ほしたびの旅

日本一周2001 本州・北海道編

旅日記31~40日目: 道北~道東

31日目: 6月24日(日) 強風の礼文島

今日は8時間コースを歩こうと計画していたが、昨日と同様に霧がかった曇空だ。いや、昨日よりも少し雲が濃いかもしれない。北の方はもしかしたら晴れているかもしれないということで、係長さん、アキさん、ユッコさんと4人でとりあえずスコトン岬に行くことにする。2台のバイクでそれぞれ2人乗りして7時に出発。私は係長さんのオフロードBAJA250Rの後ろに乗る。地上高の高いシートにまたがるのに、私の短い足ではつらい・・・。単機筒の音と振動もバイクらしくてなかなかのもの。

東海岸を北上すると、昨日のように少し晴れ間が出たが、やはりスコトン岬に着くと霧で遠くの景色がかすんでいる。南東からの風も強烈に強いので、今日はコースを歩くのは中止にする。せっかくなので、スコトン岬、澄海岬、レブンアツモリソウ群生地、久種湖畔一周と回った。ユッコは手のひらに乗るような小さな熊のぬいぐるみを取り出して、熊の旅先記念写真を撮っている。11時にキャンプ場に戻った。

昼食は、21日にも利用した食堂さざ波でカレーライス(600円)を食べた。今日は客がいっぱいで忙しそう。今日のご飯はぱさぱさとはしていなくて、まあまあ。夜はキャンプ場の8人が集まって焼肉パーティーとなった。

  • 今日の天気:曇
  • 走行距離:25.2km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁礼文町緑ヶ丘公園キャンプ場
  • 入浴地:礼文町香深、北限の湯(360円)

32日目: 6月25日(月) 8時間コース散策

今朝も霧がかった曇空。しかし、昨日よりは北部の霧が薄いようなのでとにかく8時間コースのスタート地点スコトン岬に行ってみることにする。昨日同様、2台のバイクにそれぞれ2人乗りして出発。昨日同様に、途中晴れ間があったが、岬のほうにはドーム状に霧がかぶっさているのが見えた。岬に着くと、そこは霧と風の世界。ただ、昨日よりは風が弱いようなので、8時間コースにチャレンジすることにした。


礼文町鉄府

ビニール袋で覆ったヘルメットをバイクにつけ、7時41分にスコトン岬を出発。周りの花は見えるが、海などの景色はまったく見えない。ゴロタ岬では真っ白な世界だ。ゴロタ浜に出て鉄府の集落あたりから晴れ間が見えてきた。ちょうど今朝のフェリーで着いたのか、澄海岬には4・5台の観光バスが止まっており、大勢の人の塊が動いているのが丘から見えた。

アナマに降りる急斜面の手前にて
斜面に広がるエゾカンゾウ

西上泊を過ぎる頃にはすっかり晴れてしまった。途中からは笹原になり、しばらくすると林の中を歩くようになるが、そこにも所々花が咲いている。アナマの急斜面を降りる前にレブンウスユキソウが多く見られるところがあったり、海に向かって急な斜面にエゾカンゾウがいっぱい咲いているところはすばらしかった。宇遠内で休憩し、長い最後の登りに備える。登りは急坂で砂地の所があり、歩きにくい。17時11分に、8時間コースの終点となる礼文林道に出た。9時間30分で歩いたことになる。さらに歩いてキャンプ場には17時30分頃到着。記念写真を撮って長かった歩きは終了。キャンプに来られていた御夫婦の車を借りることができたので、スコトン岬まで皆で行ってバイクを取りに行った。

  • 今日の天気:曇後晴
  • 走行距離:29.0km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁礼文町緑ヶ丘公園キャンプ場
  • 入浴地:礼文町船泊、船泊湯(360円)

33日目: 6月26日(火) 礼文島を離れ、稚内へ

今朝も霧がかった曇空。この時期はこんな天気が多いという。今日は島を出ることにする。12時過ぎてテント撤収開始。撤収を終えておしゃべりしていると、BMW-F650GSライダーと一緒に釣りをしていたという人がやって来て、彼に釣れた魚を分けてくれた。彼は早速、カレイ一匹をさしみにしてキャンパーに分けてくれた。ごちです。ゆっくりしてて良かった。夜もいればホッケもご馳走になれそうだけど、ともかくもキャンプ場を後にする。

港に向かうと、少し霧が濃くなっているような気がする。風も少し強い。時間があるのでしばらくフェリーターミナルで待機。船は16時20分に稚内に向けて出港。船はいくぶん揺れている。

稚内も丘の上は霧がかかっている。森林公園のキャンプ場に行ってみると、テントが4つほど低い樹木や植え込みを風除けにして張られていた。風は強いが何とかなりそうなのでここでテントを張ることにする。

  • 今日の天気:曇
  • 走行距離:28.8km
  • 宿泊地:北海道宗谷支庁稚内市森林公園キャンプ場

34日目: 6月27日(水) 最北端からオホーツク海沿いへ

日本最北端の碑
宗谷岬は人がいっぱい

昨晩は強風が吹いていたが、樹木のおかげで小さなテントには大きな影響はなかった。起きた時は空一面曇っていたが、7時頃にはすっかり晴れてしまった。さっさと片付けて出発。8時半頃に宗谷岬に到着。次から次と観光バスがやってきて、なかなか最北端碑の前で記念写真が撮れない。ふと見ると、どこかのツアー客のおじいさんが私のバイクを写真に撮っていた。そんなに私のバイクがかっこいいのか(^_^)。待って待って、やっと団体がいなくなり写真が撮れた。

ベニヤ原生花園に咲くハマナス
はまなす

オホーツク海沿いに南東へと走る。猿払あたりから急に涼しくなった。風向きも変わり、オホーツク海からの東風になっている。浜頓別のベニヤ原生花園に寄ってみる。赤や黄色の花が一面に広がっているところがある。天気も良く、すごくきれい。

紋別あたりから雲行きが怪しくなってきた。しばらく走ると路面が濡れてきて、小雨が降る地域に差しかかった。キャンプ場に泊まるつもりだったが、湧別町にあるライダーハウスに泊まることにした。「旅人の宿」に泊まろうとも思ったが、食事することが条件になっている食堂の値段が高いのが目には入ったので(ピラフが700円だったと思う、礼文ですら650円)やめて、近くの旧芭露駅無料休憩所に泊まることにした。ちょっと汚いし、水場も外だけど、夜寝るだけだからいいや。同宿は千葉と札幌のチャリダー2人。食堂の前にあるスーパーでカップめんを買い、そこでお湯を入れてもらって食べる。

  • 今日の天気:晴時々曇夕方にわか雨
  • 走行距離:304.8km
  • 宿泊地:北海道網走支庁湧別町 旧芭露駅無料休憩所

35日目: 6月28日(木) ワッカ原生花園で花、船長の家でカニ

今朝は晴れて蒸し暑い。チャリダー2人を見送って自分も8時30分に出発。道の駅スタンプラリーのため、まず丸瀬布、次に道の駅おんねゆ温泉に。出発しようとしたところに、高知県の月見山キャンプ場と倶知安町の旭ヶ丘公園キャンプ場で会ったライダーがやってきて少し話をした。昼、北海道にだけ残っているというガラナエールを飲む。コーラをあまくしたような味だ。道の駅アイランド湧別から所々左手にサロマ湖を見ながら東に進む。空もすっかり晴れ渡り、きれいな青空と静かなサロマ湖の眺めが良い。

ワッカ原生花園に咲く黄色い花
センダイハギ

ワッカ原生花園に行った。まずは遊歩道を回る。エゾスカシユリがいっぱい咲いてきれいだ。センダイハギの黄色の花は終わりかけで、豆ができているのが多く見られる。ヒオウギアヤメも見られる。自転車道に出てワッカに向かって西に歩く。ハマナスも咲いている。さらに奥に行くとエゾカンゾウも見えはじめた。写真を撮っていると、千葉からXJRで回っている女性ライダーが歩いてきたので、そこからは一緒に先へ進んだ。橙色または赤に近い濃い色のエゾスカシユリの中に、数本だけ黄色いエゾスカシユリの花を見つけた。不思議な感じだ。ともかくも入っていくことができるワッカの水の所までたどり着き、水を飲んでからネイチャーセンターまで戻った。往復9kmの道のりを歩いたことになる。それでも礼文の8時間コースよりは楽だ。


エゾスカシユリ

黄色いエゾスカシユリ

夜は近くの民宿「船長の家」に泊まる。ここは一人で訪れる場合は男女別相部屋になるが、1泊2食6090円でカニがたらふく食べられることで有名。心して食べたが結局毛がにの一部を食べ残してしまった。それに、全体的に塩味がきいている物が多く、のどが渇いた。埼玉から来たという同室のライダーは全部平らげていた。若いな~。

出てきた品は次のとおり。まず初めからテーブルに出ているのが、たらばがに(片足)、毛がに、カニなべ、カニサラダ、カニご飯(山わさび付)、ハモ煮付、カニふんどしわさびあえ、鮭の軟骨大根なます、ホッキサラダ、カニきゅうり酢物、カニとトーフのあんかけ、鮭の唐揚おろし添え、果物。更に後から出てきたのが、焼たらば、えびの塩焼き、つぶ貝のバター焼、吸物。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:204.6km
  • 宿泊地:北海道網走支庁常呂町 船長の家

36日目: 6月29日(金) 常呂町から斜里町へ

船長の家は朝食も量が結構多い。全部食べて満腹にしておく。宿を出ると、もう一度ワッカ原生花園に寄って花について質問するなどしてから東へと向かった。網走の能取湖南部あたりでだんだん雲行きが怪しくなり、ポツリと雨が降り始めた。早めにカッパを着て走り出して少しして、ひどい大雨になった。わずかの時間で道路わきに水がたまり、雷もなっている。もう走るのがつらい。網走駅前を通り過ぎたところで、Uターンして駅に逃げ込もうと思ったが、だらだらと車が走っていてUターンできない。ふと左を見ると入口が屋根付の駐車場になっている網走グリーンホテルがある。緊急避難でそこにバイクで入った。雷雨はますますひどくなっている。ホテルの人に駐車場で雨宿りさせてほしいというとすぐに承知してくれた。一時間近くたってほぼやんできたので礼を言って出発することにした。ありがとうございました。

小清水原生花園に寄る。エゾスカシユリがいっぱい咲いており、きれいだ。しかし、狭い範囲内しか回れないために人が多く、しかも多くの写真家が大きな三脚をデーンと置いてなかなか動かないので困る。

夜はまだ雨が降りそうなので、斜里町のライダーハウスクリオネに泊まることにする。料金は1000円だが温泉(モール泉)に入ることができ、ふとんもある。食事も作ってもらうことができ、夕食は600円の定食でびっくりするような量が出てきた。とてもいい感じだ。

  • 今日の天気:曇時々大雨
  • 走行距離:127.1km
  • 宿泊地:北海道網走支庁斜里町 ライダーハウスクリオネ
  • 入浴地:ライダーハウス内温泉

37日目: 6月30日(土) 知床の峠を越すと良い天気

今朝はヒノキで作った浴槽の温泉に入った。気持ちが良い。天気がすっきりしないので、ゆっくりとしてライダーハウスを9時前に出発した。斜里町知床博物館(300円)に行った後、以久科原生花園に行った。海岸線に沿った丘陵の谷間に沿ってエゾスカシユリがいっぱい咲いている。うっすらと霧がかかり、静かでいいところだなと思って回っていると、突然人の波が押し寄せてきた。駐車場に戻ると、いつのまにか、多くの車と2台のバスが止まっていた。

ウトロに向かっていると、霧雨状態になり、路面も濡れてきた。羅臼側の天気はどうだろうかと考えながらも、霧で何も見えない知床峠を通過する。程なく霧が薄くなり、路面も乾いてきた。そして晴れ間が見えてきた。海岸沿いに出て南に進んでいくと天気はすっかり良くなって左手には国後島もはっきり見える。野付半島に入ると、エゾカンゾウが見えてきた。さらに奥に入るとセンダイハギも目立つ。

夕方に中標津町の緑ヶ丘森林公園キャンプ場に到着。バーベキューをしに来ている人や、バンガローに泊まる車の人以外には、広いキャンプ場にチャリダーのテントが2張あるだけだった。後でオフロードバイクが1台来たが、土曜の夜だというのにさびしい。

  • 今日の天気:曇一時霧雨後晴
  • 走行距離:207.4km
  • 宿泊地:北海道根室支庁中標津町緑ヶ丘森林公園キャンプ場

38日目: 7月1日(日) 中標津で連泊

朝起きると曇空。しかし、まもなく雨が降り始めたので連泊することにして、狭いテントの中でごろごろする。ちょっと気分が悪い。15時頃ほぼ雨がやんだようだ。とりあえず翌日の朝食用のパンを買出しに行く。近くのマルエー温泉にコインランドリーがあるかどうかの下見に行くと、礼文島の緑ヶ丘キャンプ場にいたZZR1100の人に会った。

いったんキャンプ場に戻った後、マルエー温泉(360円)に入りに行き、そこのコインランドリーで洗濯、食堂でカレーライス(500円)を食べた。館内でゆっくりした後、外に出ると、日が暮れた南の空には月が出ている。

  • 今日の天気:雨後曇
  • 走行距離:17.9km
  • 宿泊地:北海道根室支庁中標津町緑ヶ丘森林公園キャンプ場
  • 入浴地:中標津町マルエー温泉(360円)

39日目: 7月2日(月) 雄大な大地

道道975号(開陽川北線)
直線道路

今朝は快晴。木々の緑と、その隙間から見える青空がきれいだ。キャンプ場を出発し、開陽台に向かう。途中、直線的道路を感じるべく、道道975号開陽川北線などを走る。奥田民生の「イージューライダー」を口ずさむ。開陽台に到着。青空の下、すばらしい眺めを満喫する。国後島や、細い線のような野付半島もかすかに見える。

開陽台を後にして、道道775号、五十九線、国道243号、国道44号を継いで根室へ。くしろ・ねむろスタンプラリーのスタンプを押すために、北方四島交流センターに寄ってみる。無料で見られる展示室の内容もなかなかしっかりしていて良い。根室の市街地に入り、サティのすぐそばにある喫茶店ドリアンでエスカロップを食べる(税別800円)。とんかつのソースとバターライスが良いのだが、以前食べた時よりもバターライスの味がいまいちのような気がする。野菜がちょこっと付いてはいるが税別800円は高いと思う。税別700円位のものではないだろうか。とんかつ定食のご飯をバターライスにしてとんかつの下に置き、みそ汁を省いているようなものだし・・・。

日本本土最東端
納沙布岬

北方原生花園は期待していたが、時期が悪いのか、道路沿い付近には特に目立つような花は見られない。そのまま通り過ぎて最東端の納沙布岬へ。北方領土が見える。この北方領土は日本の領土なんだということだからか、最東端の看板には「日本」ではなく「本土」と記されている。西へ戻り春国岱へ。奥にかかる橋が、冬における氷の膨張収縮でいたみ、通れなくなっていた。

国道44号から道道123号に入り、霧多布へ向かう。坂を下って海が見える所に出ると、目の前にきりたっぷのがけがドーンと見えた。反対側の海岸沿いには霧が出ているようだ。きりたっぷ岬キャンプ場に着いてテントを張っていると「広島の人ではないですか」と声をかけられた。ふと見ると、なんと、静岡のスケッチ青年だった。よく会うものだ。霧のため、日が暮れる頃霧笛の音が聞こえ始めたが21時前には霧も晴れて音はやんだ。

  • 今日の天気:晴夜一時曇り
  • 走行距離:304.4km
  • 宿泊地:北海道釧路支庁浜中町 きりたっぷ岬キャンプ場

40日目: 7月3日(火) 霧多布から鶴居村

きりたっぷ岬
海鳥がいる霧多布岬

キャンプ場そばの霧多布岬では小さな黄色い花が咲いている。MGロード両側の霧多布湿原は、白い毛をまとったワタスゲでいっぱい! エゾカンゾウの花は、ちらほらとしか見えず、まだ早いようだ。あやめが原にはヒオウギアヤメがそこそこ咲いている。道の駅厚岸を出る頃、わずかに小雨がぱらつき始めたので、雨装備の準備をして出発、しばらくして本降りとなった。

釧路町にあるホームセンターのホーマックと、その向いにあるスポーツ用品店スポーツデポに立ち寄り、ガスバーナーコンロとクッカーなどを買った。油っこい弁当やパンの同じような物ばかり食べてきて、口が変になりそうなので、また、雨で動けないときの非常時に使えるので、せめて麺類やレトルトのような簡単な物が作れるようにと、ついに買うことを決心したのだ。もっと早く決心しておけば良かったのだけど。しかし、荷物が増えてしまった。

そうこうしているうちに雨はやんでいた。買い物後出発してすぐの同じ釧路町内でカワサキのバイク店ZEROを発見したので、オイル交換するために立ち寄った。純正オイル1リットル当り1500円で工賃は取っていないということで、税込4725円で交換できた。オイルフィルタを別としても、千葉のバイク屋で交換した時とえらい違いだ。

白糠町と阿寒町の道の駅スタンプをゲットした後、鶴居村にある鶴居村民広場キャンプ場へ。ここは車が多く、サイトにも車が乗り上げている。しかも、東屋を独占している犬連れ長期滞在豪華装備ファミリーキャンパーもいる。今日は安い温泉が休みのため、近くにあるグリーンパークつるい(500円)に入った。夕食は食堂「せつり」で親子丼(600円)を食べた。みそ汁、漬物、ほうれん草のおひたしが付いてまずまず。夜の21時に公園内にあるスピーカーからチャイムが鳴ってやかましい。

  • 今日の天気:曇後時々雨
  • 走行距離:195.3km
  • 宿泊地:北海道釧路支庁鶴居村 鶴居村民広場キャンプ場
  • 入浴地:グリーンパークつるい(500円)