<意外に秀逸な推理小説>
ナメたタイトルとヘンな表紙。
でも結構面白かったです。
東野圭吾に対する批評を見ると“幅広い作風”と書かれてますが、
確かにそのように感じます。
・秘密やトキオのようなファンタジー系もあれば、
・初期作品に多い“推理小説の王道”のような作品もある。
・“あのころ僕らは…”のように哀愁漂う作品もあれば、
・“毒笑小説”のようにちょっぴり抜いた作品も。
・そして白夜行、容疑者X…etc
このように敢えて分類すると、しのぶセンセは“あのころ僕らは”に類する作品です。
・口が悪い
・すぐ手も出る
・けど生徒から信頼されている
そんなセンセイが活躍する一応推理モノの短編シリーズです。
ドラマ化できそうな…
■しのぶセンセは勉強中
■しのぶセンセは暴走族
■しのぶセンセの上京
■しのぶセンセは入院中
■しのぶセンセの引っ越し
■しのぶセンセの復活
単に“あのころ僕らは…”のように昔を振り返るだけではなく、
『このネタ/トリックをこの作品で使ってしまうのはもったいないのでは?』
という面も見られ…軽く読めるけどそれなりに中身の濃い推理モノです。
でもやっぱり話の中心は。
“センセイのキャラ”と“元生徒との軽妙なやりとり”、“大阪人の人柄”になるのでしょか。
印象に残ったのはディズニーランドの誘拐話と病院の婆さん、そして元教え子たちでした。
もし映像化されるならしのぶセンセイを演じるのは、山口智子? 天海祐希??
しのぶセンセにサヨナラ
ちなみに。タイトルに“サヨナラ”がついているのは、
東野圭吾が“もうこのシリーズは卒業する”という意味合いでつけたようです。