真夏の方程式。淡い夏の思い出
偏屈少年とガリレオ。
いろいろ登場人物が出てきますが、印象に残るのは少年との関わり。 ちょっぴり大人びて冷めた目を持つ少年と、相変わらず理屈っぽく誰に対しても変わらない湯川。
容疑者Xの献身、聖女の救済に続くガリレオシリーズ長編3作目です。 簡単なあらすじは、
- 海辺で旅館を経営する親戚の家へひとりで向かう少年。
- 電車の中で「ひとりの大人」に助けられます。
- 一方、海底資源開発に反対する旅館の娘、成実。
- 説明集会で「見知らぬ聴講者」と「物理学者」に出会います。
- 旅館に泊まる2人と成実、その両親。そして少年。事件が起こるわけですが…
海辺の町の描写が頭に映像として浮かんでくる内容です。 少し寂れた海辺の町、瑠璃ヶ浦。ローカル線の風景と小さなロータリー広がる駅前の風景。 そして旅館までの坂道と海沿いのコンクリート堤防道。 勝手に自分が頭に描いたイメージが映画ではどんなふうになっているのか楽しみです。
東野圭吾さん曰く、「映像は私が想像していたよりも美しい映像に仕上がっている」 とコメントしています。
また映画とは別に真夏の方程式原作サイトが文春にあります。 ネタバレなしで内容紹介、登場人物などが見られますが、 この中に東野圭吾自身から寄せられたコメントも載ってます。 ただこのコメントは「内容に言及、云々」とありますので、 未読の方は気をつけてみてください。
実は映画化を前に真夏の方程式2回目を読んでみました。 あいかわらずスイスイと読みやすく、中盤以降は一気に読み進めてしまいます。 以前読んだのは3年ほど前ですので細部は忘れていましたが、一度目の印象から少し変わりました。 「偏屈少年と偏屈ハカセ」の触れ合いが心に残った1回目ですが、2度目は…中盤以降がより印象に残っています。
真夏の方程式は11年に出版され、公式の東野圭吾ランキングでは10位に選ばれました。 ガリレオシリーズでは容疑者Xの献身、聖女の救済、真夏の方程式の3つが長編として出てますが、 今回映像が出揃うことになります。
単独で読んでもストーリーはつながりますが、 ガリレオ湯川の性格、また作品の世界観を掴むには、順番どおりに読むのを薦める方もいます。 最初の2作は理系色が強く「娯楽色」が少なくないので、 容疑者Xの献身から読み始めるのがスムーズに読みやすいです。 ただガリレオの苦悩に「内海刑事/柴咲コウ」が初登場するので、飛ばさずに読むのがおすすめです。
- ガリレオ(短編)
- 予知夢(短編)
- 容疑者Xの献身
- ガリレオの苦悩(短編)
- 聖女の救済
- 真夏の方程式
- ガリレオ7
- ガリレオ8
ちなみに。真夏の方程式は2011年週刊文春ミステリーベスト10では第9位に選ばれました。 この年は東野圭吾で3作品を占めることになりましたが、1位の作品は何だったかというと…
永遠のゼロとともによく本屋で見かけたかと思います。「13階段」を書いた著者です。