ほしたびの旅

日本一周2001 本州・北海道編

旅日記51~60日目: 日高~富良野丘めぐり

51日目: 7月14日(土) アポイ岳登山

様似町の親子岩
霧がかかって幻想的

朝起きると、うっすらと霧が立ち込めている。向いの親子岩もかすんでいるが、次第に霧は薄くなっていき、幻想的な風景だ。公園の隣のキャンプ場に行くと、昨夕話をしたチャリダーおじさんのテントの他に、その時には無かった大きなテントがすぐ隣にデーンとあった。駐車場に置かずに、そばの路上に駐車している車があったが、おそらくこの人たちのものであろう。チャリダーおじさんの話によれば、夜中にやって来てペグをがんがん打ち付けてうるさかったそうだ。苦情を言っても横暴な謝り方で、腹が立ったそうだ。テントサイトに余裕があるのだから、もう少し離れたところに張るとか、蚊帳のテントは翌日に張るとか、何らかの気遣いがあれば・・・。

アポイ岳登山口への道にて
白樺を模した街灯

今日は様似町のアポイ岳に登る。ここは標高811mなのだが、海霧による低温とカンラン岩地質のため、高山植物が多く見られる山だ。7時40分、ふもとで登山届の帳面に記入して登山開始。初めは林の中のゆるやかな斜面を進む。しかし、湿度が高いせいなのかどうか、汗が噴き出してくる。5合目休憩所を過ぎるあたりから高い木が無くなり、急斜面になり、いろいろな花が見られるようになる。私が判別できた花は、サマニオトギリ、キンロバイ、エゾコウゾリナ。もちろん他にもいろいろな花が咲いている。しばらくハイマツが生えているところを登っていたが、そこより高い所に林が現れた。霧がかかった林の中を少し登るといきなり頂上に着いてしまった。登り始めて2時間ちょっとである。休憩して下山開始。11時40分頃に登山口に戻る。

静内町、新冠町では道道を通って牧場を眺めながら回る。夕方、平取町に入り、二風谷にある貝沢民芸のライダーハウスに泊まる。あまりきれいではなく、ゴミも持ち出しだが、無料だ。風呂は近くの平取温泉(450円)へ。すぐそばのオートキャンプ場は土曜日ということもあり、豪華装備のファミリーキャンパーでいっぱいだ。夕食は、ライダーハウスを提供している家族がやっている弁当屋でかつ丼(600円)を食べた。量が多く、みそ汁もサービスでもらった。ごちそうさまです。

馬の飾りが付いた街灯
静内町にて

馬の親子
  • 今日の天気:曇後晴
  • 走行距離:173.0km
  • 宿泊地:北海道日高支庁平取町二風谷 貝沢民芸ライダーハウス
  • 入浴地:平取温泉(450円)

52日目: 7月15日(日) 富良野で試食三昧

なんとなくけだるい状態で、南富良野町の金山湖畔へ。湖をバックにラベンダーがきれいだ。映画「鉄道員(ぽっぽや)」の舞台になった幾寅駅へ。駅舎には「幌舞駅」の看板がかかっている。隣の建物には想いでの写真展示やメイキングビデオが流されている。いい映画だったなーと思い出しながら見る。出発しようと駐車場まで戻ると、見覚えのある福山ナンバーのZZR400。探してみると、いた、青森の薬研野営場で会った青年だ。中富良野森林公園キャンプ場をベースに1日1町で周辺を回っているという。

話をして少し遅くなったが、ふらのジャム園へ向かう。麓郷に入ると、日曜ということもあり、車がいっぱい連なっている。駐車場もいっぱいだ。ジャム園に着くと、小さく刻まれた食パンに試食用のジャムをつけて食べる。人ごみにまぎれて、試食用として出ている28種類のジャムを全制覇した。どれが一番おいしいかはよくわからなかった。(^_^;)

次はふらのチーズ工房へ。ワインチェダー、メゾン・ド・ピエール、セピアの3種類あるチーズを試食する。牛乳(税込105円)を買って飲んだ。この牛乳は後味が悪くなく、すっと飲める。続いてふらのワイン工場へ。ラベンダーもきれいに見える。試飲コーナーには4種類のワインが置いてあった。

中富良野森林公園キャンプ場に向かっている途中に少し小雨がぱらつき始めた。到着して急いでテントを設営する。設営し終わった頃に本降りとなった。ふと見ると、帯広のカニの家で一緒になった、カブで旅するガンジーさんとありぼんさんの2人連れがいた。風呂はキャンプ場隣にある、なかふらの山荘で入ることができた(400円)。但し、16時から20時頃までで、宿泊者が多い場合は遅くなると入れないこともあるという。夜は福山ZZR400青年と京都青年と3人で酒を飲みながら話をした。

  • 今日の天気:曇時々晴夕方雨
  • 走行距離:174.9km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場
  • 入浴地:なかふらの山荘(400円)

53日目: 7月16日(月) 雨で停滞

今日は朝から雨なので停滞日にする。ガンジーさんたちはテントを撤収して北へ向かった。昼頃、一時的に雨がやんだすきに、近くへ買出しに出る。往復する間は何とか雨に濡れずにすんだ。戻ってからもテント内でうだうだする。夕方になって雨がやんだのでビールを買いに出て飲んだ。

  • 今日の天気:曇時々雨
  • 走行距離:11.2km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場

54日目: 7月17日(火) 丘めぐり開始、富良野市

富良野・美瑛地方の丘を通る舗装道(市街地は除く)のほとんどを回って景色を楽しもうと思いつく。まずはキャンプ場周辺を走り、富良野市街へ向かう。ジャンパーがずいぶん汚れているので、駅前のインフォメーションセンターで教えてもらった木村クリーニング店に行き、ジャンパーを出した(税込787円)。翌日にはできあがる。

昨年8月にも訪れた関西風お好み焼店「まさ屋」でシーフードミックスのそば入り(750円)を食べる。ちょっと高いけど元旅人の若い店長と話をしに旅人が多く訪れる店だ。店を出る前に、店のWEBページの「旅人たち」コーナーに載せる写真を撮られる。すぐ近くにある100円ショップに入った。そこには野菜を含め食料品が豊富にある。1袋に2合入った米が100円で売られていたので買っておいた。

道道253号を東へ八幡丘に向かう。登り口が改修されて位置が変わり、舗装されて砂利道区間が短くなっている。NHKドラマ「春よ来い」が始まる前の94年6月に訪れた時、「おー、いい感じだ」思って見ていた一本木に今回も立ち寄る。季節が1ヶ月ほど違うせいか、手前の道路よりにある作物の葉が茂って少し違う感じに見える。東富岡から西へ鳥沼方面に進み、それから一旦キャンプ場に戻る。

晴れてきたこともあり、キャンプ場近くにある香彩の里でラベンダーを眺める。再び富良野市街に向かい、銭湯ふらの湯(360円)に入った後、富良野駅前にあるコインランドリーで洗濯をしてキャンプ場に戻る。

夜8時頃になって、ギャーギャーという子供の声が近づいてきた。キャンプ場の中にあるファイヤー場でゲームと花火をしに来たのだった。ちょっとうるさい。町営ラベンダー園を見下ろせる所まで歩いて行って夜空を眺めてみるが、中富良野市街の明かりや下から公園上部を照らす照明で明るすぎて、開けている東の方向はまるでだめ。星空観望には適さない。

  • 今日の天気:曇時々晴
  • 走行距離:136.6km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場
  • 入浴地:富良野市ふらの湯(360円)

55日目: 7月18日(水) ファーム富田、菅野ファーム

朝起きると、空はピーカン。ラジオを聞くと、北海道のほとんどの地域は曇っているということだが、ここは快晴。朝食を済ませて早速、香彩の里にラベンダーを見に行く。朝はまだ人が少なく、落ち着いて見ることができる。次にファーム冨田へ。8時半すぎに着いたが、もう人がいっぱい集まり始めている。一部の場所では、三脚にカメラを載せた人がずらりと並び、さらに他の小さなカメラを持った人も集まってすごい人ごみになっている。今日はそんな場所はさっさと通り過ぎて回る。


ファーム富田

ファーム富田

富田ファームを出て北へ向かいうろちょろする。深山峠北側の菅野ファームでもラベンダーやいろいろな花が咲いている。農夫のマネキン人形があったので、おもしろい写真を撮る。

昼食は昨年も訪れた、美瑛駅の近くにある広島風お好み焼屋「もみじ」へ。肉玉そば入りの大(650円)を食べる。そばの量は2玉より少なめで、これが普通の量といった感じ。味は、広島にある一般的な店の平均的なものだが、おしゃべりな店主がいい。ちょくちょく旅をして、北海道が気に入ったので美瑛に店を開いたそうだ。長話の後、美瑛のマイルドセブンの丘から南側をぐるりと回る。夕方になり、富良野の木村クリーニングにジャンパーを取りに行ってからキャンプ場に戻る。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:105.7km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場

56日目: 7月19日(木) 丘めぐり、中富良野町と上富良野町の西部


ファーム富田

昨日人が多すぎたので素通りした富田ファームの一番人気の撮影ポイントに、朝7時半頃行ってみた。昨日よりは少ないものの、既にカメラを大きな三脚に取り付けて陣取ってシャッターチャンスを待っている人が5・6人いる。撮ろうと思うときにすっとカメラを持ち歩いて撮ったらすぐ移動する私たちにとってはジャマだな~。

上富良野町にて
ロール巻

中富良野町内のJR線から西側をぐるぐる回る。上富良野町に入り、パノラマロード花江を走ると、ちょうど牧草をロールにしていく光景を見ることができた。千望峠の方へまわる。千望峠パーキングからよりも、そこを少し下った所からの方が眺めが良い。日の出公園ラベンダー園に行く。ラベンダーのあるところには決まって、さだまさしが歌う「北の国から」のテーマ曲が流れている。少しラベンダーに飽きてきた。

昼食は上富良野町内にある食堂「松風」で野菜炒め定食(650円)を食べる。量はちょっとだけ多目かなというぐらい。雨が降りそうなので14時頃キャンプ場に戻る。まもなく細かな雨が降り出した。

  • 今日の天気:晴後雨
  • 走行距離:82.5km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場
  • 入浴地:なかふらの山荘(400円)

57日目: 7月20日(金) 旭川市内へ往復

朝から雨が降っていたが、7時頃にはいったんやんだ。とりあえず旭川に行こうと9時前に出発。上富良野の千望峠、道道581号、道道70号を通って北上する。山中で景色はあまり良くない。途中、雨に降られる。パフィーの木を見てから国道237号に出、旭川市内に向かう。

旭川市内の常盤公園にある「川のおもしろ館」(無料)に入る。子供向けだが、サクラマスの一生をあらわした、3DのCGはなかなか楽しめた。市内のサティ、ダイエー、イトーヨーカドーを回って薄手のトレーナーかポロシャツを探したが、良いものが無い。ほとんど半そでだ(夏だ、当たり前)。帰る頃には雨があがり、南の方には晴れ間も見える。

キャンプ場に戻ると、テントがいっぱい張られ、特にファミリーキャンパーが増えている。駐車場にはまだ余裕があるのに、路上へ車やバイクを止めたままにしている人が多くいる。炊事場の三角コーナーにも生ゴミがあふれている。袋や紙類まで三角コーナーに入っている。不特定多数の人が利用するところでは各自がゴミを袋に入れて処分するのが良いと思う。でないとカラスのいいえさ場になってしまう。マナーがだんだん悪くなっている。

  • 今日の天気:曇時々雨
  • 走行距離:152.3km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場

58日目: 7月21日(土) 丘めぐり、上富良野町と美瑛町の西部


上富良野町の畑

天気が良いので朝7時に丘めぐりに出かける。上富良野町内の国道237号より西側をめぐる。少し残して美瑛へ向かう。今日も車が多い。国道237号の美瑛市街入口などで渋滞気味になっている。留辺蘂地区、五稜地区、そして親子の木、かしわ園あたりまで回る。今日はとてもいい天気であった。

キャンプ場に戻ると昨日よりさらにテントが増えている。隣との感覚が1mない所もあって過密状態。炊事場は順番待ちになっている。テントの所まで戻ると、ガンジーさんとありぼんさんが戻っていて、隣にテントを張っていた。

夜は、ガンジーさん、ありぼんさん、埼玉の先生、ハーレー乗り滋賀県人と、酒を飲みながら話をした。今日と明日はすぐそばの町営ラベンダー園でラベンダー祭りをやっている。20時頃花火が上がり始める。テントを張っている場所から、ちょうど木の間を通して花火が見える。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:216.1km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場
  • 入浴地:なかふらの山荘(400円)

59日目: 7月22日(日) ラベンダー祭りの焼肉食べ放題

上富良野町内の国道から西側の丘めぐりを完成させるために出発。衣川道路を上がったところに丘の展望がいいところを発見。遠くまで見通せるような澄みきった日であればすばらしいだろう。ほぼ回って戻る途中にバイクのオドメーターが88888.8kmになった。出発してすぐの頃に77777.7kmだったので、もう11111.1km以上走っていることになる。

11時前にキャンプ場に戻り、すぐに、町営ラベンダー園隣の中富良野町フラワーランドに向かう。ここで12時前から豚さがり肉の焼肉食べ放題があるのだ(さがり肉って何だろう?)。早めに着いて様子を見る。今日も暑い。皿と割り箸が運ばれてきたので、取って準備する。炭の入ったコンロがいくつか運ばれてくる。そして、おまちかねの肉が焼かれ始める。ステージでは北海道放送の公開ラジオ生放送が行われているが、肉が焼かれている周りではそんなのかまっちゃいない。肉を焼いている世話役の人が、肉が焼けたと言うと、ハイエナのように一斉に肉の取り合いになる。し烈な戦いだ。ほんの数秒で肉が無くなり、次の肉が焼かれるのを待つ。およそ1時間と少しで肉がすべて無くなった。ちょっと物足りないなー。カットメロン(100円)を食べたが、甘くなくておいしくない。

キャンプ場に戻ると、ファミリーキャンパーはほとんどいなくなり、テントの数が減っていた。夜は昨晩と同じメンバーでジンギスカンをしてわいわいやった。

  • 今日の天気:晴後曇夕方雨
  • 走行距離:100.6km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場
  • 入浴地:富良野市ふらの湯(360円)

60日目: 7月23日(月) 初めての米炊き

朝から雨で、今日は活動停止日。湿度が高く、蒸し暑い。ガンジーさんとありぼんさんは、バイトをするため帯広に向けて出発、キャンプ場のみんなに沿道から手を振られている。

昼食は初めての米炊きに挑戦。ふたの上に水を入れたマグカップを載せて中火くらいだろうという火力で炊き始め、少しするとグラグラとなり、ご飯の炊ける匂いがしてきた。10分ぐらいで少しこげているような匂いがしだしたので弱火にする。20分ぐらいしても湯気が出ていて、振ってみると水が残っているような気がしたので、そのまま火に掛けていた。炊き始めて30分近くになって火を止め、15分ほど蒸らしてふたを開けてみると・・・。底となべの周辺は見事にこげている。こげ以外のご飯のやわらかさはちょうど良いみたいだ。

昼過ぎに、埼玉の先生は旭川市21世紀の森キャンプ場に無料の温泉があるというので、そちらに移動された。夜は雨の中、丘の上の東屋に上がり、8人で飲食する。倶知安、礼文で会ったOさんもいる。頂いたジャガイモがうまい。

  • 今日の天気:雨時々曇
  • 走行距離:0km
  • 宿泊地:北海道上川支庁中富良野町 中富良野森林公園キャンプ場
  • 入浴地:なかふらの山荘(400円)