られる。奈良東大寺大仏殿に入る。ひっきりなしに修学旅行等の団体がやってくるので落ち着かない。ずいぶんな額の観光収入があるのだろうなと思う。階段を上るとき、女子高生のミニスカートの中が見えそうで見えない。(^_^;) リュックでガードされている。

明日香村にある石舞台古墳に行ってみる。15年前に訪れたときは無料だったような気がするが、入場料が400円だったので見るのはやめた。夕方には橿原市内の銭湯に入り、コインランドリーで洗濯し、食事した後、チェックしておいた石舞台古墳公園の巨大東屋にテントを張って寝た。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:190.6km
  • 宿泊地:奈良県高市郡明日香村石舞台古墳公園の大東屋
  • 入浴地:橿原神宮、栄温泉(銭湯)(350円)

5日目: 5月29日(火) 大台ケ原経由、和歌山県御坊市


大台ケ原の立枯れ木

なぜか昨晩は寝付けなかったが、朝5時前に起床し、6時過ぎには大台ケ原に向けて出発した。朝の空気はひんやりしている。頂上駐車場に近づくにつれて曇がちの空になり、気温も低くなっている。8時前に頂上駐車場にたどり着くと、車は十台程度で静かだ。散策ルートを確認して日出ヶ岳などの東ルートを回る。途中、鹿に出会った。珍しく、ほとんど警戒することなく、4・5mくらいに近づいてもえさを食べ続けている鹿もいる。そうかと思うと、気配を感じるとすぐにピューイという鳴き声をあげて白い尾を目立たせて去っていく鹿も見られる。3時間あまりで一周し、駐車場に戻る。

吉野川沿いに国道169号を下っていく。だんだん暑くなってくる。大淀町のファミリーレストラン「オーク」で税別490円の日替わりランチを食べた。米はぱさぱさしている。高野山に上ると再び涼しくなる。高野龍神スカイラインの高野山側料金所をパスするために県道53号に入る。最初、道は狭いが、しばらくすると東側の展望が良くなった。途中から高野龍神スカイラインに入り、こちらは西側の展望を楽しむ。清水町のお土産屋の所から清水町側に下り、スカイラインを離れる。途中、夕立のような雨に降られたが、雨が上がった後、虹が見られた。

吉備町から国道42号を南下する。暗くなって御坊市内に入り、電話帳で調べたスーパー銭湯「野天風呂、宝の湯」に行き、さっぱりする(400円)。御坊総合運動公園に行ってみると、ちょうど良い東屋があったので、そこにテントを張って寝ることにする。夜も遅くなり疲れていたので、カエルの大合唱も何のその、寝入った。

  • 今日の天気:晴後一時雨
  • 走行距離:319.6km
  • 宿泊地:和歌山県御坊市総合運動公園の東屋
  • 入浴地:御坊市湯川町、宝の湯(400円)

6日目: 5月30日(水) 潮岬、夕刻の伊勢神宮

本州最南端の碑
潮岬にて

国道42号を南下。潮岬に近づくと海岸に黒い岩が目立ってくる。小雨がぱらつくが、潮岬に着いたところでやむ。本州最南端の碑で記念写真を撮った後出発、北東方向への移動となる。太地町を過ぎたあたりから雨が本降りになる。今回履いてきた靴には持っているブーツカバーが掛けられないことが判明し、そのままにしていたらびしょ濡れになってしまった。新宮市のマル井マートに屋根付きの駐輪場と休憩所があったので休憩を兼ねて弁当を買って食べることにした。休憩所には何をすることも無くぶらついているようなおじいさんが2・3人座り込んでいたが、かまわず弁当を食べる。時々、雨が激しく降る。


伊勢神宮内宮の正殿の門

大台町から県道38号に入り、伊勢神宮の内宮に向かう。国道23号は伊勢神宮のところで終わっている。おお、伊勢街道。雨はやんでいる。夕方6時頃なので参拝客はほとんどおらず、店も閉まっている。天照大神を祭っている正殿の門前脇には小さな建物があり、神宮の人が交代で24時間詰めて管理していて、門の内側には入れない。写真撮影も階段の下からしか許可していないなど、ただならぬ雰囲気を作ろうとしているかのようだ。

天気がよくないので、伊勢市の隣町になる二見町の太江寺ユースホステルに泊まる。こういう天気の時に利用しようとユースホステル会員になっておいたのだ。お寺の脇の古い建物で、そこまで至る階段がしんどい。利用者は私一人だ。中に入って少ししてから再び雨が降りだした。

  • 今日の天気:曇後雨
  • 走行距離:351.2km
  • 宿泊地:三重県度会郡二見町ユースホステル太江寺

7日目: 5月31日(木) 関ヶ原古戦場跡経由、岡崎市へ

起きたときは小雨がぱらついていたが、8時半に出発する頃にはほとんどやんでいた。南勢バイパスは快走区間。鈴鹿の南海部品に寄り、近くの鈴鹿サーキットの前を通り過ぎた(だけ)。国道1号の四日市市内はひどい渋滞だ。

桑名から国道258号、県道56号、国道365号と継いで関が原古戦場跡(笹尾山)に行く。上に登って下を眺めると盆地のように見える。そこには案内板があり、なにやら黒いボタンが・・・。喜んで押すと大きな音で解説が流れ始めた。(^_^) 駐車場に戻ると、私より先に登っていたカップルの車のドアガラスが割られていて困っている様子だった。警察に連絡していたが、誰がこんなことをしたのか。

さて、わがバイクのドライブチェーンはそろそろ伸びきってきたので広島を出発前に替えようと思っていたが部品取り寄せが間に合わずそのままにしていた。名古屋市南区にあるレーシングワールド名古屋南店でチェーンとスプロケットの在庫があることを確認したので、そこで取り替えることにする。行ってみると、昔よく行っていた大阪の本店よりも店の中が広く、品揃えも豊富。

テントを張れる場所を調べていると、岡崎市に桑谷山キャンプ場があるので行って見る。小川の流れる音が聞こえるだけで林に囲まれた静かな所だ。23時を回っていたので速攻で寝る。

  • 今日の天気:曇朝の内雨
  • 走行距離:275.7km
  • 宿泊地:愛知県岡崎市桑谷山キャンプ場

8日目: 6月1日(金) 富士宮市白糸の滝、山梨へ

徳川家康の生誕地、岡崎城跡である岡崎公園まで戻って散策した跡、国道1号を東へと向かう。朝6時にはもうトラックでいっぱいである。浜松市の海岸沿いにある中田島砂丘は、鳥取砂丘を少し小さくしたような感じ。ここにもあちこちに緑の草が見られる。生命の強さを感じる。

有料のバイパスは使わずひたすら一般国道1号線を走る。富士市に入って富士山が見えたが、かすんではっきりとは見えない。富士市から国道139号で北上するにつれて富士山がはっきり見えてくる。南側及び西側斜面の雪はほとんどなくなっている。


白糸の滝

白糸の滝に寄ってみる。バイクを止め、お土産屋が並ぶ道を通り抜け、下に降りていくと滝の前に出る。幾筋もの水の流れが横幅広く広がっている。すばらしい眺めだった。しばらく見た後、北上。標高が高くなるにつれて涼しくなってくる。朝霧高原の、周りに何もないところにKマート発見。こんな所にまでコンビニがあるなんて。

今晩は富士山が真正面に見える精進湖キャンプ場に泊まる。付近のキャンプ場はみな料金が高く、探した中でも一番安いと思われるここでも700円である。温水シャワーを500円で利用する。さっぱりして出たところで、管理人さんたちがバーベキューをしており、少しご馳走になってしまった。(^o^) どうもでした。

  • 今日の天気:晴時々曇
  • 走行距離:264.6km
  • 宿泊地:山梨県西八代郡上九一色村精進湖キャンプ場
  • 入浴地:キャンプ場温水シャワー(500円)

9日目: 6月2日(土) 富士北麓から伊豆半島へ


山中湖村からの富士山

高原の朝はひんやりとする。国道139号を富士吉田へと向い、富士山の北斜面が見えるようになってくると、上部にはまだ雪が多く残っているのがわかる。山中湖や三国峠からの眺めもまずまず。芦ノ湖、箱根へとバイクを走らせる。土曜日ということもあり、車・観光客が多い。

三島から伊豆半島へと向かう。ふと、村下孝蔵の「踊り子」を口ずさむ。下田街道は修善寺まで混んでいた。修善寺から県道18号で西海岸まで抜け、南下していく。明るい青空と海がきれいだ。途中、恋人岬というのがあり、寄ってみようかと思ったが、駐車場があふれるくらい多くのカップルなどがいたし、自分には関係ないし・・・やめた。

南端の石廊崎は歩くと往復40分くらいかかりそうだったのでやめた。下田公園の水族館側にある駐車場が静かでよさそうだったので、そこにテントを張ることにする。近くの銭湯「昭和湯」(340円)に行ってみると天然温泉と書いてある。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:288.2km
  • 宿泊地:静岡県下田市下田公園の南側(水族館側)駐車場
  • 入浴地:下田市昭和湯(天然温泉)(340円)

10日目: 6月3日(日) 鎌倉、東京

早朝、いい天気の中、伊豆東海岸を北上する。熱海を過ぎるあたりから、日曜日という事もあり、すれ違うバイクの数も増えてくる。ここでも有料道路は使わない。湯河原町に入ると、新道・旧道共に「有料」という標識が目にはいった。有料道路を通るしかないの?と思っていると、有料区間に入る手前で陰に隠れていた標識が一瞬見え、そこには一般国道135号は左折する図が書いてあった。一瞬の判断で左折し、無事一般道で進むことが出来た。

湘南海岸ではすでに車で人が大勢やってきていて、サーファーたちもいる。鎌倉市の観光案内所で観光案内図をもらおうとすると有料だというので、駅前にある案内図を目に焼き付ける。鎌倉市内は道幅も狭く、車の流れが悪く、観光客も長い距離をえんえんと歩いている。車の駐車料金が1時間800円したり、バイクを置けない駐車場だったりということもあり、鎌倉が嫌になる。

東京天文台第一赤道儀室
東京天文台第一赤道儀室

東京の三鷹市に向い、国立天文台三鷹キャンパス(旧東京天文台)を見学する。古い望遠鏡やドームがあり、歴史を感じる。東京天文台を出て国道20号を都心へと向かうが大渋滞で、すり抜けするのも難しい。

宿泊は東京代々木ユースホステル(3000円)にする。国立オリンピック記念青少年センター内にあり、個室である。ただ、駐輪場から400m程歩く必要があり、重い荷物いっぱいの私にはつらい。敷地内を結構なスピードでサングラスをかけて腕時計で時間を見ながらランニングをしている女性がいた。高橋尚子さんに似ているような感じだったが、本人だろうか。夕食は食堂で690円の定食を食べた。ごはんとジュースがおかわりできてうれしい。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:243.7km
  • 宿泊地:東京都渋谷区 東京代々木ユースホステル