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■マスカレードホテル

ぎっしり盛れてる作品

いろいろな人が訪れるホテル。。。

マスカレードというとtrfの歌を思い出しますが、 ちょっと前に“マスカレード”の意味を知る機会がありました。 へぇ〜、そういう意味だったのかと。

ただそう思ったものの忘れてしまい… 今回作品を読み終えて再びその意味を調べてみました。

なるほど、そうだったナと…それで今回の装丁も納得です。


マスカレードホテル

怪しげな装丁の雰囲気に ホテルヴィーナス を思い出します。草ナギ君主演の映画で、余韻・印象の残る映画で… 改めてみるとレビュー評価が高くチョト嬉しいです。。。

ただマスカレードホテルはそんなアンニュイ雰囲気の作品ではなく、 1本の殺人事件が軸にドスンと座っている感じ。 そしてそれとは別にホテルに訪れる人々のエピソードを取り混ぜて展開されていきます。 “姉さん、事件です”のドラマ・ホテルを思い出し、はたまた有頂天ホテルを思い出し… 東野作品でいえば新参者のような構成になっています。 ホテルの裏側を少し見れるといった感じでしょか。

で、一本の殺人事件というのが連続殺人事件となっていて… このへんはアガサクリスティの名作を思い出します。

という感じで。かなり盛りだくさんです。 最初に手に取った印象は『結構ブ厚いナ。』だったので… それでも読み始めると止まらなくなり、1日で読了です。

でも…1ヶ1ヶのエピソード、というか段落は淡々と進んでいきます。 多少冗長感があったり、『そんなんでアリバイトリック成立する?』って感じだったり… 読んでて止まらなくはなるものの、衝撃的な印象が残ったり、 思いがけない起承転結の“転”が来るわけでもなく、4分の3過ぎまでいく感じです。

しかし…

いわゆるアタリの推理小説を読んだあとの心地良い感は得られると思います。 ネタバレにつながるので書けませんが、『おぉ、それか!!』と心で唸々…読後感も爽やかです。

で、改めて考えると。個別は淡々としてるものの、 全体の構成クオリティは非常に高い作品では?と…ひさびさ装丁の帯も東野作品的に決まってます。


完璧に化けろ。決して見破られるな。

読み終えて。関連東野作品がひとつ浮かんだのですが、 これもネタバレにつながるかも?なのでヤメときます。 マスカレードホテルを読み終えた方はひとつ探してみてください。