北極亭日乗 |
平成十四年七月 |
平成十四年七月十三日(土曜)晴 台風6号、道内を縦断するも大なる被害も無く、昨十二日未明温帯低気圧となりてオホーツクの彼方に抜け行きたり。まずは安堵す。 台風のさなか大雪山系トムラウシ山(2141m)にて遭難したる愛知の女性(59歳)は、収容先の清水町の病院にて死亡が確認されたり。別のパーティーの福岡の女性(58歳)は、山頂付近にて救助隊員に発見されるも、既に呼吸停止状態にあり、ヘリで病院に収容する予定とかや。 コンサドーレ−ヴィッセル神戸戦、0−1にて敗れたり。イバンチェビッチ新監督、初戦飾れずに終わる。W杯を挟みて四連敗なり。シュート数は14本と神戸を圧倒するも、今一歩勝利に届かず残念なり。これにて1勝7敗、残留心もとなし。 暑さとビールにて眠気催したれば、そろそろ床に入る。明日は町内会の大運動会がある由、天気のほどは如何か… |
平成十四年七月七日(日曜)小雨 世界最速ランナーが出場するとて札幌国際ハーフマラソンのテレビ中継観戦す。雨の中、男子は十九歳のダニエル・カビル(ケニア)が1時間01分11秒の大会新記録で優勝、最速のハリド・ハヌーシ(米)は六十位に終わりたり。女子は最速のキャサリン・ヌデレバが予想に違わず1時間08分57秒で勝てり。日本勢振るわず、めぼしきところ女子二位の高仲未来恵のみ。 後々の参考のため以下に「フルマラソン、ハーフマラソンの世界歴代十傑」の記録を記し置く。
四日、十二球団代表によるプロ野球実行委員会で、日本ハムのフランチャイズ・札幌移転が全会一致にて承認さる。九日開催予定のオーナー会議にても異存なく了承される見込み故、本道初のプロ球団誕生はほぼ間違いなし。 先ず田中降ろしありき、であろう。就任時の県職員幹部の名刺破棄に見られるが如き、県庁出身者以外は敵と看做す風土・体質が議会にも充満しておる。議会に基盤を持たざる無党派知事に、充分なる論議を尽くすことなく感情的に反発・反対する議員連中のお粗末さや哀れ。独善的という点にては双方相討ちにて優劣つけ難しといえども、なお知事側に三分の理ありか。 六十人の議員のうち二十人までが何らかの形で建設業に関係しているとなれば、「脱ダムなどもってのほか」となるも止む無きか。公共事業依存体質からの脱却は何処も難しき問題らし。 知事選にて決着をつけるのほかなく、双方の政策を明確にして県民の審判を仰ぐが良し。子供の喧嘩は地方自治停滞のもと、まず、おのれらの非力を反省して真摯に県政の在りようを論議するが第一歩と見受けたり。 |
平成十四年七月三日(水曜)晴 歯の具合ようように回復の兆しありて、普通食に戻す。ゆるりと噛むようにしたれば食事時間、普段の倍を要す。夕餉には薄いながら豚肉生姜焼きを食し、久々に満足す。食卓に並びたる品、在り来たりなれど、いつに無く華やぎて見ゆるもうれし。人間、咀嚼不能の時が終わりの時かも知れぬと、つくづく思いたり。「食後は即歯磨き」を励行のこと!! 昨二日、ドイツ南部ボーデン湖北方上空にてロシア・バシキール航空のツポレフ154型旅客機と国際宅配便大手「DHL」(本社・ベルギー)保有のボーイング757型貨物機が空中衝突せり。乗員乗客七十一人全員死亡の可能性大なり。乗客五十七人のうち五十二人が夏休みで海外旅行に出掛けたる十六歳以下の生徒のよし、またまた悲嘆にくれる親の姿見るは悲し。飛行機事故の度に思うは、危機管理の甘さなり。今回の事故も管制官ミスがあったやに伝えられる。人のやることに完璧は無し、人間はミスを犯すと言うことを何故肝に銘じぬか。機器に対する二重、三重の安全対策も人の考えることなれば百%信頼し得ないながら、機器の精度が上がり、精緻なプログラミングがなされるようになった現在、最終判断は機械にまかせるべきではなかろうか。機械か人か、最終判断の優先順位を明確にして、全世界のパイロットに徹底させるべし。 |
平成十四年七月一日(月曜)晴 早半年終わりぬ。齢重ねるほどに日々の移り行くは早し。年明けてより此の方、成し得たる事皆無。惰性にて日を送り来たるのみ。情け無し。陽光既に盛夏の如くにて、汗ばむ日々多し。 昼下がり、ぶらりと近所を散策す。我が家より北へ二丁ほど行きたる所に在りし瀟洒なる家の前に、茶色き一匹の犬のいるを認めたり。犬種は判らぬが、大方何かの雑種で、「ポチ」と呼ぶに相応しい風体であった。四肢を硬直させるが如く踏ん張り、我が方をば見つめおる。この界隈はよく歩く所だが、こやつを見るのは初めて。「ほう、お前さんは、いつから此処においでか」と問うに、こやつ、我が顔をまじまじと見つめるだけにて、首を傾げおるばかり。少しばかり尾を振りおるところを見れば、歓迎せざるにもあらずかと、近づき行くに、逃げもせで「ワン」と一声。「お前さんは、ポチ君かい」と屈みて頭頂をばひと撫ですれば、喜びて我が顔をば舐めんとて、前脚を我が手に掛けて伸び上がりたり。こやつの目が我が眼前にあって潤んでいる。その瞬間、おもわず「お前さんはボスコか?」と問うた。 W杯、昨夜の決勝戦にて全日程終了す。ドイツ・カーンの鉄壁の守りを破り、ロナウドが二発決めて得点王。2−0にてブラジル五度目の優勝。試合終わりたる後の、カーンの放心したるが如き眼差し忘れ難し。諸々の話題、問題を残し、新世紀最初の世界の祭典は終わりぬ。四年後のドイツに向け、我が代表の精進に期待す。J1開幕は十三日、W杯と変わりなき盛り上がりを見せるかどうか? コンサの躍進をば願う。 米軍爆撃機、アフガン南部の結婚式場を誤爆か? 百二十人ほどが死傷したる模様。誤爆なれば、四日の米・独立記念日を狙いて報復テロの恐れある故、これまた心配なり。「アフガン空爆はテロ撃滅のため」を標榜せるも、殺戮に相違なし。その上、新生アフガンの復興に邁進する民間人をも巻き込み、死傷させるに至りては殺人行為の謗りは免れず。そろそろ矛の収め時とも思う。 |