北極亭日乗


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平成十六年七月



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平成十六年七月二十八日(水曜)曇

 二十三日より三日間真夏日続き、其の後今日まで三日間28度台にて些かげんなり。外へ出掛け行く気力全く無く、汗噴出すを警戒し極力動くを控へて寝転び居るのみ。

 此の暑さ幸ひせしか、我が家のプランター農園頗る順調にてスナップエンドウ既に食し切り、現在ミニトマト、トマト、シシトウ、アオナンバン賞味しおるところなり。裏に植へしササゲも蔓伸ばし旺盛なる生育ぶりにて、先々楽しみなり。眺めおるだけにて手入れなどせぬ我なれば、無農薬にて美味なる野菜食せるも朝夕面倒見来し女房殿の手柄。有り難や有り難やにて合掌。

 暑きには熱きを以て制さんとて銭湯へ出掛くれば、サウナの温度も常より上がり五分程にて辛抱ならず出で来る始末。汗出し切らねばとて短時間多回数方式取りて小一時間、汗出切らぬうちに最早限界。体洗ふもそこそこに水風呂に浸かり、冷水浴びてひと心地つけば、其れにても幾分暑気払ひ出来たるが如き気分。帰り来て呑む麦酒の美味さ格別にて、何ものにも代え難し。

 今宵も麦酒、酒、焼酎と呑み続けたれば、汗出し来たとて後の水分補給過剰にて今は早、汗ばみて日乗記し居る始末。就寝前に水でも浴びねば寝付かれぬか。窓開け置きても室内の熱気未だ去らず、些か息苦しき状況。明日も亦サウナ、サウナ。

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 国松警察庁長官狙撃事件容疑者として七日に逮捕されし元警視庁巡査長ら三人につき、東京地検は拘置期限の本日、起訴見送りて刑事処分保留の侭釈放せり。今後、証拠検討為すも嫌疑不十分にて不起訴処分の見通し。東京地検「得られし証拠関係の下にては、狙撃せる実行犯特定し、各被疑者の共犯関係認定するは困難」とし、実行犯特定できなんだが起訴見送りの最大理由と述べしと。

 狙撃の実行役「氏名不詳の被疑者」は元オウム幹部・端本悟被告(坂本堤一家殺害で死刑判決、上告中)とみおりし警視庁、元より証拠無き推察なれば、本人関与否定せば万事休すは織り込み済みにて、実行役特定の秘策持ちおると思ひ居りしが、何も無しとは……。「死刑判決受けし端本被告が殺人未遂事件をばわざわざ隠す必要無く、関与しおらぬは確か」との意見聞くも、死刑判決確定したる訳で無く上告中なれば見当外れの意見。未遂事件と言へども関与事件数増へるは裁判に不利、確証突き付けぬ限り関与認めぬだらふ。

 逮捕時の号外、其の後の報道読みおれば一気に解決の雰囲気でありしに、起訴もできなんだとは些か拍子抜け。一体何を報道しおりしものか。今回逮捕劇、結果見ればメンツ優先、見込み捜査に因る「誤算」と解くも可能なれど、其れにては済まされまひ。二十六日に控へし警察法施行五十周年記念式典に花を添へんが為の強制捜査にて功を焦りたる結果と云ふ声、警視庁公安部の捜査手法に問題有りの声も聞こへ来る。公安部の失態なるは確かなれば真摯に反省し、再度事件全容解明目指すが使命。時効迄五年八か月、同じ轍踏むなかれ。

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 謝るなれば早くするに越した事無きに、何や彼や言ひ訳屁理屈並べて我らを欺き来たった道警も遂に万策尽きしか。道警ぐるみ全道部署にて組織的裏金作り行われおりし事、認める方針固めしと二十八日報道されり。九月道議会総務委員会にて芦刈本部長、調査結果説明し陳謝の予定。全組織での裏金作り認めるは都道府県警にては初。此れにて即道警再生とは行かぬが、緒に就きしは確か。開かれた道民警察創建の気概持ち、組織挙げて再生に取り組むを願ひたし。と言ふても、九月の調査結果聞く迄は安心できず評価もならじ。

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 NHKチーフプロデューサーの番組制作費四千八百万円着服の事実明らかになりて、其の閉鎖体質に起因せる内部腐敗指摘されおる折から、二十八日、今度はカラ出張にて二人のプロデューサー三百万円不正受給の報。発覚は二〇〇一年五月、厳重注意の上、地方支局へ配置転換為せども公表せなんだは、「私的流用無く、全額弁済された故」(NHK広報局)と。

 二人が「業務上の打ち合はせの会食費等に充てしもの。私的流用、一切無し」と申すに拠り公表せなんだと云ふが、然らば何処からが私的流用範囲と相成るか。業務上とて、我ら支払ひし視聴料にて飲み食ひされるは堪らぬ。そもそも、業務上の打ち合はせに会食必要なりや。呑み食ひせねば仕事に成らぬかや。以前問題に成りし官官接待同様、打ち合わせ口実に公費にて己らの腹満たしおるに過ぎぬ構図。此れを以て「私的流用」と言はずして何ぞ。NHK認識甘し。今後、金銭絡む不祥事続く様なれば、我断じて視聴料支払ひ拒否す。

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 二十八日、寅さんの「おいちゃん」下條正巳氏死去の報。二十五日午後三時五十五分、膵臓癌の為死去せり。享年八十八歳。合掌……

 「男はつらいよ」主人公・車寅次郎の叔父・車竜造、通称おいちゃん役にて親しまれたり。車竜造一代目・森川信(第一作−第八作)、二代目・松村達雄(第九作−第十三作)の後、三代目として第十四作「寅次郎子守唄」(一九七四年)より最終第四十八作「寅次郎紅の花」(九五年)迄三十五本に出演、団子屋「とらや」主人にして寅さんの叔父役好演せり。

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 UFJホールディングスと三菱東京フィナンシャル・グループとの経営統合の内、UFJ信託との交渉差し止め求めし住友信託銀行の仮処分申請につき、東京地裁は二十七日、申請通り交渉差し止め命じたり。金融再建へ向け終盤の統合と喧伝されし統合劇、秋波送られて懇ろに成りかけたを邪険に捨てられたとあらば住信怒りて当然か。乗り換へに「筋」もなかろふが、UFJ幹部の無思慮迷走ぶり隠し様無しと思ふが如何。他人の金にて商売せるが銀行なれば、万事に誠実謙虚に対応するが基本じゃらふに。銀行には無縁の我なれど一言記し置きたし。

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 二十六日午後より道内各地、局地的雷雨・大雨に見舞はる。札幌にても午後八時前より雷鳴轟きて時に激しく雨降りたり。我が家の猫ども恐れ戦きて座卓の下に潜り込み、雷鳴遠退く迄出で来らず居りたり。渡島・知内にて一時間に九十ミリの雨量観測、函館の二十六世帯が床上・床下浸水の被害、道内各地にて停電相次ぎしと。札幌市西区でも落雷による断線にて停電せり。

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 二十七日、茨城・笠松運動公園競技場。コンサドーレ対水戸ホーリーホック戦は、1−1でコンサ前節に続き引き分け。通算成績2勝14敗8分け。勝ち点14、順位変わらず。
 次節三十一日、対モンテディオ山形戦(札幌・厚別公園競技場)。



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平成十六年七月二十五日(日曜)曇

 終業式、夏休み入りに合わせたかの如き好天気。首都圏に負けじと気温上昇して二十三日より三日連続の真夏日、子等若者等待ち侘びし暑き夏到来なり。汗っ掻き暑さに弱き我なれば真夏日不要、せめて夏日で終わらせくれよと言ふたとて無理な話か。。斯ふ成りゃ夏バテ覚悟のやせ我慢、「暑くなけりゃ夏じゃない、短ひ短ひ北の夏、暑くなれなれもっと成れ」と自棄糞半分、囃し立てて暑気払ひ為るのほか無きか。

 二十三日、遠軽町にて道内今年最高の33.7度を記録、北見32.1度、帯広31.8度、旭川30.5度、留萌30.1度等。我が札幌は31.9度にて夜になりても尚、空気生温く寝苦しき事甚だし。二十四日、遠軽36.0度と記録更新、札幌も前日上回る32.9度にて日向に一、二分立ち居れば忽ち汗噴き出し来る始末。屋内に籠もりし熱気二日分、夜になりても引かず一段と寝苦し。網走35.8度、北見34.9度、帯広34.4度、留萌33.1度、旭川31.7度、小樽32.8度等。網走、北見にては熱中症患者発生せり。二十五日、北見35.1度、帯広34.4度、根室31.4度、札幌30.4度。旭川、岩見沢、函館も30度を超へたり。

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 二十四日、ジェンキンス氏が米軍所属の独立法務官と面会する意向を政府に伝へし、との報道あり。ジェンキンス氏、独立法務官より司法取引等につき詳しき説明受けたる後、司法取引に応じるか否か最終判断為す模様。政府は八月中にも面会実現させるべく調整しおるらし。果報は寝て待てでは事成らじ、己の身自ら処すの気概持ちて行動せる氏に神仏の御加護在らんことを……

 二十六日追記。日程調整続けおりし政府は本日、ジェンキンス氏が今週中にも米軍独立法務官と面会の見通しである旨、明らかにせり。

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 福井豪雨被災者の為に使ふて呉れとてドリームジャンボ宝くじ一等二億円当たり籖をば、「不幸にも被害を受けられた方々に少しでも援助になれば幸いと思い幸運に恵まれた宝くじ当選券一枚を同封して送ります」と、県庁へ郵送せる人物有りたること二十四日、県知事発表せり。二十三日、匿名にて災害対策本部長・県知事宛て速達封書で届きしと云ふ。

 銭銭銭……金儲けなれば人道・商道に悖る行ひ平気の経営者、握りし金は全て我が物と脱税為して迄溜め込む「御金持ち」なる人々、賄賂か献金か判然とせぬ金掻き集め頂戴しおる政治家の面々……皆々、銭銭銭。斯く欲の権化多き此の御時世に匿名もて為せる今回善行、誠に以て奇特なり。寄付せし人、貧者富者いずれかは存じねど、足るを知りて心豊かに生きおる御仁に違ひ無し。

 此の御仁、貧者なれば貧しき中で心の楽しみ失はぬ人、富者なれば義に適ひて富める人なるか。濁世に在りて羨ましき心根、我も斯く在りたしと思ふ。論語に有り、「子曰く、蔬食を飯ひ、水を飲み、肱を曲げて之を枕とす。楽しみ亦其の中に在り、不義にして富み且つ貴きは、我に於ひて浮雲の如し」と。

 二十七日追記。二億円と他の義援金約八千九百万円を合わせ、被災せる一万四千四百七十九全世帯に一律二万円の見舞金支給を県が決めしと。希有の二億円寄付金、他に生かし様無かりしか。散蒔きて終わりでは……。

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 道が「津軽海峡大橋」構想断念。構想を強力に推進せし木村守男・青森県知事が昨年夏に辞職、後任の三村申吾知事は構想には否定的にて中止したるが理由、当面は北海道新幹線実現を最優先すると言ふ。国費予算要望項目より津軽海峡大橋構想を削除、今後策定予定の第四次長期総合計画にても復活予定無しと。道は「長大な計画を行へる時代には無ひ」と語りおるも、此の時代故、長大なる国家プロジェクトが必要と思はれるが、如何に。青函トンネル以上の夢、捨てるには惜しし。

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 社会保険庁の不祥事、何時になりたれば止むや。個人情報業務外閲覧為す職員倫理の欠如、年金徴収業務の怠慢と過払ひ未払ひ繰り返す業務の粗雑さ、採算度外視の年金福祉施設建設等の無駄遣ひ――同庁業務の怠慢・粗雑・杜撰さ詳細に数へげ行けば際限無しとなるやも知れぬ状況なり。民間人初の起用にて同庁トップに成りし村瀬清司長官、二十三日、就任記者会見にて「先ず御詫びを申し上げたひ」とて、「振替加算」過払いミス明らかにし謝罪せり。とんだ船出の銅鑼の音よ、か。

 村瀬氏、同庁改革の重点課題として挙げたるは、@保険料徴収の徹底*年金給付システムの抜本的な見直しA国民へのサービス向上B予算執行の透明化――なり。官庁なれば当然為しおる筈の事が為されおらず、改革の重点課題に挙げられる所に同庁の現実如実に見る思ひ。斯くも重症ではトップ一人の手に余りゃせぬか心配。先ずは部長以上幹部の首挿げ替へよ、出来るなれば全員民間人を登用せよ。組織至る所にて壊死腐敗しおれば、両手両足切断も止む無しと心得て果敢なる大手術に挑戦、躊躇無く断行されん事切に望みたし。

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 小泉構造改革、竹中経済・金融政策が「弱者軽視、切り捨て。努力しても報われぬ」明らかなる証拠なり。自殺最悪三万四千四百二十七人。

 《2003年7%増 経済的理由12%増8897人 失業・生活苦……働き盛り直撃 昨年1年間の全国の自殺者は、3万4427人で一昨年より7.1%(2284人)増え、統計を取り始めた1978年以降で最悪だったことが22日、警視庁のまとめでわかった。負債や生活苦など「経済・生活問題」が原因の自殺が初めて8000人を突破するとともに、40−50代の自殺者では動機のトップを占め、リストラや倒産など厳しい経済情勢に苦しむ中高年の実態を浮き彫りにしている。》
 《北海道 全国ワースト3  都道府県別では、最も多かったのが東京(2967人)で、続いて大阪(2180人)、北海道(1745人)、神奈川(1640人)、愛知(1633人)の順。》              (7月23日付 読売)

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 法制審議会人名用漢字部会は二十三日、先に公表せる人名用漢字追加案に対する意見募集にて百件以上の反対在りし九字(糞、屍、呪、癌、姦、淫、怨、痔、妾)の削除及び「掬」の追加決定す。削除要望在りし四百八十九字の内、残り四百八十字につきては更に検討、八月二十五日に最終決定の方針なりと。

 五百七十八字の追加人名用漢字選定に際し、同部会は「何処迄を不適切と為るかは判断が困難」とし、戸籍法の名付け要件「常用平易なる文字」か否かを基準に選定せし由。つまり人名に相応しいかどふかの判断基準は無ひと言ふ事。取り敢へず国民の反対多ひ九字削除せしも、部会内の削除基準につきては具体的に決まっておらず、「総合的に判断する」と言ふ曖昧さ。此処はやはり、不適切と思ふ委員が一人でも居たらば、其の文字追加せぬが賢明なり。最終決定は細心の上にも細心、慎重が上にも慎重であるを望みたし。

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 馬鹿な選挙違反後絶たず、右を向ひても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合ひじゃあ御ざんせんか。参院比例選民主党公認候補・信田邦雄氏(前北海道農民連盟委員長)への投票依頼の為、支援者に現金渡せし道農連下部組織・北見地区農民連盟委員長ら同連盟幹部七人を買収容疑にて、現金受け取りし五人を被買収容疑にて二十二日、北見署逮捕せり。

 現金受け取りし支援者、百人超へるらしとて調べ進めおると。此処にも性根さもしき輩住み居りたか。新聞見出しに「知名度不足、焦りの果て」と有りしが、知名度不足は「北の大地に信田在り」を浸透させる努力地道にして来なんだが故にて、戦始まりて焦り慌てる様では勝てぬが道理。其れにしても連盟幹部の面々、買収資金如何程用意したるか知らねど、幾人買収せば当選見込み立つと考へしか。幹部と名の付く面々にしては些か能無き振る舞ひにてやあらむ。

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 アロヨ大統領は二十日、武装勢力の人質と成りしトラック運転手アンヘロ・デラクルスさんが同日、バグダッドで解放されしと発表。今月七日の人質映像テレビ放映以来、約二週間ぶりに血見ること無く解決せり。

 フィリピン政府の対応につきては賛否在るも、人命優先せしを誤りと糾弾出来やふか。我が国及び韓国の対応と今回フィリピンの対応、何れが正しいか。国民一人一人が、己が人質になりし場合想像して考へみるがよからふ。「私は死んでもいい。部隊は撤退させるな」と言ひ切る人間、果たして居るかや。武装勢力の脅しに屈したと反発強めおる米国等に、アロヨ大統領テレビ演説にて「私はアンヘロの命を救うため、部隊撤退を決めた」と訴へ、人命優先強調せりと。

 ロイター通信報道。ヨルダン人テロリスト、ザルカウィなる人物がイスラム系ウェブサイトに対日テロ予告せる声明流せし由。声明の真偽等不明なるも、概略「此のメッセージは日本政府に直接向けられしものなり。フィリピン人が為せし駐留部隊完全撤退を日本も為せ。撤退せねば、運命は米国人等と同じ事になる」との内容らし。我が政府の反応、今のところ一切明らかならず何の発表無きも、一旦事起きし場合、テロに屈せずの対応する積もりなるや。

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 関東地方の猛暑凄まじ。二十日の気温、千葉・市原40.2度、甲府39.9度、埼玉・越谷39.7度、東京・練馬39.5度、群馬・館林39.3度、埼玉・熊谷39.2度など。国内最高記録破られしと思ひきや、上には上、三三年七月二五日山形で40.8度記録せしと。26度以上は外出控へる我なれば今日の関東、室内にても冷房無しでは生存不可能なる状況。東京都心(大手町)にては39.5度と同地点一九二三年以降の観測史上、最高記録更新(過去最高は九四年八月三日の39.1度)せり。我住む札幌25.0度、暑さ足りぬの声有るも我には十分にて、申し分無き夏なり。

 二十一日追記。本日午後一時過ぎ、甲府にて40.4度の観測史上二番目に高ひ気温記録せり。

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 米、野菜、魚、肉等々表示偽装の紛い物をば売って官憲の手に掛かる輩後絶たず、果ては温泉にての偽装騒ぎ、脳味噌溶けて思考停止中だとて並の「人」なれば悪しき事と為さざるに、浅ましき性根なり。仮にも商人、他人様に買ふて頂き喜んで頂いて何ぼじゃろふに、商道既に無く、日本人の心性斯くも下劣に成りしかと歎く日々過ごし来て尚、同類陸続と出で来て跋扈せる有り様見るも悲し。

 次に出ませる偽物野郎……「伯方、赤穂塩『甘かった』」と新聞見出し。メキシコ産天日塩化けて「HAKATA焼塩」「赤穂あらなみ天日塩」に、オーストラリア産塩化けて「沖縄産塩」に成りしとや。公正取引委員会より警告受けし製造元、「『輸入塩』と記載せなんだ単純ミスにて、甘さ在りたり。警告真摯に受け止めたし」と申しおる。

 が、記載せなんだはミスに非ず故意なるは見へ見へなり。伯方の塩、赤穂の塩と言へばブランド品にて、地元の海水より作られると思ひおる消費者が、原料は外国産輸入塩と知らば買ひはせぬ。其れを承知するが故の無表示、当局の警告ある迄知らぬ顔通して一儲け、と言ふ訳か。さもしき根性。塩っぱい筈を「甘かった」と云ふて塩っぱい目に会ふたでは笑へぬ。

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 先に選管書記長の違反ありしが、今度は福島町選管委員長が選挙運動為せし。参院道選挙区自民党公認候補・中川義雄氏の街頭演説への参加呼び掛けるファクスをば、己が会長務めおる町商工会の理事二十人に送信。関係者よりの指摘にて気付き、投票日前の九日に辞任せりと言ふ。選挙管理委員は特定公務員にて選挙運動禁止されおるは百も承知と思ふたが、何故に此ふも思考停止の馬鹿者ばかり出で来るか。

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 十八日、曽我さん一家帰国・来日、テレビ中継にて観たり。四人夫々の胸中に去来せる思ひ如何なか、我等傍観者に分かろふ筈も無く、一刻も早く一家に平穏の日々戻り来るを唯々祈りぬ。

               ◇……………◇          ◇……………◇

 《娘の胸に「青リボン」/曽我さん、家族と帰国 夫の治療で病院滞在》 北朝鮮による拉致被害者曽我ひとみさん(45)一家は十八日、インドネシアから政府チャーター機で羽田空港に帰国・来日し、家族での日本永住という夢に向けて一歩を踏み出した。元米兵の夫ジェンキンスさん(64)は病気治療のため直ちに東京都内の病院に入院。曽我さんと長女美花さん(21)、二女ブリンダさん(18)も当面、付き添って病院内に滞在する。米政府はジェンキンスさんを脱走兵として訴追する方針で、日本政府との協議の行方が注目される。
 一家は十八日朝、一年九か月ぶりの再会から十日間を水入らずで過ごしたインドネシアを出発。出国に際し、曽我さんは「インドネシアでの十日間は生涯忘れることのできない良い思い出となる」との感謝のメッセージを発表した。
 午後六時前、四人は羽田空港に到着。曽我さん夫妻は寄り添って日本の土を踏みしめ、後ろに続く娘二人の胸には北朝鮮のバッジではなく、拉致問題解決を願うブルーリボンをかたどったブローチが着けられていた。
 この後、四人はバスに乗り、ジェンキンスさんが北朝鮮で受けた腹部手術の後遺症治療のため都内の病院に直行。曽我さんは病院で出迎えた中山恭子内閣官房参与に「やっと帰ってこれました」と笑顔で語った。ジェンキンスさんの入院期間は未定だが、後遺症のほか内臓疾患を併発している疑いもあり、長期化する可能性もある。
 病院では、ジェンキンスさんの体力回復のため十九日は静養に充て、二十日から本格的な検査を開始。その結果を見て治療方針を決める。娘二人も同日以降、健康診断を受けるという。

 《曽我ひとみさんの自筆メッセー全文》 私達家族四人は一年九か月もの長い間離れ離れ離れになり、七月九日インドネシアで待ぢに待った再会を果たすことができました。
 家族が再会できたのも皆様の激励と、関係者の皆様のご支援のおかげと、心より感謝申し上げます。そして、今日家族四人でようやく日本へ帰るごとができました。今は帰国でぎた喜びでいっぱいですが、夫が日本で健康で安心して暮らせること、娘たちが日本の生活に慣れて、希望を持って生活できることを祈るばかりです。
 今日からは家族四人で日本での生活が始まります。まだいろいろと困難はあると思いますが、家族四人で力を合わせ、協力していこうと思います。皆様には、言葉も文化も違う日本での生活に不安を感じている夫と娘たちを、あたたかく見守っていただきたいと思います。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
                          (04.7.19 北海道新聞)

              ◇……………◇          ◇……………◇

 曽我さん一家四人が帰国・来日、先ずは胸撫で下ろせり。ジェンキンス氏の件につきては「人道的見地」基本に、日米双方顔立つ様に交渉続け行くの他無かろふ。厳しき交渉と成るは必定なれど、時間費やし探り行けば必ずや解決点見出し得るを信ず。ジェンキンス氏、メガワティ大統領と面会の折、「リスクは引き受ける。家族と過ごすのが大事だ」と語りし由、自身にとり最悪のシナリオをも想定せる決断と思はるれば尚更に痛ましくもあり、米側の寛大なる処置望みたし。

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 新潟過ぎれば福井なり。十七日深夜より十八日午前にかけ、福井県北部に集中豪雨襲ひて三人死亡、二人行方不明。福井市中心部を流れる足羽川決壊にて同市内約三万五千世帯を含め六市町計四万二千五百世帯に避難指示・勧告出されたり。気の早き台風襲来、首都圏襲ふ連日の猛暑、今年の気象狂ひおるはやはり地球温暖化のせいか。首都圏への豪雨なればヒートアイランド冷やすに役立ちしに、お天道様も驕りし人間様の思ふ通りには為さらぬか。

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 二十四日、札幌ドーム。コンサドーレ対横浜FC戦は、0−0の引き分けにてコンサ連勝成らず。通算成績2勝14敗7分け。勝ち点13、順位変わらず。
 次節二十七日、対水戸ホーリーホック戦(茨城・笠松運動公園競技場)。

 後半開幕戦白星にて飾り幸先良きスタート、と行きたきところなれど成らなんだ。素人目にも勝てたる試合、もう一押しの詰めが出来ぬが弱点か。詰め切れぬ分だけシュート数少なく、結果押され気味にて守りの試合余儀無くされおる。完璧期すことなかれ、ゴール視野に入らば躊躇せず打つが肝心なり。



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平成十六年七月十七日(土曜)晴

 昨日より俄かに暑く成りて今日も29度超せり。外へ出たく無き気分なれど、家周りの雑草殊の外伸び来たりて見苦しき有様なれば已む無し、通りより見へる部分のみ毟りたり。麦藁帽被り手拭首に日陰選びて始めたれど、十分もせぬ間に顔面二の腕より汗噴出し来て地面に滴り落ちる暑さ。一時間程我慢我慢にて毟りおりたれど遂に辛抱も限界、半分以上残して切り上ぐ。

 陽落つれば涼しく成りて爽快なり。明日は気温低めとの天気予報なれば、残りし雑草ども根こそぎ退治して呉れん。とは申せ、予報外れるは常なれば明日も如何相成るか。本州の暑さ考ふれば此方も熱波襲来暑き日続くやも知れず、暑ければ為さじと言ふて、見苦しき雑草繁茂させ置く訳にもゆかず……陽登る前に為すの他無きか。今夜は早々に就寝、明朝早起きしたる後、再度考へることとす。いざ、冷や酒呷りて床に就かん。

 十八日追記。朝起きみれば予報通り晴れなれど気温低く、動くには申し分無き日和。九時頃より始め、二時間弱にて完了せり。見違へる程とは言へぬが、何とか見られる様には成りたり。結局、此の日の最高気温22.8度、汗一滴も掻かず。

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 ベーカー米駐日大使、十七日午前に川口外相と会談、ジェンキンス氏につきて、重ひ病状に配慮し身柄引き渡し要求を当面見送る旨表明。訴追問題につきては引き続き緊密に協議為す事で一致せり、と報道有り。此れにて入院中は身柄引き渡し、訴追免れる見通しにて、曽我さん一家四人の明日十八日帰国・来日決定、確実と成れり。

                    ☆       ☆

 七日に犯行公表せしイラクの武装勢力に因るフィリピン人人質事件解決の為、フィリピン政府は十六日、イラク駐留部隊の撤退開始を明らかにせり。僅か五十一人の駐留部隊なれど、国民一人の命救ふ為の撤退は何を意味するや。親米と云ふ点にてはアヨロ大統領も小泉首相も同じなるに、彼の時の我が国政府の対応と何故違ふのか。出稼ぎ大国フィリピンの特殊事情と言ふ論評有るも、唯其れのみに拠るとは考へられず。救ふ手立て有らば国家の威信と引き換へるも辞さず、米国との関係悪化も辞さずの覚悟、奈辺より出で来しか。

 自衛隊イラク派兵を是とせる読売新聞、早速に「比イラク撤退、テロリストに屈することの誤り」なる社説掲載せり。最終段落に、「今回の事件を機に、武装グループが勢いづき、部隊派遣国に、動揺が広がるようなことがあってはならない。イラク暫定政府の再建への努力を、日本を含む国際社会が後押しする必要が、いっそう高まっている」と有りしが、フィリピン撤退の理由如何考察せしか、後押しの為には自国民の命も省みずと言ふかや。

 十九日追記。十八日、アルバート外相出せし「イラク駐留部隊を十九日にも完全撤退させる」との声明通り、残り居りし三十四人が十九日クウェートへ入りフィリピン部隊の撤退完了せり。

                    ☆       ☆

 曽我さん一家、十八日に帰国・来日の方向で政府準備中らし。ジェンキンス氏の身柄引き渡し、訴追問題につき米国と未だ調整中なるが心配なり。新聞報道に拠れば、「政府内にては、ジェンキンス氏が病院等日本国内にて米国司法当局者等の事情聴取受けし上、*情状酌量により訴追の猶予を受ける*訴追され、軍法会議にて執行猶予付き判決や、確定せる刑につき恩赦を受けるーー等の決着図れぬか検討進めおる」と言ふ。

 そふ旨く行くとは思へぬが……と考へおれば、ベーカー米駐日大使が十六日午前の安倍幹事長等との会談にて、ジェンキンス氏は自ら米側に出頭すべきだとした上で、個人的意見としながら「極刑を受ける事は無ひだらふ。自ら進んで全てを話し、司法取引すればいいのでは」と語りしとの報道ありて、米側に情状酌量の余地在りと見て喜びしが、午後には「司法取引は、米大使館の公式見解に非ず」と外務省へ伝へしと知りてがっかりせり。がしかし、米国の裁判にては当たり前の「司法取引」、使はぬ手は無ひかも知れぬ。最良とは言い兼ねるが、打開策の一つではあらふ。

                    ☆       ☆

 十六日、厚生労働省「二〇〇三年簡易生命表」発表。日本人の平均寿命、女性八十五・三三歳、男性七十八・三六歳にて夫々過去最高齢更新。前年より女性〇・一歳、男性〇・〇四歳延びしも過去四年では最小の延び幅にて、自殺増が原因なりしと云ふ。八十歳迄の生存割合は女性76.3%、男性54.5%。女性は十九年連続長寿世界一、前年二位の男性はアイルランド(七十八・七歳)、香港(七十八・六歳)に次ぎ三位に落ちしとぞ。

 平均寿命発表される度、毎年毎年思ふは「長生きは幸せなるか?」の一事。今時の年寄りなかなかに元気と煽てられ、小金持ちは「生きてる内に遊ばな損、損」と、貧乏人は「体の動く内は働かにゃならん」と、息切らせての空元気。なれど年寄りは年寄り、空元気も長くは続かぬ。長生きだとて、やがて一人にては身動きならぬ様に成るが年寄りと云ふもの。弱者には生き辛き御時世、其の様で生きたくは無し。今の世にては、長生きは不幸なり。

                    ☆       ☆

 選挙終わりし後は決まりて違反摘発の話。十六日、南茅部町長・飯田満氏逮捕されり。参院比例選自民党公認・笹川博義氏(37)(落選)への投票、票の取り纏め町職員数人に依頼せる疑ひ。飯田氏、道外の知人より笹川氏紹介されりと言ふが、知人との間に如何なしがらみ在りしやら。本道とは無関係なる人物の応援頼まれ、断るも出来ず地位利用の違反に迄及ばねばならぬ程の知人とは、はて何の様な人物か。南茅部町選管によると、笹川氏の同町にての得票は八票。六選されおる人望厚き町長が八票の為に身を誤りたは、可笑しくも哀れなり。

 十七日追記。月形町選挙管理委員会書記長、地位利用にての自民党公認比例選候補・長谷川憲正氏(当選)への投票依頼にて逮捕さる。同町選管によると、長谷川氏への票は六十六票。此も長谷川氏の知人介しての応援依頼なりと。

 二十三日追記。二十日、「町政を混乱させし責任取りたし」とて弁護士を通じ辞職願提出しおりし飯田満・南茅部町長の辞職、本日開会の臨時議会にて了承されり。五十日以内に出直し選挙行われるも、任期は函館市との合併迄故、三か月。

                    ☆       ☆

 新潟県を中心に大被害齎らせし豪雨による死者、十五日迄に十二人に達す。而も七十−八十歳代の老齢者ばかり。内三人は独り暮らしの身、三人は老夫婦のみの生活にて寝たきりの夫助け出せず死したるも有りと言ふ。痛ましき限りなり。高齢者、障害者等の弱者対策普段より十全に準備為し置けば防ぎ得た「死」でなかりしか。当該自治体は元より町内会、隣近所、諸人気遣ふ心忘れなんだれば防ぎ得たる筈。「災害時なれば我が事のみにて手一杯、他人の事迄は……」と言ふ勿れ、災害時なればこそ弱者に手を貸すが人の道。我も此の事、肝に銘じて忘るまじ。

 気象庁は十五日、此の豪雨を「平成十六年七月新潟・福島豪雨」と命名せり。 十六日追記。災害発生より四日目の十六日朝、再び激しき雨降りて三条市等に洪水警報発令。同市等九市町村にて尚三千七百人避難し居る状況なり。

                    ☆       ☆

 先の通常国会にて成立せし年金改革関連法条文に三十―四十箇所の直し漏れ等ミス有りし事、十五日判明。政府「ミス余りに多し」として内閣法制局長官及び次長等処分の方針固めしと。原因、拙速以外の何物でも無し。何が何でも会期中成立を願ふて不都合な出生率隠し、質問打ち切りて強引に採決為して成立なさしめた付け回り来たるの感。

 「拙速構わず。早ようせい」と責っ付き置きて、ミス露呈せば「多過ぎる」とて官僚処分のみ。法案作成させて条文吟味もせで審議に付したる責、誰が負ふか。首相、厚生労働相、与野党議員各位皆々関連法案など碌に読まぬ故、三、四十も在りしミス見付けられなんだと違ふかや。返答せい!と怒鳴りたし。野党とて条文熟読吟味、精査検討為してミス見付けおれば、廃案に持ち込むは十二分に可能であったものを、御粗末。

 衆参両院議員運営委員会の了承得たる上、官報掲載して訂正為す方針の政府に対し、野党側は「官報掲載による訂正で済まされる話に非ず」とて年金改革関連法廃止法案を国会提出する方針。野党「済まされず」と言ふても後の祭り、己の思考停止を自嘲、不勉強悔やみて頭抱へる以外無かろふ。何故ならば政府・与党既に「関連法廃止に応じず」確認済み、衆参両院にて過半数占めおる数の論理もて一蹴されるが明らかなればなり。御粗末、御粗末。

                    ☆       ☆

 十四日、東京地裁にて鈴木宗男前衆院議員の斡旋収賄罪等に対する論告求刑公判開かれ、検察側は「被告が不正請託受け、祝儀袋に入りし現金が請託の謝礼と認識しつつ受け取りしは明白。官房副長官就任祝ひとせる被告の弁解信用ならず」と論告、懲役四年、追徴金千百万円を求刑せり。

 閉廷後、鈴木氏「論告を聞かせてもらった。事実誤認、認識の違ひがある」と改めて無罪を主張、昨日の報道「公判でたとへ懲役刑求刑されたとしても、あくまで検察側の描きしストーリー。きちんと反論為し行く」と変わらぬ論調。なれど、贈賄側既に賄賂認めおる状況なれば反論の余地在りや。報道に依るに、善戦せる先の参院選結果を踏まへて政界復帰へ意欲見せる発言続けしと言ふ。

 判決確定する迄は被疑者であり罪人では無き故、個人に付与されし諸々の権利有効なれど、曾て選良で在りしとの矜持持ちおるなれば立候補為すべきに非ず。官憲故無くして逮捕収監せる筈も無く、身潔白と言ひ張りても疑はれおるは確かなれば、己の不徳恥じて謹慎蟄居するが道。盟友松山、斯く説得出来なんだは思慮浅く残念至極と言ふの他無し。先の選挙にて鈴木氏に一票投じし有権者につきては夫々の判断故、我彼是論評せる気毛頭無し。

                    ☆       ☆

 二〇〇一年七月の参院選直前、臼田貞夫・日本歯科医師会会長が料亭にて橋本竜太郎元首相に一億円の小切手渡せし事判明。橋本元首相「臼田氏と幾度か会ひしことあるも、金貰ひし記憶無し。だが、指摘受けたるにより調べる」と十三日語り、十四日の橋本派幹部会合にて「日歯と何人かで食事せし折、封筒様の物貰ひ、後で開けたれば小切手入りおりし。此は献金と思ひ事務所長に渡し、事務所長後に換金せり」と経緯説明したらしも、十五日の新聞取材に「臼田氏とは何度か会った記憶が在るものの、一億円貰ひし記憶が本当に無ひ」と再度、受領否定せしと。はてさて、思考停止に加へ記憶喪失も患ひしか。見苦し。

 献金と認識せしに政治資金収支報告書に記載せなんだは何故か、日歯側の領収書請求に応じなんだは何故か、未だ納得し得る説明無し。手違ひとて慌て収支報告書訂正したとて綻び繕ひ切れず、なじかは知らねど巨額献金闇に隠そふとしたるは歴然。さて、此の一億円何処に何ふ使はれしか。派閥の領袖たらんと欲すれば金幾ら集めても足りず、「頂けるなれば遠慮無く頂戴するが、何卒御内聞に」と領収書出さなんだか。我関せずと説明責任果たさずば領袖の地位危ふからふ。敗残の身晒せし故金丸氏を思ひ浮かべみるは今ぞ! 

                    ☆       ☆

 塀の中ならぬ"塀の外の懲りない面々"とも云ふべき道警幹部の内部調査報告、幾度聞きても真摯に対応調査したると思はれず。外部より「其の罪、明々白々」と詰め寄らるれば「間違い御座いません。償ひます」と渋々頭垂れ、「疑ひ濃厚、隠さず白状せよ」とあらば「疚しき事は御座いませ」と白切るふてぶてしさ。御主らも悪よのふ。嘘つきは泥棒の始まりと云ふが、泥棒は嘘つくが本分と思ひ居るらし。十三日、道議会総務委員会に提出されし旭川中央署裏金問題及び北見方面本部警備課偽造領収書問題に関する道警内部調査報告書、其の内容に自浄再生の意思無き道警の姿勢・体質を読み取るは誤りか。

 監査等にて不正指摘さるれば認め、指摘無きものは頬被りが常道。今回報告も同様、先月三十日公表されし道監査委員特別監査結果にて、灰色認定せし分につきては「現時点では不適正執行認められず」と報告しおる。特別監査にて不正事実確認出来なんだは、捜査協力者等への聞き取り調査させなんだ道警の非協力的態度が主因。己の罪暴かれるを恐れて協力せなんだは誰の眼にも明らか。道警裏金問題明るみに出でしより此れ迄幾月経しか。最早、道警に自ら問題解決の意思も能力も皆無と見たり。残されしは道議会百条委設置に拠る本格的追及のみ。此処迄来て自民、設置につき尚煮え切らぬ態度なれば道民の批判集中免れず、我なれば「道警不正に加担せる輩」と糾弾す。

 【旭川中央署に対する特別調査の経過報告】
 旭川中央署の1998―2003年度の捜査用報償費、捜査費、旅費、交際費、食糧費の執行状況について、署長、副署長ら幹部、捜査員など延べ449人から聴取。
 〈総括〉1998―2000年度の捜査用報償費、捜査費について、慣行的、組織的な不適正執行が認められたが、2001―03年度には認められなかった。旅費については一部継続調査中だが、現段階で不適切な執行はない。交際費、食糧費については不適切な執行はない。
 〈捜査用報償費、捜査費〉1998―2000年度に執行した捜査用報償費など計約1500万円のうち、計約77万円の使途が確認できなかった。また、捜査活動経費約1260万円のうち、計約627万円を国費執行分と判断したが、残りの認定は因難だった。また、3年間の「その他の経費」約187万円のうち、公費で執行できない経費は約175万円だった。
 これらは正規の予算執行手続きを経ず、毎月定額の現金を交付したり、事実と異なる書類を作るなど、慣行的、組織的な不適正執行が認められた。
 2001―03年度の報償費執行については、一部で支払伝票の代理作成など手続き上の誤りがあったが、慣行的、組織的な不適正執行は認められなかった。
 〈旅費〉1998、99年度は、旅費支給制度の混乱や、調査対象者の記憶忘れなどで、執行事実の確認がとれないものがあり、継続調査中。2000―03年度は不適正な執行は認められなかったが、2000年度の旅行命令簿のうち34人分が欠落し、継続調査中。
 〈交際費、食糧費〉1998―2003年度の間、不適正な執行は認められなかった。
 【北見方面本部警備課の領収書差し替え事案の調査経過】
 〈不適正な執行〉2004年4月―2003年6月の間、18件の捜査費52万6500円を裏金化。
 〈幹部の関与〉課長は具体的な捻出方法は知らないとしながらも、懇親会や激励会の経費を用立てるように次席に指示。その費用が捜査費から工面されたものだったと認識していた。次席は、捜査担当者に具体的に関係書類の偽装を指示していた。
 〈使途〉激励会費や懇親会費、打ち上げなどの費用。
 〈時期〉2003年3月の異動で課長が交代した後、同年7月にやめた。
 〈領収書差し替えとの関連〉2004年に発覚した領収書差し替え問題と、2002年4月―2003年6月の裏金作りの直接の関連性はないと思われるが、継続調査する。
 【弟子屈署に対する道監査委員の勧告への措置】
 〈勧告内容〉道監査委員は、道が被った損害の支払いと、再発防止の措置を6月30日までに行うよう道公安委に勧告。
 〈損害補填のための措置〉道が被った被害額は10万9495円に支払日までの利子を追加した額。1999―2002年に在職した署長2人、次長1人が行うべきと判断。意思確認したところ、次長は「現時点では応じられない」とした。協議の結果、署長2人が、6月28日付で利子を含めた計約13万円を道に納入した。
 〈再発防止措置〉特別調査の実施、職員の意識改革、監視機能の強化の3項目を実施する。
                                         (04.7.13 読売夕刊)

                    ☆       ☆

 ジャカルタ滞在中の曽我さん一家に関し十三日、「政府は、一家四人を早ければ今週中に帰国・来日させる方向にて調整に入りし」との報道有りたり。ジェンキンス氏、今年四月北朝鮮にて受けし腹部手術の経過悪しく、患部に化膿症状見られるため高度医療施設での治療急がれる故、名目は治療目的の来日らし。ジェンキンス氏「住めるものなら、日本に住みたひ」等、来日に前向き発言多く、娘さん二人も日本紹介ビデオ見る等して、一家四人の帰国・来日の環境徐々に整ひつつあるを併せ報じおりたり。政府調整に入りしとあらば、一家四人揃ひて日本の地踏むは間違い無く、ひとみさんの望みも叶ふ。

 唯一の心配、ジェンキンス氏の訴追問題。米兵に因るイラク人虐待の御家の事情も在りてか、米側は「軍律に例外無し」の厳しき姿勢崩せぬ状況。脱走等四つの罪にての訴追方針崩さず、我が政府再三請ひし訴追免除・大統領恩赦等「特別な配慮」一顧だにされなんだ。新聞に「(政府は)ジェンキンスさんの来日後、米国が犯罪人引き渡し条約や日米地位協定を根拠に身柄引き渡しを求めても、病気治療という人道的な理由を前面に掲げ、拒否する方針を固め、米側と事前折衝している」と有りしが、如何な朴念仁の米国とて人道的理由とあらば手出しはすまひ。氏の療養中に落とし処探りて交渉続けゆけば妙案浮かぶやも知れず、人道最優先に考ふれば苛酷なる結果科するに至らずと信ず。

                    ☆       ☆

 埼玉県内の高校生六人を含む少年少女グループ九人、金庫破りや事務所荒らし繰り返し、盗みし千二百六十万円にて大麻買ひて吸引、他の高校生にも売り渡しおりしと。「何を考へおるか!」と叱りても,大概は思考停止しおる高校生に違い無ければ無駄な事か。当人らの馬鹿さ加減は勿論、気づかぬ教師、親にも腹が立つ。二十九件の盗み働き、校内にて大麻吸引しおる我が子・教へ子の異状に気づかぬかや。気づきおりて何もせなんだとせば同罪、一緒に罰受けよ!



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平成十六年七月十二日(月曜)曇

 昨十一日午前十一時過ぎ、雨小降りになりたるを幸い妻と投票所へ。思ひの外込み合ひて出足好調を思はしむ。争点「年金改革」、小泉首相の「人生いろいろ」発言に呆れし人々、灸据へんと繰り出したるか。総務省発表投票率、全国平均56.57%、全道平均61.74%にて前回を0.13ポイント、3.27ポイント夫々上回りたり。開票速報観んと十時頃迄テレビ眺めおりたれど開票集計進まず情勢変化無く、晩酌も手伝ひて睡魔襲ひ来れば堪らず就寝せり。

 今朝五時半起床。洗面もせで朝刊眺む。一面大きく横見出し「自民不振 民主が躍進」。灸効きしか。主要五党の当選者数は次の通り。自民党、改選議席五十を割る四十九。民主党、改選議席三十八を十二上回る五十。公明党、改選議席プラス一の十一。共産党、改選議席マイナス十一の四。社民党、改選議席維持の二。自民は単独過半数五十六に遠く及ばなんだが、堅調公明と合はせ六十議席、与党は非改選合計にて絶対安定多数を維持。小泉首相は続投を表明、安倍幹事長は九月の党役員人事にて辞任の意向。今選挙に因り参院での自民・民主の議席は八割超、参院にても二大政党化進みたり。

 鈴木宗男氏出馬で注目の北海道選挙区は、中川氏(自民)と峰崎氏(民主)が現職の強みにて当選。鈴木氏、四位落選ながら四十八万票と健闘せり。以下に開票結果記し置く。

          道選挙区 開票結果(改選定数2)
        当741,831 中川 義雄 66 自 民 現
        当618,277 峰崎 直樹 59 民 主 現
        □552,993 西川 将人 35 民 主 新
        □485,382 鈴木 宗男 56 無所属 新
        □254,338 岡  千陽 41 共 産 新
          106,631 山内 恵子 64 社 民 新
           19,020 千代 信人 40 諸 派 新
                          (□は法定得票を得た者)

 比例選党派別獲得議席数は、自民十五、民主十九、公明八、共産四、社民二。みどり、女性、新風各党は議席獲得成らず。比例選個人得票トップは百八十二万票の公明党代表代行・浜四津敏子氏、以下六位迄公明党が独占。七位に経財・金融相の竹中平蔵氏、八位に社民党首・福島瑞穂氏の順。公明組織票の威力歴然の結果なり。

 竹中経済財政・金融相、記者会見にて「此の三年間の小泉構造改革に対し、一定の評価が与へられた。今後、改革を更に加速する」と述べおりしが、弱者切り捨ての竹中・小泉政策支持されたるなれば今少し得票伸びたる筈。知名度抜群百万票軽しの前評判なりしに結果は個人得票七位七十二万票、政策担当大臣の信任に十分なる得票と思へぬは我のみか。竹中氏先刻承知とは思ふが、当選せば信任得たるは確かなれど、其は国民挙っての信任には程遠きものと受け止め、此の三年間の経済財政・金融政策が支持されおると勘違ひせぬが肝要。弱者救ふが政策の基本であるを忘れて構造改革無し、と知れ。

 斡旋収賄罪等にて公判中の鈴木宗男(北海道選挙区)、秘書給与詐欺にて有罪確定執行猶予中の辻元清美(大阪選挙区)両氏、共に善戦するも当選に至らず。有権者の良識働きしと思ひたきも、両者当選迄もう一息の得票なれば我「ありゃりゃ」の感。地盤・道東を中心に各地にて予想以上の得票に鈴木氏、「得票の結果は負けたが、選挙には勝った」と笑顔。利益誘導を願ふ支持者無くならぬか。「ごめん。ごめんなさい」連発の選挙戦続けし辻元氏、「次点に迄押し上げて頂き、身に余る事です」と感謝。「秘書給与流用なんか、皆遣りおる事とちゃうか? 辻元さんだけ罪人にするのは可哀想や」と考へる方々が大勢居たと言ふことか。議員などに成らず普通の小母さんに成るが良し、と我今も思ふ。

                    ☆       ☆

 十日の初報にては、七歳と四歳の兄弟が刃物男?に首を絞められ重傷負ふたと言ふ茨城県関城町の事件。翌日夜になりてとんでもなひ展開と成りて驚き、胸塞がりたり。同居の祖母(73)がロープ、両手にて二人の首を絞め殺害せんとせし殺人未遂容疑にて逮捕されり。嗚呼、嗚呼・・・何たる悲劇。孫は可愛い、と歌ふが爺婆でなかりしか。嫁を困らせよふとて、孫を手に掛ける婆が何処に居ようぞ。嫁姑の確執、古来より語り継がれおるも、孫を殺めて意趣返しなど誰が考へやふか。孫の首絞めおる狂気の鬼女の顔、思ふだに恐ろしや。

 病んでおる。此の国、日本の悉くが病んでおる。我住みし列島、瘋癲病院開放病棟。皆々己の狂ひおること認識し得ず、彼れが狂ひおる此れが狂ひおると言ひ募り合ひて日々過ぎ行くも哀れに面白き世の中なり。言はずもがな我も其の中の一患者、余命短き齢と成りて破れかぶれ「天誅じゃ!」とて何を仕出かすか解らず、我が心中の狂気暴れ出さぬを庶幾ふのみ。

                    ☆       ☆

 大阪府能勢町にて、五十五歳小学校男性教諭が誘拐未遂。十一日逮捕。又々の呆れ話。教師の質の低下疑ひ無し、と断言せざるを得ず。教師が此の体たらくにては教育など成り立たぬ。今後学校にて今迄以上の驚愕的事件発生するは時間の問題。「先生が悪ひ事するんだもの、子供が何したって怒れないべさ」

                    ☆       ☆

 今月一日死去せしマーロン・ブランド氏の伝記作家は、ブランド氏が二千万ドル(約二十一億七千万円)の借金苦にあへぎ、晩年は国の年金頼みの生活だったと書ひたが、実は二千百六十万ドル(約二十三億四千万円)相当の遺産残せしと、米紙USAトゥデー報じたらし。遺産には一千万ドル(十億八千万円)相当のロサンゼルスの不動産、南太平洋タヒチにて購入せる十一の小島が含まれおるとかや。タヒチの小島にブランド帝国築く積もりであったやも……。

                    ☆       ☆

 曽我さん一家は九日夕、インドネシア・ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港にて、一年九か月ぶりに再会せり。ライブ中継のテレビ放送、妻と共に観しが互ひに「よかった、よかった」口にするのみ。観し者夫々に感慨は有らふが皆々傍観者に過ぎず、一家四人の何を語り得よふ。我ら「よかった」以外語る言葉を持たずに居たり。以下に入手せし号外内容記し置く。

 《曽我さん一家再会/1年9か月ぶり涙の抱擁/「ごめんね」「お母さん」》 【ジャカルタ=黒瀬悦成】北朝鮮による拉致被害者の曽我ひとみさん(45)が九日午後五時十分(日本時間同七時十分)ごろ、インドネシアの首都ジャカルタ郊外のスカルノ・ハッタ国際空港で、日本政府のチャーター機で北朝鮮から到着した夫の元米兵、チャールズ・ジェンキンスさん(64)、長女の美花さん(21)、二女のブリンダさん(18)と再会した。一家の再会は、二〇〇二年に曽我さんが帰国して以来、一年九か月ぶり。
 曽我さんは、チャーター機のタラップの下で待ち受け、手すりに頼りながら降りてきたスーツ姿のジェンキンスさんに手を差し伸べ、頭をかかえるようにして抱擁した。
 美花さん、ブリンダさんも涙をぬぐいながら、曽我さんのもとに駆け寄った。曽我さんは、美花さんに、日本語と朝鮮語で「ごめんね」と語りかけた。ブリンダさんは、曽我さんに向かって朝鮮語で「お母さん」と言った。
                                  (04,7,9 読売号外)

                    ☆       ☆

 法制審議会人名用漢字部会が先月十一日に公表せる「名前に使える人名用漢字に五百七十八字を追加する見直し案」につき、法務省が九日迄一般より意見募集したるところ、六割が「一部の漢字が人名に不適当」と再検討求めしと言ふ。当たり前なり。「糞」「痔」「癌」など誰が命名するか。「常用平易なる文字」か否かに限っての追加漢字選定故、人名に相応しからざる漢字多く含まれしと同部会。馬鹿たれめが。人名にそぐわぬ漢字選り分けるも部会の仕事ぞ。何でもかんでも追加し置きて意見募集などすな。部会委員各位が、我が子の命名には断じて使用せずと思ふ漢字は最初より追加せんでよし。委員各位は一般良識を代表せる者と認識しおるが、選定基準大いに狂ひおらぬかや。

 削除要望多きワースト5は「糞」「屍」「呪」[癌」「姦」。百件以上の削除要望有りしは「淫」「怨」等、「痔」「妾」「蔑」「骸」等に懸念示す声多しと言ふ。新たに追加要望多きは「掬」「曠」等。法務省は二十三日開催の同部会に批判多き漢字の削除を提案、見直し案最終決定の腹積もりなり。拙速は先に禍根残す元なれば、急がず慎重細心の注意払ひての審議、決定望みたし。

                    ☆       ☆

 道立旭川東高校が二〇〇二年度に校内にて実施せる夏季・冬季講習及び模擬試験で、講師等に従事せし教職員に生徒が払ひし受講料の一部より手当として計一千二十八万余円支払われおりし事、道監査委員の監査にて判明、と八日報道されり。教員勤務時間内従事対価は約三百七十一万円なれども、金取りての講習なれば予備校と何ら変わり無し。今時の教員、金にならねば生徒に教へる事もせぬかや。生徒の大学推薦入学合格を願ふて内申書改竄せし教師おりしが、法に触れしと雖も金貰はねば教へぬ教師よりは未だ増しと思へ来る。

 半世紀も前の事とて、今人は時代錯誤も甚だしと笑ふやも知れぬが一言記し置きたし。皆貧しき折の田舎の中学校での事。高校入試控へし年明け一月の放課後、月曜日より土曜日迄二週間講習ありしが、照明設備の無い教室に吊るす電球を買ふ為とて徴収金は百円足らず。教師は報酬、礼金貰ほうなど考へるべくも無く、「プリント用紙代金、教師らが自腹切りし」と後に聞き及びしなり。斯く在るが教師でなかりしか。勤務時間外無報酬労働お断りの教師を「教師」と呼べるかや。教へ子の行く末案じての行為なれば無報酬にて取り組むがよかろふに、何故金を貰ふか。同様手当、他高校にても在るらしが、論外なり。

 折しも人事院、国家公務員給与につきて、「普通昇給」(定期昇給)を廃止し勤務実績に基づく「査定昇給」導入方針固めしと。身を粉にして働く者も、のんべんだらりと仕事に身の入らぬ者も、著しき難無ければ同等に昇給する現行制度は役人の事勿れ主義の元凶。改めるに遅きに失したるの感。能力・実績に基づく賃金査定制度の導入は、今や民間企業は云ふに及ばず地方自治体にても採用されおるが現状。国家公務員のみが例外を通す訳には行かぬ。寧ろ率先垂範、民間、地方公務員給与制度の見本となるべく、大胆なる改革断行為すべし。「査定」導入さるれば、上記高校教師の行為如何に評価されるか。

                    ☆       ☆

 南空知の栗山、由仁、南幌の三町が合併して誕生予定の新市名称、「ひがしさっぽろ」に決まりしと。表記方法は未定の由。「みなみそらち」「ひがしさっぽろ」「きらら」「しんそらち」「ゆめざと」の五候補を協議、投票上位「ひがしさっぽろ」「ゆめざと」の決選投票にて決定せりと言ふ。決定理由は、@三町が札幌市の東に位置せる事A知名度の有る「さっぽろ」の名を入れた方が国際的に通用するB「東」は日出ずる方角として縁起よし――等。

 合併推進策にて全国に新市誕生しおるも、其の名称何れも納得し難きもの在りて耳に馴染まず目に馴染まずと思ひ居るはわれのみか。「ヒガシサッポロ」も亦同様にて、命名法安易に過ぎはしまいか。栗山はアイヌ語「ヤムニウシ」(栗の木の繁茂している所)から、由仁は「ユウンニ」(温泉の在る所)から、南幌は「ポロモイ」(湾曲して緩やかに流れる所)起源に夕鉄駅名南幌向より南幌(みなみほろ)からと、共に由緒ある町名なるに、何ら生かされず捨てられ、札幌の東に当たる故「ひがしさっぽろ」では御先祖様に申し訳無からふ。「東は縁起よし」のアナクロぶりに至りては苦笑のほか無し。住民の不評を買ふ前に、せめて五候補による住民投票を実施すべき、と我は考へるが如何に。

                    ☆       ☆

 九年前の国松・警察庁長官狙撃事件で、七日朝、元巡査長とオウム元幹部二人が殺人未遂容疑にて逮捕されり。元巡査長は一九九六年に「私が撃った」と供述せしも、検察が「関係無し」と立件見送りし人物なり。今少し追及続けおれば真相に迫り得たやも知れず、何故の「関係無し」でありしか解せねども、事件発生十年目にして全容解明に向け動き出したるの感。警視庁南千住署特捜本部は、現場付近で目撃されおる端本悟被告(37)(坂本堤弁護士一家殺害で死刑判決、上告中)が狙撃実行役、早川紀代秀被告(54)(同)が指揮を執ったと見ているらし。

 事件当日、一九九五年三月三十日付朝日新聞夕刊には「国松長官は二十メートル前後の距離から四発撃たれ、腹部に三発と足に一発当たったという。/……離れた場所から全弾命中させていることや、頭部でなく腹部を中心に狙っていることなどから、銃の扱いに手慣れた男の犯行とみている。/男は四十歳前後で、身長約百八十センチ……」と有り、九二年より九五年にかけ毎年一回ロシアを訪問、九五年には約一か月滞在して事件直前の三月二十二日に帰国せし端本被告が、ロシアで射撃訓練を積んでいたとせば実行役にぴったりか。なれど死刑判決受け上告中の端本被告、関与否定するに違ひ無し。検察に勝算有りや。

 以下に、入手せし号外内容記し置く。

 《オウム元幹部ら逮捕/「国松警察庁長官銃撃事件」/元巡査長ら3人/殺人未遂容疑 爆弾爆破容疑でも1人》 一九九五年三月に国松孝次・警察庁長官(当時)が東京・荒川の自宅マンション前で狙撃された事件で、警視庁南千住署の特捜本部は七日朝、九六年当時に「私が撃った」と供述し、その後、関係ないとされた警視庁元巡査長ら、オウム真理教の元信者や現信者三人が犯行に関与していたと断定、殺人未遂の疑いで逮捕した。教団元「法皇官房」幹部も爆発物取締罰則違反の疑いで逮捕、狙撃事件についても追及する。全国を震かんさせた警察トップヘのテロ事件の捜査は、発生から九年余を経て、本格解明に向け動き出した。
 殺人未遂容疑で逮捕されたのは、警視庁元巡査長の小杉敏行(39)、オウム真理教の元「防衛庁」長官の植村(旧姓・岐部)哲也(49)、元「建設省」幹部で現信者の砂押光朗(36)の三容疑者。爆発物取締罰則違反の疑いで逮捕されたのは元「法皇官房」幹部の石川公一容疑者(35)。
 調べによると、小杉ら三容疑者は九五年三月三十日午前八時二十五分ごろ、共謀して荒川区南千住六のアクロシティマンション一階の通用口から出勤のために出てきた国松長官を拳銃で銃撃、重傷を負わせた疑い。石川容疑者は地下鉄サリン事件の前日の夜、東京都杉並区の宗教学者宅で時限式爆弾を爆発させた疑い。
 《10年目の本格解明へ》 警視庁の特捜本部は、犯行の十日前の三月二十日に地下鉄サリン事件が発生、同二十二日にオウム真理教の教団施設の一斉捜索が行われたことから、教団が、捜査のかく乱を狙ったテロ事件の可能性が高いと見て捜査を進めていた。
 その結果、最近になって、小杉敏行容疑者ら三人が準備の段階から犯行に関与していた疑いが浮上、狙撃をした実行犯を特定しないまま、異例の逮捕に踏み切った。
 小杉容疑者は、警視庁の九六年春以降の調べに対し、「四発撃って、はじめの三発が当たった」「銃は神田川に捨てた」などと、自身が撃ったことを認める詳細な供述をした。
 警視庁は九七年一月、教団幹部に情報を漏えいした地方公務員法違反容疑で小杉容疑者を書類送検したが、東京地検は九七年六月、「実行犯であることには重大な疑問を抱かざるを得ない」として立件を見送り、地公法違反については起訴猶予処分としていた。











1995年



1996年





1997年

2004年
3月20日
22日
30日
5月16日
4月上旬
5月上旬
10月27日
10月29日

11月28日
1月10日
6月17日
7月7日
地下鉄サリン事件が発生
警視庁が山梨・上九一色村などの教団施設への一斉捜査に入る
国松長官狙撃事件
上九一色村の教団施設内で松本智津夫被告を逮捕
警視庁が小杉容疑者の事情聴取を開始
小杉容疑者が「自分が撃った」と供述
小杉容疑者が拳銃を捨てたと供述した神田川の捜索を開始。未発見
小杉容疑者の供述を数か月間、警察庁に報告していなかったとして、警視庁公安部長が更迭される
井上幸彦警視総監(当時)が辞任を表明
小杉容疑者を地方公務員法違反容疑で書類送検
東京地検が小杉容疑者を起訴猶予処分とする方針を発表
警視庁南千住署特捜本部が小杉容疑者ら4人を殺人未遂容疑などで逮捕

                                                                                   (04.7.7 読売号外)

                    ☆       ☆

 七日、八紘学園・花菖蒲園開園の報。十数年前訪れしのみ。其の折は花より団子にて成吉思汗鍋食すに夢中でありしが、今は如何成りおるか。食細くなりたれば花菖蒲じっくり観賞するにはもってこいの我が齢、自転車漕ぎて出掛けみたしと思ふも、見頃短き花なれば其の気に成りて出掛け行く迄咲きおるかどうか。思ひ付ひたが吉日にて明日にでも出掛くれば良きが、億劫が先に立も我が齢。ああだ、こうだで、結局今年もお仕舞ひに成るが関の山か……。

                    ☆       ☆

 六日。新潟県三条市の市立小学校にて六年男子児童が、自宅から持ち出したる柳刃包丁で別学級の六年男児に切り付け二週間の怪我負はせし。悪口言はれ、馬鹿にされたと思ひしが動機とかや。佐世保小六女児殺害想起させる胸苦しき事件。腕、指に怪我せしのみにて済みたるは奇跡にてやあらむ。

 事ある毎に、識者は訳知り顔に論評加へ「教育現場は斯く在るべき、斯く為すべき」と云ひ、教育現場にては「ああせねば、こうせねば」と言ふも、其の事何ら生かされおらず。事起きる度、慌てふためきて「先の事件教訓に細心の注意払ひ居りしに残念無念。斯様な筈では無かったに……」と言ふばかり。我には、己が無能棚に上げ他人事なればの傍観、無為無策の日過ごし来たりし言ひ訳に聞こへてならず。誠「細心の注意払ひ居り」て事起こりたとせば、教師の質・能力に難有るを疑ひたし。

 悪口言はれ我慢ならなんだ……故に、包丁で切り付けし。「故に」の後の選択肢他に思ひつかぬか。我ら幼き日なれば、悪口には悪口、罵詈雑言浴びせ合ひて丁々発止の口喧嘩。言ひ負けまひと親の字引開きて雑言収集せしが、今時の子は口喧嘩も出来ぬか。上級生に言ひ負けて余程腹に据へかねれば「何を小癪な、こん畜生」とて素手にて挑みかかりし時も在れど、大概は「俺の知らぬ言葉、よう知っとる」と感心、敵わぬとみれば「アッカンベー」為して相手にせなんだが……。今は「口喧嘩など、はしたなし」と教へおるか。

 現今の小六、我らの頃に比して知識豊富、一端の口利くも思考回路甚だ幼しと感じ居るは我のみか。思考停止せる大人満ち溢れる世なれば、子に「確り考へよ」と言へた義理では無けれども、気掛かりなり。「正解は唯一つ」の教育にて子に優劣つけ来りし弊害が顕在化せる年頃、其れが小六? 「成績優秀で温和しく、暴力的な言動は見られず、驚ひた」と校長言ふも、成績優秀なれば殺人を犯さぬか、温和しく暴力的言動見られずとて常に心平穏なるや。上辺のみにて人を見る習癖身に着きし愚かな大人に教育者の資格無し。

 教師の質低下、無知無能ばかり論ふても詮無きか。本来家庭にて為すべき躾、教育までも学校に任せおる親にも問題在るは明らか。子の異常見抜くに親以上の適者在らず。今回の事件とて、もし双方の親に・・・と書き来たりて筆を止む。子を見る親の眼差し一つならず、夫々の親に夫々の眼差し在りて、夫々子に責務負ひ居るなれば、老いぼれしゃしゃり出て講釈為すも愚の骨頂なれば。

                    ☆       ☆

 参院選投票日迫り来て、年金制度改革への批判票敵に流れるを恐れたるか、坂口厚労相は六日、社会保険庁長官に一九六二年の同庁発足以来初の民間人起用を発表せり。十六日付にて就任予定の新長官は損保ジャパン副社長・村瀬清司氏(57)。投票を前に年金改革積極取り組みの姿勢見せんとの策なるか。此の御役所もタガ緩みて職員一同勝手気侭の遣り放題、国民より続出の批判躱す苦肉の策か。何れにせよ頭一人を民間人に代へたとて、だらけ切った職員がしゃんとする訳も無く、我ら抱きし不信容易に消へず。代へるなれば長官一人と言はず幹部全員民間人に代へる位の事せねば、批判票野党へ流るるは阻止出来ぬだらふに、甘し。

 さて、今回の人選、経済界は承知納得しおるか。民間人起用は聞き及びしも具体的候補者名とんと聞き申さぬ内の決定なれば、財界首脳承知の上なるかを疑ひたり。財界に人選依頼せば、幾人かの候補名が取り沙汰され我らが耳にも伝わり来る筈。依頼せぬとて、財界人よりの起用とあらば財界首脳に一言挨拶ありて、氏名判明する筈。其が唐突の氏名発表、しかも財界首脳のコメント一言も無きは如何な訳か。先の道路公団総裁人事同様、頭越しの政府独断専行が財界首脳を激怒させおるやも知れず。財界軽視では同庁抜本改革、年金改革覚束無し。

                    ☆       ☆

 源泉移動したれば温泉の色が変化した故、市販入浴剤使ひて元の色の乳白色に着色せしとは浅はかな。北アルプス・長野県安曇村の白骨温泉公共野天風呂は八年前より、二旅館は数年前より使用せしと。薄め、循環等疑い物の温泉多い中、源泉かけ流しにて効能変わらずとあらば色なんぞどうでもよかろふに、と我は思ふ。白骨故、乳白色にせにゃならぬと考へしか。「源泉移動により湯の色は変わりましたが、効能は同じです」と言へばいいに、入浴剤混入で欺くなど大人の為す事かや。聞きてこちらが赤面の至り、恥ずかしや恥ずかしや。

                    ★       ★

 十日、福岡・博多の森球技場。コンサドーレ対アビスパ福岡戦は、1−0でコンサ待望の二勝目。通算成績2勝14敗6分け、勝ち点12。順位最下位変わらず。
 次節二十四日、対横浜FC戦(札幌ドーム)。

 如何に負け続けよふと勝つ日必ず来る、は道理。遅ひか早ひかの相違のみ。コンサの場合、思へば長し二勝目への道程。三月二十七日対仙台戦より百五日、十九試合ぶりの勝利が前半戦最終戦とは泣かせくれる。勝って文句も無かろうふが、パス繋がらずシュート数少なく然も決定力欠きいては……。今日の勝利の立役者は藤ヶ谷。相手シュート十六本悉く止めたは天晴れにて、七本しか打てなんだ味方の1点守り切ったは一人藤ヶ谷の手柄と言ふべきなり。此の勝利、負け癖一蹴して後半に繋がるを期待したし。



 

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平成十六年七月五日(月曜)雨後曇

 各紙朝刊一面に参院情勢。民主大幅増の勢ひにて、自民勝敗ライン五十一議席割れの可能性。公明堅調、共産社民厳しき情勢。各紙調査共に内閣支持率四割以下とあらば、自民の退潮明白か。されど選挙は水もの、投票箱開けぬ内は何とも言へぬが常。今朝の紙面見て有権者の投票動向変わるやも知れず、自民陣営死に物狂ひにて巻き返しに出るは必定、加へて無党派層、二十代若者の投票率読み切れぬなれば、結果予測いと難し。我は唯、我が政治理念に従ひて投票するのみ。

 現在の自民改選議席は五十。青木参院幹事長述べおるには、今選挙にて五十一議席下回りし場合は小泉首相の責任問はれ、さすれば青木氏は勿論、安倍幹事長も辞任、総理総裁交代無きにしも非ずと。が、しかし縦しんば自民が五十一議席獲得成らずとも、公明と合はせ四十三議席獲得せば非改選との合計にて参院過半数維持は可能、両党合はせ五十議席以上とならば安定多数確保。然も衆院は絶対安定多数にて与党の基盤盤石、加へて小泉後継となるべき人物見当たらずとありては幹事長辞任、総理交代など到底考へられぬ

                    ☆       ☆

 曽我さん一家四人の再会、九日ジャカルタにて為すこと北朝鮮及びインドネシア両国と合意せし旨、六日の記者会見にて細田官房長官発表せり。北朝鮮側に腹読まれしか、将又参院選情勢不利なれば背に腹変へられぬとて腹読まれおるを知りつ頼み込みしか。――詮索無用。

 先ずは一安心、ひとみさんも取り敢へずの安堵得しか。ジェンキンス氏の刑事訴追問題抱へて、一家四人日本で暮らしたき曽我ひとみさんの希望叶うは未だ先の事なるを思へば心痛む。気掛かりなは、ジェンキンス氏も二人の娘さんも日本永住望みおるかどうかなり。よもやとは思ふが、「北朝鮮を出たくは無い、お母さんが戻って来て」と相成りし時、如何にすか。我考ふれば苦し。

                    ☆       ☆

 「マーロン・ブランド氏、一日に死去」と同氏の弁護士、二日に発表。一九二四年四月、米ネブラスカ州生まれ。享年八十歳。アカデミー賞主演男優賞二度受賞、ハリウッドを代表する俳優なり。一種独特の風貌、雰囲気持ちて若きより其の演技力の確かさ世人を瞠目させり。ふてぶてしき面構にて観客を睨みつけるが如き視線と台詞回し相俟って、スクリーン上の存在感は他出演者を圧倒せるもの在りたり。

 初めて観しブランド出演映画は「波止場」。チンピラ沖仲仕テリーが殴られ半死半生、必死で立ち上がりぼこぼこに歪みし顔で歩み行く場面忘れ得ず。其の後観し作品列挙せば、「蛇皮の服を着た男」(バルが妙に哀れに思へたを覚へおる)、「欲望という名の電車」「戦艦バウンティ」「ミズーリー・ブレイク」(リー・クレイトンなるガンマン役、登場するや否や画面に異様なる雰囲気漂ひ来るを感じたり)、「ゴッド・ファーザー」(ドン・コルレオーネの存在感、圧倒的なり)、「地獄の黙示録」(カーツの狂気を表現出来るはブランド唯一人)ぐらひ。出演作品幾本在るやは知らねど、余り観おらぬは確かにて良きファン熱烈なるファンとは言ひ難しも、我の好きな役者にてありき。

 彼の出演作にて観るまいと決めおるが「ラストタンゴ・イン・パリ」なり。性描写過激とて、イタリアにては公開四日にして上映禁止、其の後各国にても上映禁止の曰く付き作品。当時、思ふたは「ブランドが何故、『暗殺の森』のベルナルド・ベルトルッチ監督が何故に」であり、二人のイメージ壊したふは無しと観なんだが……。其の後、ブランドの「ミズーリ……」「ゴッド……」「地獄の……」を観、ベルトルッチの「ラスト・エンペラー」をば観て、やはり「ラスト……」観ずに置くが正解と納得せし故、未だ観ず。観ずして判断すな、とブランド氏怒りおるやも知れぬが、我は我、許したまへ。合掌。

                    ☆       ☆

 一日朝刊に「青いバラ」の写真掲載されり。色合い淡く完全なる「青」とは言へぬが「青いバラ」であるは確か。不可能の代名詞と言われおる「青いバラ」咲かせしはサントリー。青い色素を持たぬバラに青い色素を作るパンジーの遺伝子を組み込みて成功せりと言ふ。不可能を可能ならしめしサントリー関係者の方々には敬意を表す。さて、此れもバイオ技術の勝利と喜ぶべきだらふが、夢が無ひと感じるは我のみか。何百年かからふとも交配繰り返し続けて生み出しくれるが良きに、遺伝子に迄踏み込みて咲かせし「青バラ」にては些か味気無き思ひす。バイオ技術など眼中に無く、唯一向交配に明け暮れる日々を過ごし来た数多の愛好家達、此の知らせ如何に聞くや。

                    ☆       ☆

 曽我さん一家の再会場所、インドネシアに決定す。一日午後、ジャカルタ市内で開かれし日朝外相会談にて確認せりと報じらる。曽我さん次女ブリンダさんの誕生日二十三日迄の再会を求めし川口外相に対し、北朝鮮・白南淳外相は、曽我さんの夫ジェンキンス氏がインドネシアでの再会を了承せしとして公式同意を表明。再会時期につきては「早ければ早いほど良ひ」と語りしと。時期は今月中旬頃と日時確定しおらず、再会場所につきてもジャカルタ、ジャワ島、バリ島等候補に挙がりおるも未定。なれど、一家四人の一年九か月ぶりの再会に見通しつきしは喜ばしき限りなり。

 其れにしても五月二十二日の小泉首相再訪朝時の「第三国にての再会」案浮上より今回の決着に至る迄の時間、長過ぎやせぬか。インドネシア・ハッサン外相が「受け入れる用意あり」と表明せしが六月二日、其れより一か月要したは長過ぎやふ。新聞に「北朝鮮当局は当初から、インドネシアでの再会に前向きだったが、ジェンキンス氏が、中国以外の国での再会に不安を訴え、調整が難航したとされる」と有りしが、疑わし。一筋縄では御せぬ対北朝鮮外交交渉なれば底に何を隠しおるか。

 新聞には斯ふも有りたり。「一日に行われた日朝外相会談で、北朝鮮が、拉致被害者の曽我さん一家の再会と、安否不明者の再調査について前向きな姿勢を示したのは、・・・再開の方向に向かっている日朝国交正常化交渉を有利に進めたいとの思惑があるとみられる。……拉致問題を巧妙に利用して、日朝交渉で主導権を握っていこうとする北朝鮮の狙いがうかがえる」と。なれば、小泉首相始め政府与党が是非にと希望せる参院選投票日前再会を演出、首相に恩売りて交渉主導権握らんとするやも。十一日前の再会、可能性在りか。

                    ☆       ☆

 暫定政府に引き渡されしサダム・フセイン元大統領の特別法廷が一日、バグダッド・米軍基地内にて開かれ、判事に対し「私はサダム・フセイン。イラク大統領」「全て茶番劇だ。本当の犯罪者はブッシュだ」と述べしと。所詮は引かれ者の小唄、独裁者の末路無惨なるを知るべし。此れ迄に死し傷付きし幾多の民、今尚混乱の巷に生きる幾多の民思へば、茶番などと言ふておられまいに。

                    ☆       ☆

 つくづく現行年金制度の好い加減さと不公平さを思ふ。都道府県議員及び市区町村議員対象の「地方議会年金」受給者議員が衆参両院に現在四十七人おり、十年以上在職為して引退せば更に「国会議員年金」も支給され、然も国民年金や厚生年金とも重複受給可能。我らに然様な資格は無ひ。地方議会年金は在職十二年以上、国会議員年金は在職十年以上で受給資格。我らは保険料払い込み最低二十五年間、其れ以下にては受給資格無し。支給額はと見れば地方十二年で年百万前後、国会十年で年最低四百十二万円。比してサラリーマン四十年間在職の試算値、妻の基礎年金を含め年二百八十万円也。

 会社勤め→地方議会議員→国会議員の経歴にてあれば、「厚生年金或いは国民年金」+「地方議会年金」+「国会議員年金」の三つの年金を受給し、尚現役国会議員であれば議員歳費も頂戴できると聞きて呆れぬ者はいまひ。此の御時世、議員特権では済まされぬ厚遇ぶり。杜撰疎漏多き年金改革法の前に、己らの議員年金見直しが先決。退職金無しのリストラ日常茶飯、退職金代わりの支給なれば等と言ふでない。退職金欲しくば議員にならぬがよかろふ。

 国会議員年金国庫負担率72%、地方議会年金も財源の44%を全国自治体負担とありて何をか言わんや。国の年金では足りぬ故、保険会社の年金保険に加入せねばとて節約に節約重ねなけ無しの金掛け金とせる我ら一般国民の現実を如何に見おるかや。先ず以て己らの甘へを正すべし。現状見直す動きなくば年金保険料払わぬ者続出、制度の崩壊免れぬを知るべし。

                    ☆       ☆

 道警旭川中央及び弟子屈両署裏金問題につき道監査委員は三十日、高橋知事に対し特別監査報告書を提出せり。捜査協力者への聴取拒否や書類の大量紛失等ありて「道警の非協力的姿勢が監査の実効性を低くした」る為明々白々とはいかなんだが、灰色ながら一九九八年−二〇〇〇年度捜査用報償費・旅費計約七百十九万円を不正支出と認定、「組織的な不正行為であり、誠に遺憾」と語気強め、「両署幹部並びに捜査員に対する事情聴取に拠り、両署以外の警察署にても長年の慣行とて組織的に為されおりし可能性大」とせり。

 対して中塚道警総務部長曰く、「大変厳しい指摘と認識しておる」「現段階では組織的との認識は無ひ。内部調査の最終結果を踏まへて判断したし」と。監査結果報告の度に聞く決まり文句、我らは最早内部調査等に期待しおらぬに、何処迄白切り隠し通す積もりか。懲りない面々の鉄面皮にはほとほと恐れ入る。刑事が被疑者に対し「本当の事話して、早く楽になれ。な……」と語り掛ける、テレビドラマにてよく聞く台詞。我が面々に言ふてやりたし。

                    ☆       ☆

 二十九日。夕刊開き見れば「通報急増 児童虐待対応12%増」とありたり。厚生労働省の纏めに拠るに全国百八十二か所の児童相談所への児童虐待通報急増、二〇〇三年度処理件数は二万六千五百七十三件(前年度比12%増)に上り、統計開始一九九〇年度の約二十四倍なりしと。道内九児童相談所が処理せし件数は六百七十一件。虐待事件報道多くなりて、周囲が「怪し」と即通報せる為に急増せしか。此の数、由々しき問題にて看過し難し。

 我にせば「愛し我が子、何訳在りて虐待なんぞを……」と思はれ、唯々腹立たしく怒り収まらず。斯様な所業為せし者を親と呼ばせず、親と認めぬ法無きや。子らは皆、濁世穢土に生きる我らが希望の灯火なるに、其を汚し消さんとせる如きは断じて許されぬ行為。拘束厳罰を以て対するの他無し。

 十年超にて二十四倍。人心の荒廃此処に極まれりの感か。九〇年と言へば、さくらももこ原作テレビアニメ「ちびまる子ちゃん」大ヒットを思ひ出す。昭和四十年代後半、静岡県清水市を舞台に小学三年まる子ちゃん一家の日々を描ひて、心温まるもの在りし。当時既に核家族化進み爺婆同居の家庭少なく、まる子ちゃん一家に幾らかの郷愁と羨望感じつつ、田舎に残しきた己の両親に対する申し訳無さの中で慚愧に身悶へつ観し者幾人も在りたる故のヒットやも知れぬ。其れにても未だ観る者に家庭の在り様を思ひ描く余裕と力残りおりしに、今はもふ其れさへも無きか。爺婆と共に住まいおれば我が子虐待などと言ふ悍ましき言葉も聞かぬで済みしものを、爺婆粗末に扱ひ来る報いならん。

                    ★       ★

 四日、函館千代田台公園競技場。コンサドーレ対京都パープルサンガ戦は、0−2でコンサ3引き分け挟み十四連敗。通算成績1勝14敗6分け、勝ち点9。順位最下位変わらず。
 次節十日、対アビスパ福岡戦(福岡・博多の森球技場)。

 つまらぬパスミス、コントロールミス多くして自ら好機を潰しおる。毎日練習しおりて此の程度なれば皆々プロ諦めるがよし。



              
                  
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