北極亭日乗


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平成十六年十一月



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平成十六年十一月二十八日(日曜)曇

 妻、歳暮の事ども在りて出掛けたれば昼餉外食す。近所なればと上着せぬまま出ずれば、吹く風頗る冷たく背丸めたり。近くの中華食堂にて五目あん掛け焼きそば食せば、麺些か硬茹でなれば弱りし我が歯に応へしなり。食し終へ、体温もりて店出れば風の冷たさ変はり無く、又々背丸め急ぎ足にて帰り来たり。中華屋の匂ひ衣服に染み込みて、九時間余経過せし今も匂ふなり。

 我らが希望の星コスモバルク、ジャパンカップにて二着。今回騎手は五十嵐冬樹に代わり、フランスのルメール騎手。二番手保ち最後の直線、各馬一斉の追ひ込みに抜かれ勝負終了かと思ひきや、バルク恐るべし。瞠目驚異のスパートにてゼンノロブロイに肉薄の二着。地方競馬所属馬初のG1芝制覇成らなんだが、其の根性天晴れなり。此奴の持つ底力計り知れず、未だ先が楽しみなるは確か。来月二十六日の有馬記念、再び五十嵐冬樹騎手騎乗にて出走予定。今度は間違ひ無く優勝し、燦然と輝く我らの星と成るであらふ。我予言す。

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 二十七日。払暁五時頃、尿意催して目覚むれば、昨夜来の激しき風雨収まりたるか窓打つ雨音絶へて無し。厠に立てば、窓辺に尚しゅるる風音聞こへて寒々しく、放尿終わりて身震ひせり。新聞受けより朝刊持ち来りて明かり灯せば、一面トップ「札医大事務局長を逮捕。収賄容疑、施設指定巡り百数十万」の報。道警裏金問題未だ決着見ぬ状況の中、今度は道庁幹部の不祥事。節操無き馬鹿者どもの愚行に、天も怒りて荒れ狂ふたが昨夜来の嵐だったやも知れぬ。

 介護保険施設の指定取り消し処分を巡って便宜を図り、社会福祉法人の前理事長から現金百数十万円のわいろを受け取っていたとして、北海道警捜査二課と札幌手稲署は二十六日、道立札幌医科大事務局長山本文夫容疑者(58)(札幌市手稲区前田一の二)を収賄の疑いで、社会福祉法人「札幌恵友会」前理事長、船木良晴容疑者(56)(同市中央区宮ヶ丘二の二)を贈賄の疑いで、それぞれ逮捕した。道警は、石狩支庁長室、恵友会など関係三十一か所を家宅捜索した。(04.11.27 読売)

 二〇〇〇年四月、建設部長が道立高校防災工事受注業者選定に絡み収賄容疑にて逮捕されて以来、部長級以上の道現職幹部逮捕は二人目。近年起きし他道職員の収賄事件挙げみれば以下の如し。

89年6月 長期総合計画調査委託に絡み元開発調整部参事が受託収賄容疑
93年11月 漁港整備事業資材納入に絡み当時水産部課長補佐の旭川土現技術部長が収賄容疑
96年1月 ゴルフ場開発許可取得に絡み当時企画振興部課長補佐の住宅都市部副参与が収賄容疑
97年2月 道立高校事務長人事異動に絡み元道教委企画管理部次長が収賄容疑
98年3月 公共事業発注に絡み当時網走土現事業部長の建設部課長が収賄容疑
00年3月 農政部次長(農水省より出向)が本省在職時の農協補助金需給に絡み収賄容疑

 役人に汚職は付き物、魚心有れば水心、美味しひ話となればつひ手が・・・。無節操、金に卑しき輩には「職員倫理条例」「職員倫理規則」なんぞ無きが同然。如何な規則作りても握々好きは握らずにはおれぬなれば、然様な輩は権限振るへる地位には就けず、利権絡みおる部署には置かぬが一番。

 今回逮捕されし山本容疑者は堀前知事の秘書課長を務め、以後とんとん拍子に昇進の出世頭なりしと言ふが、斯様な人物を幹部に登用したは誰か。人の性根は顔付きに、話し振りに、身の熟しに、飯の食い方酒の呑み方に出るもの。何を基準に昇進決めおるか知らねど、先ず虚心に人品見極めるが肝要。不祥事出来するは、人を見る目無き幹部連が人事弄びおる故と我は考へるが、違ふかや。

 人品卑しき輩が権限握りたれば斯く成る、の好見本と言ふべきが山本容疑者なり。恵友会の介護報酬不正請求追及せる職員を監査担当より外し或ひは地方に異動させる等為し、三千万円返還請求決裁せず揉み消せしと。事は全て己の一存にて処理可能と思ひ上がり、従はぬ部下は生殺与奪の権濫用して排除する横暴さ。我が身公僕なるを完全忘却、付与されし権限私するを憚らぬ厚顔ぶりと傲慢なる行為は、生来正しやふ無き偏狭下劣なる性根持つ人間に多々見らるる処なれば、見抜けず昇進させし上役は大ひに反省すべきなり。

 道東京事務所勤務、秘書課長経験等道庁には出世コース幾つか在ると聞くが、其が不適格者を幹部に押し上げる役割担ひおりはせぬか。「出世コース」なる言葉が職員間に囁かれおること自体、人事の組織内不平等・不公平を示唆しておりはせぬか。何の部署からも部長、副知事への道が開かれおらねば職員の意欲削ぎ、庁内に悪弊澱み来るは必定。「コース」に乗りおる人物故、間違ひあるまひと再評価せず、不適格者もエスカレーター式に昇進させおる可能性も大。然れば人事考課基準明確にして職員に公開し、適材適所公明正大に行はれしを明らかにして、職員よりの不服申し立て認める制度早急に作るべし。

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 禁固三十日の判決にて服役しおりしジェンキンス氏が二十七日朝、六日間の刑期短縮受け釈放されり。数日より一週間にて不名誉除隊と成り、来月上旬にも一家四人揃ひて佐渡市へ向かふ予定なりと。ジェンキンス氏は佐渡永住を決意しおり、同地にて働きたき意向なれば市当局も適職探しに忙しらし。亡命せるも不本意な北朝鮮にての四十年、残されし人生の日々を家族共々楽しみ命輝かせ、肉体にも魂にも安息の満たされん事を願ひて止まず。

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 島田正吾(本名・服部喜久太郎)氏、二十六日午前四時四十五分、脳梗塞の為、東京都目黒区平町の自宅にて死去せり。享年九十八歳。大往生と申すべきなり。沢田正二郎亡き後、一九八七年九月に「新国劇」七十年の歴史に幕を下ろす迄の五十八年間、辰巳柳太郎と共に劇団支へし功績大としたし。渋味の利ひた声にての独特の科白回しは年々円熟味を増し、停滞する事無く成長し続けて、九十歳過ぎて尚、舞台に挑戦せし希有の役者。今は冥福祈るばかりなり。合掌。

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 二十五日。昨日、十九歳長男が両親殴殺の報有りて遣り切れぬ幽愁抱きて鬱々たるに、明ければ土浦市にて二十八歳長男が両親と姉殺害の報。「何故だ」の思ひも湧き来らず、思考停止す。長男、無為徒食の引き籠もり。父親は同市立博物館副館長にて、厳格なる性格。再三、職に就くやふ説得しおりしと。長男供述「日頃より両親と仲が悪るかった。何時か殺される。其の前に殺そふと思った」。此れも亦、脆弱なる己の精神構造自覚し得ず、自分の思ひ通りにゆかぬは周りが悪しの自己中思考回路。加へて脅迫観念抱きては万事休す。

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 道警裏金問題の内部調査最終報告に対する道議会総務委員会質疑、二十五日行はれしも、委員質問内容に新味無く追及するに程遠く、道警答弁も私的流用・本部関与唯否定するばかりにて我等を納得させる答弁皆無。形だけの質疑に終始せるの感否めず、傍聴者より「中身の無ひ遣り取り続けおる様な印象」の声出るも当然なり。委員会質疑が此の有り様なれば、控へる定例道議会にての一般質問にも期待持ち得ず。何故か真相究明に乗り気薄の自民党道民会議の面々、道警に弱みでも握られおるかや。内部調査の限界十分に納得できた筈なれば、躊躇無く百条委設置為し、事の真相究明すべきと思ふが、如何に。

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 二十七日、小瀬スポーツ公園陸上競技場。コンサドーレ対ヴァンフォーレ甲府戦は、0−0の引き分けでコンサ今季を終了。通算成績5勝24敗15分け。勝ち点30、J2にてはチーム初の最下位。語るべき事ども無し。

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平成十六年十一月二十四日(水曜)晴

 昨夜、「日乗」記しおりて妻への感謝足りぬに思ひ至り、晩酌の酔ひも醒め来れば今一献妻と交はさんとて呑み始め、取り留め無き世間話続けおれば度過ごせしか、今朝の起床遅く八時回りたり。近頃旗日に託つけ銚子の本数増やす傾向有るは問題。女房殿は体の心配するばかりにて何も言はぬが、年金の遣り繰りに四苦八苦の家計顧みぬ呑み方は慎むべし。先月の検診にて、血圧高く不整脈の兆候有りて尚且つ血尿の診察所見言ひ渡されおれば、暫くは適量守りて深酒せぬ肝要か。適度の飲酒は体に良しと言ふが、はて? 我にとっての適量はどの程度なるか。次回検診の折、尋ねずばなるまひが……待てよ……?

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 水戸市にて二十四日未明、十九歳無職の長男が就寝中の市立中学教諭の父、元小学教諭の母を鉄アレイで殴殺せり。長男は市内私立高校を昨年卒業、体調崩したるに因り大学進学せず、東京都内の専門学校へ進む予定に成りおりしが通はず、「両親や祖父から『習ひものをしろ、何を遣ってるんだ』等と度々言はれ、皆殺しにしてやらふと思ひ、衝動的に殺した」と供述しおる由。嗚呼、已んぬる哉。育て呉れし親の恩、徒や疎かに思はぬが子である筈が、憎しみ募りて殺めるとは……。

 無為に日々を過ごしおる息子、孫への叱咤激励の言葉が、此の長男の耳には小言叱責に聞こへたるか。何たる想像力の無さ。両親殺害に要したであらふ膨大なるエネルギーを何故に己の未来を切り拓くエネルギーに成し得なんだか。想像力働かせ考へる力持ちおれば、如何に困難なる状況も打開し前進可能であったに、其れが出来きなんだは結局長男に思考能力無き故。考へる能力なければ、脆弱なる己の精神構造自覚出来やふ筈も無く、然すれば克己心も持ち得まひ。自立心皆無の自己中、無為徒食の十九歳生み出せし原因大半は教育に在り。

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 日本歯科医師会の自民党旧橋本派への一億円闇献金事件にて、政治資金規正法違反の罪に問はれし同派政治団体元会計責任者の公判二十四日に有りて、被告は起訴事実認め、検察側は禁固十月求刑せり。検察側は冒頭陳述にて、不正献金処理は村岡元官房長官が決定し、野中元自民党幹事長も報告受けて了解しおりたと、派閥幹部が深く関与せるを詳述せしと。

 元金庫番が「間違ひ御座ひません」と言ひおるからには、間違ひ無ひのであらふ。にも拘らず、同法違反にて在宅起訴されおる村岡氏は「事実無根。陰謀だ」と息巻き、野中氏も「一切知らぬ」と言ふ。ほんの二年前の事、確り記憶しおり乍ら知らぬ存ぜぬと言ひおるのか、老人性健忘症とやらにて事の子細完全忘却しおるのか、将又自己防御の御惚けか。己に都合悪しき事は「関係致しおりません」「記憶に御座ひません」が政治屋の常套句。此の例に漏れぬか。二十九日予定せる衆院政治倫理審査会にて、親分・橋本元首相如何弁明成すか。

 一端の政治家面して踏ん反り返る政治屋跋扈せる国会なれば、規正法改正案にも巨額献金への抜け道作るを忘れぬ抜け目無さ。三百代言の食へぬ輩にまともな規正法作れる訳無く、金集めが一番の仕事と心得る政治屋存在する限り闇献金は無くなるまひ。たまたま今回は献金側・日歯会長の刑事事件に絡む証言より明らかになりし事にて、通常なれば発覚しやふの無ひ事。其れ故今も尚、何処かで誰かが政治屋に現生或ひは小切手渡し、政治屋は帳簿に記載せず隠し金庫に蓄へおるは確か。此の国で闇献金無くなる事無し。

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 本日、勤労感謝の日。我は年金暮らしの身故、感謝頂戴する必要無けれど、年金保険料払ひおる勤労者諸氏には心より感謝申し上げたし。家事担ひおる妻も我没する迄、定年無き勤労者の如き身なれば感謝せねばなるまひ。膝痛しと言ひつつ小忠実に家事熟す気力、頑張り尋常ならず、性根脆弱なる我には到底真似出来ぬ働きぶりには頭が下がる。日々御苦労さん、然して日々唯々感謝。

 主婦の家事労働をば賃金に換算せば如何程に成るか計算せし事無けれど、恐らくは並の月給取り以上の額に成るは間違ひ無かろふ。其れを無給にて働かせおる我なれば、幾ら感謝してもし過ぎと言ふ事無きに、日々感謝・労ひの言葉少なきは反省すべきなり。自分の事は自分でと思ひつつも何かと妻任せにして顧みぬは、思ひ遣り無き身勝手な振る舞ひなるを自覚せよ。「勤労感謝の日」に当たり、以て自戒すべきなり。……晩酌の酔ひ、醒め来りたれば今一献。

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 今日二十三日、新潟県中越地震発生より一か月。午後五時五十六分、妻共々犠牲者の冥福祈りて黙祷捧ぐ。我が齢にてはボランティアにて馳せ参じもならず、唯々テレビにて被災者の難儀せる様子眺めおるのみなれば申し訳無き事なり。本日午前九時現在の地震被害(新潟県調べ)は死者四十人、負傷者二千八百五十九人。家屋の全壊二千五百五十四棟、大規模半壊四百六十九棟、半壊四千六百五十五棟、一部損壊五万二千六百四十九棟。

 一時、十万人超へし避難者減少せしも現在尚、長岡市、小千谷市、川口町、山古志村等の五千八百三人が避難所生活、七百六十七人がテントや車にて生活しおるらし。此れらの人達は山間部に居住しおりて被災、被害は甚大にて帰る目処立たぬ状況。山古志村に至りては道路寸断、地滑りに加へ土砂崩れに因る天然ダムの出現にて集落水没の危機に晒されおる状態。村民全戸集団移住、棄村も考へねばならぬと言ふ。彼の美しき棚田は如何成るのか、錦鯉は、闘牛は……。我々は、曾て在った過去の風景としてグラビア写真で観る事に成るのかや? 思へば切なし。

 被災者への国の手当て充分に為されおるか、災害復旧への取り組み順調なるか。国際貢献必要なるも、先ずは自国民の安寧守るが第一。イラク復興に法外な金拠出する前に、我が国土の災害復旧に惜しみ無く金を出すが国の務めでなきや。豪雪地帯新潟に冬迫りたれば、為すべきを為して疎漏無きやふ願ひたし。規則が如何の、書類が如何のと、間違ふても御役所仕事だけはすな。被災者の望み叶へるを第一義に考へ、心の在り様慮りて対応して呉るるを願ふ。以上、中越地震とは無関係にして被災者でも無き傍観者より国への頼みなり。

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 芦刈道警本部長は二十二日、道警裏金問題に関する内部調査最終報告書を道議会総務委員会に報告せり。九月公表せる中間報告に前回報告漏れの旭川中央署、弟子屈署、北見方面本部警備課の予算執行実態と、旅費の執行実態調査結果を加へしのみにて、我等を納得せしむるに程遠きものなり。捜査経費及び旅費等の執行につき何を以て適正・不適正判断せしか客観的証拠・根拠無ければ返還額の妥当性疑はしく、「私的流用無し」「上層部の容認、指示、指導一切無し」と断言しおるも白々しく、保身に汲々たる幹部連の厚顔腹立たしき限りなり。

 幹部への交際費支給・餞別等の私的流用及び警察庁への裏金上納問題は、裏金の存在をば実名告発せる元釧路方面本部長・原田宏二氏等始め多くの元幹部・現職幹部等が証言しおる処。又、裏金作りは上層部が容認し、指示に基づきて「歴代担当者の申し送り事項」との証言も在るにも拘らず一切無ひと言ふて憚らぬ。一部署なれば兎も角、道警ぐるみとも言へる裏金作りが上層部の関与無くして続けられるかや。昔は「署長を二か所せば家が建つ」と言はれたと聞き及べば、交際費・餞別の類ひは相当以前よりの慣行にて今迄脈々と続き来たは疑ひ得ず、「私的流用無し」と言ふても誰も信用しまひと思ふは我のみか。

 其れ等私的流用、上部組織への上納の事実無しと公言するなれば、在りと証言せし者を何故に訴へぬか。「斯くも無様な混乱招きて道民の道警に対する信頼失ひたは、事実無根嘘八百の告発・証言せしが原因」として告発者等を告訴せばよからふ。其れをせぬは、真相明らかに成るを恐れての事にて、其は自ら罪を認めおる様なもの。告発にて裏金の実態明るみに出でたからには当然、上層部の関与在りて私的流用も行はれひたと解釈するが自然。私的流用認むれば幹部・キャリアの刑事責任問はれ、上納認むれば警察庁への問題波及は必至――と成れば、「保身の為、此れだけは口が裂けても……」だらふ。

 不透明なる調査結果、責任の所在不明確なる侭、金返還にて幕引き図らふとするが如き最終報告書。然も返還金額も、算定根拠定かならずとありては開ひた口塞がらず。道監査委員の確認監査にては「物証無きものは不正支出と見做す」方針なれば、返還額膨張避け得まひ。警部級が上層部の指示に従ひて裏金作り、署長連中に交際費・餞別渡しおりたとせば何たる皮肉、返還金負担する警部哀れなり。はて扠、最終報告書の欠陥衝きて真相に迫り得るか? 二十五日の総務委員会質疑、二十六日よりの定例道議会にての質疑注目したし。又、来月三日の道監査委員特別監査結果報告も併せ注目。

 ◆「道警内部調査最終報告」文書へ⇒

道警不正経理をめぐる経過
03年
11月23日
旭川中央署の1995年5月、97年9月分の捜査用報償費の不正支出疑惑が発覚
28日 芦刈勝治道警本部長が報道機関との定例記者会見で「不正経理の事実はない」と疑惑を全面否定
29日 問題の書類で「捜査協力者」とされた市民のうち、12人が新聞社の取材に受領を否定
12月1日 旭川中央署の不正支出が署ぐるみだったと元会計課幹部らが取材に証言。電話帳を使い、受領者を捏造したと認める
2日 不正支出が道警全体で行われていた疑いが浮上。二十数人の現職幹部やOBが裏金をつくっていたと取材で証言
3日 道議会で芦刈勝治本部長が「不正経理はない。コピー文書の出所も不明」と疑惑を否定
高橋はるみ知事が道議会で「道警本部長が不正はないと言っており、その発言は重い。調査は求めない」と答弁
6日 道監査委員がこれまでの報償費の監査で、道警の「捜査上の秘密」をうのみにし、実質的に調べていなかったことが判明
9日 知事が一転して来年度予算案で報償費の知事査定を表明
10日 元釧本本部長が裏金づくりを証言
12日 旭川中央署の元署長2人が約50万円の報償費を不正受給したとして、札幌の弁護士グループが損害補填を求めて、道監査委員に住民監査請求
13日 警察庁が予算執行調査委を設置
18日 道警本部の各部署の裏金が道議会対策や警察庁幹部への接待のため、総務部に上納されていた疑いが強いことが判明
道警が報償費総額を2004年1月から毎月公開すると発表
25日 道監査委員が弁護士グループの住民監査請求を受理
04年
1月7日
宮城県警の食糧費関連文書をめぐる訴訟で、警部補以下の氏名の開示を命じた控訴審判決に対し、宮城県が上告を断念。同県では警部補以下の氏名も開示へ
14日 旭川中央署の疑惑に関する住民監査請求の意見陳述があり、道監査委員が当時の捜査員への聴取を求めたが道警が拒否
20日 警視庁の領収書偽造訴訟で、最高裁は上告を受理せず、東京都の敗訴が確定
23日 上川管内の男性が「捜査協力者として勝手に名前を使われ、精神的苦痛を受けた」として、道に約70万円の損害賠償を求めて提訴
28日 芦刈勝治本部長が記者会見で「捜査協力者との信頼関係が損なわれる」と、監査委員への協力拒否を強調
2月3日 道警の佐々木友善総務部長が2003年12月3日の道公安委員会の席上、報償費の領収書作成時に「本名は記載しないことがある」と、偽名便用を認めていたことが判明
4日 道警総務部長が偽名領収書の作成があることを認める
6日 吉沢慶信副知事が偽名使用について「適当でない」と指摘
7日 全国市民オンブズマン連絡会議が8月に函館で開く全国大会で、報償費疑惑を議題に取り上げる方針を決定
9日 道監査委員が旭川中央署に関する住民監査請求を棄却。会計書類は「本物の可能性が高い」とし、報償費の支払先に関しては「不実の疑いが思慮される」と指摘したが、捜査員への事情聴取を道警に拒まれたため不正を断定できず
10日 元釧路方面本部長(警視長)の原田宏二氏が記者会見を開き、裏金づくりが道警の組織ぐるみで行われていた実態を証言
12日 旭川中央署の元署長2人が「不正はないが、後輩に迷惑を掛けたくない」として、報償費とその利子分約70万円の返還を道警本部に申し入れ。道警は受け取りを拒否し、2人は現金を札幌法務局に供託
13日 警察庁が裏金づくりの真相解明を内部調査する「予算執行検討委員会」(委員長・吉村博人官房長)を設置
17日 道警が報償費の不正支出疑惑を内部調査する「予算執行調査委員会」(委員長・芦刈勝治本部長)を設置
18日 道は新年度道予算案で報償費を前年度比3割減の約8400万円にすると発表
19日 衆院予算委の質疑の中で「道警本部長にも現金が渡っていた」とする原田氏の証言が明かされる
24日 道議会総務委員会の理事会が、3月4日に原田氏を参考人招致することを決定
25日 弟子屈署(釧路支庁弟子屈町)で裏帳簿が作成され、裏金が管理されていたことが発覚
小泉首相が裏金疑惑について「単なる北海道の問題ではなく日本警察全体の問題と認識している」と国会で答弁
26日 警察庁が全国の警察に対し、都道府県監査委員から捜査員への事情聴取要請があった場合は、支障がない限り応じるように通達を出す
道警が弟子屈署の裏帳簿問題も調査対象とすると発表
3月1日 弟子屈署裏帳簿問題で元同署次長の斎藤邦雄氏らが住民監査請求し、斎藤氏は会見で裏金の実態を証言
2日 道議会の答弁で、山田博司副知事が高橋はるみ知事の意向として、報償費などについて特別監査を求める考えを表明
芦刈勝治本部長が定例道議会の代表質問で、「疑惑を増幅させた」などとして陳謝した
3日 監査請求を棄却された弁護士が住民投票を提訴
報償費が不正支出されたとして弁護士グループが道を相手取り、旭川中央署元署長2人に返還を求めるよう
4日 道議会総務委員会委が元釧本本部長を参考人招致
5日 静岡県警が不正経理認め返還表明
8日 道監査委員が弟子屈署に関し弁護士からの監査請求を受理
11日 警察庁が偽名領収書の廃止を通達
旭川中央署の領収書に名前を無断使用された男性の損害賠償請求訴訟発弁論。道警側は「出所不明の文書」などと争う姿勢
12日 芦刈勝治本部長が旭川中央署の報償費に関し「不適正支出」を認め陳謝。道公安委員会が監察を指示
15日 高橋はるみ知事が道監査委員に道警全組織の過去6年間の報償費・食糧費などを対象に特別監査を要求
4月7日 全国の市民オンブズマンが捜査用報償費などについて44警察本部に一斉に開示請求
28日 道監査委員が弟子屈署の住民監査請求で、全国初の報償費返還勧告。道警全体に不正の疑いがあると言及
5月11日 道議会総務委で道警が旭川中央、弟子屈両署の組織的な裏金づくりを認める最終報告を提出。225万円以上を当時の署長らに返還させる方針を示すが、私的流用や上部機関への上納は否定
6月25日 道議会が、民主党・道民連合、共産党が提案した百条委設置決議案を自民党・道民会議などの反対で否決
30日 道監査委員が旭川中央、弟子屈両署の特別監査で、1998―2000年度の捜査用報償費全額の約714万円が裏金になっていたと認定
8月2日 道監査委員が定期監査で道警本部と旭川、函館、北見各方面本部の03年度の捜査用報償費と旅費のうち約1400万円について「予算執行が確認できなかった」との結果をまとめた
4日 興部署長(警視)が自殺。遺書に裏金問題を苦にしたとみられる記述
28―29日 函館で全国市民オンブズマン大会開催。内部告発した現職やOBの支援ネットワークの設立や、統一弁護団で情報公開講求に取り組む方針を決定
9月13日 道警が裏金が3年間て114億円にのぽると認定。幹部らが6億7000万円を返還する方針を表明
10月6日 道議会予算特別委で高橋知事が「道警が自らの判断で返還した場合でも、返還額の妥当性は道監査委員に確認してもらう。相違があれば道警に返還額を補正させる」と見解
23日 原田氏ら警察官OBと全国市民オンブズマン連絡会議メンバーの弁護士有志が「明るい警察を実現する全国ネットワーク」を設立
11月19日 旭川中央署の元署長2人に不正支出された捜査用報償費を返還させるよう高橋知事に求めた住民訴訟で、札幌地裁は「知事に被告適格なし」として弁護士グループの訴えを却下
22日 道警が98―03年度の全部署を対象にした内部調査結果を道議会に最終報告、約11億円が裏金化され、うち約7億1500万円返還へ

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 奈良市の小学一年女児誘拐殺害事件にて、女児の遺体及び衣服より採取せし頭髪・体毛の形状等拠り犯人は三十歳代前後の成人男性と見られる旨、奈良西署捜査本部発表せり。女児が連れ去られし自宅周辺路上にても其れらしき年代の不審者目撃情報が複数有り、此の年齢層の不審者をば集中捜査しおる由。兎に角、犯人逮捕へ王道無しと心得て、どんな些細な手掛かりも粗末に扱ふ事無く地道に捜査為すが一番。殺人鬼への怒り持ちて捜査に邁進せん事を願ふ。

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 二十三日、札幌ドーム。コンサドーレ対大宮アルディージャ戦は、0−1でコンサ敗れ二連敗。ホーム最終試合飾れぬまま今季J2最下位確定。通算成績5勝24敗14分け。勝ち点29変わらず。
 次節二十七日、対ヴァンフォーレ甲府戦(札幌山梨・小瀬スポーツ公園陸上競技場)。

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 二十日、等々力陸上競技場。コンサドーレ対川崎フロンターレ戦は、0−2でコンサ勝てず。通算成績5勝23敗14分け。勝ち点29、最下位は共に変わらず。
 次節二十三日、対大宮アルディージャ戦(札幌ドーム)。



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平成十六年十一月十八日(木曜)曇

 昨夕、仲間内の忘年会にて薄野へ出ず。ひと月早けれど、老ひの身に雪道危険なればと幹事連決めたる由。元気なる連中「心配無用。雪道怖くて酒が呑めるか! 来月根雪に成るを待ちて今一度忘年会開くべし!」と気勢上げおりしが、年寄りの冷や水と言はれぬに如くは無し。此処は幹事連の深慮、気配り善しとす。宴会場此れ又、道に迷はぬやふ配慮して昨年と同じホテル内和食処。能く能く気の利く幹事連にて、呆け気味我は助かるなり。

 皆々「今宵は呑むぞ」と意気込めども如何せん齢には勝てず、終わりて見れば空きし銚子の数僅か。行きし旅の話、病院通ひの話、女房・子の話、日々の過ごし様の話に花咲きて呑む暇無かりしか。其れにても皆顔赤くして上機嫌なるは喜ばし。和食処出でて二次会へ。数人「寝る時間」とて帰りしが、我付き合ひて飲食店ビル内カラオケバーに行くも、不調法なれば歌ひもせず水割り焼酎嘗めつ諸氏の歌聴き居りたり。散会、我が家に辿り着きしは午後十一時頃。仕上げの一杯とて冷や酒半合味わひて歯磨き為し、床に就きしは零時頃か。

 明け方尿意模様して目覚むれば未だ五時。用済まし喉の渇き潤す水一杯甘露。もふ一寝入りと床に入りて目覚めみれば九時回りおりたり。庭木の冬囲ひ為す予定なれば慌て跳び起き、洗顔そこそこに身繕ひて自転車引き出し、防風防雪網買ひに走るも慌ただし。戻りて作業開始。網をば庭木に巻き付け、細綱にて頭の先絞り縛り、周囲ぐるぐる巻きに為して固定したれば見栄へ甚だ悪しけれど、素人仕事なれば致し方無く、防風防雪の用果たせれば見栄へ関係無しと己納得させて作業終了せり。然り乍ら、内に入りて窓辺より眺むれば庭木の冬囲ひには到底見へず、粗大塵芥をば綱にて縛り放置せるが如くに見へるは無念。

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 新鮮なる林檎を生の侭皮ごと毎日一個食せばアルツハイマー病等痴呆の予防に成るらし。米・コーネル大学等の米韓共同チームの実験に拠り分かりしと報じらる。林檎は抗酸化作用物質・ケルセチンを多く含み、抗酸化物質にはアルツハイマー病の進行及び脳細胞の老化等より細胞を守る効果が有り、抗酸化力の高ひケルセチンが特に注目されおる由。マウス脳細胞使ひての実験にては、抗酸化作用が高ひと言はれるビタミンCに比しても明確に高ひ効果確認せしと。我が呆けにも効果有りや。今となっては時既に遅し、予防効果期待出来ずか。

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 日本人の心の在り様斯く変わりたは何故か。人倫に悖る所業為して恥じず、人を殺めて平然たるの心、我には理解不能なり。上から下迄、馬鹿と阿呆跋扈して騒然たる世に連続せる凶悪残虐事件、又かの思ひにて心潰るなり。十七日午後より行方不明に成りおりし奈良市の小学一年女児、遺体にて発見。奈良県警、誘拐殺人、死体遺棄事件として特別捜査本部設置せり。同日午後八時五分頃、女児の携帯電話より発信したと思はれる女児の画像添付せる「娘はもらった」とのメール、母親の携帯電話に届きしと。卑劣、冷酷なる殺人鬼の仕業。引っ捕らへて絞首台に送り遣らねば両親の気が済むまひ。有力手掛かり無く五里霧中の捜査らしも、一刻も早き解決望みたし。

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 十六日の各報道、パウエル米国務長官辞任、後任にコンドリーザ・ライス大統領補佐官就任の見通し伝ふ。ブッシュ政権内にて唯一国際協調重視路線説き続けし穏健派、鷹派の中にては鳩派、鳩派の中にては鷹派と言はれ抜群のバランス感覚にて政権内ネオコンの暴走阻止し来りしパウエル氏後任に強硬派ライス補佐官選びたとあらば、米の一国主義的傾向益々増幅、顕著に成るを危惧す。又、ラムズフェルド国防長官留任と成らば、ライス国務長官との二人三脚にて「ブッシュ・ドクトリン」の嵐巻き起こし、政権内外強硬派の突き上げにて対北朝鮮武力行使無きにしも非ず。ブッシュ政権内の危険な芽、日々膨らみ行くが怖し。

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 十六日午前、中国の武大偉・外務次官が阿南惟茂・駐中国日本大使に対し、自国原潜の領海侵犯につき「調査の結果、中国の原潜であるを確認せり」と伝へ、「通常の訓練過程にて、技術的原因に拠り、日本の石垣水道に誤って入りしものにて、事件発生を遺憾に思ふ」と述べしも、最後迄「謝罪」の言葉使はざりきと。小泉首相「中国側は中国の原潜と認めて陳謝したと言ふ事だ」と暢気な物言ひ。軍艦艇の領海侵犯を「遺憾に思ふ」の一言にて済まされてはたまらぬ。信義に悖る自己中相手に友好発展なんぞ不要、と思ひたふ成る。

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 《15日朝》 山古志の児童ら、ヘリで村の上空周回。「きれいな山なかった……」
 《15日夕》 被災地いやす「ラヴ」3歳チワワ、子どもに人気。心のボランティア続々、出前保育・ゴミ袋片手に世間話

 ◇新聞報道にさしたる動き無ければ、見出し記載、本日にて終了とす◇

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 何たる態度、対応か。三回目の日朝協議と言ふに、安否不明拉致被害者につひて「八人死亡、二人未入国」の従前説明変へぬ厚顔不誠実断じて許すまじ。日朝協議代表団持ち帰りし新資料も、恐らくは辻褄合はせの作り物にて直に化けの皮剥がれやふ。拉致被害者家族に対する誠意微塵も見られず、此れでは納得の仕様無からふ。部外傍観者の我なれど怒り抑へ切れぬなり。斯くなる上は経済制裁策断行在るのみ。三回目の協議にして此の態度、我等を虚仮にすも甚だし。首相は最早「対話と圧力」等と言ひおる時期に非ず、「圧力」を以て談ぜずば拉致問題解決の道永久に閉ざされるを知るべし。

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 《14日朝》 道路復旧させてもまた陥没、地中で続く液状化現象/棚田、作付け心配/建物被害判定、二種類で混乱

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 米・イラク軍がファルージャ全域を支配下に置きしらし。米軍幹部はAP通信に対し「武装勢力千二百人以上を殺害せり」と述べしと。されど、ファルージャの治安回復との言皆無なれば、後々何が起きるか予断許されず。又、総攻撃時未だ市内に残り居た一般住民への被害出なんだか心配なり。ザルカウィ率ひる「イラクの聖戦アル・カーイダ組織」等武装勢力十一組織はビデオ声明にて、「ファルージャでのイスラム教徒虐殺に対抗し、戦ひをイラク全土に拡大させる」と宣言しおると言ひ、イラク全土の治安回復程遠しの感。

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 天災人災諸々続く暗ひ世相に一縷の光明。紀宮様婚約内定の報、慶賀に堪へぬなり。皇室の存在価値奈辺に有りや、と問はるれば返答に窮すれど、三十五歳の娘が嫁に行く気に成ったが目出度き事。我大ひに祝ひたし。万歳三唱したき処なれど人目憚りて遠慮せしなり。入手せし号外記事、以下に記し置く。


 《紀宮さま婚約へ 都職員・黒田さんと/秋篠宮さま ご学友39歳/来夏にも挙式》 天皇家の長女、紀宮さま(35)の婚約が内定した。お相手は、兄の秋篠宮さまの学習院時代の同級生で、東京都都市整備局建設業課に勤める黒田慶樹(よしき)さん(39)。天皇、皇后丙陛下も了承されでいる。今月初めの正式発表が予定されたが、新潟県中越地震などで、多くの被災者が苦しんでいることから、両陛下やお二人の希望で来月下旬まで発表が控えられていた。一般の結納にあたる「納采(のうさい)の儀」を経て、来年夏にもご結婚となる。

 宮内庁の羽毛田信吾次長は十四日午前九時から同庁内で記者会見し、「少なくとも十二月後半までご慶事の発表を行う気持ちはおありにならず、今は正式に発表できる段階ではない。お相手の方やそのご家族に配慮した良識ある対応をお願いしたい」と、事実上、婚約内定を認めた。

 宮内庁によると、黒田さんは一九六五年四月、トヨタ自動車に勤務していた父、慶次郎(けいじろう)さん(八六年死去)と、母、壽美子(すみこ)さん(69)の間に長男として生まれた。

 一九八八年に学習院大法学部を卒業後、当時の三井銀行に入行したが、公共の仕事に携わりたいと九七年に都庁職員に転じた。現在は東京都渋谷区内で壽美子さんと暮らし、建設業課で建設業の許認可などを担当している。

 幼少時から天皇、皇后両陛下と面識があり、大学時代は秋篠宮さまご夫妻が所属されていたサークル「自然文化研究会」に所属。特に秋篠宮さまと親しく、紀宮さまとは幼なじみのような間柄だつた。

 交際が進んだのはここ一、二年。黒田さんが友人と赤坂御用地内の秋篠宮邸を訪ねた際などに会われ、電話で連絡を取り合っていたという。今年二月には、秋篠宮さまが運転する乗用車で黒田さんが同邸を訪ね、梅見で訪問されていた両陛下、紀宮さまと懇談。お二人はこの夏には結婚の意思を固めたという。

 紀宮さまは一九六九年四月、皇太子さま、秋篠宮さまに続き、当時皇太子だった陛下の第三子として誕生された。初等科から学習院で学び、九二年に学習院大文学部国文学科を卒業、山階鳥類研究所(千葉県我孫子市)の非常勤職員を務められている。

 結婚後は、皇室典範一二条の規定により、皇族の地位を離れることになる。男性皇族の結婚と違い、女性皇族の結婚では皇室会議の議決は必要とされない。

 黒田慶樹さん 宮府庁によると、黒田さんは、身長一メートル七六、体重六十九キロで、自動車の運転や写真撮影が趣味という。黒田家では、父方の伯母が旧華族(子爵)の税所家に嫁いでいるほか、父方の伯父の妻が、旧華族(子爵)の秋月家の出身。(04.11.14 読売号外)

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 《13日朝》 仮設住宅。住民、自前で用地確保、川口町で120戸分「地元で暮らしたい」/土砂崩れダム26ヘクタールに拡大
 《13日夕》 避難所生活者、1万人切る

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 風邪か? 体調悪しく終日籠もりてごろ寝せり。夕刊にて、韓国船籍貨物船が石狩湾新港北防波堤南東端に衝突せるを知る。停泊中、強風に流され衝突、船体三つに折れて六人死亡、一人不明、九人救助。六日の苫前沖衝突事故に続ひての海難、今回は天災らしも衝突回避行動に十全尽くせしか。が、事故当時海上にては三十メートル近き強風吹きおりたとの情報も有り、さすれば如何なる手立ても奏功せるは無く、十全尽くすも徒労に終わりたるやも。

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 《12日朝》 120万匹ニシキゴイ哀れ、被害40億円。土砂崩れ、停電で/闘牛16頭も/ボランティア装い取材。関西テレビ、おわびに2時間お手伝い/仮設住宅入居、「隣近所」そのままに。長岡市、独居老人孤立化防ぐ
 《12日夕》 「天然ダム」改め「河道閉塞」、国交省対策室「イメージ美し過ぎ」/避難所4割利用されず、長岡市と小千谷市/魚沼市で震度4/義援金100億超す

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 イラク特措法に基づく派遣自衛隊駐留地・サマワの治安維持を担当せるオランダ軍千三百五十人が、当初予定通り来年三月撤退する旨報じらる。同軍撤退後はイラク南部全域の治安維持に責を負ふ英軍が、自衛隊支援に回るらし。と言ふて、サマワへ千人規模の部隊投入は当然無理なれば、度々迫撃砲弾撃ち込まれおる宿営地守り切れるか危ふきなり。ファルージャ総攻撃に伴ひて一段の治安悪化懸念されおる状況下、自衛隊の安全確保益々困難と成り行くは必至。隊員死亡の報に接する前に、我が部隊も当初予定通り来月十四日にて引き揚ぐるが賢明ならむ。

 十日の党首討論。民主・岡田代表「非戦闘地域の定義や如何に」と問へば、小泉首相応へて曰く「自衛隊が活動しおる地域が非戦闘地域だ」。砲弾雨霰、死傷者出でても自衛隊が居る以上は非戦闘地域、と言ふておる様なもの。定義知りおるか疑はしき首相故、非戦闘地域に非常事態宣言出すも珍妙なれど納得可能なり。珍妙なる発言せし人物もふ一人。町村外相、九日の記者会見にて曰く「戦闘地域、非戦闘地域は法律上の用語故、少なくても戦闘地域には当たらぬ。何故なら相手は国でも無ひし、国に準ずる組織でも無ひ」と。外相の言ふ相手と、国或いは国に準ずる組織が交戦為してサマワに砲弾雨霰、死屍累々にても非戦闘地域と言ふておる。共に国を託す人物ならず。

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 前苫小牧海上保安署長が、フェリー会社に勤務せる天下り一管本部OBに便宜を図って貰ひ、苫小牧−茨城県大洗間の運賃九割引きにて十六回利用せしと。小役人のさもしき性根、世に絶へる間無し。斯様な者が署長に迄昇進出来る海上保安庁の組織・体質、腐臭漂ふ前に改革断行すべし。役人の不祥事は幹部連中の凭れ合ひが源、幹部に対する懲戒処分は一般職員より一段厳しく在るべきにて、公務員倫理規定禁止行為違反の署長不祥事が減給五分の一(八か月)では余りに軽ひ。一管本部長は「国家公務員倫理法の趣旨を改めて徹底して、再発防止に努めたひ」と陳謝せるも、腐れ樽の箍締め直しても効かぬなり。

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 天皇杯四回戦。十四日、室蘭・入江運動公園陸上競技場。コンサドーレはJ1四位の市原と対戦、上里の同点弾、相川が決勝弾放ち2−1の延長Vゴール勝ちにて16強入り。J2最下位がJ1四位勝ちたは大殊勲。幾分なりと自信取り戻し呉れればよひが。
 五回戦は十二月十二日、J1・大分トリニータと対戦予定。



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平成十六年十一月十一日(木曜)曇

 《11日朝》 道開発局、自走ポンプ車派遣。遠隔操作で天然ダム排水/今年度廃止の越路町、戸別無線あったら……。全町停電→代替CATVプツリ→震災情報届かず/長岡の少年院、80人県外避難。一時は刑務所に……「ふさわしくない」
 《11日夕》 「震災ごみ」収集始まる。割れた食器、ガラス、家電まとめて……/立ち上がる地場産業。朝日酒造の久保田、蔵元再興、数十万本分廃棄、激励続々。織物・精密機器、余震のたび作業を中断

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 昨日、久々に自転車にて走る。昼餉済ませ一服、外見やれば晴れて暖かさふなればプランター菜園の後始末でもと思ひて外へ出しが、申し分無き空模様に一走りの気起きて出掛けたり。出発してより「はて、何処へ」。此処暫く訪れぬ豊平公園緑のセンターか、足を延ばして平岡公園迄か。今年の自転車乗りも今日が最後なるやもとて、平岡公園迄行きしなり。往路復路共に未だ走りおらぬ道通らんと決めて進めば、坂又坂の連続。彼方に曲がり此方に曲がり、一時道に迷ひたるの感。

 途中、厚別神社に出合ひて境内散策す。鳥居迄上り行く石段勾配急にして、一息にては上り切れず途中にて一息入れる無様なりき。先の風台風にて幹張り裂けし古木一本境内に在りて、其の姿尚凛々しく天を突き居たれば、不憫に思ひて写真一枚カメラに収めしなり。道央道挟みて広がる平岡公園の周囲ぐるりと回り見れば、其処此処に散策せる人影絶えず、犬連れし人の多きに気づきて「最期迄、看取り呉れろよ」と呟きつ眺めたり。三時過ぎて曇天、風些か強まり来たれば帰路に就く。帰路、坂道避けて戻らんと下り続け行けば道央道に突き当たり、万事休す。

 斯くなる上は已む無し、道央道沿ひの葦原越へ行かんと自転車押し勇躍果敢突き進みたれば、軈て平常舗装路に出でて大谷地北星大学キャンパス辺りに辿り着きたり。時刻四時近く暮色迫り来るの気配、悔し乍ら走り慣れし道行くも致し方無しと、後は走り慣れたる国道12号只管ペダル踏みて帰るも、我が家に着きし頃は既に暮れて暗し。妻と二言三言、銭湯へ駆け参じ湯船に浸かれば、久方の自転車故か脚の筋肉・腱張りて痛し。湯上がり戻りて発泡酒二缶、酒二合食らひて一服、小便為して早々に床に就きたり。

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 昨日の自転車行些か運動過多なりしか、寝覚め悪しく体の節々痛けれど菜園始末等諸々の作業山積しおる状況なればと七時起床。先ずは一番乗り、九時の開店待ちて散髪へ出掛く。主と世間話為しつ髪刈り貰ひ顔当たり貰ひおる内、店内の温さに誘はれしか暫し微睡みたり。不意に背凭れ起こされ我に返って「此の齢に成ると、とんと締まりが無く成って居眠りばかりですワ」と言へば、主も亦「わしも同じだよ。客待ちで長椅子に五分も座ってりゃこっくり始まって、下手すりゃごろんだ。先達てなんか、客に起こされてしもふた。年寄りは眠りが浅ひから、昼間居眠りせにゃもたんねエ。うちに来る客は殆どが年寄り。皆居眠りしてくヨ」と言ふ。散髪屋にて居眠り始めたれば老ひたる証拠か。其れにしても、散髪屋にての我が居眠り何時の頃より始まりしか。暫し主と居眠り談議為し、十時過ぎ戻りたり。

 散髪為して御頭少々涼しけれど外気此の時期にしては暖かく、プランター菜園の後片付け今日を措ひて無しとて、戻りて作業着に替へ早速作業開始せり。玄関フード内のトマト鉢、一鉢には未だ小粒の実残り居る故其の侭、味濃きトマト食卓に供給し呉れたを感謝しつつ四鉢八本の茎引き抜きて始末せり。地に張りし根の多さに驚きぬ。南蛮二鉢は未だ未だ収穫出来そうなれば、此れも残したり。裏に置きしトマト三鉢は既に枯れ果ておる故、七本の茎始末。地蒔きせしササゲも枯れおれば、種子採らんと残し置きし莢六個もぎ取り、支へ竹に絡まりし茎・蔓十本引き抜き始末終了。鉢の土、来春太陽に晒さねばならず、鉢ごと庭隅に固め置く事にせり。雪に晒すも亦消毒に成らふの考へ。

 鉢邪魔になりて雑草取り怠りたれば、鉢片付け見るに殊の外の繁茂ぶり。何とも見苦しき光景なればとて序に草毟り始めたるも、其の多きに難渋。昼餉挟みて三時間弱を要す。雑草除け見れば何とか庭らしも、ササゲ植へし跡は妙に生々しく畑地の風情漂ひて在りたり。トマト、ササゲの支へ竹にてグスベリ、実付ける迄程遠しと思はれるブルーベリーの冬囲ひの支柱組み終へて、後は防風防雪網買い来て巻き付けるのみ。除雪道具物置より引き出し所定の場所に置きた終へる頃、陽落ち初めて暮色蒼然たり。老ひ仕事の緩慢なるを嘆きて、細やなる我が冬備への一日終わりしなり。

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 パレスチナ解放機構(PLO)議長にしてパレスチナ自治政府議長のヤセル・アラファトことムハンマド・アブデル・ラウーフ・アラファト・アルカドワ・アルフセイニ氏、フランス時間十一日午前三時半(日本時間同日午前十一時半)パリ郊外の病院にて死去せり。享年七十五歳。中東和平へ如何影響するか、好転悪化両論飛び交ひおるも現時点にては前途予測為し難し。

 PLO指揮して三十五年、其の功罪何れが勝るか。一九九三年オスロ合意以降、もしアラファト議長が武装闘争終結を宣言、過激派解体に取り組みてパレスチナ自治政府の組織固め国家としての体裁整へおれば、インティファーダ発生せず、既に独立果たしておったやも知れぬ。民族解放闘争の指導者として能力発揮せしも、政治家の資質持ち合わせなんだが氏の不幸、延ひてはパレスチナ民衆の不幸か。パレスチナ民衆を纏め独立へ導く者我以外無しとて長年トップに君臨、政府資金一手に握りて不明朗なる蓄財為し、自治政府に腐敗の構造生みし罪軽からず。自治政府予算より毎月二十万ドルの金をばパリ在住の夫人へ送金しおりたる由聞くにつけ、権力の座に長年君臨し居れば斯く成るかと、唯老闘士の晩節哀れむのみなり。

 アラファト議長死して何を遺せしか。「自治政府内の権力闘争と混乱の種、遺したるのみ」と我には思はれてならず。当面はアッバスPLO事務局長、クレイ自治政府首相らに拠る集団指導体制と成る公算大と報じられおるも、議長生前に名指しおる後継者無く、新指導部内にて後継争ひ激化の可能性も否定し切れぬなれば、自治政府の先行き不透明。又、武装闘争反対を唱へるアッバス氏に、PLO内各派・政府内各派及び民衆が如何に対するか。PLOナンバー2とは言へアラファト氏とは比べやふ無きアッバス氏の権力なれば、対イスラエル強硬派に葬り去られるやも知れず、混乱の種は尽きぬなり。

 アラファト氏はノーベル平和賞が何故己に与えられしか、其の訳と賞の重さに就ひて考へた事有りしか、と我は思ふ。授与決定に際しノーベル財団が期待せしは中東和平成就唯一事であったらふ。インティファーダ出来の折、受賞の趣旨と其の重さ理解しおれば無為無策にて傍観出来なんだ筈であり、アッバス首相が求めし過激派対策に必要なる治安権限の移譲も拒否出来なんだ筈。如何な理由在りて然ふせしかは本人以外知る由も無けれど、其の代償余りに大。テロ、報復、テロ、報復の繰り返しに因る死者、パレスチナ三千、イスラエル千。其の時既にして思考停止状態、想像力皆無であったやも知れぬ。長きに亙り権力の座に君臨せば如何な聖人君子も堕落せぬは無ひ。オスロ合意調印、平和賞受賞を機にPLO議長の座を退きおれば、中東和平も……。仮定話は詮無きなり。今は哀れなる老人の冥福祈るのみ。

                    ☆       ☆

 《10日朝》 下水道復旧に"水"、流れ込むと作業難航、節水呼びかけ/JR東、耐震補強前倒し。新幹線高架橋、7割を1年以内に
 《10日夕》 余震また、震度5弱/新幹線撤去作業を再開、長岡/小千谷市、被災全戸データベース化。2万5千棟、支援判定/豪雪不安。消雪パイプ破損、除雪車通れぬ道路

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 中国のものと見られる潜水艦が十日午前五時頃、日本領海を約三時間潜航したるのち領海外に出しも、海上警備行動発令は其の後にて、政府迅速対応出来なんだは問題なり。海上自衛隊は八日より此の潜水艦を捕捉、追尾しおりたと言ふに、領海侵犯せし時点で何故に海上警備行動発動せなんだか。一旦緩急有事の際、斯様な対応にては専守防衛など覚束無き事なり。国籍不明と言ふも、諸般諸々の状況情勢からして中国海軍艦船であるは疑ひ無き処なれば、捕捉せし時点にて中国に照会、もし領海侵犯したる場合は攻撃も辞さぬ旨通告し置くべき事例。領海侵犯三時間後、既に領海外に出てしまってより行動起こしたとて何にならふ。話に成らぬ。

 野党の一部に「海保の領海警備で対応出来なかったか疑問だ」として、「政府の海上警備行動発令は過剰反応」の見方有るは解せぬなり。一般船舶・漁船の領海侵犯に非ず、国連海洋法条約に違反して海中に潜りし侭姿を見せぬ国籍不明潜水艦に対し、海保の領海警備で対応出来るかや。日本周辺海域、残念乍ら其れ程平和でも無く長閑でも無からふ。其の様な現状認識にては、野党としての存在価値疑はれやふ。同様小泉首相も、遺憾の意を表明するだけなれば何の役にも立たぬ木偶の坊と知れ。日中関係良好とは言ひ兼ねる情勢なれど、外交的配慮にて事を穏便に収めやふ等と考へず、我等が国の主権侵害せし者断じて許さずの態度にて中国に対すべし。

 潜水艦はスクリュー音等より中国海軍の「漢型」原潜と見られ、海上自衛隊追尾の中、潜航せし侭中国方面へ航行しおる由。最早「国籍不明」等と言ふ必要無からふ。抗議したとて領海侵犯の真の目的話す訳も無く、恐らくは「機械の故障」とか何とか言ふて謝罪の意表すが関の山だらふが、強く抗議すべし。そして言ひ忘るな、「如何なる事由にても再度斯様な事態出来せし時は、領海侵犯後十分経過して尚領海内に在る場合は攻撃す」と。事を荒立てる積もりは毛頭無けれども、国際条約も守れぬ国相手なれば少々荒っぽい事も言ひたく成るも已む無からふ。外交は信義の上に成り立つものなれば、信義無き相手に対しては外交的配慮何ら必要無く、厳しく対処すべきなり。


 中国海軍と見られる潜水艦が十日、沖縄県の宮古列島の多良間島周辺の日本領海を潜航し、午前五時ごろに日本の領海(十二カイリ=約二十二キロメートル)を侵犯した。情報を得て追跡していた海上自衛隊の哨戒機P3Cが確認、政府は午前八時四十五分、小泉首相の承認を得て大野防衛長官が海上警備行動を発令した。同行動の発令は一九九九年三月に能登半島沖で発生した北朝鮮の工作船事件以来、二度目。細田官房長官は同日の記者会見で、「極めて遺憾だ」と述べた。現場付近の海域は、天然ガス田の開発などをめぐって中国側が自国の排他的経済水域(EEZ、領海基線から二百カイリ=約三百七十キロメートル)と主張し、日本との間で境界に関して争いとなっている。(04.11.10 読売夕)

潜水艦の領海侵犯をめぐる動き
5日 海上自衛隊が種子島(鹿児島県)周辺で、中国海軍の潜水艦救難艦などを確認
9日 未明海上自衛隊の哨戒機P3Cが沖縄南方の公海上で国籍不明の潜水艦を探知、追尾開始。スクリュー音などから中国海軍所属の「漢型」原子力潜水艦とみられると判断
10日
午前5時40分
ごろ
潜水艦が沖縄県宮古列島の多良間島周辺の日本領海を侵犯
6時ごろ 防衛庁から首相官邸に潜水艦の領海侵犯を通報
6時50分 官邸連絡室を設置
8時ごろ 東京・東五反田の仮公邸にいた小泉首相に秘書官が電話連絡。大野防衛長官が防衛庁に海上警備行動発令に向けた手続きに入るよう指示
8時10分 官邸対策室を設置
8時40分ごろ 小泉首相に秘書官が電話連絡。首相は海警行動発令を承認
8時45分 防衛長官が自衛艦隊司令官に海警行動を発令。護衛艦を現場に派遣、全国のP3C部隊に待機命令し、追尾態勢を整える
11時20分 細田官房長官が記者会見で国籍不明の潜水艦による領海侵犯と海警行動発令を発表
午後0時16分 小泉首相が記者団に「遺憾だ。いいことじゃない」と語る
3時 政府が関係省庁局長級会議。
4時10分 防衛庁が海警行動発令について記者団に説明
4時20分 官房長官が記者会見で「潜水艦は公海を航行中、P3Cで追尾している」と発表
5時40分 防衛長官が記者団に「情報が入って直ちにマニュアルに沿って海警行動を発令した」と強調
6時20分 首相が記者団に「国籍がはっきり確認できていない。よく監視している。確認されれば公表する」
11日
15時 守屋武昌防衛次官が記者会見で「潜水艦は原潜の可能性が高い。この地域で原潜を保有している国は大変限られる」
終日 潜水艦は蛇行、一時停止を繰り返しながら沖縄西方を北に向けてゆっくり潜水航行
12日
7時10分 潜水艦が沖縄北西の日本の防空識別圏を離脱。海自は追尾続行
9時15分 首相、官房長官、防衛長官、外相らが対応を協議
13時 P3C哨戒機などが沖縄本島西500`の地点で潜水艦の追尾を終了。現場海域にとどまり、潜水艦の行方を監視
15時 防衛庁が防衛会議を開催。海警行動の終結方針を決定
15時50分 防衛長官が海警行動の終結を発令。記者会見で「当該潜水艦は中国海軍に所属」と発表
17時 町村外相が外務省に中国公使を呼び、口頭で抗議。中国側は調査中として態度を留保
(04.11.11―13 読売)

 十二日追記。政府は本日、領海侵犯せし潜水艦を中国海軍所属の原子力潜水艦と断定。町村外相は夕刻、程永華駐日中国公使を呼びて抗議すると共に謝罪要求せしも、程公使「調査中故、直ちに謝罪する訳にゆかぬ」と応へしと。十日発令の海上警備行動は午後に終結命令出され、原潜追尾終了せり。

                    ☆       ☆

 《9日朝》 天然ダム最下流、避難勧告きょう解除/震度5級の余震、今後一か月要警戒/新幹線トンネル耐震補強へ、JR東日本「想定以上の損壊」/上越新幹線運転を再開
 《9日夕》 天然ダム最下流域、避難勧告を解除/もし土石流来たら……、不安ぬぐえず/新潟、宿泊キャンセル17万人

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 苫前町沖にて六日発生せる漁船と砂利運搬船の衝突事故の原因は、自動航行中の運搬船の当直責任者たる二等航海士の居眠り。二等航海士は業務上過失往来妨害の疑ひにて逮捕され、留萌海上保安部の調べに対し「漁船の灯火に気付きたれども、其の侭航行続けたり」と供述。同保安部は「漁船を右手に見て航行中の運搬船が、海上衝突予防法の回避義務怠りし」とて八日旭川地検に送検せしが、九日になりて「衝突する迄居眠りしおりたり。衝撃にて目が覚めしなり」と、事故当時の状況をば詳しく話し始めたると。

 事故当初、漁船、運搬船共に互ひの存在確認しおりたる旨の海保発表聞きて、何故に衝突回避行動執らぬかやと不思議でならなんだが、居眠りして居たとは何たる事。漁船の方は運搬船の存在確認して、当然相手が避けて航行するものと気にも止めなんだらふが……。今更言ふても詮無ひが、もし漁船の見張り番が万全期して擦れ違ふ迄監視続けおれば最悪の事態避け得ただらふに。悲しき事乍ら今の世の中、無責任氾濫しおれば、「大なる船は安全運航に細心の注意払ひて、危機管理も徹底され、法律も遵守する」との思ひ込み、極めて危険。相手を信用せず、常に最悪の事態想定して自ら危機回避の行動起こせる態勢で居るが肝要。他人任せ他人頼りにては生き行けぬ、己が命は己自身で守らねばならぬ。

 大海原、船同士が衝突する訳が無ひとでも思ひおったか航海士。自動航行故、眠っておっても大丈夫とでも思ったか航海士。一刻の居眠りの代償の大きさを知れ。船一艘の運命己が手に委ねられおるに、何たる精神の弛緩、想像力の無さか。眠とふ成ったれば、何故に冷たき潮風に身を晒して睡魔を撃退せぬ。一人勤務なれば見咎める者無きとて眠りたか。任務放棄せるも同然の行為、至極当然の如く為して憚らぬ己を恥じよ。運搬船航海士が怠り無く見張りしおれば発生せなんだ衝突事故、当直が二人居たらば起こり得なんだとも考へるが、二人一緒に居眠りせぬと言ふ保証も無ひ。斯くなる上は、事故多発海域・苫前沖にては漁船を除く船舶の夜間航行を禁止するの外無しか。

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 《8日朝》 真優ちゃん 安らかに、15日ぶり遺体収容/県借り上げ住宅、被災者抽選会。221物件に487世帯応募/川口町、仮設住宅校庭に。被災者の半数入居、小中4校に最長2年/
 《8日夕》 全校で授業再開、その時震度5強の余震、子供ら机の下に/震度5強、床にしがみつく住民/被災者支援、合同托鉢70人、建長寺と円覚寺

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 イラク暫定政府は七日、イラク全土に六十日間の非常事態宣言発令。反米武装勢力の拠点・ファルージャへの米軍総攻撃へ向けての準備第一段階らし。既に七日夜より8日未明にかけ米軍は大規模空爆を行ひ、地上軍の一部も交戦せりと。来年一月実施予定の国民議会選挙遂行の為には強硬手段、大量流血も辞さじの決意か。

 なれど、ファルージャはイラク有力部族の居住地にてイスラム教スンニ派住民多く、彼らの動向が国民議会選挙の成否を握りおるを考ふれば危ふき作戦なり。立て籠もるフセイン政権残党、イスラム過激派等武装勢力約五千人をば短期間に一網打尽にし、ファルージャ市内に潜伏せると言はれおるヨルダン人テロリスト、アブムサブ・ザルカウィと一派を掃討出来なんだら、其の反動いかばかりか。

 九日追記。イラク暫定政府アラウィ首相が、米軍及びイラク軍に対しファルージャよりテロリストを排除する権限を与へ、総攻撃をば承認。米軍は日本時間本日未明、中部ファルージャ北東部にて大規模地上攻撃開始せりと。此の総攻撃奏功してテロリスト組織等武装勢力壊滅、イラクの治安確保さるれば自衛隊復興支援継続も考へられやふが、日毎に治安悪化の度深めおる今は派遣期間の延長口にすべきに非ず。基本計画通り十二月十四日引き揚げを前提とせよ。小泉首相は相変わらず「自衛隊の復興支援活動地域は戦闘地域では無ひ」と言ひおるも、御託に過ぎぬ。我が命に関わり無しとて、隊員の命顧みぬかや。何処かで聞ひた科白じゃないが、放って置くと大変な事に成りますよ。



 

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平成十六年十一月七日(日曜)晴

 《7日朝》 天然ダム「決壊の恐れ少ない」。国交省 下流部、避難勧告解除も/やっぱり自宅が一番。生活再建へ、避難者7000人減/余震なお相次ぐ/真優ちゃん もう少しだよ、仮設道路完成/両陛下お見舞い、被災者とひざ交え

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 晴れなれど気温上がらず。気分優れず、終日呆け頭のまま。

 午後四時前、皆川真優ちゃんの遺体が十五日ぶりに搬出収容されり。長岡署にて検視の後、同七時半過ぎ、優太ちゃんらの待つ自宅に戻りしと。唯々冥福祈り合掌するのみ。御霊の安らかならん事を……

                    ☆       ☆

 《6日朝》 関越道全線開通、長岡−小出は速度制限/避難所生活の障害者107人、新潟県が121か所調査/住宅再建、新潟県が200万補助へ/「心のケア」正念場 被災2週間、医療ボランティアが巡回/
 《6日夕》 「健康に気をつけて」両陛下がお見舞い/「余震が怖い」「頑張ります」両陛下お見舞い/送電線も被害深刻/避難、4万人割る/未明に震度4

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 西武球団売りに出されたり。西武鉄道グループのコクドが、子会社のプロ野球球団・西武ライオンズを売却、プロ野球よりの撤退検討の報。既に「ライブドア」「テレビ朝日」等複数企業に二百億―二百五十億円にて売却打診しおるも、売却額高額な上、球団経営継続には年間二十億円に上る赤字見込まれるとありて、各企業共に躊躇逡巡、慎重対応らし。

 近鉄・オリックス合併騒ぎ一段落せしに、又々か。親会社の財務悪化に因るパ球団の暗雲なかなかに晴れそうも無し。日本一に成りしチームの身売り話、選手も「?」 ファンも「?」でなきや。堤義明オーナー無くば立ち行かぬかや。ライブドアは「高額」理由に断りしとぞ。ごたつく前に買ひ手現るるを願ふのみ。

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 《5日朝》 「天然ダム」決壊の恐れ、180人が一時避難/再会喜ぶ、山古志中12日ぶり/死者39人に、「関連死」22人目/山古志村は「震度6強」、気象庁が確定
 《5日夕》 優太ちゃん退院/住宅損壊1万棟超す

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 受託収賄、斡旋収賄、政治資金規正法違反(虚偽記入)、議院証言法違反(偽証)の四つの罪に問はれおる鈴木宗男・前衆院議院の判決公判が五日、東京地裁にて有り、裁判長は四つの罪につき起訴事実通りに認定、懲役二年、追徴金一千百万円(求刑・懲役四年、追徴金一千百万円)の実刑判決言ひ渡せり。鈴木被告は即日控訴、保釈金七千万円にて保釈されしなり。

 保釈後記者会見。「請託を受けたり、賄賂を貰ったりした事は無ひ。判決には承服出来無ひ」「国策捜査だ」「正直に有りの侭を述べただけなのに、『否認して怪しからん』と言ふ様では何の為の法廷か」「北海道をよくしたひ、と思って働ひてきただけで、個人的な利益を図った事は無ひ」。内容は、全面無罪主張して法廷にて供述せし事と変わり無く、説得力皆無。罪無き者が何故斯様な目に遭はねばならぬのか、と泣き言並べおる様にて見苦しきなり。

 他の関与者が認めおるにも拘わらず、何も彼も知らぬ存ぜぬ関与せずと強弁したとて、誰も聞く耳持たぬ。贈賄側が「賄賂贈りたり」と罪認めおるに、「貰っておらぬ」は通るまひ。「個人的な利益を図った事は無ひ」と言ふて、政治資金収支報告書にて寄付金収入及び自宅新築費に流用せし支出等約一億三千六百万円を除外したは何故。八百万円受け取って収支報告書に記載しなんだは何故。皆我が懐へ、でなきか。我は思ふ。余禄貯め置かずして、一介の政治屋が七千万円の保釈金出せる訳無からふ、と。「正直に有りの侭を述べた」と言ふが、「其の通り」と証言する者無く、裁判官には「不合理な弁解」に聞こへたとあらば、信用する者は居るまひ。

 中央・官依存体質脱却目指し道州制論議されおる中、尚利益誘導型政治家必要論唱える有権者在る如何なものか。読売新聞に拠るに、羅臼町の後援会事務局長は「判決は気にしなひ。我々は宗男さんを必要な人間と思っている。信じてるし、最後迄付ひて行く」と言ひ、釧路の後援会幹部は「政治に金が必要なのは、日本全体のシステムの問題で、(鈴木被告だけ捌かれるのは)おかしいと思ふ」と言ひ、或る釧路町民は「此の不況の中で、誰が道東地方で力を入れて呉れるかが分かっているから、皆、鈴木に賭けている。敵は多ひかも知れないが、北海道として必要な人」と言ひおる由。反省、意識改革必要なは選挙民の方かも知れぬ。斯様な考へにては、何年待っても不況克服は成らぬ。


 前衆院議員の鈴木宗男被告に対し、東京地裁が五日、言い渡した判決の要旨は次の通り。(肩書は当時)

【罪となるべき事実】(略)
【事実認定の補足説明】(略)

【量刑の理由】
(1)受託収賄は北海道開発庁長官に就任した被告が、政策秘書と共謀し、有力な支援者である北海道の建設会社社長から、二度にわたり、同庁の下部組織である北海道開発局の港湾部長に対し、同局開発建設部が発注する港湾工事を同社が受注できるよう取り計らってほしいとの請託を受け、報酬として小遣い名目に現金計600万円を収受した。被告は請託を受けるや、何のためらいもなく港湾部長に働きかけて支援者の便宣を図り、会社はほぼ請託の趣旨通りに工事を受注し、報酬として、被告は少なくはない金額のわいろを収受した。長官の地位を私物化し、事業の公正な遂行を阻害し、北海道開発行政に対する国民の信頼を著しく損ねたとの非難を免れない。

 (2)あっせん収賄は、内閣官房副長官に就任直後の被告が、政策秘書と共謀し、有力な支援者である北海道の製材会社会長らから、盗伐に関して受けた行政処分の実効性を失わせるよう、林野庁次長に働きかけてもらいたいとの請託を受け、報酬として就任祝い名目に現金500万円を収受した。被告は請託に応じ、林野庁次長に数度にわたり、不正な請託を実現するよう要求し、盗伐をした会社に不正な利益がもたらされかねない危険があった。また、内閣官房副長官の職務や林野行政に対する国民の信頼を損ねた。

 (3)政治資金規正法違反は、被告の資金管理団体の会計責任者、政策秘書らと共謀し、他の政治団体から資金管理団体への1億円余りの寄付収入を収支報告書に記載せずに裏金とし、政治資金から自己の住宅購入代金などに充てた3600万円の支出も記載せず、多額の収支を国民の目から隠匿し、制度への国民の信頼を揺るがせた。

 (4)議院証言法違反は、衆院議員の被告が衆院予算委員会で、宣誓のうえ証言した際、個人からの現金供与、秘書の給与の肩代わり及び外務省に対する自己の影響力に関する事項について、虚偽の陳述をして偽証をし、国政調査権の適正な行使を妨げた。

 被告は、捜査・公判を通じて本件各犯行をいずれも否認し、不合理な弁解に終始しており、被告を支援してきた者を含め自己に不利な証言をした者らについて、それぞれをひぼうするかのような供述もしており、反省の情は皆無というほかはない。以上の諸事情によれば、被告の刑事責任は相当に重いというべきである。

 他方で、本件各収賄は、被告からわいろを要求したものではなく、支援者からの積極的な贈賄に応じたものであること、収受したわいろの金額も国会議員による同種事案に比して高額であるとはいえないこと、被告は一九八三年に衆院議員となって以来、当選を重ね、その間、防衛政務次官、外務政務次官、北海道・沖縄開発庁長官、内閣官房副長官などの要職を歴任し、国政に対する貢献も認められること、国民に政治不信を招いたこと自体に関しては謝罪の意思を示していることなど、有利とすべき事情も認められる。

 これらの事情を総合考慮すると、自己の刑事責任の重さに思いを致さず、国会における証人尋問においても、本件捜査・公判においても、あえて虚偽の陳述をしてはばからない被告に対し、刑の執行を猶予するのは相当ではなく、この際、実刑をもって臨むべきものと考える。前記の諸事情のほか、国会議員による同種事案における近年の科刑状況をも考慮して、主文掲載の刑を量定した。

                    ☆       ☆

 《4日朝》 山古志村、天然ダム水位上昇/自動車持ち出しで山古志一時帰村
 《4日夕》 新潟で震度5強/再会の教室・朝食後の避難所に悲鳴……/上越新幹線また停止

            ◇……………◇          ◇……………◇          ◇……………◇

 ブッシュ米大統領は日本時間四日早朝、再選確定を受け勝利宣言。共和党大統領再選は一九八四年のロナルド・レーガン氏以来二十年ぶり。国を守り得るは民主党ジョン・ケリーか、将又共和党ブッシュか。イラク問題、対テロ戦争中心に国論を二分するが如き様相呈したる選挙戦は、「国を守れるは我のみ」と訴へしブッシュ氏の勝利。「向こふ四年間にてイラク駐留米軍撤退」とするケリー氏に対し、「民主化実現迄駐留」としたブッシュ氏が勝ちたは当然の帰結やも知れぬ。民主化実現見届けぬ侭撤退と成れば、「"民主主義の伝道・布教"の為斃れし一千の兵の魂浮かばれず、無駄死にと成る。更に嘗てベトナムにて味わひし敗北、再び味わわねばならぬ」故、多くの国民が「民主化実現迄駐留」のブッシュ氏を支持せざるを得なんだ、と考へられ無くも無ひが……。

 新聞に四日付英国各紙の反応報じたる在り。ブッシュ政権の政策、イラク戦争に批判的なる大衆紙デイリー・ミラーは一面主見出しに「如何やったら五千九百万の人々がこんなに馬鹿に成れるのか」と書きて今回大統領選を「大失敗」と断じ、高級紙ガーディアンは付録表紙を真っ黒に塗り潰して「嗚呼、神様」と見出し付け、イラク戦争支持の保守系紙デイリー・テレグラフは社説にて「ブッシュ氏のチャーチル的な保守主義の正しさが証明された」と全面的な歓迎表明しおる由。ケリー、ブッシュ両候補の支持者も亦、同様の思ひか?

 来年一月二十日の就任式にてブッシュ政権二期目スタートと相成るが、待ち受ける試練如何乗り切るか。イラク復興、北朝鮮問題、米軍再編、国連改革等々の動向、「小泉・ブッシュ関係は、小泉さんがイエス、イエスと頷ひているだけの関係では無ひ。緊密な信頼関係で結ばれている」(四日・参院外交防衛委員会にて町村外相発言)我が国への影響計り知れぬなれば、我等も政府の対応注視の必要大。我にはイエス、イエスと頷きおるだけの様に見へる小泉首相なれば尚更の事なり。戦闘部隊の海外派兵要請に、間違ってもイエスと頷く事だけは為なや。

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 《3日朝》 死者37人に/住宅再建へ「復興基金」 新潟県、最大300万円支給/置き去り牛、ヘリで救出/上越新幹線、燕三条−長岡あす運転再開

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 脱走等四つの罪に問はれおりしチャールズ・ジェンキンス氏に対する軍法会議が三日、在日米軍キャンプ座間にて開かれ、脱走及び利敵行為につひて有罪を認定し「禁固六月、不名誉除隊」の実刑判決下せり。其の後、刑の上限決めし司法取引に基づきて「禁固三十日、不名誉除隊」と成りしと。又、在日米陸軍司令官の裁量にて服役期間短縮の可能性も残されおる由なれば、ひと月待たずして一家四人晴れて日本での暮らし始められやふ。良き哉、善き哉、喜びたし。

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 《2日朝》 新潟中越地震の仮設住宅、豪雪地仕様に/避難1週間の山古志村 コイ、牛、生きてた。棚田は崩壊、収穫フイ/優太ちゃん週内にも退院
 《2日夕》 交通網復旧に一歩、国道17号トンネル工事完了へ/小千谷市周辺、地震速度「阪神」超/屋外生活9500人、新潟県集計

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 プロ野球への新規参入競ひおりし楽天、ライブドア対決は二日、楽天に軍配上がりたり。同日開かれしプロ野球オーナー会議は、インターネット商取引大手「楽天」(本社・東京、三木谷浩史社長)の来季よりのパ・リーグ参入を全会一致にて承認せり。新球団チーム名は「東北楽天ゴールデンイーグルス(略称・楽天イーグルス)」、本拠地は仙台・宮城県営宮城球場。

 各球団赤字に四苦八苦のパ・リーグの現状考ふれば、経営体力、財務力優れし方が選ばれるは至極当然なり。スト騒動にて持ち上がりし新規参入なれば二、三年で放り出されては元の木阿弥、再度のスト騒動誘発は必至。其れ故、日本プロフェッショナル野球組織(NPB)実行委員会が「赤字経営が続きおるパ・リーグの現状に鑑み、永続的な球団経営が可能にて安定的な経営体力が有る企業が望まし」と、ライブドアの三倍の経常利益上げおる楽天の参入決めたは妥当。「先に名乗りを上げたライブドアを参入させるが筋」の声聞くも、其は中々に難しき事なり。

 新規参入球団誕生は一九五四年の高橋ユニオンズ以来五十年ぶりと言ふ。当時、プロレス・力道山に夢中にて野球にはとんと興味無き我なれば、高橋ユニオンズなるチームの事何も記憶しおらず。覚へおるは九月二十六日の洞爺丸転覆の事、自衛隊発足せし事、第五福竜丸ビキニ環礁にて"死の灰"被りし事……。考へみれば半世紀の間、プロ野球に新球団出来なんだと言ふも不思議。如何な訳か。兎に角、五十年ぶりの新球団誕生、親会社は有卦に入るIT関連企業、然も経営者は三十代の若手なれば、球界に新風吹き込み呉れるを期待す。

                    ☆       ☆

 《1日朝》 十日町市、避難勧告を解除、253世帯は「指示」継続/優太ちゃん順調回復/山古志村、集落のむ"天然ダム"、下流は土石流警戒
 《1日夕》 「同級生に会えた」。被災地で授業再開、小中147休校続く/魚沼市・南魚沼市、合併で誕生/未明、中越で震度4/全5700人避難「震度7」川口町、「皆で乗り切る」町民決意/4日ぶり、真優ちゃんの収容作業再開

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 香田青年のイラク行きの目的何でありたるか、一夜経ても尚、我に確信持てる理由探し得ず。「自分探しの旅」と言ふ記事、其処此処に散見せられしも、混乱の坩堝バグダッドへ行きて自分に何を納得させやふとせしか。旅人として戦場に己の身を置ひたとて傍観者の立場でしかなひは承知の筈、其処にて如何自分を探し出せると言ふか。外国人のみならず自国の民をも虐殺して憚らぬテロ集団跳梁跋扈せる国へ、周囲の警告無視して迄行くが自分探しなるや。我には分からぬ。唯、恐らくは自分を探し得ぬまま逝きし若者の無念思へば哀れにて、命奪ひし者への怒り沸々と込み上げ来るを禁じ得ず。

 御遺族はコメントにて「多くの方々に多大な心労をおかけしまして、心からおわびします。お礼と感謝の気持ちでいっぱいです」と言ふたが、真情や如何に。四月の人質事件の折、家族発言に対して浴びせられしバッシング思ひ起こし、無力なる国の対応に対する批判有れど口噤みしか。昨日発表の首相声明は「人質解放のため、可能な限りのあらゆる努力を尽くしたにもかかわらず」と言ふたが、「可能な限りのあらゆる努力」は公表されおらず闇の中なれば、我には言葉の綾としか聞こへず。御遺族なれば「其は何ぞ」と問ひたかろふ。

 首相声明は「断固たる姿勢でテロとの闘いを継続していく」とも言ふた。人命に勝る政策在りしとは此の齢迄知らなんだが、断固たる姿勢とは、譬へ国民の命失はれやふと政策変更はせぬたふ姿勢。つまりはテロ集団の要求が「自衛隊撤退」なれば断固拒否、人質の命助からなんでも致し方無しと言ふ事ならん。なれば人質死して後「痛恨の極み」等と巧言吐かず、斯く宣言せよ。「イラクは危険故入国せぬが賢明。国民の命守るは国の務めなれど、現イラクに於ひては一般邦人守れず。往来の自由は保障せるも、生命の保障はせず。イラクにて人質に成りても政府は一切関知せず。口も出さぬし、手も出さぬ。全ては自己責任にて処理すべし」と。

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 二十年ぶりの新札、本日より流通。日本銀行券表面に初登場の女性肖像は樋口一葉にて新渡戸稲造に変わり五千円札に登場、裏面は富士山より尾形光琳の燕子花図に。一万円札は福沢諭吉の侭にて裏は雉より平等院の鳳凰像に、千円札は夏目漱石より野口英世に成りて裏面は丹頂より富士山と桜に変わりしと。全国にて本日用意されし新札は一万円札二十五億枚、五千円札二億枚、千円札二十三億枚。道内にて用意されしは七百三十億円分(種類別枚数発表無し)。

 朝餉の折、本日年賀状発売日なれば幾枚買ひ来ればよきかと妻尋ね、今年は早めに書きあげねば等と語りおれば不意に新札の事思ひ出し、妻に「今日、新札出る筈なれば、見たし。箪笥貯金、臍繰りの類ひは早々に両替し置くがよかろふ」と言ひたれば、即座に「箪笥貯金在りやふ筈無く、臍繰り如何にせば出来るか聞きたきくらひ。両替しやふにも元が無き故、心配御無用」。考へる迄も無く我が家に遊び金等有る訳も無く、少々御冠むりの様子なれば、詰まらぬ事言ふてしもふたと後悔せり。其の内我が手元にも新札回り来るは確か、其れ迄待つ事として今日は新札拝まずに終わりたり。

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 六日、札幌ドーム。コンサドーレ対サガン鳥栖戦は、1−1でコンサ三戦連続の引き分け。通算成績5勝22敗14分け、勝ち点1加ヘ29。最下位変わらず。
 次節二十日、対川崎フロンターレ戦(神奈川・等々力陸上競技場)。



              
                  
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