北極亭日乗

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平成十七年五月三十日（月曜）曇

　昨日は滝上、比布にて25.2度と道内今年初の夏日を記録、札幌にても23.7度と七月上旬並みの暑さにて外を少し歩きても汗ばみたり。今日の札幌21.6度と昨日より下がりたれど、道内二十三地点にて夏日に成りしと。常呂、遠軽27.8度、網走25.9度、北見にても25.1度を記録せり。道内の低温傾向一段落の気配、後は温き日々続き呉れるを祈るのみ。我が家の苗植へも早まるか？

　本日午後五時四十分、元大関貴ノ花（現・二子山親方）口腔底癌に因り都内の病院にて死去す。享年五十五歳。若過ぎやふぞ、余りに若過ぎやふぞ。大関五十場所を支へし彼の強靭な二枚腰もってしても病に勝てなんだは悔し。無念如何ばかりか。昭和五十年春場所千秋楽優勝決定戦、寄り切りにて横綱北の海を下し幕内初優勝。本人待ち望みし以上に我等貴ノ花贔屓が待ち望みし優勝の瞬間、大歓声と共に幾百もの座布団宙に舞ひ土俵に投げ込まれたる情景、瞼に焼き付き忘ること無し。今は唯々、合掌念仏申すのみなり。

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　二十八日。銭湯へ出掛ける前、二時間ばかり草毟りす。天候不順にて暖かき日少なかれど雑草の生命力や強く、狭き庭一面蔓延りて作業進捗せず、半分程残したるまま終了す。銭湯にて、南区常盤に農地借りて家庭菜園遣りおる人の話興味深く聞きたり。申すには、気温低きが影響せるか定植せし苗物全般に生育悪しく、風にて茎折れたるものも数多しと。我が家にて定植控へおるは正解でありしか。戻りて女房に此の話したれば、「今暫し待つべきか」と思案し始めたり。我は「五日頃迄には植へ付けねばなるまひさ」と言ふたれど、指揮官は女房なれば如何相成るか。御気に召す侭、なり。

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　二十八日、札幌厚別公園競技場。コンサドーレ対ザスパ草津戦は、３−１でコンサ三連勝。通算成績５勝４敗５分け。勝ち点20、順位六位に上げる。
　次節六月四日、対ベガルタ仙台戦（仙台スタジアム）。

平成十七年五月二十二日（日曜）晴時々曇

　昨秋より小さき文字見え辛くなりて老眼鏡必要に成りおりしが、誂へもせず何とか此れ迄凌ぎ来たれども、読書するに支障来す状態と成りたれば今が買ひ時と意を決し、“セット眼鏡一万三千八百円”の新聞折り込みチラシ手に、午後より眼鏡店を訪ぬ。

　視力測定為し、我に最適のレンズ決まりて新聞、雑誌実際に眺め見れば霧晴れたる如くに視界明るく、文字明瞭なり。我「良く見へる」と言へば、応対の店員「此れは如何に」とて広辞苑開きて卓上に置けり。我手元に引き寄せ眺むれば、此れ又良く見へるに驚きぬ。近頃は天眼鏡無くば読むに難渋し、大判購入せねばならぬかと思ひおりたる処なれば、「字引の文字も見へるに拠り、此のレンズにて願ひたし」と注文せり。

　「レンズはプラスチック製なれば疵つき易き故、ハードコートなる被膜施しおくが賢明」との店員の言に従ひ贖ひたれば、支払ひ一万五千七百円也。チラシ広告の値段にては済まなんだれども、良く見へるやふになる事でもあり此の先買ひ替へる事も無ければ、二千円余の超過で済みしをよしとす。完成は三十日午前中。眼鏡一つ作るに一週間も掛かるかや、完成遅ひ分も考慮しての“一万三千八百円”と言ふ事か。

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　二十日。一日中動き回りて晩酌終へし今は疲労困憊の体なれど、何故か気分良好なり。予定の作業順調に熟し、久々に長距離サイクせし所為か。幾何かの達成感在りて、「年寄りにても動けば結構動けるものよ」と独り満足しおるなり。正にＧＯＯＤ　ＤＡＹ、好き一日にてありき。

　午前九時の開店見計らひてホームセンターへ向かふ。先ずは黒土、苺培養土、各種肥料、苦土石灰購入。続きて苗売り場見歩き、苺、茄子、トマト、南蛮等買ひて戻る。十三日に施し忘れし苦土石灰、足りなんだ黒土、早速プランター土に混ぜ込みて一息入れ、昼餉となる。食後、茶飲みつ女房と相談の結果、「苺苗はプランターに培養土入れ定植。他の苗につきては土に苦土石灰馴染む迄四、五日必要なれば定植保留し、其の間、玄関フード内にて育て置く」と決む。午後より苺苗定植、十分程にて完了し本日の農作業終了せり。

　後片付け為して午後一時過ぎ、陽は未だ未だ高く穏やに晴れ渡りて近頃には珍しき温さなれば、此の侭引き籠もるも勿体無ひと思はれてならず、なればと自転車引き出し、午後一時十分出発。北広島−白石間、二時間切る目標は達成しおる故、今日は緩りと自転車道にて北広へ向かひ、一般道にて戻るコース設定とし、起点・地下鉄白石駅前をば二時五分に出発せり。経過、次の通り。（別頁に写真保存済み）

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　往路降車せず、周りの景色眺めつ走りて北広島駅前着15時05分。額より汗流れ出る暖かさなれば、コンビニにてスポーツドリンク買ひて水分補給す。

　15時20分、芸術文化ホール前出発。駅前の道道46号（江別恵庭線）西行して道道1080号（大曲通）に入るを間違へ直進、共栄交差点にて国道247号（西の里共栄通）へ左折のところ見誤りて又もや直進。

　暫く行きて気付きたれど、時間に余裕有るに拠り戻らず西進せり。道の両側に畑地広がり、左側緑成す畑地の奥に野幌森林公園の樹林、右側畑地北の彼方に未だ雪抱きし山並み連なりて、素晴らしき田園風景。余りの見事さに暫し降車し、沁みじみ眺む。沿道の牧舎より漂ひ来るか、家畜の屎尿臭も亦懐かしく郷愁を誘へり。更に進みて朽ちかけしサイロ見掛く。

　江別に入りて「総合運動公園」の標識塔認め左折。進み行けば左手に日本デジタル研究所研究開発センターの超モダンなる建物、右手に尖がり帽子の塔を戴く江別市陶芸の里セラミックアートセンター。更に進めば右手に陸上競技場、其の奥に総合体育館、左手には各種球技場踵を接して在りたり。

　46号へ戻り再び西ヘ。46号が上江別にて国道12号へと繋がる手前の左カーブ近くに弘願真宗別格本山「瑞玄寺」、三方向水田に囲まれて在りて、樹木等にて境内窺へねども千鳥破風屋根の二棟（本堂及び祖師堂か）堂々たる構へ、札幌では見られぬ造りにて壮観なり。直ぐ近く江別高校認む。

　12号に出で札幌へ向かふ。途中、国道沿ひの市民会館、情報図書館覗き見て、公民館横の噴水広場にて若干休憩せり。酪農学園大学の緑成すキャンパス美しく、牛舎前に群れる牛達の鳴き声遠くに聞きて南下せば軈て新札幌。歩道に人通り多く成りて徐行、交差点毎の信号待ちにて走り行けず辟易するも17時20分頃、大谷地のカーブ通過。歩道走るを止め、少々危険なれど側帯走行にて速度を上ぐ。

　我が家帰着18時43分、流石に暮色深まり薄暗し。所要時間５時間33分。

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　二十一日、神奈川・平塚競技場。コンサドーレ対湘南ベルマーレ戦は、３−０でコンサ連勝。通算成績４勝４敗５分け、勝ち点17。順位七位に上ぐ。
　次節二十八日、対ザスパ草津戦（札幌厚別公園競技場）。

　今日の湘南相手なれば、失礼ながら草津でも勝っただらふ。コンサ選手の動き緩慢、ボールへの反応悪しくイージーミスの連発。なれど三発押し込みて連勝できたは、相手湘南の拙攻・ミスがコンサの其れを上回りしだけの話。と謂ふてしまへば身も蓋も無ければ、此処は先ず「よくぞ遣りし。三連勝も、遣ればできるなり」と言ふて置くか。

平成十七年五月十五日（日曜）雨

　全く以て定まらぬ五月の空模様、夜来の雨夕方迄途切れ途切れに降り続き肌寒き一日と成れり。雨降りて外出躊躇すれど予てより定めおりし事なればと、肝臓病にて入院治療中の妻の義姉見舞ふ為、妻と二人して午後一時家を出ず。二時近く病院に着きて病室訪ひ、義姉思ひの外顔色良く元気なるを見て妻も我も先ずは安堵す。病状の事、治療の事、病院暮らしの事、店の事等諸々の事ども一時間程語り合ふて、「働き過ぎての入院故、歳相応にのんびり生きるが一番の良薬」と妻共々言ひつ病室を後にせり。

　道すがら、「兄と二人、他人を使ひラーメン屋、居酒屋の切り盛りに身を粉にし来った無理が祟っての病に相違無く、義姉の日常見れば誰の目にも働き過ぎは一目瞭然。兄の労りが足りぬ」と、何時に無くきつひ物言ひの妻。後は無言のまま唇固く閉じ、視線前方の一点凝視せるが如くに動かず、唯歩を進めるのみ。義姉の胸中に女の悲しみを見し故の言動なるか？　将又……？　余計な事は言ふまひと決め、我も無言にて家路辿りたり。戻りても妻の口数少なく未だ何か思ひ患ひおる風なれど、我が口出したとて解決する訳も無く、此処は静かに見守るのみと決めしなり。

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　十三日。昨日に続き今日も早朝より晴天、日中暖かかりき。昨日出来なんだ篩掛け為す。午前中九時より正午迄、午後は一時より四時迄、計六時間の作業と成れり。大小十二個のプランターの土をば篩に移し、発泡スチロール製魚箱へ振るひ落とす。然る後、肥料混ぜ込みプランターへ戻す作業にて、中中に骨の折れる仕事なりき。惚けおる所為か作業終へて気付くも哀れ、買ひ求めおらず手元に無き故とんと忘れてしもふて、石灰混入せず仕舞ひ。何とも間抜けな俄百姓よ、と苦笑ひするの外無き仕儀とは相成りぬ。女房に子細話し「早急に苦土石灰買ひ来ねば、定植時期逸するやも知れぬ」と言ひたれば、「あら、まあ」のみ。自分で始めしに今はもふ他人任せの暢気ぶり、些か憮然とす。

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　十二日。時々曇りたれど早朝より快晴。菜園の土、篩に掛けんとて準備したれど雨続きしため湿り気多く断念す。午前中、酒瓶・段ボール等資源ごみ回収に備へ整理為し、物置をば片付くる。用無き物と成らば見境無く物置に押し込める故、乱雑なること限り無く、片付けの度に反省するも何時しか忘れ元の木阿弥。片付け出せば際限なき有り様にて今日もたっぷり三時間余、昼餉の声掛かりて終はりとせり。

　早めの昼餉終へて猫どもとごろ寝為し、暫し休養。窓外眺むれば天気晴朗にして、正に北の春全開の趣。家でごろ寝の時でもあるまひとて、北広サイク敢行せり。風も然程無ければ今日は二時間切る自信有りと、一時十分起点出発。二時十分終点到着、一時間切れず。二十分休息後、二時三十分終点出発。起点到着三時二十分、一時間を切る。往復一時間五十分にて目標達成。更に十分短縮出来さふな気もせぬでは無ひが、年寄りには此れが限界やも知れぬ。週に一度走り続けて鍛練為せば……の思ひなれど、年寄りの冷や水に成らぬが肝腎なれば程々にて止めるが賢明か。然れども、目標達成しての湯浴み大ひに気分爽快、湯上がりの麦酒も亦常に増して旨ければ、思案せるなり。

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　十日。昨日昼前より降り出したる雨、今日も終日断続的に降り続きて肌寒し。其れにても札幌の桜、漸くにして開花宣言。平年に比し五日遅く、一九五三年以降七番目に遅き開花なりと。陽の当たらぬ我が家の桜、未だ蕾み小さく固ければ花咲くは六月に入りてよりか。旭川、留萌、稚内にては雪、霙降りたる由にて、旭川積雪１センチは一九五〇年五月二十二日に次ぐ史上二番目に遅き降雪とかや。又、網走にては今月に入りての降雪日数六日と、平年の二・六日を大きく上回り、今春道内の天候不順如実に表れおると聞くも憎し。

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　十四日、札幌厚別公園競技場。コンサドーレ対水戸ホーリーホック戦は、２−０でコンサ快勝して３勝目。通算成績３勝４敗５分け、勝ち点14。順位八位に戻せり。
　次節二十一日、対湘南ベルマーレ戦（神奈川・平塚競技場）。

　遣れば出来る！　今日の試合がさふだ。札幌フットボールクラブ幹部の逮捕、其れに伴のふスポンサーの契約解除。加へてチーム成績の低迷、其れに伴のふ観客の減少。危機的状況の中に在るコンサを救ふのは誰か、我がイレブンは自覚しておった。サポーター在ってのコンサ、コンサ在ってのイレブンであるを。厚別初戦を完封勝利で飾りたれど、観客は昨季初戦の半分程。此の現状を重く受け止め、危機感持って必死にプレーせよ！　栄光への道は今も残されて在る。クラブ幹部及び職員、選手及びスタッフは、試合後にサポーターに挨拶せし柳下監督の言葉を噛み締めて、忘る勿れ。

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　十二日。北海道フットボールクラブは、先に児童買春・ポルノ禁止法違反容疑にて逮捕されし取締役総務部長を懲戒解雇処分とせり。児玉芳明社長、門脇徹常務につきては減給五分の一（三か月）。石水勲会長は代表取締役会長を辞任。

　九日。北海道フットボールクラブ取締役総務部長（四十六歳）が、児童買春・ポルノ禁止法違反容疑にて札幌・中央署に逮捕されり。容疑を認め「大変申し訳無し」と話しおる由。情け無し。分別盛りの四十六歳にて此の破廉恥行為、斯様な事を為す暇有らば粉骨砕身スポンサー探しに精出すがよからふに。身に余る取締役総務部長拝命して舞ひ上がりしか。石水会長も人を見る目無し。選手の精神面も鍛へ上げよと常々言ひ来たった我なれど、クラブ幹部が此の体たらくでは何ともはや阿呆らしき事なり。

05年５月８日

04年９月23日

平成十七年五月八日（日曜）曇

　雨上がりたれど曇天、昨日同様肌寒き一日と成れり。昼食終へ、だらしなく寝転び肘枕にて猫どもと暫し微睡みし後、書見始めたれど気乗りせず集中出来ぬに因り三十分もせで放り出したり。さて何仕様とて落ち着かぬなれば、いっそのこと外へと、曇天肌寒きも何のその自転車にて出掛く。

　自転車道経由にて河川堤防に出で、我が友・孤木を目指す。河岸に捨てられし雪解け切らず、泥と埃に塗れしか黒ずみて堆積しおるは見苦しき光景。例年なれば此の時期既に解けて見られぬに、未だ残りしは今冬の多雪ぶりをば物語る。緩りペダル漕ぎ行きて孤木立ちおる対岸見渡せば、おお！　何たる事か！　一帯雪堆積場と成りて、捨てられし雪尚堆く背後の橋梁、街路灯は疎か高層家屋をも覆ひ隠す量。雪山の高さ六〜七メートル程か、其の頂上に若葉付けし一枝突き刺したるが如き無残なる姿にて我が友・孤木在りたり。

　昨年九月二十三日に見し時は少なしと言へど未だ枝葉有ありしが、今や其の姿たるや無残。雪山の嵩高く成るに従ひて枝葉切り落とされ、斯くの如きに成りしか。一葉二葉と数へられる程の葉数にては死したも同然、立ち枯れ朽ち行くのみか、哀れなり。願はくは今夏の陽光の下、不屈の魂もて枝葉蘇らせ呉れろや。雲突き破り天に届く迄、後幾百年も生き延びよ。滅び消へ行くには未だ未だ早過ぎやふぞ。

　河畔にて幾十年、人の邪魔に成らず人に邪魔にされず、静かに育み来りし生命を断たんとすは何処の何者ぞ。邪魔な雪捨てるに邪魔と、樹木の命軽々に扱ふは以っての外の振る舞ひ、傲慢不遜の行ひと言ふてよし。斯様な者に河岸雪堆積場の管理任せ置けば河岸の樹木全滅は必至、行政当局は厳格に監督すべきなり。帰路諸々の事脳裏に渦巻き軈て腹立ちてならず、「馬鹿たれどもが」の思ひと「生きろや」の思ひ交互に噛み締めつペダル漕ぎ、戻りたり。

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　七日。終日雨にて肌寒し。道東・道北にて雪降る。五月の積雪、旭川にては十七年ぶり、中札内、羅臼、帯広にては九年ぶりとかや。陽に曝し置きしプランターの土、充分に陽に当たらぬまま雨水浴びた故、植へ付け予定先に延ばす必要有り。再度陽に曝し、篩に掛けて黒土補充後、消石灰を交ぜ与へて暫く寝かせ置かねばならず、苗植へ付けは早くても今月下旬か。

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　七日、山形県総合運動公園。コンサドーレ対モンテディオ山形戦は、０−３でコンサ四敗目。通算成績２勝４敗５分け、勝ち点11。順位九位に下ぐ。
　次節十四日、対水戸ホーリーホック戦（札幌厚別公園競技場）。

平成十七年五月四日（水曜）晴

　黄金週間だとて毎日が休日の我に変はり映へ無く、日々坦々。海外旅行、観光地巡り等為す人々多きやふなれど、三月に比羅夫へ出掛けたばかりの我らには懐に余裕無く、続ひての旅行等望むべくも無き事。更には身内に喪に服しおる家族居るを思へば暢気に旅等為す気にも成れず、我が家に居りて静かに日々の明け暮れに身任せ置くが相応と思ひおるなり。

　四月下旬は曇天低温の日続きて我がプランター農園の準備出来なんだれども此の二三日晴れたればとて、プランター外に並べ土掘り返して陽に曝せり。昨季は思ひの外の収穫有りて、妻も「今年は彼れも植へん、此れも植へん」と思案頻りなれば、我も植へ付けの下準備万事怠り無く為さねばなるまひ。然りながら彼れも此れもと云ふたとてプランターの数に限りの有る事なれば、妻の希望全てを叶へやる訳にも行かぬ故、「確実に実る物を植へるべし」と言ふて有るものの、素直に聞き入れ呉れるかどふか。

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　二日。歯科受診日。前回二十八日、本日の受診指示されたれば赴きたり。口を開けて一分余、「腫れ無く、炎症も無し。後は確り歯磨きして下さひ」。本日にて治療終了、先ずは安堵す。医師言ふに「歯肉炎、歯周炎の原因は口腔常在菌が作る歯垢。食後は必ず確り歯磨きし、歯科にて定期的に歯垢・歯石を除去するやふ」と。又曰く「歯周病菌は心疾患、脳血管疾患に罹り易くし、糖尿病や動脈硬化にも関係しおる」と。

　五十過ぎ迄歯医者とは無縁であったに、却って其れが災ひせしか。歯磨きのみにては事足りずと知りおれば、早くより歯医者通ひせしものを……。鯣噛みて歯茎に痛み感じても放置し、歯茎腫れても売薬で遣り過ごしきて、軈て奥歯ぐらつき始む。そうなりて事の重大さに思ひ至り、大慌てにて歯医者に駆け込めど後の祭り。時既に遅く、一本又一本とぐらつき抜かれ、今は幾本も残りおらず。「八〇二〇運動」なるもの有りて、八十歳にても尚二十本の歯が残りおるやふにしやふと言ふが、我八十歳程遠くして既に二十本も残りおらぬなり。

　時に咀嚼と痴呆の関係等耳にせば、なるほど我が惚けも歯より来りしものやも知れず、納得出来るなり。歯悉く抜け落ちて食物噛み砕く事もならず、軈て食細りて体弱り行くが我が定めにても嘆くまじ。此れも老ひの証しと思へば済む事なれば……。（治療より戻りて思ひし断片記す）

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　四日、札幌ドーム。コンサドーレ対横浜ＦＣ戦は、１−０でコンサ今季ホーム初勝利。通算成績２勝３敗５分け、勝ち点11。順位一つ上げ八位。
　次節七日、対モンテディオ山形戦（山形県総合運動公園）。