北極亭日乗 |
平成十六年三月 |
平成十六年三月三十一日(水曜)曇時々雪 春眠には未だしの時節なるに近頃寝起き悪しく、なかなかに床抜け出せぬ毎朝なり。年寄れば眠り浅く夜半に目覚めて由無き事ども思ひ居る故の寝不足か、とも思ふ。昨春には経験せなんだ状態にて、此れも老いの進み来たりし証にやあらん。我が身の衰へ嘆くに非ず。現況を記すのみ。 所用有りて街へ出掛く。良き天気なれば軽装にて出掛けむと家出でれば、半時経ずしての曇り空。風冷たく雪もぱらりと舞ひ始めたに因り、用事足すもそこそこに戻りぬ。淡雪なれば地上に舞ひ降りて跡形も無く消え行くも、眺めおれば矢張り寒々し。夕には雪の気配無かりしに、先刻外を見やれば隣家の屋根白く成りおりたれば、暮れて後一頻り降りたるらし。 明日より新年度。変わるはお上の決めし事ばかり。我変わりよう無し。 ☆ ☆ 三十日、筋弛緩剤事件判決公判ありて、仙台地裁畑中英明裁判長は守大助被告に無期懲役を言い渡せり。争点となりし事件性、犯人性、鑑定の信用性等につき、判決は弁護側主張を悉く退ける内容にて、状況証拠のみにても事実認定は可能であるを示しおるものなり。判決要旨読みて、「斯くあれば被告の犯人なるは疑い得ず」と考へたは我のみか。自白後一転、何故か黙秘、否認せる被告増へおる中、当判決は裁判官の在り方を示唆して貴重なり。 弁護側、「不当判決」として即日控訴せり。むべなるかな。以下に判決骨子と判決要旨を記し置く。 ◇…筋弛緩事件判決要旨…◇ ★ ★ ◆31日=ドビルパン氏、内相に。地方選与党大敗、仏内閣大幅に改造。 ◆30日=ウズベキスタン。連日の爆弾テロ、20人死亡。 ⇒イラク週刊紙を閉鎖、「反米」理由に暫定当局措置。 ⇒台湾総統選。再集計、週内に開始。野党側、「当選無効」提訴。/「銃撃」米専門家が調査。 ⇒NATO、26か国体制スタート。旧ソ連などの7か国加盟完了。 ⇒「同性婚禁止」州憲法改正案可決。米・マサチューセッツ、議事堂周辺に数千人。 ⇒裁判員法案の守秘義務違反罰則。懲役削除、民主が要求へ。 ⇒陸自に「特殊作戦群」新設、テロ対策300人規模。 ⇒不法滞在に摘発部隊。来月、東京入管に警備官200人。 ⇒銀行窓口での保険販売、2007年4月全面解禁。金融庁方針。 ⇒大卒技術系初任給、女性上位。(厚生労働省) ⇒野村系投資会社、高齢者介護施設の投資ファンド設立。 ⇒円、一時105円27銭。東京、3年半ぶり高値。 ⇒京大チーム、ヒトES細胞で完全な毛細血管つくる。 ⇒秘書給与詐取、佐藤前議員を起訴。妻ら2人、起訴猶予。 ⇒米の遺伝子試料持ち出し。岡本被告の引き渡し認めず、経済スパイを否定。東京高裁決定、高検が釈放。 ⇒京都府警、捜査情報ネット流出。 ⇒回転ドア負傷事故。横浜ランドマークでも9件、8件は子供。 ⇒イラク派遣差し止め訴訟、札幌地裁で初弁論。国側、請求棄却求める。 ⇒鵡川、ベスト8逃す。延長14回力尽く、社(兵庫)に1−2。 ⇒新函館市、誕生決まる。合併協議終了、12月に4町村(恵山、戸井、南茅部、椴法華)を編入。 ⇒恵山の風力発電3セク破産、負債総額は4億8500万。 ⇒道警裏金、衆院内閣委が聴取。札幌で芦刈本部長ら3人から。 ⇒芦刈本部長、弟子屈署の報償費不適切執行認める。 ⇒南茅部の焼失漆製品、漆成分の残存確認。奈良文化財研が分析、ルーツ解明に期待。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年三月二十八日(日曜)晴 ご近所の方々皆、日々に雪崩し氷割りなど為すを見れば我も為さずばならじと二十四日、玄関前の氷割りを始めてより五日目の今日昼前、我が家前面の雪氷悉く割り崩し砕き終へり。気温4度前後なれど日中晴れた故か、夕刻見やれば大方解けて残るは若干の氷塊のみ。明日午前中には其も解けるは間違い無し。 本日を以って雪との我が闘い終結せり。思へば長き月日、苦闘に次ぐ苦闘の連続。我が老骨よく耐えたり。よって銭湯にて老骨の労をねぎらひ、戦勝を祝して温め酒を供す。雪掻き、雪捨ての苦労など女房と話しおれば盃重ぬること幾度か、日乗記しおる今現在も酔ひおりて眠たし。……考へ纏まらず支離滅裂、何を書かんとしおるか……本日此れにて終了。 ☆ ☆ 金、金、金と何処を向きても金の亡者ばかり故、算術医が居っても驚く事も無かろふが、医師の名義貸し、病院の名義借りの実態には我も呆れて開いた口が塞がらなんだ。懲りぬ面々隠れ居るか、未だに以って「必要悪」の声聞こへ来るも嘆かわし。二十六日、札幌地裁岩見沢支部にて医師名義借りに依る介護給付費不正受給の判決公判ありて、緑仁会病院元院長と同元事務長有罪と成れり。 弁護側の「介護サービスは提供した。詐取は名義借りの医師分だけ」の主張認めず、判決は「医師数を水増しして申告しなければ指定介護療養型医療施設の指定を受けることができず、指定を受けられなければ一円たりとも介護給付費を受領できなかった。このため被告人らの欺もう行為は、振り込まれた介護給付費全額との間で因果関係があり、取得した金額の全額について詐欺罪が成立する」として十三億円全額の詐取を認定せり。 妥当なり。判決で「北海道をはじめとする医療現場で名義貸しが横行しており、本件は氷山の一角」と謂ふ通り、介護保険法施行時に名義を借りて指定を受けし病院は、道の調べで六十八にも上るらし。今回判決は此れ等病院にも当然適用されるべきにて、検察は名義借り施設全てを詐欺罪で立件せよ。さもなくば緑仁会病院を見せしめに、名義貸し・借りの幕引き為して残る六十七病院の不正を許す事に成ろふから、断固立件すべし。 ☆ ☆ 一九九二年六月に最初の事故が起きてより十二年、三菱逃れようも無くなりて「欠陥ハブ」認めたるの体。二十四日、十一万二千台のリコール届け出り。無責任、御粗末と云ふの他無し。一昨年一月横浜市の死亡事故を思へば、脱輪事故の度に「整備不良」とて何らの事故対策も講じなんだ責任重し。 九二年の事故当時より既に欠陥を知りつつ当局へ虚偽報告為し、隠蔽謀り来った三菱組織の罪軽からず看過できぬ事なれば、徹底捜査にて責任の所在明確にするが必要。欠陥隠しに関与したる者は全て此れを洗い出し、指示出せし幹部につきては相当の刑事罰を科するべし。トップは己の経営能力の未熟を恥じて即刻退陣するがよし。斯くせねば死したる主婦が浮かばれぬ。 ☆ ☆ 道議会自民党・道民会議は二十三日の議員総会にて、「現時点では百条委設置せず」の方針を決定。此れにより定例道議会最終日の二十四日、民主党・道民連合、共産の野党二会派提案の百条委設置決議案は否決の見通しとなれり。 設置せぬ理由として自民党・道民会議は、@知事要求の特別監査が実施されるA道警も全道調査を実施するB予算特別委員会が「実態の徹底解明を求める」付帯意見を決議している――と説明しおるも、我納得し難し。何処かが調べる故、道議会が改めて調べる必要も無かろうでは理由にならぬ。徹底せる疑惑解明を求める道民とせば到底納得し得ぬ説明なり。何処が調査を始めようが、道議会は独自に徹底して真相解明・疑惑解明に当たらねばならぬ。解明の切り札・百条委設置を拒否する自民党・道民会議は、道民の総意を無視して何を目論むや。 ☆ ☆ ハルウララ人気、日本人の精神風土を映し出し興味深き現象なり。二十二日、中央競馬の名手武豊騎手の騎乗にて出走するも十一頭中十着に終わりて、連敗記録を百六とせり。 武騎手曰く「全く走らないわけじゃない。ちょっと脚が遅いだけ」「競馬を知らない人も引き寄せた。ある意味で名馬と言えますね」。ハルウララ、心地良き響きなり。走って負けて、其れで皆が幸せなれば口出し無用。ウララの無病息災祈るのみ。 ☆ ☆ 恵庭OL殺人事件控訴審初公判が二十二日、札幌高裁でありたり。弁護側控訴趣意書は「原判決は証拠に基づかぬ認定で有罪としており不当」と無罪を主張、検察側答弁書は「弁護人の主張は理由の無い推論に過ぎず、被告人が犯人であることは認定できる」と控訴棄却を求めり。弁護側提出の新証拠は検察側不同意により留保されたる由報じらる。 直接証拠が無い此の事件も亦、如何様にも解釈可能にて、真相は犯人以外語り得ず。当事件の犯人が被告人か、でないかを知るはあの世の被害者と被告本人、他にいると仮定して真犯人の三人。そして今語り得るは犯人と目され裁かれおる被告人唯一人。弁護人は被告が真実を述べおる事を立証し、検察は被告が虚偽を述べおる事を立証せねばならぬ。此の事件が第二の城丸君事件にならぬことを願いつつ注視、追跡せねばと思ふ。 ☆ ☆ 二十七日、札幌ドーム。コンサドーレ対ベガルタ仙台戦は、1−0でコンサ今季初勝利。通算成績1勝0敗2分け。勝ち点5、順位四位。 内容がどうあれ先ずは初勝利を祝ふも、J1降格・J2開幕二連敗で元気の無い仙台相手の戦いが此の程度なれば、些か先が心配なり。パスミス連発では攻撃できぬ。シュート数は12と多いが全て無駄蹴り。得点がPKによる1点のみでは如何とも。各自、己のポジショニングを迅速的確に掴み動かねば勝利に繋がらぬを知るべし。次節、すっきり納得の勝利を望みたし。 ★ ★ ◆28日=イラク保健相に行政権、暫定当局「段階的移譲」へ転換。 ◆27日=ハマス。ランティシ氏軸に新体制、穏健派も協力姿勢。 ◆26日=尖閣上陸、中国に強制送還。送検一転見送り、政府が外交配慮。/日の丸焼き捨てに抗議、川口外相が中国側に。 ◆25日=聖火は太陽の恵み、アテネ五輪採火式。 ◆24日=尖閣諸島。上陸の中国人逮捕、初の強制措置。7人退去処分へ。 ◆23日=イスラエル、ハマス暗殺作戦続行。国防相ら名言、全土に治安要員。/ガザで銃撃戦。/レバノン南部の過激派拠点空爆。/「イスラエルに自衛権ある」、ヤシン師殺害で米大統領。 ⇒イラク。「基本法」不支持を要求。シスタニ師、国連に書簡。 ⇒無効の訴え早期結論、台湾総統選で高等法印院。 ⇒マイクロソフトに50億円制裁金、EU。 ⇒マレーシア与党圧勝。穏健派首相、下院選で信任。対米関係改善の機運。 ⇒9月に米、日本海にイージス艦。ミサイル防衛網実戦配備第1弾。 ⇒郵貯・簡保。民営化後、政府保証なし。諮問会議方針、移行前の分は保護。 ⇒NY株、一時150ドル近い下げ。年初来安値、中東緊迫化を懸念。 ⇒公示地価、13年連続下落。東京都心部、下げ止まり傾向。/道内地価13年連続下落。札幌、住宅地6.3%商業地5.7%下落。 ⇒ソニー、今年度退職5000人に。リストラ費用250億円増。 ⇒武豊騎手でも…106連敗、ハルウララ10着。 ⇒カルテ改ざん医師有罪、東京女子医大病院手術ミス。 ⇒ズサン郵便局4都県7局、詐欺多発。倒産会社の小切手“素通り”、収入印紙1800万円分。 ⇒米投資組織は「税逃れ」、会社社長追徴。名古屋国税局、2億申告漏れ指摘。 ⇒恵庭OL殺人事件。弁護側、新証拠を提出。控訴審初公判、改めて無罪主張。 ⇒登別ミイラ殺人札幌高裁判決。一審支持、主犯無期。共犯2人に懲役25年。 ⇒北大助教授停職6か月、女子学生にセクハラ行為。 ⇒旭医大、教授14人医師64人処分。名義貸し、学長ら給与10%返納。 ⇒道警「裏金」。百条委設置を、弁護士64人が道議会に要望書。 ⇒就学時健診、109市町村で検査怠る。道教委調査、48自治体が医師確保せず。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年三月二十一日(日曜)曇一時雪 昨夜、女房の所望ありて居酒屋にて食事せしが、燗酒二合の後呑みし濁り酒二合事の外効きて、銭湯へ行きて汗流す迄不調の一日なりき。起床してより、のらりくらりごろりごろりの体たらくにて、だらし無きこと甚だし。女房我が傍に来る度、「呑み過ぎ。呑み過ぎです」ばかり。自戒反省する事頻り。 ☆ ☆ 田中元外相長女のプライバシーに関する週刊文春記事で発売前日の十六日、長女が発行元・文芸春秋に出版禁止を求めし仮処分申し立てにつき東京地裁は出版禁止を決定。文春側は十七日に異議を申し立て、地裁再審尋の結果十九日、文春側の異議を退け「出版禁止は妥当」の決定を下せり。文春側、東京高裁に抗告。 週刊誌への出版禁止命令は異例。プライバシー暴露が売り物の週刊誌なれば存亡の危機か。確かに週刊誌の記事内容には目に余るもの在るも、今回記事が出版禁止にせねばならぬ程のものかどうか。発売日に近くのコンビニへ駆け付けるも入手できなんで読みおらぬが、元外相長女のプライバシーが出版禁止の強権行使に繋がり得る程重きものとも思はれず。プライバシー侵害は認めても出版禁止は如何なものか。高裁決定に注目したし。 ☆ ☆ ジーコ監督の怒り、苦渋を如実に示すメンバー入れ替へと成れり。十九日発表されたる二〇〇六年W杯アジア一次予選対シンガポール戦(三十一日)の日本代表候補選手二十三人の顔ぶれに、二月鹿嶋市での合宿中無断外出して飲酒せる八人誰も入り居らず。ジーコ監督語りき。「社会的責任を持った人間として、襟を正してほしいということで判断した。国を代表する選手には、ピッチ外でもどれだけの責任があるのかを、もう一度感じてほしい」 「100%信頼していた選手が最低限のルールを破った。信頼への裏切りだ」と謂ふジーコ監督とせば当然の制裁措置、自制心の無い餓鬼選手を抱へ気の毒と同情はしても監督を批判する者は誰も居るまい。日本代表選手の自覚を持って厳しく身を処せなんだ八人が幼稚過ぎたと謂ふ事。八人は国内組故、今後は各自の所属チーム内に於いて代表選手の何たるかを考へ行動せねばならぬ。今一度ジーコ監督の言葉を噛み締めよ。 ☆ ☆ 十六日、上告審判決で最高裁第三小法廷は「生活保護法の趣旨にかなった貯蓄であれば、生活保護費は減額されない」との初判断を示せり。至極当然の事が最高裁で争われおる。国の杓子定規な法令解釈と運用が馬鹿げた裁判沙汰を惹起したとしか思はれず。どだい貯蓄できる程保護費は支給されておるまいし、厳格なる資格審査にて受給資格有りとして支給したらば、其の使途に口出しは無用だらふ。三度の食事を一度に減じて貯蓄しようが、月賦で車を買おうが本来自由であって然るべきものなり。 当裁判事例は、親が子の高校進学を目的に保護費の一部を学資保険として積み立てると謂ふ殊勝なる行為にて、誰が咎め立てできよふか。況して貯蓄を理由に保護費減額など思ひもよらぬ。大岡越前なれば「天晴れ奇特なる者」とて褒美を賜ふだらふに、今時の役人は石頭ばかり揃い居るかや。行政に情味無く、温もり思ひやり無くば政とは申し候らはず。 ☆ ☆ 女子マラソン五輪代表決定。注目の高橋尚子は落選せり。十五日開催の日本陸連理事会・評議員会が選びしは、野口みずき(グローバリー)、土佐礼子(三井住友海上)、坂本直子(天満屋)の三選手。同日の選考委員会当初原案にては高橋含まれおりしも、理事会への最終案決定過程にては「国民に納得してもらえる分かりやすい選考」の意向強く、結局選考レース・東京国際で成績不振の高橋が代表枠より外されしと謂ふ。 記者会見に臨みし高橋、「走ることは出来ないんだなという残念な気持ちはあります。後は、決まった人達に頑張ってほしいなと思います」と笑顔で語りしも、落胆隠し得ず。我らにせば高橋走れぬは残念なれど、選考レースの成績順に決めしは明快にして納得。 小出監督「選考レースを重視すると言われていれば出していた」と選考基準の曖昧さを口にす。が、曖昧さ在るを知りおらば尚更「名古屋」出場は避けられなんだ筈。高橋は「(名古屋に)出ないと最終的に決めたのは私ですから」と小出監督を庇ふておったれども、胸中や如何に。高橋は最終選考レース・名古屋国際を走るべきであったに、忌避せしが致命傷。実績は過去のものなれば、其れに頼りて事成るを待ち居るは万一の僥倖を頼むに似たり。待ちの姿勢は既にして自ら勝利を捨てる事なり。 ☆ ☆ やはり列車同時爆破テロが響きしか。十四日投票のスペイン総選挙にて野党・社会労働党が与党・国民党を破り、左派連立政権成立の見通しなり。報道によるに、「バスク独立派の犯行」を強調せる政府・与党に対し、イスラム過激派関与の証拠・情報出始めて「情報隠し」との政府批判俄かに高まり、投票に影響せりと。さて、野党勝利で、公約の「イラク派遣部隊引き揚げ」如何な展開となり行くものか。対米政策含め興味深し。 スペイン警察当局、列車爆破テロ関与の疑ひにてモロッコ人三人とインド人二人逮捕せり。モロッコ人一人はイスラム過激派との密接な関係指摘されおる由。更に真偽定かならねど、アル・カーイダを名乗る男の犯行認めしビデオテープも発見されしとかや。 ☆ ☆ 二十日、埼玉スタジアム。コンサドーレ対大宮アルディージャ戦は、0−0でコンサ二試合連続の引き分け。通算成績0勝0敗2分け、勝ち点2。 開幕戦J1降格の京都を破り勢いに乗る大宮を相手に引き分けたはまずまずか。DF陣の守り堅固、出場停止の藤ヶ谷に代わり先発出場のGK阿部もよく守りたり。得点にはならなんだも終盤4発のシュート放ちて勝利への執念見せしもなかなかなり。次節対戦はJ1降格二試合勝ち星無き仙台なれば、初勝利見込めるも油断は禁物、イレブン一丸と成りての猛攻を期待す。 ★ ★ ◆21日=台湾総統選。連氏、無効求め提訴。裁判所、投票用紙を差し押さえ。 ◆20日=台湾総統に陳氏再選、連氏に3万票差。連氏、無効を主張。対中防衛強化問う住民投票は不成立。/台湾、自立路線を加速。中国、戦略練り直しも。 ◆19日=台湾総統撃たれ負傷、投票前日の台南市で。総統選の遊説中、副総統もけが。/中国に衝撃と戸惑い。 ◆18日=イラク暫定政府、国連が支援受諾。暫定当局と統治評が要請、要員を再派遣へ。 ◆17日=ホテルで爆弾テロ。バグダッド中心部、29人死亡。 ⇒イラク。米欧の民間人6人、銃撃受け死亡。 ⇒イラク復興へ結束を。スペイン総選挙受け、米大統領呼びかけ。 ⇒仏首相へテロ予告脅迫状、主要紙2紙に。イスラム過激派? 公立学校スカーフ禁止に反発。 ⇒米政策金利据え置き。FRB、雇用情勢に厳しい見方。 ⇒米最大労組、通商法301条で中国を提訴。 ⇒鳥インフルエンザ。早期発見へ罰則強化、政府総合対策決定。 ⇒生活保護の貯蓄を容認、最高裁初判断。進学目的の学資保険、法趣旨に反せず。 ⇒圏央道の代執行停止、最高裁も認めず。 ⇒円急騰、米欧で一時108円台。 ⇒東証トップ人事。鶴島琢夫社長、正式決定。会長人事は先送り。 ⇒敦賀でもプルサーマル、2008年度から。日本原電、方針固める。 ⇒UFJ、東京三菱銀が来春の新卒採用大幅増。景気回復傾向で強気に。 ⇒サッカー五輪予選、日本3勝目で首位守る。レバノンに2−1。 ⇒週刊文春に出版禁止命令。東京地裁、田中元外相長女の記事で。 ⇒新井前議員公選法違反。元私設秘書に有罪、さいたま地裁判決。高検、連座制適用へ。 ⇒元警視庁警部に実刑、東京地裁判決。犯歴漏洩収賄事件「規範意識、倫理観が欠如」。 ⇒中国人不法入国事件。日本語学校入校予定者150人全員を入国不許可、東京入管「就労が目的」。 ⇒東大助教授を懲戒免。研究室の暴力、別の院生1人にも。 ⇒兵庫の県立高、教諭を施錠部屋に隔離。生徒の暴行で休職、復帰後に半月以上「混乱避けるため」。 ⇒虐待、1歳児死亡。障害容疑で母ら逮捕。 ⇒原田氏、道警裏金証言裏付けの日記提出拒む。「プライバシ侵害の可能性」、道議会側も要請断念。 ⇒破綻共同信組訴訟。元理事長に6億賠償命令、札幌地裁判決。被告に注意義務違反。 (以上、読売新聞から) |
平成十六年三月十五日(月曜)曇 昨日、友人ら十数人集いて定山渓温泉一泊旅行敢行せり。往路、一時激しく雪降りて渋滞心配するも杞憂。雪やがて収まりて予定せし時刻に到着せり。日曜日なりしにロビー込み合い客多く、中々の繁盛ぶり。阿寒湖温泉街は閑古鳥が鳴きおると先日新聞で読みしが、客の半分回しやりたきくらいの入りなり。既に三人到着済みにて後続を待ちおりたり。残りの者も直到着予定なればと、部屋割り為して入室す。 露天風呂に浸かり手足を伸ばせば極楽極楽、謂ふ事無し。サウナに一時間、汗搾り出し部屋に戻れば面々揃ひて既に小宴会の体。我も早速に缶麦酒流し込む。旨し。真に旨し。暫し歓談、其のまま宴会場へ雪崩れ込み呑むこと一時間余、幹事の号令一下二次会場へ移動、呑み続く。我酩酊し来れば零時過ぎ部屋に戻りて床に就く。 翌朝六時過ぎ起床。酒抜け切らず、冷蔵庫の冷水二杯一気に飲み干せり。同室の二人未だ高鼾にて眠りおるを置いて朝風呂に浸かれば、ようよう酔いの醒めゆく思ひ。七時、部屋に戻り見れば二人尚目覚める気配無し。なればと一人にて朝食会場へ赴けば別部屋の二人既に食事中にて合流、聞けば二人は我寝し後直に寝たる由。他の面々三時頃迄呑みおりしと聞きて、今尚元気なるを羨めり。比して我、寝しなに服用の胃腸薬さして効きおらず胃袋不調にて食欲無く、味噌汁梅干しにて飯一膳食したるのみ。 解散も亦、集合同様各自自由なれば部屋に二人残し、八時過ぎ我出立せり。毎回、気が置けぬ仲間集いて唯呑むだけの一泊旅行なれど、其処が良し。面倒な、重苦しき、気重き話一切無く、馬鹿話肴に唯酔い痴れるのみ。眠たきは眠り、呑みたきは呑む。無理強い強制・強要無く全て各人の自由。年寄りには些か疲れる一泊なれど倍する楽しさ在りて、中々に止められそうも無し。 夕刻、旅の疲れ癒やさんと銭湯へ出掛けたり。銭湯の湯船も亦良し。浸かりおれば極楽極楽、なまんだぶなまんだぶ。サウナにて一汗かけば残留せる昨夜の酒気も抜け出でて、今宵も麦酒変わらず旨し。 ☆ ☆ 昨年十一月下旬の旭川中央署会計文書コピー流出に端を発せる捜査用報償費不正支出疑惑浮上以来、再三再四「不正経理無し」と否定し続け来たれども、事此処に至りては最早身動きならずか。十二日の道議会総務委員会にて芦刈勝治・道警本部長が旭川中央署裏金問題の内部調査中間報告を公表、「不適正な予算執行が認められた」として陳謝せり。其の後の記者会見にては、捜査用報償費不正経理には署長、副署長の関与事実ありて「組織的な問題」と明言、組織的裏金作りを認めたる由。 なれど中間報告要旨読みたる限りにては組織的裏金作りの実態に言及無く、署長交際費への流用等、元釧路方面本部長・原田宏二氏証言せし事ども何ら解明されおらず、末端現場・捜査員個人の問題なるやに掏り替はりおるは如何な事か。原田氏の勇気ある告発証言に驚き慌て、続く元弟子屈署次長・斎藤氏の証言に追い討ち掛けられ、「此れ以上持ち堪えられぬ。早いとこ陳謝して幕引きせねば」が本音か。此の期に及びて尚組織防衛優先、蜥蜴の尻尾切りで逃れる算段しおるとせば言語道断、断じて許されず。 今後、過去五年分の報償費等につき全道六十八署を含め道警全体の予算執行状況を調査するらしも、果たして自浄効果を齎す調査と成り得るか。我ら道民を納得せしめ、道警不信払拭を可能ならしめる結果を引き出し得るかどうか。当の道警幹部が「道警再生の可否を決する重要なる調査」と認識しおるかどうか甚だ心許無きも、注目せん。今回内部調査結果につき原田氏曰く、「組織防衛優先の旧態依然とした報告だ。現場の責任と言わんばかりの内容で、警察官はますます肩身の狭い思いをし、やる気をなくす。道民はは道警が真実を語ったと受け取るだろうか。道民が真実と受け止めない限り、信頼の回復はない」(2004.3.13 毎日)。 高橋知事、週明けにも監査委員に対し九八年度より〇三年度迄の報償費、旅費、食糧費、交際費につき道警全署を対象に特別監査を要求の予定なれば、此の監査結果と併せ不正経理の全体像明々白々に為るを期待したし。旭川中央署不正経理疑惑に関する住民訴訟第一回口頭弁論が五月七日、名前無断使用損害賠償請求の第二回口頭弁論は五月二十七日、共に展開を注視せねばならぬ。 ◇……………◇ ◇……………◇ 「道警不正経理」調査委中間報告骨子 ☆ ☆ 狭い地球の処々方々で繰り返されおる民族、地域紛争を眺め見よ。暴力・テロを以ってして何を為し得たか。分離独立を目指すと謂ふて、殺戮と破壊の上に建国など出来よう筈も無し。此の単純な道理が何故判らぬか不思議でならぬ。スペイン・マドリードで十一日朝(日本時間同日午後)起きし列車爆破テロ、バスク過激派組織「バスク祖国と自由」(ETA)の犯行と目されるも、国際テロ組織「アル・カーイダ」関与の疑いもある旨報じらる。 スペイン国内にてはETA犯行説大勢を占め、対決政策為し来たった政府も同様。一方、「同時多発、無差別大量殺傷」の手口及び「アスナール政権がイラク戦争で米国に協力した故の報復」とせる犯行声明等よりアル・カーイダ関連組織の仕業と見る説も有力と謂ふ。他にETA、アル・カーイダ共犯説、ETAがアル・カーイダの犯行に見せ掛けしものとの説も飛び出しおる。 十四日に総選挙を控へ、与野党の思惑交錯せるにより夫々に犯人在りて特定中々に難し。ETA犯人なれば対国内テロ強硬策の与党有利なれど、国際テロ組織関与せるとなれば如何。イラク戦争にては一貫してブッシュ米大統領支持の政府・与党に対し、米国支持反対の野党・社会労働党公約は「国連主導にならぬ限り派遣部隊を引き揚げる」。もし国民がバスク過激派組織のテロよりアル・カーイダ関連組織の「米協力への報復」を恐れるとせば、選挙結果思はぬ方向へ転がり行くやにも思へてならず。 六十万のバスク人の内、幾人がETAを支持しおるものか。「国などいらぬ。バスクの文化を守り伝えるが大事」と謂ふ者は勿論、テロ行為を繰り返すETAは認めまい。「出来得れば分離独立、バスク人の国をつくりたし」と考へる者なれば、穏健地道に国際輿論に訴へ続ける道を選択するだらふ。「是が非でも建国を!」と熱望して止まぬ者とて、全てがETAを支持しテロを肯定しおるとも思はれず。となればETAは最早、一般バスク人より遊離せし存在、集団に見放された逸れ狼の如きか。ETAの諸氏は「暴力・テロを以ってしては何事も成らざるなり」を知るべし。 ☆ ☆ 早七年も……未だ七年しか……。二つの感慨錯綜して、やれやれ難儀な事よと思ふばかりなり。十日の夕刊見なんだら思い出しもせで居たらふに、「酒鬼薔薇」神戸連続児童殺傷事件。一九九七年六月二十八日夜の中学三年男子十四歳逮捕の報より数日の間、胸灼け続きて不快に過ごしおりたる事蘇り来たり、加へて昨年七月の長崎事件十二歳少年逮捕時にも同様不快模様したるを思ひ起こせり。 此の十四歳少年が収容先・関東医療少年院を仮退院せし旨の報道何故に為されしか訝り読めば、其の理由次の如し。遺族側が仮退院情報の通知を強く要求しおりし経緯を考慮、法務省が退院事実を直ぐに遺族へ通知し、加へて事件の重大性に鑑み、報道発表により仮退院を認めし経緯等につき広く国民に説明せんが為、と。弁護士は「そっとして置いてほしい」と謂ふも、発表さるれば何処に隠れ住もうとマスコミは嗅ぎ付けよう。さて其の時、二十一歳青年逃げ出さず、我に課されし試練と敢然挑み行けるや。 被害者・土師淳君の父、同・山下彩花ちゃんの母のコメント読むに、出院情報通知評価しつつも胸中複雑、未だ苦衷癒へざるを察す。関東地方更生保護委員会の判断「再犯の恐れ無し」なれど、遺族にとりては「七年ぐらいで人間は変われるものか」の疑問払拭できず、余りに早き仮退院と思ひおろう。今は二十一歳になりたる加害元少年、実社会の中で悔悟贖罪の日々を如何に生き行くか。押し寄せる苦難に抗して真摯に生きる姿を見せ続ける以外、遺族の疑問を払拭し納得させ得ぬを青年知るや知らずや。 ☆ ☆ 秘書給与詐取疑惑にて辞職せし民主党の佐藤観樹・元自治相(衆院比例東海ブロック)、七日遂に逮捕さる。つい先頃、辻元清美・元衆院議員の有罪が確定したばかりと謂ふに、何とも情け無き限りなり。此の後、同様罪状にて幾人逮捕さるれば事の終息を見るか。政治不信の芽を摘むべき議員自らが、政治不信の種をせっせと蒔きおる此の国は一体全体如何な仕組みで動きおるか……。志ある国会議員存するや。御歴々に「如何な『志』持ちて政治家になりたるや」と問ひたきも、既にして政治家など居らぬか。 此れ迄に「名義借り」に依る秘書給与詐取容疑で逮捕されたる国会議員は中島洋次郎、山本譲司、坂井隆憲、辻元清美の四人にて、内三人は既に有罪判決を受けおるに亦候のさもしき愚行。他人の名を借りちまちまと、犯罪行為と知りいても尚銭が欲しいかや。金が無くては政治はできぬかや。閣僚経験無き先の四人とは異なり、嘗て自治相・国家公安委員長の座に在りし者の所業なれば其の罪幾倍も重きを知るべし。 逮捕前の記者会見にて「政治改革を担当した者として詐取はあってはならない事」と佐藤殿。「あってはならない事」を為せし本人の言が此れ。何を考へ居るやら皆目見当がつかぬ。報道に「逮捕前、民主党幹部に『不覚だった』と漏らした」と有りしが、詐取行為への罪の意識皆無にて唯「発覚せるが不覚、残念至極」と謂ひおる様にしか聞こへぬは我のみか。 二〇〇〇年九月、同僚の山本譲司・元衆院議員が政策秘書給与詐欺容疑にて逮捕されし折、佐藤氏「開いた口がふさがらない事態。襟を正し、辞職を決めたのは当然。党としては、同じ不祥事を起こさない体制作りを急ぐべきだ」と申したとかや。其の御仁が「同じ不祥事」を起こし逮捕されたとありては唯々呆れるばかり。何と申し上げるべきか実に以って言葉に窮す茶番、失態。当選十一回、三十年も国会議員をやりおると斯く成るものか。年経る毎に志薄れ、伴ふて節操失ひて不善を為す政治家ならぬ政治屋ばかり増へ来たっては政治改革など画餅。我らの政治不信益々増幅膨張せるばかりなり。 議会制度協議会が公設秘書制度改革の成案を取り纏め中と聞き及ぶ。親族の採用制限・配偶者の採用禁止、兼職の禁止、寄付の禁止、給与の本人口座への振り込み――以上四点、最低此れだけは織り込まねば改革にはならぬが、与野党共に既得権益にしがみ付く議員連中多く、各党執行部案に異論続出の状態にて方向定め難しと謂ふも亦悲しき限りなり。此れにては改革なぞ覚束無し。「悪事は為すが、改革為さじ」が我が国議員の特質なるかや。 ☆ ☆ 十三日、札幌ドーム。コンサドーレ対ヴァンフォーレ甲府戦は、2−2でコンサ開幕戦勝利飾れず引き分け。通算成績0勝0敗1分け、勝ち点1。 終了間際、ロスタイムでの失点にて勝ち試合を取りこぼすパターン。昨季と変わりおらぬと見えしも然に非ず、平均年齢二十三歳の若きコンサ戦士の奮闘天晴れなり。今季のコンサには勢い在り。若さの故もあろふか、ペース配分に難あるも常時全力プレーに徹したるはよし。がむしゃらに突き進む積極性こそ若き戦士の生きる道。イレブン、此の姿勢貫き通し行かば今季、我らがコンサの活躍大いに楽しみなり。勝ちは逃せしも引き分けての勝ち点1、負けなんだ故、上々のスタートと見やるがサポーターと謂ふもの。「よっしゃ、ようやった」と褒め得る試合なり。行け行け我らがコンサ。ちと痛きはDF佐藤尽の膝負傷。 次節よりのコンサドーレ札幌の試合日程、記し置く。 月 日 相手 開始 場 所 ★ ★ ◆15日=スペイン次期首相、イラク撤退に言及。6月まで「状況変化なければ」。 ◆14日=露大統領選、プーチン氏圧勝再選。得票7割、勝利宣言。 ◆13日=IAEA、イラン非難決議を採択。未申告核計画、情報開示求める。/事実上の「最後通告」。情報隠し、新たに発覚なら制裁も。 ◆12日=盧大統領を弾劾訴追、韓国国会可決。権限停止、首相が代行。/総選挙へ政局混迷、与野党対決が激化。/与党、全議員の辞職決定。憲法裁、弾劾審に向け手続き着手。 ◆11日=マドリード、列車爆破テロ186人死亡。出勤時、3か所同時。バスク過激派か、負傷1000人超す。/アル・カーイダ関与も。犯行声明、日本にも言及。 ◆10日=北の人権非難決議案、日・EU国連へ「拉致」など改善なく再提出。 ◆9日=有事7法案閣議決定。与党、一括成立めざす。/道路公団4法案も決定。 ⇒IAEA定例理事会、イラン核の解明求め討議。リビア、追加議定書署名へ。 ⇒日本排他的水域、中国の違法調査急増。今年に入り11件、潜水艦航路探しか。 ⇒東京円112円台前半、株一時1万1600円台。 ⇒東シベリア油田、埋蔵量調査に参加。石油資源開発方針、投資リスク軽減で。 ⇒天武・持統天皇が執務、飛鳥浄御原宮の「正殿」?出土。 ⇒浅田農産会長夫妻が自殺、姫路の本社で。「鳥インフルエンザ」苦に、告発準備進む中。/カラスもH5型。京都、船井農場で感染か。 ⇒交番警官ストーカー。被害届の電話番号悪用、抗議男性にけがさせる。 ⇒73歳妻を刺殺、自宅に火つけ立てこもる。76歳を逮捕。(埼玉・岩槻市) ⇒自販機窃盗1億9000万、北海道から九州まで34道府県。トルコ人ら20人、6600件確認。 ⇒道警裏金疑惑、会計書類の保存要請へ。98年度分、道が異例の措置。 ⇒弟子屈署報償費、監査請求を受理。元次長は請求人から除外。 ⇒道警、不正認める方針。旭川中央署分、17日までに中間報告。 ⇒稲葉元警部関与の捜査費、資料開示求め12日提訴。 ⇒洞爺村長が辞職願 (以上、読売新聞から) |
平成十六年三月七日(日曜)晴 三日、桃の節句に雛飾り無きは寂しき限りなり。例年なれば如月中頃ごろには雛人形飾り終え、夕暮れ時、雪洞に灯ともせば薄暗き部屋俄かに華やぎて心温もるを覚へたに、今年は無し。 今年も二月に入りて早速に「雛壇組み立てるは何日にせむ」と女房に問ふに、「今年は飾りませぬ」との答へ。何事出来したるやと怪訝に思ひて問ひ返せば、何たる事。昨年、猫どもが雛壇を駆け登り大変な目に遭ひしと言ふ。「我聞き及ばず、何故に」と問はば答へて曰く「話せば猫を叱るでしょ」。「当たり前、人間だろふが犬猫だろふが悪さを為せば叱って当然。躾は厳しくなければならぬに、斯様なる事隠し置くなど以ての外、飼い主の資格無し」と気色ばめば、女房「ほら、ね」の一言残し席を立ちたり。 斯くて雛飾り無き桃の節句を迎へたる次第。野良ども暴れたること昨年迄無きに、何故に悪さ為したるものか。家に慣れ親しみ我らに馴染みし故か。勝手気侭は猫の習性とは申せ、長年続き来し我が家の行事が野良の振る舞いにて中断せるは納得し難し。 例年なれば雛眺めつつ白酒ならぬ濁り酒呑み居るものを……。夕餉、雛は無かれども女房散らし寿司など作りて節句を祝ふの風。我に詫びるか温め酒など用意し在り、「先ずは一献、聞こし召せ」。盃重ねほろ酔いて、「野良ども居る限り来年も再来年も雛は飾らぬかや」と問へば、女房「お雛様を二年も暗闇には置けませぬ。来年は飾りましょ。子供達も大人になって悪さしないでしょうから」。子供達もないもんだわ、自分の子なればとふの昔にお仕置きしおるに。猫の性根が我らの都合に合わせコロリと変わるものか。ともあれ雪洞の灯火恋しい弥生三日とはなりぬ。 ☆ ☆ 五日、永六輔氏の岩波新書九冊目『伝言』読み終ふ。「あなたの本は出版物とはいえません。早い話が、盗み聞きを集めたにすぎない」と言われる――と文中に在るも、何の、此は立派な出版物なり。左様な事を申す者は出版物の何たるかを知らぬ。一冊目『大往生』出版の一九九四年三月より十年、世に出した九冊総て老いも若きも挙りて読むべき本にて、読むに値すは確か。 各書に収録されたる“盗み聞き”何れも含蓄ある言葉にて、日々反芻思考せるも飽くことを知らず。今、思い浮かぶは 等々。市井・無名の人々が己の生活の中で培い来る智慧と哲理、其は深遠にして滋味掬すべきもの在り。噛み締める程其の意味奥深く広きを思ひ知る。誰かが拾い集め置かねば我らには永遠に届き得ぬ名言の数々なれば、永氏の幾十年にも亘る庶民語録収集の仕事は貴重にして価値大。結果としての“語録集成本”は庶民正史として後世への遺産とすべきものなり。此の後も収集・出版に倦まずたゆまず努力されんことを、永氏に切望して止まず。 ☆ ☆ 「出でよ証言者!! 原田氏に続け」と思ひ居りたれば、あな嬉し。一日、弟子屈署元次長・斎藤邦雄氏が「報償費不正支出の損失補填」を求め住民監査請求せり。市川守弘弁護士が起こせし監査請求は先月九日棄却されたるも、今回請求者の一人が裏帳簿管理担当の金庫番として実際に裏金づくりに関与したと言ふ元次長本人であるを考慮せば、請求棄却は有り得ぬ。更に警察庁が二月二十六日付にて「監査委員より捜査員への事情聴取要請ありし場合は支障無き限り応じるべし」の通達出しおる故、前回拒否されし捜査員への個別聴取が可能にて、監査委員の徹底調査が為さるれば「不正在り」が証明さるるは確実なるを我疑ひ得ず。 実名会見にて斎藤氏、「原田宏二さんの勇気ある実名証言に心打たれた。これ以上沈黙を守るわけにはいかない」「原田さんが孤軍奮闘する姿を見て、沈黙を守り通すことができなくなった」(04.3.1 読売夕刊)。道警の中に在りても真っ当な人間なれば、斎藤氏と同じ思ひを抱かぬ訳が無ひと思ふが、斎藤氏に続く者果たして出で来るか。義を見てせざるは勇無きなり。原田氏、後に続きし斎藤氏の如き真っ当な人間、道警にはもふ居らぬかや。 「人間として自分の生き方に正直でありたい――。(略)目を真っ赤に腫らしながら“告発”の動機をこう語った」(同)。泣かせる科白、老いの我が身には斎藤氏の胸中よう判る。「裏金づくりに嫌気がさして」定年迄七年残して退職を決断せし時の正直でありたい気持ちが今亦、沸々と……。されど此処に至る迄、内面の葛藤いかばかりか。退職決断にも増して苦しき決断であったらふことは察するに余り有る。道警は両氏の声に耳傾けよ。最早「不正は無い」と言ひ逃れることは出来ぬ。自らを正し、両氏に応へよ。 ◇……………◇ ◇……………◇ 元弟子屈署次長の斎藤邦雄氏が一日の会見で配布した「私の主張」のうち、裏金づくりの実態に関する部分(要旨)は以下の通り。 ☆ ☆ 元釧路方面本部長・原田宏二氏を参考人招致せし道議会総務委員会が四日開かれたるも、道議連の質問鋭さを欠きて不正疑惑解明へ向け原田氏より新たな証言引き出せずに終わりたり。道議連の不勉強か? 腰の引けたるが如き追及姿勢腹立たし。 席上、原田氏、「自らの証言を補ふデータを持っており、道議会へ提出する用意あり」と表明せり。此れ迄の原田氏証言が記憶に拠るものでなく、現職当時の日記・メモの類を基に為され、其れが「証言を補ふデータ」だとせば、告白を裏付ける重要なる“物証”となるは確か。是非にも提出願ひたし。しかし、当時の事柄が克明に書き記されていて証言の信憑性を立証するものであればある程、守秘義務等の観点からして公表は難しくなるやも。 弟子屈署にて裏金作りに関はりし元同署次長・斎藤邦雄氏の参考人招致につきても、地方公務員法の守秘義務に抵触の可能性ありとして見送られる模様なれば、残されおる手段は百条委員会の設置のみ。自民党・道民会議は「百条の前に先ず九八条委を」と謂ひ居る様なるも、今回問題に“前置き”は不要。早々に百条委を設置すべきなり。百条委にても任命権者(道警本部長)の許可無く発言せば守秘義務違反に問はれる故、設置は無意味の声一部に在るは解せず。此処に至りて本部長、百条委にての証言許可せぬとなれば如何相成るか。其の辺の所重々承知し居ろふ。 ☆ ☆ 北見・資産家夫婦殺害の窪田勇次被告に二日、死刑判決下されり。時効一年前に容疑者逮捕の此の事件、発生から十五年を経てようよう一審判決とはなりぬ。長く辛き年月を暮らし来たった遺族の胸中如何ばかりか。されど裁判なれば致し方無きか、弁護側判決に不服ありとて即日控訴為したれば、決着迄更に幾年経ん。 犯行を自供、初公判で起訴事実を全面的に認めおりし窪田被告が一転無罪を主張せるは如何な訳か。第三回公判にて「どんな判決でも甘んじて受け止め、控訴しない」とした被告が、三か月後の第四回公判で「私は犯人ではない」と無罪を主張するとは考へもしなんだ。鑑定用の血液提供を拒否し、事故を偽装して逃亡を図りしは犯人故。無関係なりせば逃げも隠れもしまい。我ら凡人はそう考へるが、間違いか。 此の裁判にても弁護人の何たるかを我は問ひたし。初公判から第三回公判迄、起訴事実を認めた上での弁護対応でありしに、被告人突然の無罪主張に違和感を感ぜず弁護続行為すの精神判らず。元より弁護人たるもの被告人の言ふを信用せねば弁護為し得ぬこと我も承知。其れ故に問ふ。窪田被告が何故に最初から無罪を主張せなんだか、弁護人は其の訳を充分に理解、納得し窪田被告の無罪を信じて弁護活動を続けおるかや、と。此も亦、弁護の為の弁護に終始しおるやに思へてならじ。詭弁を弄して罪を逃れんとせる犯人を支援するが弁護人の務めとは思われじ。 ◇……………◇ ◇……………◇ 【北見資産家夫婦殺人事件の経緯】
【北見資産家夫婦殺害判決要旨】 《犯行動機》 ★ ★ ◆7日=ガザ難民キャンプにイスラエル軍侵攻、銃撃戦で14人死亡。 ◆6日=中国全人代。中国財政赤字最高に、9.6%拡大。 ◆5日=シーア派指導者「スンニ派と団結を」、イラク同時テロ後の金曜礼拝で。/イラク基本法。署名式直前で延期、シーア派が異議。 ◆4日=バグダッドで爆発、3人死亡。 ◆3日=イラク。基本法の署名延期、同時テロ犠牲182人に。ザルカウィ容疑者関与か、米副大統領が示唆。 ◆2日=イラク同時テロ143人死亡。カルバラとバグダッド、シーア派祭典狙う。200万人集結、爆発8回以上。 ◆1日=連邦・集団指導盛る、イラク暫定憲法3日調印。 |