大阪市内から近鉄電車で富田林駅まで30分。駅から徒歩10分。
ひっそりとした佇まいを残すお寺や町家を巡りながら、お手軽な歴史散歩に出かけてみませんか? 皆様のお越しをお待ちしています。
【Tourist guide to Jinaimachi town, Tondabayashi, a historic district and heritage site of Japan,Travelogues by Author - Series Vol. 52 Bilingual Guide Tour on October 14, 2017】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2017年10月14日(土)、国の伝統的建造物群保存地区に選定されている富田林寺内町で開催される第11回後の雛まつりに合わせて、富田林市観光協会(きらめきファクトリー)主催の特別企画として、外国人来訪者向けガイドツアーを開催しました。春先から富田林市観光協会(きらめきファクトリー)事務局の岩城さんを中心に特別企画のアイディアを練って頂きました。 当日の企画プログラムは、定番の「歴史まち歩きバイリンガルツアー(富田林寺内町)」に加えて、錦織神社境内でのだんじり(地車)宮入りを見学したり、寺内町の旧家での和食(仕出しお弁当)を賞味したり、ワークショップで匂い袋作りに挑戦するなど、朝から夕方まで盛り沢山の内容になっています。事前申込予約制で、外国人19人、日本人8人の計27人に御参加頂きました。 |
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この日は秋雨前線の影響で、朝からどんよりとした曇り空で雨降りが心配でしたが、幸い一度も傘をささずに終わることが出来ました。 ご参加者は近鉄電車長野線川西駅(大阪府富田林市)に午前10時に集合頂きました。御案内するボランティア通訳ガイドは私自身を含めて3人(英語2人、韓国語1人)、このほかガイドツアーをサポート頂いたおふたりにも御同行頂きました。 |
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だんじり宮入り(錦織神社) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最初に訪ねたのは毎年10月第2土曜日に行われる錦織神社(大阪府富田林市甲田)の秋祭り。平安時代に創建されたと伝えられる由緒ある神社で、1363年に再建された現在の本殿は国の重要文化財に指定されています。地区毎のだんじり(地車)9台が順番に氏神様である錦織神社に宮入りする勇壮な光景を、地元の方々に交じって参道脇で見学しました。 だんじりについては、須賀地区だんじり保存会の北野さんから御説明を頂きました。地区毎のだんじりには、檜に彫られた獅子や龍などの趣向を凝らした精細な装飾彫刻が施されています。笛や太鼓の賑やかなお囃子に合わせて、法被姿の引き手は大きな掛け声をかけて、重さが約4トンもあるだんじりを曳き綱で引き廻します。だんじりを新調するのに必要な製作費用は少なくとも50百万円かかり、ものによっては2億円がかかることもあるそうです。御参加者にはだんじり(地車)の宮入りを通して、日本の秋祭りの風情を楽しんで頂きました。 |
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(旧)田中家住宅(富田林寺内町) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その後、電車で富田林駅に移動して、歴史的町並みが残る富田林寺内町の(旧)田中家住宅に向かいました。今から約120年前の明治25年(1892年)に建てられた(旧)田中家住宅は、現在は国の有形登録文化財として富田林市が管理しています。到着後、畳敷きの座敷に上がってもらい、明治時代の民家の内部や間取りを見学してもらい、引き続いてプロジェクターを利用してプログラムの説明と富田林寺内町に関するプレゼンテーションを行いました。 |
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(旧)田中家住宅 |
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寺内町御膳 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
そして、お待ちかねの昼食(仕出し弁当)を御賞味頂きました。昼食の献立は、地元の旧家・仲村家に伝わる江戸時代の文書をもとに、当時の旧家の食事(献立)を寺内町御膳として地元の割烹料理店・朝日屋で再現してもらいました。お料理の献立は、季節の旬の食材を使った手の込んだ内容でした。料理人の高野さんにお越し頂いて、献立の内容をひとつひとつ御説明頂きました。ユネスコ世界無形文化遺産にも選ばれた和食の魅力を外国人参加者にも存分に御堪能してもらいました。 (寺内町御膳の献立) *古代米ご飯 Steamed wild rice *戎南京旨煮 Pumpkin boiled with soy sauce and mirin seasoning *小芋、絹さや、秋茄子田舎煮 Daughter taro, snow peas and autumn eggplant boiled in soy sauce with sugar *笹がき信田 Fried bean curd stuffed with a cut mixture of vegetables, fish meat, shellfish etc. and cut into long thin shavings. *海老美味煮 Deliciously boiled prawns *紅葉麩 Autumn color Fu (breadlike pieces of wheat gluten) *出し巻き卵 Rolled omelet made with soup stock *鰆西京焼 Sawara (spanishi mackerel) is broiled after being pickled in saikyo miso (sewwt white miso bean paste made in Kyoto *鰯梅シソ煮 Sardine boiled in plum and shiso, Japanese basil *栗甘露煮 chestnuts stewed in sugar *紫頭巾枝豆(丹波の黒豆の枝豆)Murasaki zukin branded green soybean in pods (black soybean of Tanba region) *合鴨辛子煮 Boiled duck in mustard paste *山葵蕗 (フキをわさび風味で炊いたもの) Wasabi flavored butterbur *一口昆布 Mouthful konbu (kelp) *海老、丸十(さつまいも)、 獅子唐の天ぷら Tempura of prawns, sweet potato and green pepper *デザート(柿または梨) Dessert (persimmon or pear) |
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仲村家住宅 |
寺内町御膳 |
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また、地元ケーキショップyamaoの山尾社長のご厚意で、食後のデザートとしてケーキを御提供頂きました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
さらに、地元の人気ケーキショップyamaoの山尾社長のご厚意で、食後のデザートとしてチョコレートケーキを御提供頂きました。山尾社長にもお越し頂きました。 |
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匂い袋(sachet)制作の体験ワークショップ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
食事の後には、匂い袋(sachet)制作の体験ワークショップを行いました。制作指導は地元の森屋仏壇店の森さん、赤瀬さんに御協力頂きました。御参加の皆さんには制作した匂い袋をツアー参加記念のお土産としてお持ち帰り頂きました。 |
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匂い袋(制作ワークショップ) |
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富田林寺内町散策 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
切り絵工房訪問(紅梅蔵内の「今昔の玉手箱」) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その後、秋の恒例企画として「後の雛祭り」(じないまち四季物語)で賑わう富田林寺内町を約2時間、ゆっくりと散策しました。途中で切り絵(張貼紙)工房(紅梅蔵内の「今昔の玉手箱」)にも立ち寄りました。このお店のオーナーで切り絵作家の亀井さんからは旧家の二階の虫籠窓をデザインにあしらった切り絵の栞(bookmark)をツアー参加記念のプレゼントとしてお土産に頂きました。紅梅蔵のカフェ平蔵にも立ち寄り、味醂醸造用の大きな甕が地中に埋まっている様子を見学しました。 |
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切り絵(今昔の玉手箱) |
切り絵(今昔の玉手箱) |
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今昔の玉手箱(紅梅蔵) |
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国の重要文化財 興正寺別院 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その後、国の重要文化財に指定されている興正寺別院の本堂内部も見学しました。この日の午後には、本堂内で写経(transcribing a sutra)が行われていました。本堂内では蟇股に彫られた二十四孝にまつわるエピソードをいくつかお話しました。 ガイドツアーの途中では(旧)田中家住宅と興正寺別院山門でそれぞれ地元のケーブルテレビ局JCOM南大阪による映像取材もありました。 |
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たくさんの方々の御支援、御協力のおかげで、無事に特別企画のガイドツアーを終了しました。御参加頂きました皆さんには富田林(寺内町)の素朴な魅力や、秋の風情と味覚を存分にお楽しみ頂けたものと思います。また、機会がございましたら、富田林寺内町をお訪ねください。皆さん、御参加、御協力ありがとうございました。 (写真撮影・提供:富田林市観光協会 岩城様、じないまちボランティアガイドの会 村上様、奥谷) じないまちボランティアガイド 奥谷直也 「富田林寺内町の探訪」管理人@横浜 |
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じないまち散策MAP | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
お店のインフォメーション(Food, Beverage,Guest House, Accessary & Handycrafts, Massage) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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じないまち探訪記 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
じないまち随想 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ご感想などお便りをお待ちしています。(管理人) |
(富田林市提供、禁無断転載)
富田林寺内町までの道順
寺内町へは近鉄長野線富田林駅又は富田林西口駅下車徒歩10分です。先ずはじないまち交流館へお立ち寄りください。
散策地図がもらえます
富田林駅前の観光案内所又はじないまち交流館で散策地図がもらえます。
立ち寄ってみたいお店
休憩所(トイレ)
じないまち交流館、寺内町センター、じないまち展望広場にあります。
車でお越しの方へ
寺内町は道幅が狭く、中には公共駐車場がありません。車でお越しの場合には、2014年2月に新しくオープンした富田林市営東駐車場(有料)をご利用ください。一般用の普通乗用車及び団体用のマイクロバス(1台分、市役所に要事前予約)を駐車できます。重要文化財・旧杉山家住宅まで徒歩5分、じないまち交流館まで徒歩15分。
尚、団体用の大型観光バスでお越しの際は、富田林市役所にお問い合わせください。宜しくご協力お願いします。
重要伝統的建造物群保存地区
富田林市富田林町の一部にあたる寺内町は、1997年(平成9年)に国から重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。大阪府下では唯一の指定となっています寺内町にある約500棟の建物の内、江戸時代から昭和初期頃までに建てられた181棟の建造物が伝統的建造物に特定されています。保存地区内において通常道路から見える建物等の外観の現状を変更(増改築、改修、模様替え、色彩の変更、新築、除却など)する時には、予め市教育委員会・文化財保護課に申請して許可を得る必要があります。伝統的民家(町家)は白壁、板塀、格子戸など往時の姿のままに外観の保存・復元・修景作業を終えて、今も人々が生活の場として暮らしながら、素朴で静かな佇まいを今に伝えています。
寺内町の主だった商家には由緒・由来を記した案内板が設けられ、石畳の街路には路面灯を兼ねた道標や案内標識なども整備されています。電信柱の配置や各戸の電気メーターなどもできる限り目立たないような工夫が施されています。
また、寺内町では伝統的な町並み景観に配慮して、新しく建築される建物も周囲の景観に調和した外観となっています。
興正寺別院(富田林御坊)
真宗興正寺派、富田林・寺内町の成立と発展の中心となった寺院です。地元の人からは御坊さん(富田林御坊)として親しまれています。
応永年間(1394-1412年)に毛人谷(えびたに)御坊に草創。 永禄3年(1560年)に京都・興正寺第16世証秀上人が現在地に移建。
城之門筋に表門を開き、鐘楼・鼓楼を構え、本堂・客殿・庫裏などを配する。 表門は桃山調の高いもので、もと伏見城門のひとつが興正寺に寄与されたものをここに移建したと伝えられています。
団体でお越しの場合には、地元のボランティア・ガイドによるご案内も可能です。(事前のお申込みが必要)
ガイドのお問い合わせや事前のお申込みは下記のじないまち交流館までお電話ください。
じないまち交流館
〒584-0033
大阪市富田林市富田林町9-29
TEL.0721-26-0110
FAX.0721-26-0110
(午前10時~午後5時、月曜休館、12月28日~1月4日休館)