虫籠窓
(むしこまど)
国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林・寺内町(じないまち)の商家は、江戸時代中期から幕末・明治・大正を経て昭和初期にかけて建築されたものです。どの商家もひとつとして同じ年代に建築されたものがないため、商家の建築様式の変遷を建築時期に沿って辿ることができる貴重な建築遺構群です。いわば、「生きた旧家の博物館」と呼べるものです。

江戸時代には本格的な二階を持つ商家や民家は、“町人が武士を見下ろさず。”の禁制から建築されず、高さを抑えた中二階(厨子二階)として主には物置き部屋として利用されていました。 特に厨子 (つし)二階と呼ばれる商家の中二階は、厨子二階の形状や、通風と明かりとりのために設けられた虫籠 (むしこ)の形状は建築時期によって異なる為、建築様式の変遷を知る目印として大変興味深いものです。

丸形(江戸中期)→横長丸形(江戸後期)→長方形(明治)→軒高・長方形(大正)

江戸時代中期には木爪形(丸形)であったものが、江戸時代後期になるに従い長方形に変化し、明治・大正期にはさらに高さが高くなってきます。大正期に入ってから本格的な二階建て民家が建てられ、昭和に入ってから硝子窓が普及してきました。ここでは寺内町に残る旧家の厨子二階と虫籠窓にスポットを当てて、概ね建築年代順にその形状の変化を比較してみました。人々が代々そこに暮らしてきた歴史と生活の匂いが漂う、
「生きた旧家の博物館」の醍醐味を存分をお楽しみ下さい。

寺内町散策地図

田守家住宅 (18世紀中期)

木口家住宅 (1752年)

杉田家住宅 (18世紀中期)

杉田家住宅 (18世紀中期)

仲村家住宅 (1782-83年)

橋本家住宅 (18世紀後期)

橋本家住宅 (18世紀後期)

葛原家住宅 (19世紀初期)

葛原家住宅 (19世紀初期)

(南)葛原家住宅 (19世紀中期)

(南)葛原家住宅 (19世紀中期)

南会所町の町家

(本)奥谷家住宅 (1812−1829年頃)

(本)奥谷家住宅 (1812−1829年頃)

(東)奥谷家住宅 (1824年)

佐藤家住宅 (1820年)

上野家住宅 (19世紀中期)

(南)奥谷家住宅 (明治前半)

堺筋の町家

中井家住宅


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