北極亭日乗


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平成十四年三月

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平成十四年三月二十九日(金曜日)曇

 二日前、積雪ゼロ宣言さる。我が家の周りの雪ほとんど解け、日当たりの悪き片隅に少量残すのみなり。日々春めきて快く過ごさんと思えど、世情騒がしく心滅入る事多し。甘露の酒、口にふくめど気は晴れず、老いを噛み締めて妄想す。

 二十六日、辻元清美議員ようよう辞職す。馬鹿たれが!! と苦々しく思うのみ。議員の何たるかも知らずして何の改革ぞ。議員たるもの疑惑持たれなば、疑惑なくしても即刻身を処すべし。議席に恋々としたる様、いと見苦し。辻元議員のみにあらず、加藤・鈴木両議員もまた然り。離党のみにて身を処したとは言い難く、これまた馬鹿たれが!! と言うべきか。

 昨日、札幌高検「城丸君事件」について上告を断念する旨の発表あり。被告人無罪ほとんど確定。判例違反なかりせば、止むなき事か。両親、民事にて争うの姿勢ありて、その行方興味深し。

 ビリー・ワイルダー監督の訃報、夕刊にて読む。「アパートの鍵貸します」が脳裏に蘇る。二十四日(現地時間)のアカデミー賞授賞式で、黒人のデンゼル・ワシントン、ハル・べりーの二人が主演男・女優賞を受賞したるを、享年九十五歳の翁は如何な眼で見たるや。冥福を祈るのみ。



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平成十四年三月二十日(水曜)晴

 朝刊各社とも、昨日午後行われた城丸君事件控訴審判決がトップなり。疑わしきは罰せずとは申せ、腑に落ちぬことなり。法とはこれほどに冷徹なるものか。親御さんの心中慮るに、やるせなし。以下に、読売の記事をば収録記載し置く。

  城丸君事件工藤被告、控訴審も無罪(2002.3.20 朝刊1面)
 一九八四年一月、札幌市豊平区の城丸秀徳君(当時小学四年生、九歳)が行方不明になった「城丸君事件」で、殺人罪に問われて無罪となった工藤加寿子被告(46)の控訴審判決が十九日、札幌高裁であった。門野博裁判長は「重大な犯罪で城丸君を死亡させた疑いが強いが、殺意をもって死亡させたとするには合理的な疑いが残る」として検察側の控訴を棄却し、一審に続いて無罪を言い渡した。
 また、犯行状況について、「身代金目的の誘拐ではなく、被告が城丸君の弱みを利用して、家から金品を持ち出させるために呼び出した可能性もある」と新たな解釈を示した。
 控訴審では、殺意の認定が最大の争点となり、検察側は「被告が誘拐殺人を計画するほど金銭に困っていた」と主張。弁護側は「被告は誘拐を計画するほど経済的に困窮していなかった」などと反論していた。
 高裁判決は「経済状況だけから殺意の有無を推認することは困難。その他の状況証拠でも殺意は認定できない」と、一審と同様の判断を示した。
 同事件で工藤被告は、捜査、公判を通じて一切の説明を拒否。血痕などの証拠がなく、遺体がすでに骨の状態になっていたため検察側は殺害方法を特定できず、困難な裁判を強いられていた。
 一審の札幌地裁は昨年五月、「被告が何らかの行為で城丸君を死亡させた」と認定したが、「殺意を認めるには合理的な疑いがある」と無罪にしていた。
 〈城丸君事件〉
 一九八四年一月十日午命、札幌市豊平区の自宅にいた城丸秀徳君が女性の電話で呼び出されて外出、そのまま行方不明になった。捜査は難航したが、八八年六月、工藤加寿子被告が以前に住んでいた空知支庁新十津川町の農家の納屋で、城丸君と見られる遺骨が発見された。道警は、城丸君がいなくなった当時、近所に住んでいた工藤被告の事情聴取を始めたが、当時の技術では遺骨を城丸君と断定できず、捜査を断念。殺人罪の時効を目前にした九八年十一月、DNA鑑定で城丸君の遺骨と断定、逮捕した。検察側は「不詳の方法で城丸君を殺害した」として起訴したが、工藤被告は一貫して黙秘を続け、一審の札幌地裁は昨年五月、「被告が何らかの行為で城丸君を死亡させた」と認定したが、「殺意があったと認めるには合理的な疑いがある」として蕪罪を言い渡し、検察側が控訴した。

  城丸訓事件」控訴審判決骨子(2002.3.20 朝刊)
 札幌高裁で十九日言い渡された「城丸君事件」の控訴審判決骨子は次の通り。
 1、一審判決が、農家の南側納屋等において発見された人骨片は城丸君のものであるなどと認定し、そのような認定事実に基づいて、被告人は重大な犯罪によって城丸君を死亡させた疑いが強いとしたことは正当である。
 2、被告人は当時経済的に極めて逼迫(ひっぱく)していたことが認められ、本件がそのような被告人の経済状況と無関係に行われたとは思われない。しかし、城丸君が電話を受けて家から飛び出していった様子等から見て、被告人は城丸若の何か弱みを握り、それを利用して城丸君を呼び出したことがうかがわれる。したがって、城丸君を身代金目的で誘拐したというよりも、それ以外の方法で城丸君を利用し金銭を入手しようとした可能性が高い。
 3、そうすると、このような被告人の経済状況だけから直ちに被告人の殺意の有無を推認することは困難であり、その他の状況証拠すべてを総合して検討しなければならない。しかし、被告人の殺意を強力に推認させるだけの証拠はなく、被告人の殺意を認定することはできない。
 4、被告人が殺意をもって城丸君を死亡させたとするには、なお合理的な疑いが残るとした一審判決の判断は、正当である。

  城丸君事件控訴審判決、2氏に聞く(2002.3.20 朝刊)
 ◆殺意立証ない以上やむを得ない判決
 元東京地検特捜部長の河上和雄弁護±の話「世間的な意味で被害者を殺したことは認められたが、刑法で殺人罪を問うためには殺意が必要で、殺意が立証できない以上、やむを得ない判決だ。殺しておいて、罪に問われないのはおかしいという考えもあるだろうが、法律というのは、ある意味でしゃくし定規で冷たいもので、司法制度は冤罪を防ぐなど被告人の立場も考慮しており、仕方ない判決といえる」
 ◆一審と判断同じで真相解明は不十分
北犬の白取祐司教授(刑事訴訟法)の話「控訴審も一審判決と同じく、『重大な犯罪により死亡させた』と認定したが、殺意を認めずに無罪判決を維持した。一審判決とくらべ、基本的な判断構造は同じで、真相解明という点で不十分のようだが、時効寸前の起訴であることからすれば、これが限度だろう。黙秘する態度から不利な事実を認定すべきでないという指摘もあり、評価できる」
 【城丸君事件の経過】
1984年 1月10日 城丸君が電話で呼び出されて外出、行方不明に
    1月14日 公開捜査開始
 88年 6月19日 被告の嫁ぎ先だった農家の納屋から子供の骨が        見つかる
    8月 4日 道警が被告の任意捜査に着手。6日後に打ち切り
 98年11月15日 DNA鑑定で骨が城丸君と特定できたとして、道警        が被告を逮捕
 99年 4月26日 一審・札幌地裁の初公判
2001年 5月30日 無罪判決
11月27日 控訴審初公判
2002年 3月19日 控訴審判決

  審判決時「城丸君事件の 一判決要旨」(2001.5.30 夕刊)
(一)被告が城丸君の最終接触者であること
 城丸君は一九八四年一月十日午前九時三十五分ごろ、自宅にかかってきた電話を受け、「ワタナベさんのお母さんが僕の物を知らないうちに借りた。それを返したいと言っている」などと家族に言って外出した後、行方不明になったこと、城丸君が被告方を訪れており、被告が最終接触者であることが認められる。
(二)発見された人骨片が城丸君のものであること
 被告の元夫の家は一九八七年に火災で焼失し、翌年焼け残った元夫の家の納屋などから、ポリエチレン製の袋に入った人骨片が発見されたことが認められる。人骨片はDNA鑑定、スーパーインポーズ法による鑑定、ポリエチレン製の袋のに中に入っていた残焼物の鑑定の結果によれば、いずれも発見された人骨片が城丸君のものであるとしても矛盾しないとされている。被告が八四年一月十日、親族方に段ボールを運び込んでいること、元夫の家に転居する際にも段ボール箱を運び出していること、段ボール箱の中に城丸君の遺体が入っていたとしても矛盾はないこと、被告が元夫の家の敷地内において、長時間にわたり黒っぽい煙が出る物を燃やしていたこと、被告以外の者が元夫の家の納屋に持ち込んだ可能性が極めて低いことなどが認められ、これらの事情を総合すると人骨片は城丸君のものであると認めることができる。
(三)被告が城丸君を電話で呼び出したこと
 被告が八四年一月十日、被告方から搬出した段ボール箱の中に城丸君の遺体が入れられていたと推認でき、第三者の関与がうかがわれる状況が認められないことからすると、城丸君を電話で呼び出した者は被告と認めることができる。
(四)被告が城丸君を死亡させたと認められること
 城丸君が被告方を訪れたと考えられる時間帯に、被告が救急車の手配をするなどしたような状況が一切うかがわれないことからすると、城丸君が病死、事故死あるいは被告の過失行為などにより死亡したとは考え難い。城丸君が被告方に赴いたと思われる一月十日午前九時四十分すぎごろから、被告が段ボール箱を運び出した同日夕方ごろまでの間に、被告が、被告方において何らかの行為により城丸君を死亡させたものと認めることができる。
(五)城丸君の死因が特定できないこと
 人骨片には損傷、治療痕などの異状が認められず、被告方からも犯行の痕跡を証明する指紋、毛髪やルミノール反応が認められないなど、城丸君の死因を特定することができない。その犯行態様を客窺的に確定できないうえ、城丸君が死亡した場所との関係でも城丸君の死因を推論することはできないため、被告に殺意があったとするためには被告が城丸君を呼び出した目的が城丸君殺害に結びつく蓋然(がいぜん)性が高いことや、被告に城丸君殺害の明確な動機が認められることが必要である。
(六)被告が城丸君を電話で呼び出した目的
 被告は一月十日当時、定職についておらず、貯金もわずかしかなかったことがうかがわれるうえ、合計七百万円以上の負債を抱えており、金銭的に余裕がなかったことが認められるが、負債についての督促状況などを考えると、被告の経済状態が身代金目的誘拐を決意させるほど困窮していたり、負債の返済に追われて深刻な状況にあったとはうかがわれない。被告が自宅の近くに相当の資産価値がある城丸君の家が存在していることは認識可能だったものの、城丸君を誘拐すれば身代金を確実に取得できるといえる程度に城丸家に関する情報を有していたとまでは認められないことなどを考えると、被告が身代金目的で城丸君を呼び出したと認めるのは困難と言わざるを得ない。
(七)被告が殺意を抱くような動機
 被告が身代金目的で城丸君を呼び出したとは認められないうえ、関係証拠に照らしても、個人的なえん恨、犯跡隠ぺい行為などを含む他の動機に基づいて、被告が殺意をもって丸君を死亡させたとも認められない。
(八)被告の供述態度について
 被告に対するポリグラフ検査で特異反応に近い反応がみられたほか、被告が八八年の任意取り調べ時において、自殺をほのめかす言動をしたり、気持ちの整理をするために時間が欲しいと述べたりするなど、心の動揺を示していたことが認められるが、これらの事実も被告が城丸君を殺意をもって死亡させたと推認する積極的な証拠となるものではない。また、被告が公判で検察官及び裁判官からの質問に対し、何ら弁解や供述をしていなくても、被告としての権利の行使にすぎず、それをもって犯罪事実の認定に不利益に考慮することが許されないのは、言うまでもない。
(九)結論
 以上を総合すると、被告が何らかの行為により城丸君を死亡させ、その後に長期間にわたり遺体を保管したり、焼損した遺骨を隠匿していたこと、被告が任意の取り調べ時に本件とかかわりをほのめかす言動を示していたことなどから、被告が重大な犯罪により城丸君を死亡させた疑いは強いということはできるが、被告が殺意をもって城丸君を死亡させたと認定するにはなお合理的な疑いが残るというべきである。

  一審判決時「識者2氏のコメント」(2001.5.30 夕刊)
 この日の札幌地裁判決について、識者からは「疑わしきは罰せずの原則を確認した」、「どの程度の証拠があれば殺人罪に問えるのか」などの意見が聞かれた。
 ◆「黙秘権」再確認した判決
 白取祐司・北海道大教授(刑事訴訟法)の話「裁判所は、被告が遺体を保管、隠匿し、何らかの形で城丸君を死亡させた疑いがあることは認めたが、『疑わしきは罰せず』の原則にのっとって無罪を言い渡しており、判決は妥当と思う。この事件は殺人でなければ時効となる、特異なケースで、殺意を検察が状況証拠で立証できなかったのが、無罪と有罪の分かれ目だ。また、この裁判では『黙秘権の行使Jという供述態度も争点になっていたが、黙秘することが被告に不利益に働くことはないという、刑事裁判の基本原則を裁判所は再確認した」
 ◆「合理的疑い」崩す基準は
 渥美東洋・中央大教授(刑事法)の話「今回の判決は、動機の具体的な立証がなければ殺人も認定できないとしているが、殺人が認定される場合の証拠の十分性の基準の運用について誤っていないか。子供の死をもたらした被告人の行為については、子供の遺骨の持ち出し、焼却などの認定を通して認めており、動機の不明確さだけが、合理的疑いの理由だ。殺害行為の立証について、どれだけの証拠があれば、合理的な疑いをいれない程度と判断されるのか、検察側はただちに控訴して、高裁の審査を求めるべきだ」



 

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平成十四年三月十七日(日曜)晴後時々雨

 コンサはこの後いかが相成るか。今日、磐田に0−4にて敗れ、ついに三連敗となりぬ。まったく勝ちが見えず、失点のみが増す状況なり。三日広島に1−5、九日仙台に0−1、そして今日。得失点差−9で最下位の16位。点が取れなければ始まらぬ話にて、腹立たしく思えども如何ともし難し。選手諸君の奮起を待つのほかなしか…



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平成十四年三月十五日(金曜)曇

 昨夜の天気予報にては雨の知らせなれど、なんとか持ち応えて傘不要となる。近所の家々それぞれに雪割り頻繁となりて、我が家のみ雪山を残す。いささか気恥ずかしくあれど、時たち日過ぎれば自ずと融解すと、一切手をつけざりき。ただの横着にて、ものぐさの見本なり。

 鈴木宗男氏、離党を表明す。
 数々の疑惑浮上にて世間を賑わわせた鈴木宗男・元北海道沖縄開発庁長官、国会を混乱させたとして引責、離党を表明したり。TV会見にて、またも涙を拭きつつ鼻水たらりにて自己弁護に終始したるは情けなし。
 議員たるもの疑惑をもたるること自体を恥じて、既にその資格なしと思うべし。いかな弁明もすべきではない。己が不肖を恥じて謹慎蟄居するが道なり。己が側近の不祥事にても責任は己に有りと理解すべし。それ程に議員の責務は重く、票を投じたる者へお詫びせねばならぬ。
 然るに、後援会関係者の言葉は如何に。情けなきことに鈴木氏を支援、擁護するが如き発言ばかりにて、辞職を促す発言の一言も無きは、悲しむべきことなり。一票を投じる側の意識の変革なくば、斯様な議員の輩出は止むことなし。
 こは鈴木氏のみの問題にはあらず、国・地方の政治を担う全ての議員諸氏に聞いてもらいたし。すべての有権者に一考を促したし。だれしも明日は死ぬ身なれど、今現在を蔑ろにして今を生きているとは言い難し。



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平成十四年三月六日(水曜)晴

 町内の商店街にて昨年倒産したる「百円ショップ」跡に、新たなる「百円ショップ」開店したるとて、出掛けたり。店舗面積狭ければ、商品少なし。やはり生鮮食料品に見る物なく、ようよう野菜、果物などにお買い得品散見さる。さてありても、小間物類種々並びて面白し。文具類十点程買いて帰りぬ。デフレのご時世とはいえ、一点百円にて商いするは苦労多きことにてありなん。「百円ショップ」にはあらねど、西区に開店したる「ドン・キホーテ」、何でもありの品揃えにて連日、若者の来店ひきも切らずと聞き及ぶ。面白し。

 百円ショップの件につき、苦々しき話報道さる。「マツヒロ」倒産前に資産隠し。弁護士を告発。破産手続きをめぐり、同社代理人の弁護士が破産直前に優良資産を関連会社に移す。
 素人にても分かること。法律の専門家が何故にかような無法を為したか。顧問弁護士と会社の癒着もさることながら、法をもって大衆に奉仕するの念を忘じたるが故の所業なり。高潔無私の心を持たざる法曹人多くなりたるは何故か。法を道具として金儲け、蓄財に励むがためなり。
 それにも増して、己が生き延びるためなれば、他を踏みつけにして恥じぬ経営者は断罪さるべし。法を犯したる者は二度と会社経営に参画できぬようにすべし。現今の商人の意地汚さは目に余るものあり。多くは人倫の外に在り。我らの心の在りよう、国の在りようは何処にありや。



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平成十四年三月三日(日曜)晴

 桃の節句なり。今年は猫どもを恐れて雛飾りは中止となる。いささか寂し。せめて内裏雛だけでも飾れば良かりしものをと思えど、男が口出しすべきことにもあらず、黙す。
 夕餉は例年の如く、菜の花入りの散らし寿司なり。蛤の吸い物なきを訝りて問うに、良き物なければ購うをやめたりとぞ。この日に活きよき蛤なきは、購い求める家々の少なき故か。食の慣わし忘られていくやに思われ、寂しくまた黙す。

 溜りたるVTの整理す。未だ観ずにあるもの多し。時間的余裕なければやむなしとて、酒を喰らいて惰眠を貪るばかりにてはさもありなん。時は己が創り出すものぞ!

 柱谷コンサ初戦飾れず。広島市にて行われし今季第一戦の対サンフレッチェ広島戦、1−5にて大敗を喫す。連係に難あるは一目瞭然にて、しかもドリブル、ボールキープ、パスワークの拙さはどうした訳か。如何様に観てもプロ集団とは言えず。司令塔・山瀬の稚拙な判断と統率力の無さは如何ともし難し。やはり若きに失するか。このままでは連敗免れず、ずるずると下位に追いやられるは必定なり。闘将・柱谷は第二節、如何に戦うか。



 

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平成十四年三月一日(金曜)晴

 月替わりたるその日に、またまたの思い。
 航空大学校帯広分校の小型練習機(英・スリングスビー社製「T67M―MKU型)が帯広空港から西約十二キロの防風林に墜落せり。講師死亡、学生重傷を負いたり。上空にてきりもみ状態にしたる機体をば立て直す訓練の後、帰投する予定にてありしとか。
 帯広分校にてはこのところ数度にわたり事故を起こしおり、同市民大いに不安を抱きて、「万全の対策を講ぜずば飛行訓練させじ」の声強し。
 国交省・事故調の結果を待たずば原因について知るすべもなく、記す事も無し。同乗の学生が生存しておる故、原因の特定は易しと思わるるも、予断許されず。
 小さきミスが大事に至ること多し。人間、間違えて当然と思い定めて、万遺漏なきを期すもなお間違いはあるものなり。幾重にも思いを巡らし、間違いを最少にするのほかなし。経験豊富な講師が付いていて如何な事態が出来したるや。

 明日、東ティモールPKOの先発隊が千歳基地を出発するに際して、小さきミスが大事に至ることの無きよう祈る。



              
                  
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