ほしたびの旅

本州・北海道ぐるり旅2004

旅日記58~64日目: 紅葉の青森、東北南下

58日目: 10月14日(木) 八甲田と十和田湖の紅葉、キリストの郷?


七戸のオブジェ

今朝は5度くらいまで冷え込んだようだ。でもステージの屋根のおかげで夜露もかからずテントの中はさほど冷えなかった。しかし、道路に近いため、けっこううるさかった。バイクで走るとやはり寒い。コンビニ「ミニストップ」に寄り、大盛りカップ焼きそばを買ってコンビニ内にあるテーブルに座って食べてしばし休憩。七戸町から国道394号を八甲田方面に上がっていく。だんだん木々が色づいてくる。八甲田の山を見ると、赤っぽい。八甲田山をぐるりと巻くように反時計回りに回る。紅葉が続く。見事だ。谷地温泉から十和田湖温泉に向かって下っていく。蔦温泉付近からは緑が目立つようになってきた。下のほうでは紅葉はまだのようだ。


酸ヶ湯温泉付近の紅葉

紅葉に覆われた道

昼食として、ツーリングマップルに載っていた、十和田湖温泉郷にある「上高地」という大衆食堂に行ってみた。そこの「せんべい鍋」(700円)を注文。テーブルにカセットコンロが置かれ、しばらくして厨房である程度煮た鍋が出てきた。そしてカセットコンロで火にあてながら食べる。小麦粉でできた料理用のせんべいも、少しだしを吸ってまあまあ良い。おかげで山の中を走って冷えきった体が温まった。


奥入瀬川

さて、奥入瀬へ。ここは道路と川面の高さが同じくらいに近く見え、なかなかいい感じ。あちこちに止まって景色を堪能する。ただ、紅葉はまだまだ。十和田湖に出て反時計方向に回る。やはり高いところに上がっていくと紅葉がきれいだ。御鼻部山展望台からは十和田湖の大部分が見下ろせて良かった。日も傾いてきてだんだん寒くなってきた。

国道454号を東進する。迷ヶ原にたどりつくと、「キリストもち」の幟がはためく、何やらあやしい店があった。店の中にはいろいろなものが置いてある。その店で「キリスト餅」と称する「じゅねソバ餅」を食べる。味は薄めで素朴な感じ。新郷村にキリストの墓とかいう所があったので行ってみた。解説を見ると、なんとキリストは日本に逃げ延びていただって? ほんまかいな。暗くなって南郷村までたどり着く。道の駅なんごうのレストランで山菜そば(750円)を食べる。ここは手打ちだそうだ。やや柔らかめでまあまあ好み。そば湯も出てきた。さて、この辺で野宿しようと歩いてぶらつくと、隣の運動公園に東屋がある。ちょっと周りから見えるけどまあいいや。とりあえず近くにある銭湯に行ってさっぱりし、それからテント設営してさっさと寝た。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:271.8km
  • 宿泊地:青森県三戸郡南郷村道の駅隣の運動公園
  • 入浴地:南郷村 銭湯(350円)

59日目: 10月15日(金) 八幡平の見事な紅葉

互いに線を切るように地層が交差している
クロスラミナ

夜の間に雨が降っていたようだが、東屋なので濡れずにすんだ。さっさと片付けて出発。道路は濡れている。二戸市と一戸町の間にある浪打峠に、交叉層(クロスラミナ)があるというので二戸市側から行ってみることにした。トンネルに入る手前から分岐して峠に上っていく。その道は細くて急で、濡れ落ち葉が道に張り付いていて滑りそう。峠に着いた所は、両側に岩がある。どこが交叉層か初めはわからなかったが、よく見ると岩の表面に互いに線を切るように層ができている。おー実物を始めて見た。峠から一戸町側に降りる道は急な下りの砂利。おいおい、なんとかしてくれ、ひぇー。一速で慎重に降りる。なんとか下まで降りてほっとする。

八幡平アスピーテラインの紅葉
八幡平の山麓は見事!

ぐんぐん西進。安比高原の上部も紅葉しているようだ。そして八幡平アスピーテラインへ。うーん、ここも紅葉がすごい! 「スゲー」を連発。どんどん上がっていくと寒くなってきた。そして曇ってきた。頂上付近は針葉樹の深い緑と茶色の地味な世界だ。そして霧がかかっている。レストハウスの駐車場が有料なので、100m程手前に下った駐車場に止めてレストハウスで暖を取る。しばらくして樹海ラインで下る。松川温泉付近から分岐して西側へ上っていく道があったので行ってみた。こちらも展望が良く、行き止まりの橋からはすばらしい眺め。曇っていたのが残念だが、わずかに雲の切れ目からスポットライトのように光が当たり動いていくさまは綺麗だった。

岩手山の焼走り溶岩流を見た後、岩手山南麓にあたる相ノ沢キャンプ場へ。キャンプ場についた時には、もうだいぶ暗くなっており、キャンプ場入口と1箇所の炊事場に弱い光があるだけで、林の奥のほうは、光が当たっていないのでちょっと不気味。分散はしているが何人かはキャンプをしているのでとりあえずは安心してテントを張る。しかし、すれ違うときに声をかけても返事が返ってこない・・・さびしい。テント設営後は1.5kmくらい離れた温泉「お山の湯」に行き、温まる。キャンプ場に戻っても真っ暗なので、温泉の休憩所で閉館時間までくつろぐ。

  • 今日の天気:曇時々晴
  • 走行距離:272.9km
  • 宿泊地:岩手県岩手郡滝沢村相ノ沢キャンプ場
  • 入浴地:滝沢村お山の湯(550円)

60日目: 10月16日(土) 盛岡の「じゃじゃ麺」


宮沢賢治の像

夜が明けると、結構人がいたことに気が付いた。昨日着いた時には無かったところにテントが張られていたりもしていた。ここの利用度は高いのかも。今朝は普通に挨拶が交わされた。雫石方向へ。小岩井農場で工場見学し、試飲コーナーで牛乳を飲んだ。牛乳を飲むのは久しぶりだ。盛岡市内に入り、イーハトーブアベニューをぶらつく。ここには宮沢賢治が童話集を出した光原社が残っている。今は店が変わっているが敷地内にコーヒー店があったりしてなかなか趣がある。

昼食は盛岡名物の一つ、「じゃじゃ麺」ということで盛岡市内盛5-15にある白龍(パイロン)(日曜定休)に行く。じゃじゃ麺は量で値段が変わるようで、私は普通の量である「中」(450円)を注文。店のおばちゃんに聞きながら、まずは皿に盛られて出てきた、うどんと思われる麺、きゅうり、肉味噌、しょうがを混ぜて食べてみる。うーん、肉味噌が絡まったうどん?という感じで良い食感。それから、テーブルに置いてある酢、にんにく、ラー油をかけて混ぜてみて食べると、おー舌がしびれる。入れすぎたかな?舌が麻痺して食が進む。食べ終わったら生卵を皿に割り、ゆで汁と肉味噌を入れてもらって「ちーたんたん」(50円)にしてもらう。こちらは普通のスープと感じた。食後も唾液が出る感じ。その後、もりおか啄木・賢治青春館に行き、案内映像や解説パネルなど見る。また、近くで盛岡市農業祭りなどもしていたのでぶらついてみた。

盛岡市内で時間をかけたので、今晩は花巻の北側、石鳥谷町にある戸塚森森林公園キャンプ場に泊まることに決めた。17時を過ぎ、暗くなってから公園を上っていくとテントサイトを発見。管理棟や駐車場からは200mくらい離れているが、他にテント1張りあるだけなので、テントサイト近くの道路わきにバイクを止めた。テントを立てていると、先にテントを張っていた人がバイクで帰ってきた。何とその人は大正カニの家で一緒になった埼玉のオフロードライダーだった。ここのキャンプ場は、トイレはボットンだがサイトがウッドデッキになっており、街に近いのでまあまあ。しかし、19時過ぎまでごう音とともに飛行機が飛んだり、近くを通る新幹線の音が結構うるさい。街灯は22時で消えてしまう。今夜は冷えそう。

  • 今日の天気:曇時々晴
  • 走行距離:95.1km
  • 宿泊地:岩手県稗貫郡石鳥谷町戸塚森森林公園キャンプ場

61日目: 10月17日(日) 花巻から三陸町へ

今朝は相当冷え込んだ。盛岡市で最低気温が3度を下回ったそうである。途中目がさめてカッパを着込んでしのいだ。テントを片付けていると、8時半頃、管理人さんがやってきたので受付票に記入してから出発した。花巻市を回る。イギリス海岸へ行ってみた。イギリス海岸とは、水量が少ないときにイギリスのドーバー海峡に面した海岸に似た地層が見られることから宮沢賢治が名づけた所だ。今日は北上川の水量が多い。支流では魚がいた。鮭だろうか。何匹もの魚が上流に向かい、少し上っては下に流されたりしている。力を振り絞っての戦いだ。「雨にも負けず」の詩碑に行くと、ひっそりとしていた。その後、南下。江刺藤原の里に行ったが、高いので中には入らずにおみやげ屋の試食をし、藤原の里で撮影された大河ドラマについて撮影の裏側などを紹介した映像を見た。こちらの方がおもしろいかも。

国道397号を大船渡方面へ走る。と、住田町に入る手前当たりで車がずらりと並んで進まなくなっている。なんだ?するすると前のほうに出て行くとパトカーも止まっている。そういえば直前で救急車とすれ違った。警官に聞いてみると、まだ車に閉じ込められている人がいて、復旧にはまだかかるという。うーん、困った。日が落ちて寒くなる前に大船渡まで行きたいのに。仕方が無い。地図には少し戻って山道に入っていく道が載っているので、その入口まで行ってみると、通行止めの看板がかかっている。仕方が無い。さらに大回りになるが北上して宮守村経由で迂回だ。しかし時間がかかる。結局、日もどっぷり落ちる。大船渡に着く頃には真っ暗。さらに三陸町方面へ向かう。国道45号の旧道を通る。すれ違う車もまったくない。と、峠付近の路上に鹿がいた。びっくり。でも急いでいるのでそのまま走る。道の駅でパンフレットを見ると、宿泊・入浴施設の「夏虫」の近くに公園があるみたいなので行ってみると、鹿がうろついていた。なんなんだ?入浴施設「夏虫のおゆっこ」の人に聞いてみると、公園はそこの敷地内になるのでテントを張ったらだめだという。仕方が無いので三陸町内を回ってみると、三陸鉄道の三陸駅の通路がよさげ。そこに決め、先の風呂に行って温まる。終電が出た後、駅に行き、テントを張って寝る。まもなく22:30頃に電気が消えた。

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:224.2km
  • 宿泊地:岩手県大船渡市三陸町三陸鉄道三陸駅
  • 入浴地:大船渡夏虫のお湯っこ(300円)

62日目: 10月18日(月) 岩手県三陸町大気球観測所、宮城県へ

さっさと片付けて荷物をバイクに積んでから、駅のホームのベンチに座って朝食のパンを食べる。6:24の始発電車に乗るために高校生など数人がやってきて列車に乗って行った。朝早くから大変だなあ。駅を出て漁港を見下ろせる高台に行くと、漁船が1隻帰ってくるところだった。周りを海鳥が取り囲んでついて来ている。おこぼれを狙っているか。


三陸町は鹿が多い

昨日行った「夏虫のおゆっこ」の近くを通り、山に上がっていくと、鹿が道脇にいて、さっと逃げていった。夏虫山にあるパラグライダーのテイクオフ地点に行ってみた。三陸町と海を見下ろせる。大窪山の方を走っていると、また鹿を見つけたのでバイクを降りて寄ってみる。今度はなかなか逃げない。三陸町吉浜に抜け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大気球観測所に行った。ここでは、春または秋の朝または夕方の風が穏やかな時に気球を上げて、地上では行えないガンマ線・X線等の観測や高層大気の観測を行っている。見学では制御室等の様子を見ることができた。


気仙沼港にある貯金箱

大船渡市のおさかなセンター三陸に行ってみたが、どうも高めだと思う。その辺のスーパーで80円くらいで売られているさんまが120円。ともかくもイカの塩辛等を試食して回る。宮城県に入り本吉町の道の駅で地図を見ていると、カニの家で一緒だったアメリカンライダーに会った。彼は海岸沿いに進むということだが、私はいったん内陸に入る。今日も日が暮れてなお走るが、昨日ほどは寒くない。迫町の兵糧山公園に行った。ここは温泉や地ビールレストランがあるが、その前の公園(広場?)でキャンプができる。温泉は600円と高めだが、その外にある足湯は無料なので足だけつかる。(^_^)

  • 今日の天気:晴
  • 走行距離:185.6km
  • 宿泊地:宮城県登米郡迫町兵糧山公園キャンプ場

63日目: 10月19日(火) 角田市の宇宙関係施設

キャンプ場を出て、2km程離れたフートピア公園に行き、昨晩キャンプ場に泊まった事後申請だけして出発。国道4号線まで出てから南進。道の駅三本木に亜炭記念館なるものがあり、入ってみると、この地方で生産されていたという亜炭(石炭の一種)についての解説・パネル展示があった。ふーん。仙台市に入り、県道22号を中心部に向かって南下。なかなか走りやすい道だ。青葉通りにはいり、NTTの窓口でインターネットで調べ物をした後、青葉城跡へ上っていく。入口から左折して入っていこうとしたら、呼び止められた。奥の駐車場は有料とのこと。あれ?そうだっけ?。それならばと、Uターンし、少し下のバス停の所に止め、階段を少し上って反対から入る。高台なので仙台市内が一望できる。お土産屋さんを回り、試食などする。ずんだもち(105円)を買って食べてみた。えんどう豆の軽やかな甘さがいい感じ。それから仙台市博物館(常設展400円)に行く。ここは歴史博物館だ。縄文時代の遺跡展示もあるが、ほとんどが伊達仙台藩に関する資料展示だった。おそい昼食は今回も大衆食堂はんだ屋へ。めし、みそ汁とおかず4品とって420円。これで満腹。まあ、味はいまいちだが腹は太った。

それから角田市にあるJAXA角田宇宙推進技術センターへ。展示室は小ぢんまりしているが楽しんだ。施設を紹介した模型や、操作方法がよくわからないゲームがあったり。(^^;) 遅くなったので角田市内で野宿しようと思い、適当な場所を探す。たしか、スペースタワーがある所に公園があったと思い出し、その台山公園という所に行ってみると、東屋がいくつかあった。しかし、もう薄暗いのに何やらおっちゃんが自転車で来て休憩してるぞ。別の東屋ではカップルが座っていたりする。ん~。ともかくも夕食を食べに出る。公園に戻ろうとする頃、雨が降り出した。なんとかそんなに濡れずに公園に到着。人もいない。しめしめ。身支度をしてテントを張ろうとしたところで、近くにある外灯やトイレの電気が消えた。おーい、まだ19:30過ぎだよ、早すぎ。遠くの外灯のうっすらとした明かりの中、テント設営する。


JAXA角田宇宙推進技術センターの屋外展示

展示室内部
  • 今日の天気:晴後曇夜雨
  • 走行距離:150.5km
  • 宿泊地:宮城県角田市台山公園

64日目: 10月20日(水) 宮城県から茨城県水戸市へ

昨晩から雨が降り続いている。けっこうな雨量だ。台風23号も近づいているようだ。この旅いったい何個目だ? カッパを着て出発の準備をしていると、清掃のおじさんがやってきて「雨の日は大変だねー」と話し掛けてきた。降り続く雨にうんざりしながらもくもくと準備していたところなので、ほっとする。角田を出て阿武隈川沿いを南西に進む。道路は所々細く、くねっていて、交通量は少ない。福島市内のレッドバロンに行き、2日前に注文しておいたリアタイヤを交換してもらう。タイヤそのものは安いのだが、工賃が高く、結局は他の店で交換するのと値段はあまり変わらない。注文する際、初めは一度来店して前金を入れないとできないと言われたが、旅先で電話連絡で注文できないのなら、全国チェーンと宣伝する意味が無い、と言えば受け付けてくれた。会員証を発行して会員にしかメンテナンスをしないんだから、やり方を考えれば電話で注文とっても問題ないはず。囲い込みの全国チェーンなんだから!

昼食はバイク屋の人に教えてもらった、近くの福島方木田食堂へ。ここは大阪を中心に全国的に展開する「まいどおおきに食堂」のFC店。セルフサービスで、作り置きしてあるおかずを自分で選んで取っていく方式。値段は安めのようだが半田屋よりは高い。メシ(大)といっても半田屋の小より少ない。(^_^) 私は、豚生姜焼、アジフライ、メシ(大)、みそ汁を食べて484円なり。この量ではちょっと物足りなかった。食事をとり、翌日に見学するためにつくば宇宙センターへ予約の電話を入れた後、雨装備をして雨の中ひたすら南下。雨がうっとうしい。休憩するのにも、カッパを脱いだり、また着たりするのも大変だ。水戸市街に入ると渋滞していた。台風の影響で風もだんだん強くなってきた。ということで今日は水戸市内のユースホステルに泊まる。近くにコンビニがあったはずと思って行ってみると無くなっていた。仕方ないので他で弁当を買ってから入る。客が少ないので一つの部屋に一人で泊まれた。また、受付の人のご好意で建物の中にバイクを入れさせてもらえた。外では雷も鳴り、風雨が強くなってきた。

  • 今日の天気:雨
  • 走行距離:252.7km
  • 宿泊地:茨城県水戸市偕楽園ユースホステル