ほしたびの旅

日本一周2001 本州・北海道編

旅日記21~30日目: 北海道道南~道北

21日目: 6月14日(木) 江差町、倶知安町

昨晩は遅くなってから山側からの風が強くなりテントをばたつかせていたが、去年ほどの強さではない。朝、車がやって来た。何をするのだろうと思っていたら、何やら作業車もやって来た。ん!と思っていると7時半頃から草刈を始めだした。音も大きいし、匂いもする。作業開始がちょっと早すぎるんじゃない?と思いながらも片付けをしてキャンプ場を後にする。

江差町にある開陽丸資料館(確か600円)に入る。開陽丸は幕末に徳川幕府がオランダから購入した軍艦で、大きな活躍をしないままに江差沖に座礁した船だ。引き上げたものを展示していたり、人形で砲撃の様子を再現したりしていて、楽しめた。

檜山支庁大成町の尾花崎
北海道本島最西端の岬

日本海沿いに北上する。天気も良く、左手には奥尻島がくっきり見え、海がとてもきれいに見える。昼飯は熊石町の食料品店で生うに780円(税別)と弁当を買い、うに丼にして食べた。

島牧村から内陸に入り、黒松内町から国道5号を走り、倶知安町の旭ヶ丘公園キャンプ場に至った。ライダーや車でやってきている人などが結構いる。ここは正面に羊蹄山がドーンと見えていい感じ。しかし、テントを張ろうとするといっせいに蚊が集まってくる。悪戦苦闘の後、テントを張り終えた頃には薄暗くなってしまった。夜は星がきれいに見えたが、おそらくパチンコ屋のものと思われる回転サーチライトの光が夜空を回っていて台無しだ。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:297.1km
  • 宿泊地:北海道後志支庁倶知安町 旭ヶ丘公園キャンプ場
  • 入浴地:倶知安町東湯(360円)

22日目: 6月15日(金) ニセコ、積丹半島一周

神威岬と神威岩
南側から見た神威岬

朝起きたときは霧がうっすらと掛かり、羊蹄山は見えなかったが、出発する頃にはすかっり晴れあがった。道道58号、倶知安ニセコ線を上っていく。高い山の斜面には、少し雪が残っている所もある。あちこちの道路の脇に車が止まっている。道道66号ニセコパノラマラインに入り、北に進む。大谷地あたりにもたくさんの車が止まっている。聞いてみると、たけのこを取っているそうだ。神仙沼まで木道を歩く。静かな湿原地帯で気持ちが良い。沼の水面に、山や空がきれいに映しだされている。岩内からは国道229号で積丹半島を巡る。空は快晴で、海がとてもきれいに見える。もちろん山の緑もきれいだ。西の河原の手前から北を眺めると、遠くに神威岩が立っているのが見える。積丹トンネルを越えると、神威岬とセットで見えてこれもいい眺めだ。

昼食は余市町のかきざき商店「海鮮工房かきざき」へ。うに丼が食べたかったが、時価であり、1900円(税別)だったので、仕方なくいくら丼680円(税別)を食べることにした。昨日まで天候不良で高くなっていると言われた。国道5号でニセコまで行き、さらに真狩村まで移動。泊まりは真狩村のキャンプ場。近くのまっかり温泉(400円)で、日が沈んで薄暗くなりつつある羊蹄山を見ながら露天風呂につかる。夜は今晩も星がくっきりといっぱい見える。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:245.9km
  • 宿泊地:北海道後志支庁真狩村 羊蹄山自然公園真狩村野営場
  • 入浴地:真狩村まっかり温泉(400円)

23日目: 6月16日(土) 真狩村から芦別へ

歌う細川たかし像
大音量が鳴り響く

真狩村といえば細川たかしの出身地。というわけで細川たかし記念像の所へ。彼は羊蹄山をバックに歌う格好で立っている。記念写真を撮ったところで、像の横にある手形に手を合わせて・・・。歌ってくれました、大きな音で。朝早くからすいません。(7時過ぎていたので許してね)

中山峠を経て札幌市内へ。札幌市内は交通量が多い。小樽の一心太助でうに丼を食べようと思い、小樽まで行ったが、今日はうに丼をやっていないと言われてがっくり。仕方なく他の店で普通の定食(ざんぎ定食)を525円で食べた。ここで疑問、ざんぎと鳥のから揚げはどう違うのだろか?

道道1号を南下、朝里ダムに上がる道はダムの目の前でループ橋になっている。定山渓を経由して再び札幌市内へ。その後、道の駅スタンプラリーのために国道274号で由仁町へ、国道234号で岩見沢へ、国道12号で奈井江町へと走る。道の駅ハウスヤルビ奈井江にあるトイレの自動ドアは変わっている。観音開きのように立体的に開くのだ。だが、ガチャガチャと音を立てて壊れそうだし、外に出るときは手前に動いてきてぶつかりそうだし、あまり良くないなあ。

浦臼町にある道の駅に行った後、砂川市の滝川公園キャンプ場に行ってみたが、駐車場からキャンプサイトまで遠いのでやめる。歌志内を経て芦別にある道の駅にたどり着き、ここでテントを張ることにした。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:375.0km
  • 宿泊地:北海道空知支庁芦別市 道の駅スタープラザ芦別

24日目: 6月17日(日) ととろの猫バス

ねこバス
戸外炉峠駐車公園

朝、道の駅の前にあるコイン洗車場で、旅に出て初めての洗車をした後、出発した。芦別から道道4号、79号を走って深川市に入る。坂を下り始め、深川スキー場あたりで石狩川流域の平野の展望が見えてくる。何やらビニールハウスの陰にバスの屋根が見え、そのバスが気になったが、その手前の駐車場にバイクを止めてしばらく景色を眺めた。展望台の案内板には、まるでとってつけたような北斗七星伝説が記されている。この展望台の名前は何だろうと看板を見てみると、戸外炉(ととろ)峠駐車公園・・・。もしかしてあのバスは、とバスを見に行ってみると、やはり、バスに猫バスの絵が描かれていた。この「戸外炉」というのは、深川市内の地域起こしグループの名前らしい。夜になるとこの公園では、そのグループが公園に向けて市街地に設置した電灯の光が北斗七星やカシオペヤの形に並んでいるのが見えるそうである。でも、そうすることによって、本物の星が見えにくくなってしまうから、私としてはあんまりして欲しくないなぁ・・・。

滝川市、雨竜町、北竜町、と道の駅を巡り、旭川市内へ。旭川市内のラーメン屋糸末で塩野菜ラーメン(500円)を食べたが、ちょっと好みの味ではなかった。

国道39号線を進むと、愛別町付近で目の前に、雪を残した大雪山系が見えてきた。ただ、もやがかかっていてくっきりとは見えていない。上川町から国道273号で滝上町へ。この道は走りやすい快適な道だ。次いで西興部村へ。今日は早々に西興部村にあるキャンプ場にテントを張ることを決めた。歩いていける距離に外来入浴(400円)できるホテル、コンビニがあり、便利だ。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:285.6km
  • 宿泊地:北海道網走支庁西興部村 森林公園キャンプ場
  • 入浴地:西興部村ホテル森夢(400円)

25日目: 6月18日(月) 西興部から幌加内経由、日本海側へ

今朝は昨日までに比べて暖かかった。名寄、美深と寄り、幌加内町へ進む。昭和53年に日本の最低気温の記録を作ったということで幌加内町クリスタルパークにはモニュメントがある。まるで鏡のように周囲の景色を反射している。白樺林がきれいだ。国道239号、道道742号、道道126号を通って小平町へ抜けていく。小平ダムの数キロ下流に進んだところの右側山斜面に「パラダイス入口」という看板がある。なんだろうか。

小平町から日本海沿いに国道232号を北上する。曇っているせいか、海は映えない。雨が降りそうなので、天塩町鏡沼キャンプ場のライダーハウスに泊まることにする。ここは狭いが無料で、温水シャワーも無料で使える。買出しに出かけて帰る途中に霧雨のような細かい雨が降り出した。霧雨の中、ライダーハウスから二槽式洗濯機のある炊事場や乾燥機(有料)のある管理棟まで走っていって洗濯をした。

  • 今日の天気:晴後曇夕方小雨
  • 走行距離:345.9km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場ライダーハウス
  • 入浴地:公園無料シャワー

26日目: 6月19日(火) 石垣島での旅人との再会

朝起きると、どんよりとした曇空だ。すぐには晴れそうにないので、もう1泊することにしてゆっくりすることにした。ゆっくりしていると、オフロードバイクが2台やって来た。一人は倶知安町の旭ヶ丘キャンプ場にいた人(Oさん)、もう一人は石垣島の米原キャンプ場にいた人名古屋BMW-F650GSライダーだった。特に、石垣にいた人と再会するとはびっくり。ひげが月日を感じさせる。

11時前になって道の駅スタンプをゲットするために出かける。途中の中川町森林公園に寄ってみる。無料のログハウスは高床式になっていて、中は畳が12畳ほど敷かれている。しかし宗谷本線がすぐそばを通っていてうるさそう。音威子府、中頓別と進み、途中、霧雨のような雨が降り始めたので、北海道に入って初めてのカッパを着ることにする。気温もずいぶん下がって寒い。知駒岳南側の峠を越えて幌延町に抜ける。峠付近は濃い霧で数十メートルしか視界がきかない。幌延町の下サロベツ原野園地に行くと、ちらほらとエゾカンゾウが咲き始めている。ビジターセンターのおじさんの話によると、このところ気温が低い日が続き、少し開花が遅れているようだ。さあ、ライダーハウスに戻ろうと走り始めると雨が降り始めた。本格的な雨だ。セイコーマートで買出しをして戻る。

夜、炊事場に歯磨きに行くと、同宿の人が日本酒をかんしていたので、体を温めるために少しごちそうになった。話をしていると、そこにキャンプしている人が一人ふらりと食器を洗いに来た。ふと見ると、・・・ん! なんと石垣島で会ったスケッチ青年ではないか。昼に続いてまたまたびっくり。しかも彼は、バイクでは体に悪いということで札幌で自転車に乗り換えて旅を続けている。沖縄と北海道で出会うなんて。旅人が行くところはみな同じということなのか。

  • 今日の天気:曇後一時雨
  • 走行距離:203.9km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場ライダーハウス
  • 入浴地:公園無料シャワー

27日目: 6月20日(水) 天塩町で連泊

今朝もどんよりとした曇空で寒い。5月上旬頃の気温と同じらしい。もう1泊することにした。同じように連泊していた宇都宮のオフロードライダー、アキさんは今日こそはと稚内に向けて発っていった。暇なので天塩川歴史資料館に行ってみた。ここは無料なので時間つぶし・・・いやいや、天塩町の開拓の歴史や生活の様子がわかって良い。その後、福祉センター(だったと思う)の2階にある図書館に行ってみた。町の小さな図書館で、冊数も少ない。新聞も置いていないのでがっかり。昼には、弁当を買ってライダーハウスに戻り、落書き帖に記帳したりしてごろごろした。

  • 今日の天気:曇
  • 走行距離:11.6km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁天塩町鏡沼海浜公園キャンプ場ライダーハウス
  • 入浴地:公園無料シャワー

28日目: 6月21日(木) 礼文島へ

今朝も寒い。周辺には雲が多いが、頭の上のほうは晴れている。今日こそはと思い、片付けて7時に出発。道道106号稚内天塩線で日本海沿いに北上する。道の両側にエゾカンゾウ、エゾスカシユリ、シシウドなどの花が咲いている。海の向こうには山が雲で隠れている利尻島が見える。豊富町のサロベツ原生花園に立ち寄る。レストハウス西側の木道周辺にはエゾカンゾウがかたまっている。奥の方や、東よりの木道周辺にはワタスゲの白い毛が点々と広がっているのが見える。

北上していくと礼文島も見えるようになってきた。そしてエゾカンゾウよりもシシウドが目立つようになってきた。時間があまりないのと、天気の様子を見ようと考え、10時50分発の礼文島行きフェリーに乗るのは見送った。稚内の森林公園に行ってみたり、野寒布岬から日本海側へ回ってぐるっと一周したりした後、天気も回復するだろうと判断し、15時10分発のフェリーで礼文島へ向かった。島に近づくにつれて晴れてきた。

上陸して観光案内所で食堂の案内などを聞いてから出発しようとすると、民宿なぎさで働いているという兄ちゃんから客引きされた。時刻は17時30分だったが、「今からでも夕食は用意できるし、きっと満足いただける。」と言っていたが、そんなに手間がかからないものなのかなぁ。

緑ヶ丘キャンプ場に行ってみると、例の石垣であった名古屋BMWライダーがいた。晩飯は、香深にある食堂さざ波で親子丼(700円:内税)を食べた。量はまずまずなのだが、長時間保温のためかごはんがぱさぱさで、だし汁が少なかった。

  • 今日の天気:曇朝夕晴
  • 走行距離:148.9km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁礼文町緑ヶ丘公園キャンプ場
  • 入浴地:礼文町香深、北限の湯(360円)

29日目: 6月22日(金) 礼文滝トレッキングとウニ丼

礼文島での花
レブンウスユキソウ

昨晩は冷え込んだ。今朝は雲が多めながらも晴れている。先に来られていたOさんの話を聞いて、まず礼文林道を歩いて礼文滝へ行くことにする。6時40分にキャンプ場を出発。礼文林道に入り、しばらくは林の中を進み、林道入口から30分ほどで笹原になる。7時45分に礼文滝への分岐点にたどり着き、礼文滝へと向かう。初め笹原で、それから林の中の急斜面をいったん降りてから登っていく。登りきる頃に丈の低い草地となり、花が見え始めた。続いて急な下り坂となり、いろいろな種類の花があちこちに咲いているのが見える。私に判別できた花は、レブンウスユキソウ、チシマフウロ、ミヤマオダマキ、レブンシオガマ、ハクサンチドリ、エゾカンゾウ。立ち止まって花を見ながらで、海岸そばの礼文滝にたどり着いたのは8時50分。25分ほど休憩、ぶらついた後、元来た道を引き返す。分岐点に戻ったのは10時00分。そこからさらに、林道を南に歩く。南のほうに進むと林道沿いの斜面にも花が見られるようになってきた。わき道の歩道に入っていくとさらに多くの花が見られる。特にチシマフウロが目立つ。林道を出たのが11時10分。さらに香深の町へ出て海岸沿いを北上し、キャンプ場に戻ると12時50分になっていた。ふ~疲れた。

昼食は元地にある佐藤商店に行き、うに丼を1000円で食べた。うにの量は少ないが、とりあえず満足。さらに300円でとど肉を食べた。すると「とど肉制覇証明書」なるものをもらった。缶詰の焼肉のような、鯨肉のような味だ。この店では、名古屋からXJR1200で来ているライダー2人(1人は稚内にバイクを置いている)といっしょになり、少し話をした。

桃台猫台に行くと、札幌テレビの人がテレビ中継の準備をしている。明日はズームインサタデーの中継があるらしい。XJR1200ライダー達と共に、そこにいる内山アナウンサーと少し話をした。すっかり天気は良くなっている。桃岩展望台のほうに上がって散策する。利尻島もきれいに見える。ここでも別のアナウンサーが明日の中継のリハーサルをしている。

桃台から桃岩を眺める桃岩
桃岩展望台付近からの景色利尻島を望む

晩飯は香深のみなと食堂でかつ丼(750円:内税)を食べた。夜は星が良く見えたので、キャンプ場近くの身内神社そばで星景写真を撮った。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:42.8km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁礼文町緑ヶ丘公園キャンプ場
  • 入浴地:礼文町香深、北限の湯(360円)

30日目: 6月23日(土) テレビ中継と礼文島北部散策

朝は、ズームインサタデーの中継があるということで桃台猫台に行ってみる。内山アナウンサーは中継が始まるまで何回か声を出してリハーサルしている。桃岩展望台の近くにいるアナウンサーもそうだったが、その様子を見て、まるで女優のような仕事だと感じた。残念ながらカメラはアナウンサーと猫岩と地蔵岩を映しただけで、私は映らなかった(^_^)。中継が終わった後、内山アナウンサーは近所からやって来た子供たちに向かって「ズームイン」のサービスをして見送っている。

天気は残念ながら低い曇がかかっており、山の上は霧の中だ。一度キャンプ場に戻った後、昼食と翌朝用にパンの買出しをした。何もしないというのも退屈なので、13時過ぎに北部へ走っていくことにする。東海岸を北上していくと、晴れ間が出てきた。島の北東側は晴れているようだ。レブンアツモリソウ群生地に行き、監視員の人にどこに咲いているのかと聞くと、2箇所だけ咲いていて他はもう枯れていると教えてくれた。咲いているところには目印がしている。残っている花も、もう輝きがなくなっているようだった。

澄海岬も風が強い。鉄府に回り、少しだけ8時間コースの道を歩いてみる。途中ミヤマオダマキが群がっていてきれいな所があった。しかし風がとても強い。西上泊が見えるところまで行って引き返した。キャンプ場に戻る途中、行きがけに見つけることができなかったが起登臼にあるはずの日食観測記念碑を探した。行きがけに見つからなかったはずで、工事のため山側にあった記念碑ははずされ、海側に新たに建てられた記念碑があった。ちなみに、この記念碑は、1948年5月9日に海外からの人も含めて観測隊がやってきて金環日食を観測したことを記念したものだ。

礼文町の鉄府から西上泊に向かう丘の歩道を登る途中にてミヤマオダマキ
金環日食観測記念碑

それにしても礼文島は物価が高い。食堂では定食に野菜がほとんどない状態で最低価格も950円ぐらいしている。稚内より2~3割高いのではないだろうか。今日は礼文島で初めて弁当を見つけたが、これは稚内で作られたもので、同様に高い。野菜なども高く、長期滞在する旅人にはつらいところだ。

  • 今日の天気:曇
  • 走行距離:77.3km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁礼文町緑ヶ丘公園キャンプ場