朝7時に起床。
宿泊者全員で朝食をとる。今日は雨だ。
天気予報を見ると絶望的だった。これから先ずっと雨・・・。
北海道には珍しい雲が長期にわたり居座る予定らしい。完全に雨男だ。
今日は距離が旅の中でいちばん長く、しかも目的地まではずっと登り。
それに加えてこの雨ときた。装備をしっかりしなくては、荷物がやられて
しまう。今日は波乱の一日となりそうだ。
ゴアテックスレインコートを着て準備万端。さぁ出発。
小さい峠を越えると16Kmずっと直線の道だ。道の脇にはファームが
広がり、ここら一体牧草地帯のようだ。静香でのどか。晴れていれば最高
なはずが、雨のせいで遠くが見えない(メガネに水滴がついているから。
牧場が多いので道路にはトラクターが走っている。
関東地方で見るトラクターと北海道のトラクターは比べてはいけない・・・。
でけぇ・・・・。
いったい何リッター何馬力のエンジンを積んだらこんなにも大きな車体に
なるのだろうと思う。勿論大型特殊免許が必要なのだろう。写真がないのが残念。
目安としてはタイヤの直径が人間一人分では足りないくらいだろうか・・。
雨の中、だだ広い道を走っていると、軽トラにのったオバちゃん(おばあさん)に
声をかけられた。
「あんたどっからきたの?」「さむいでしょ、のってけ」
流石にそれは自分のツーリングポリシーに背く行為なので、丁重に断ったところ
なんと2000円札を取り出して
「これでラーメンでもくってけ」
と言うではないか。しきにり断るも、必死に渡そうとするので有難く頂戴した。
北海道の人は旅人にやさしいがお金までくれるとは聞いてなかった(笑。
余程、自分の姿がみすぼらしく、可愛そうにみえたのか。
しかしラーメン食べるのに2000円はありえないだろうと思った。
いやむしろ、2000円札がまだ存在した時点で感動すら覚えたのだが・・・。
牛さんを横目に見ながら牧草地帯を抜けて足寄(あしょろ)に到着。
昨日のチャリダーさんの話によれば昼までに足寄に着けばとりあえず安心だそうで。
貰ったお金で言われた通りラーメンを食べた。有名な店らしく混雑していた。
TVでは「いいとも」をやっている。どこにいってもTVで見る顔ぶれは同じなのだな
と思うと日本狭しと思ってしまう自分はおかしいのだろうか?
午後1時の段階ですでに走行距離は80オーバー。これからはややキツイ登りのことを
考えると、先が思いやられる。
足寄から山道を走り、ラワンを抜けたところから大きな木が両脇にそびえ立つようになった。
阿寒国立公園内に突入にたのは午後4時のこと。
ここらへんから標高のためか、木の種類が変わってきた。森の中にただ道があるという感じ
で、北欧かどっかに来たような感じだ(行ったことないけどね。
やっとの思いで野中温泉YHに到着。その先にある秘境オンネトーの散策は明日にまわし
とりあえず温泉に入る。
秘境というだけあって、温泉もすごい。源泉掛け流しなのはひと目でわかり、ねんきの入った
浴槽(檜作り)は良き趣を醸し出している。
両親が中々の温泉通ということもあって、普通の人よりは温泉に入っているつもりだが
この野中温泉はかなりレベルの高い湯だ・・・。
人っ気のない山の中、温泉を独り占めする気分は、入った人にしかわからないだろう。
夕食にありつく。山なのに刺身がでてきた。なかなか豪勢な食事で精が出そうだ。
ユースにはその日、阿寒岳に登る登山客と車で道内をまわっている人がいた。
その1人は名古屋の方で名古屋について色々教えてくれた。
富良野のことを話したら、北の国からを熱く語ってくれた。是非見てくれと言われたので
現在レンタルして攻略中。それに加えて、自分は最初のガンダム世代だと言っていた。
ガンダムの最初の作品はなかなかストーリーが当時としては革命的だったらしく
まだ子供だった自分には早すぎたと語っている。今みても斬新だから、こちらも是非と
勧めてくれた。
もう1人の豊田市からきたドライバーさんも上の方と同世代の30後半の方で、こちらも
またいい人で会社のことや株のことなど色々話してくれた。
温泉にもう一回入り休んでいると、隣のキャンプ場から風呂だけ入りにきた年配の夫婦が
話しかけてきた。その夫婦は定年後、ワゴン車を改造して寝泊りできるようにして全国を
まわっているとのこと。なんとも素敵な人生をおくられていて、旅から得る色々な経験
を教えてくれた。年老いたらああいうスローに暮らせる素敵な人になれたらなと思う。
そんなこんなでハードな5日目もなんとか無事終了。