北極亭日乗 |
平成十五年六月 |
平成十五年六月二十九日(日曜)雨 朝から降ったり止んだりの天気にてあれば、今日一日は家に閉じ籠もり自室の整理整頓などなそうと考えおる矢先、女房突然に、荷物持ちに買い物に同伴されたしと宣う。近所のスーパーまでか、と一人合点して承諾せば、何と地下鉄に乗りてデパートへ行くとの仰せ。億劫なること、と後悔するも後の祭り。已む無く同伴す。 昼食は外で摂るとて、正午過ぎ家を出たり。目当てのデパート食堂街で、買い物前に蕎麦大盛りを食す。美味かればつるつると胃の腑に落つるも、相当の量なれば食し終わりて腹重し。 満腹しおれば動きたくなけれど、女房急かせる故、已む無く店を出で従い歩きたり。女子の買い物何時もの如く、品定め念入りにして時間の掛かること甚だし。上から地下階へ、また下から上へ飽きもせで歩き回り、人込みに嫌気差し、当方いささか疲労気味にて憮然としおるも何のその、元気溌剌休むを知らず。 俺は休んで待つ、と言い置いて休憩コーナーに座りたり。それより小一時間余り、ようように女房戻り来たりて家路に就きたり。難儀な半日、これなれば部屋掃除の方が楽なりと思ふ。ただただ疲れきりし一日となりぬ。 ☆ ☆ 山形でサクランボが大量に盗まれおると言ふ。摘み食い程度ならばご愛嬌、「美味かったら買ってけ」と笑ってもいらりょうが、盗まれるは東京にて五百グラム一万五千円の高級品「佐藤錦」、しかも一晩に数百キロ盗むとあれば紛う無き窃盗。今月既に十一件、計一・三トン、出荷額で四百万円に上るとかや。 何時の世にも、濡れ手に粟を目論み楽して儲けんが為には犯罪も辞さずの輩おれど、農家が丹精込めしサクランボを盗むとは盗人の風上にも置けぬ馬鹿どもめなり。地道に働きて実らせしサクランボ、斯様な輩が触るも痴がまし。速やかに捕らえて厳罰に処すべし。 ☆ ☆ 二十八日、福岡市博多の森球技場。コンサドーレ対アビスパ福岡戦は、0−0で四試合連続、今季八度目の引き分け。通算成績6勝6敗8引き分け、勝ち点26、7位。 パスミスが多過ぎる。ミスと謂うよりは、これが各選手の実力と諦めるのほか無しか。プロとしての自覚を持って練習に励みおるか、甚だ疑問。ウィルの後釜に獲得のアンドラジーニャ初登場、果敢なる攻めを見せるも得点ならず。残念なるも、今後が楽しみな選手なり。大いに期待したし。 ☆ ☆ ◆29日=東日本フェリー、会社更生法申請。経営不振の東日本フェリーと関連4社は、28日の株主総会、取締役会の決定通り会社更生法の適用を東京地裁に申請。負債総額は東日本フェリーだけで約580億円、5社合計で約907億円。函館−青森など7航路の運航は通常通り継続されるが、先行き不透明。 ◆27日=イスラエル、ガザ西岸撤退に合意。停滞中の中東和平で、イスラエル政府とパレスチナ自治政府は、パレスチナ自治区ガザの侵攻地域からイスラエル軍部隊を撤退させることで基本合意。30日にも撤退開始の予定。イスラエル原理主義組織ハマスの自爆テロ攻撃の一時停止決定と相まって、ロードマップ再始動へ展望を開く。 ◆26日=宅間被告、謝罪なく結審、大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件で死刑を求刑された宅間守被告の公判が大阪地裁であり、弁護側弁論に続き被告の最終意見陳述が行われ、結審した。宅間被告、意見陳述での反省や謝罪は無し。判決は8月28日。 ◆25日=国債残高500兆円突破、国の借金・1人525万円。財務省は、今年3月末の国の借金残高が668兆7605億円で過去最高を更新と発表。うち国債発行残高は504兆2536億円と初の500兆円台。国民1人当たりの国の借金は約525万円で、前年度末より48万円増。 ⇒政府、イラク復興の自衛隊派遣方針の骨格固める。イラク復興支援特別措置法案の成立後を想定、イラクへの派遣は陸海空の3自衛隊で合計1000人規模とし、期間は当面6か月、必要に応じ延長手続きを取るとしている。 ⇒イラク南東部で英兵襲われ6人死亡。24日朝、イラク南東部アマラ近くで2件の英兵襲撃事件があり、6人が死亡、8人が負傷(うち3人は重体)と、英首相報道官が発表。 ⇒千歳の逃走男、渡島・森町の山中に車乗り捨て。24日朝、森町の山林付近の路上でヒッチハイクしていたことが道警の調べで判明。同日夕には逃走に使用したと思われるワゴン車も発見。男が市街地に逃げ込んだ可能性ありとして、函館市内にも捜索範囲を拡大。 ⇒広尾の幼児3人殺傷の被告、死刑受け入れの姿勢。十勝・広尾町で2001年8月発生の幼児3人殺傷事件で、一審判決死刑の及川和行被告の控訴審第6回公判が開かれ、被告人質問で被告は「自分も死刑になった方がいいと思っている」と、公判で死刑回避を求めてきたこれまでの姿勢を一転させる。 |
平成十五年六月二十三日(月曜)晴 先週は葬儀出席の後にて諸々引きずり、慌ただしく落ち着かず、心の在りよう不安定にして寛がぬ日多かりしに、今日に至りてようよう平常に戻りたる心地す。家内も同様の風にて、颯爽とし来る様子に安堵したれば、銭湯の湯も何時に無く優しく感ぜられて極楽、久方に長湯してのんびりせり。 昨日、今日と気温上昇、本日札幌の最高気温27.7度を記録。蒸し暑さ無くカラリとせる暑さなれば苦にならず、風呂上がりの麦酒爽快にして、旨きことこの上なし。 我が家のプランター菜園、サヤエンドウ、ミニトマト少しばかり収穫ありて、サラダに添えて食す。旨し、と記し置く。シシトウ、ナンバンの生育遅きが心配なり。 ☆ ☆ 無念と云ふべきか、至極当然と云ふべきか。二十二日、コンフェデレーションズカップで1次リーグA組の日本は、仏ジョフロア・ギシャール競技場にてコロンビアと対戦、後半23分、守備陣の連係ミスにより0−1で敗れたり。日本は1勝2敗(勝ち点3)でA組3位となり、1次リーグ敗退決定せり。 前回2001年大会には準優勝しおるし、今回も引き分ければ準決勝進出がきまる故、1次敗退は予想だにせなんだ。敗因は如何な所に在りや。チームの実力、二年前に劣るとも思われず、パスワーク時の一瞬のミス、やはり遠藤−宮本の連係ミスは痛し。日々練習の中で阿吽の呼吸を体得するのほかあるまい。目指すはワールドカップ。今回の敗退、教訓として胆に銘ずべし。 ☆ ☆ 十六日付朝刊を読みて暗澹たる思いす。高齢者に対する家庭内の虐待が深刻になりおる故、厚生労働省が全国規模の調査を実施、これまで表面化することのなかった高齢者虐待の防止対策に乗り出すと謂ふ。 高齢者虐待には「暴力をふるう身体的虐待」「介護の放棄、怠慢」「『早く死ね』などと言い続ける心理的虐待」「性的虐待」「年金などを搾取する経済的虐待」等があり、介護の最中に母親を殴ったり、家具に縛り付けた例や、寝たきりの女性の食事がコンビニ弁当一食だけとの事例が報告されおると謂ふ。 高齢者は敬われ、遇されねばならぬ。人たるもの己の父母祖父母は勿論、全ての高齢者の幸せを考えるは当然の務め、古来不変の道理なり。そが今は「孝」の心見失いて人心荒廃せるにより、高齢者介護が高齢者虐待に変化しおる状況出現も当然ならん。「孝」の心を教えなんだとせば、身から出た錆、自業自得と諦めよ。 自助努力など皆無に等しき現在の家庭、家族の在りようを考ふれば、なまじな虐待防止対策など役には立たぬ。悲しいかな、現状では安心快適に老後を過ごせる公費賄いの介護老人入居施設を多く作るが先決。税の無駄遣いを黙認し、年金受給者からも介護保険料を徴収しおる政府なれば、それ相応の施策を為せ。 ☆ ☆ 北海道フットボールクラブ、FWウィル選手との契約解除方針を発表せり。代わりのFWにアンドラジーニャ選手(28)を獲得の予定。ウィル選手、2001年コンサ在籍時の如き活躍を見せること無く、暴行の不祥事のみを残し去り行くは淋し。才能ある選手なれば、焦らず左脚を治し、感謝の気持ち忘れず謙虚に生きるすべを覚えて出直すことを考えよ。 十八日、県営広島スタジアム。コンサドーレ対サンフレッチェ広島戦は、1−1で引き分け。通算成績6勝6敗6分け、勝ち点24。主力を欠く状況の中、首位広島と互角に戦ってドローに持ち込んだは天晴れなり。今後に価値ある一戦なりし。 二十一日、札幌ドーム。コンサドーレ対ヴァンフォーレ甲府戦は、3−3で三試合連続の引き分け。通算成績6勝6敗7分け、勝ち点25。出だし和波のオウンゴール、終了間際の甲府CKに対するDF陣の守備ミス等々、不注意と最後まで集中力を保持し得ないDF陣の動きが、勝ち試合を逃す。 ☆ ☆ ◆22日=連行中の34歳男、手錠のままパトカーから逃走。午前1時30分ごろ、千歳市で建造物侵入の現行犯で逮捕され連行中の男が、時速50キロで走行中のパトカーの窓から手錠のまま逃走、全国指名手配し行方を捜査。その後、現場近くで車を盗んだことが判明。23日午前、男の氏名を特定、札幌の自宅を捜査。戻った形跡があったものの、未だ盗難車で逃走中。 ◆21日=政府、ミサイル防衛2007年度導入方針。北朝鮮ミサイルに対抗する弾道ミサイル防衛体制構築のため、SM3とPAC3の導入方針を固め、来年度予算案に関連費用を盛り込み、2007年度の実戦配備を目指す。総費用2000億円。 ◆20日=博多湾に一家4人の他殺体。福岡市東区の博多湾で夫、妻、長男、長女が遺体で見つかる。4人の首に手で絞められた跡があり、県警は殺人、死体遺棄事件と断定。 ◆19日=ドーム対広島3連戦、巨人気迫の3タテ。16日に札幌入りの後、17日第1戦8−3、18日第2戦5−1、19日最終戦6−5と3連勝。ミラクルの夢を託し、札幌シリーズ終了。 ◆18日=早稲田、学習院、日大生らが女子大生に集団暴行。警視庁麻布署は、主催パーティーの2次会に参加した女子大生を集団暴行した5容疑者を婦女暴行容疑で逮捕。 ◆17日=政府税調が中期答申「少子・高齢社会における税制のあり方」を小泉首相に提出。内容は、個人の所得課税強化や消費税の「2けた」への引き上げなど負担の強化を求めるもの。 ⇒占冠のリゾートトマム開発会社「関兵精麦」(仙台市)が民事再生法の適用を東京地裁に申請。負債約674億円。トマムは現在、札幌市の加観光グループが運営委託をうけており、営業は継続される。 |
平成十五年六月十五日(日曜)晴 女房の叔母の連添い十三日に身罷りて通夜に赴く。昨十四日、湯灌・仮通夜に出席して人の身の儚きを身内の方々と語らい、我が身も亦人の身ぞ、と帰り来たりて後の本通夜。読経を耳に祭壇にあるにこやかに写りし遺影を眺めおれば、呑めば上機嫌になりて「こんな旨い物呑めば、死ぬまで長生きできるぞ」と言ふていたのを思い出したり。何を他愛も無い事を、と笑って聞き流したる事なれど、果たして他愛無き事なのかと、此処に至りて思案す。 「死ぬまで長生き」と言えるは、既に己が身の死ぬるを認め、死するを受容せし者のみ。さすれば、この言の意味するところ尋常ならざるものあり。日頃の笑顔、既にして仏の顔にてありしか。「死を忘るな」の戒めにてもありなんか。想起すること多岐に亘りきて、答えの無きまま焼香、通夜の式を終えたり。弔い酒を頂戴し、皆々と暫し語らいて後、粛として帰る。 ☆ ☆ 札幌まつり・北海道神宮祭本祭なるも、我が周りに祭り気分微塵も無し。身近に不幸も一因なるも、街に出ずば幟もみられず、笛太鼓の音も聞こえずでは祭り気分などあろうはずも無し。我が家にては恒例の赤飯、時鮭、煮しめの祭り膳も今年は無く、普段と変わり無き食卓なれば尚のことなり。 神宮境内、中島公園にては露店軒を連ねて大勢繰り出し、各祭典区にては山車、神輿が回りて祭りを盛り上げおる由、テレビ等にて知るのみなり。最終日の明日は神輿渡御。神輿四基、山車八台が集結、約千六百人の行列が古式ゆかしく平安絵巻を繰り広げるらしも、当方告別式なれば無縁なり。 ☆ ☆ 贔屓にせし俳優グレゴリー・ペック氏、現地時間十二日未明、老衰のためロサンゼルスの自宅で死去せり。享年八十七歳。ハリウッドを代表せるスターとして「ローマの休日」「アラバマ物語」「ナバロンの要塞」等に出演。米映画芸術科学アカデミー会長、ハリウッド俳優組合会長等を務めたり。温厚穏やなる紳士なるも、権力に加担せず己が信念を貫き通したる生き様見事なり。古き良き時代の米人魂消ゆの思い強し。 ハリウッドで大根役者と申せば彼の名が筆頭に挙がるも、何を持って「大根」と称するや。演技下手をば「大根」と切り捨てるは料簡狭きに失す。彼の持てる人間性が役柄を凌駕して銀幕に投影さるるとせば、彼ほどの名優はざらに無し。謹厳実直、石部金吉、大真面目なる人物を演ずれば、大方は「大根」の烙印を捺すものなり。しかれども彼の演ずる大真面目は彼自身の大真面目故、「大根」とは為り申さず。天性の演技の発露なり、と申すべきなり。 我が記憶に残りおる人物の第一は『アラバマ物語』のアティカス・フィンチ。次に『仔鹿物語』の父親ペニー・バクスター。以下、『大いなる西部』ジェームズ・マッケイ(チャック・コナーズとの格闘場面を思う)、『白鯨』キャプテン・エイハブ、『日曜日には鼠を殺せ』マヌエル、『レッドムーン』サム・バーナー、『頭上の敵機』サベージ准将、『恐怖の岬』サム・ボウデン、『ローマの休日』ジョー・ブラドリー等々。また、『白昼の決闘』マキャンレス一家の二男ルートは悪役なれど憎めぬ腕白坊主的で忘れ難く、『西部開拓史』の賭博師クリーブも亦記憶に残る人物の一人なり。 ☆ ☆ 十一日に発覚せし札幌市営バス運転手の酒気帯び運転、追突事故。報道によるに、九日午後九時半ごろ自宅にて五百ミリ缶ビール一本、ウイスキー水割り五、六杯を飲み、翌十日は出勤予定時間を七分遅れて午前六時十分ごろ出勤。係員による点呼も無きまま直ちに乗務。通勤、通学客を乗せて走行中の同八時五分ごろ、東区丘珠の市道で軽トラックに追突せしも停車せず、そのまま一キロ先の終点まで運転を続けたる由。 運転手の年齢五十四歳なれば、早朝勤務を控えての飲酒量にしては多し。五、六時間の睡眠にては抜け切れぬアルコール量なり。我も酒好きなれば度を過ごす気持ち分からぬにはあらねど、時と場合をわきまえ飲む分別のつく齢。命を預かる公共交通運転手としての己が職責の重さを考ふれば、斯様な呑み方はせむものぞ。仕事に対する馴れと甘えが透けて見ゆ。 市交通局の運行管理規定が如何なりおるか詳細は知らねど、乗務前の点呼、体調チェックが規定通り為されおらぬは管理体制の疎漏、杜撰明白なり。当日欠勤、遅刻、酒気帯びは頻繁に出来せる事態にはあらねど、予備の運転手を常時待機させて対応すべきことなり。酒気帯びて遅刻せし者を即乗務させるなど、あってはならぬ。仲間内のこと故の、管理者と運転者の馴れ合いは即刻断て。運行管理規定に違反せし者には相当の罰を与えよ。己が職責を理解し全うするの気無き公僕多きを憂うは悲し。 ☆ ☆ 十四日、札幌厚別公園競技場。コンサ対湘南ベルマーレ戦は1−1の引き分け。2位川崎、3位新潟との勝ち点差11となりたるは痛し。最下位湘南に苦戦するなど情け無けろども、これが実力なればと諦むる。されど一言記しおく。この試合、プロの集中力あらば勝ちたる試合。やる気無き者は去れ! 手本となるべき和波が、勝ち試合を引き分けにせり。和波よ、プロ意識あらば言い訳すな。マークミスは歴然たる事実なり。 通算成績6勝6敗5分け、勝ち点23。甲府、山形勝ちたるゆえ5位から7位に転落せり。次節十八日、対サンフレッチェ広島戦(県営広島スタジアム)。 ☆ ☆ ◆15日=ブッシュ大統領がイスラエル軍のハマスに対する報復攻撃を支持。 ◆13日=政府、イラクへの自衛隊派遣を可能とするイラク人道復興支援特別措置法案を閣議決定、衆院へ提出。 ◆12日=最古の現代人化石、エチオピアで発見。アフリカ・エチオピアで、現代人(ホモ・サピエンス)の仲間としては最古となる約16万年前の人骨化石を米カリフォルニア大と東京大などの研究チームが発見。英科学誌「ネイチャー」に発表。 ◆11日=イスラエル軍、ガザ地区を空爆。パレスチナ過激派によるとみられる自爆テロがエルサレム中心部であり、爆破された路線バスの乗客ら17人が死亡、68人が負傷。時を移さずイ軍がガザ地区を報復空爆。ハマスと全面戦争か。 ◆10日=イスラエル軍、ハマス最高幹部の車を攻撃。パレスチナ自治区ガザ市でイスラム原理主義組織ハマス最高幹部ランティシ師の乗った車をイスラエル軍武装ヘリがミサイル攻撃、同師が負傷。 ⇒札幌市議の高橋秀典氏(西区選出)と父親が、公選法違反容疑(現金買収、事前運動)で逮捕さる。 |
平成十五年六月八日(日曜)晴 札幌市長選再選挙投票日。貴重なる一票投ぜんと午前十時過ぎ、女房と二人投票所へ出掛くる。晴れなれば出足よく混雑を予想すも会場閑散として、事務方・立会人等関係者のみ目立ちおりたり。市民の無関心極まりたるかと憮然とすも、午後より投票予定の者多きかと思いつつ一票を投ず。 夕食後、テレビにて開票速報を見る。案の定、投票率46.38%と過去最低の報。市内にては小学校の運動会、YOSAKOI祭り等ありて投票率低下の一因と言うが、情けなき事なり。「己が住まう街を託す市長選なるに、何故に棄権なのか。誰が成っても同じと考えおるとせば、敗北者は棄権せし己自身なるを知るべし」と怒りおれば、十時過ぎ、開票率三十数%にして早々と当選者決まりたり。民間からの市長は高田富与氏以来、四十四年ぶりのことにて、共に弁護士出身というも奇しきものあり。 上田氏、前回四月選挙時より十一万票得票を伸ばし、石崎氏に約二万六千票の差をつけ初当選せり。四月選挙での最多得票の実績、再出馬せなんだ山口たか氏の支援、候補差し替えの憂き目を見し道見重信氏の協力もありて、票を伸ばせしが勝因か。 札幌の顔と成りたる上田氏には、公約の確実なる実行を期待す。選挙公報に記載せしこと忘ることなかれ。「三つのSで市役所改革」「500億円で企業と起業を支援」「札幌の基幹産業・観光の振興」「若者、女性、中高年の就職を応援」「地域で支えあう安心のまち」「環境首都・札幌」。 開票結果につきては、明日追記。本日終了、就寝とす。 ◇札幌市長選開票結果(選管確定、9日追記) ☆ ☆ 四日午後零時四十五分ごろ、釧路支庁弟子屈町川湯の屈斜路湖にてマス釣りのカヌー二艇が強風に煽られ転覆、湖に投げ出された四人のうち男女二人が死亡、男性一人が意識不明の重体となれり。 最近、観光地でカヌー及びラフティングによる事故が頻発しおるは如何な訳か。ニセコに於ける川下り事故の教訓、生かされおらず。安全対策、事故時の救助体制等ほとんど未整備状態のまま人命に関わる商売を為すは、明らかに罪なり。何もかも法令で縛るは嫌いなれど、係るお粗末なる状況にては関係省庁の適切なる指導、規制が必要と認む。遊びで命を失うなど愚の骨頂。業者も金儲けに目が眩みおる態、卑しく見苦し。 ☆ ☆ 四日開幕せし第十二回YOSAKOIソーラン祭りの波、七日、ついに我が町内商店街にも押し寄せ来たりぬ。ゆるりと遅き昼食摂りおれば、ドドドドッ…と地響きが如き音して始まりぬ。賑やかこの上無し。この五日間に、二十五会場で三百三十チーム、約四万四千人の熱き舞が炸裂せりと伝ふ。 面白く観たるは数年前までか。初見時の感動、興奮今は無けれど、ドドドドッ…と来れば野次馬根性健在、ちょいと見物には出掛くるなり。今日が祭り最終日、ゆうばり寅次郎、ひだか樹魂舞、北の湘南だて等、若き男女の力溢るる熱演に惜しまぬ拍手送りて戻る。 「第12回YOSAKOIソーラン祭り」各賞 (9日追記) ☆ ☆ 六日、等々力陸上競技場。コンサ対川崎フロンターレ戦は0−1の完封負けなり。何とか引き分けて負けなんだに、7試合ぶりの黒星痛し。通算6勝6敗4分け、勝ち点22で5位。 ☆ ☆ ◆8日=池田小事件、遺族と文部科学省などが合意書に調印。 ◆7日=北の核容認せず廃棄へ連携、日韓首脳会談で確認。小泉首相は来日中の韓国・蘆武鉉(ノムヒョン)大統領と会談。北朝鮮の核開発を容認せず、廃棄を求めていく方針で一致。 ◆6日=有事関連3法が成立。「武力攻撃事態法」「改正自衛隊法」「改正安全保障会議設置法」のいわゆる有事関連3法は、参院本会議で自民、公明、保守新の与党3党と民主、自由両党などの賛成多数で可決、成立。 ◆5日=大阪教育大付属池田小学校の児童殺傷事件で、文部科学省は国の責任を認め謝罪、8遺族との間で4億円の損害賠償に応じると発表。 ◆4日=「パレスチナ国家」合意。ヨルダン・アカバで開かれた米大統領との3首脳会談で、イスラエル・シャロン首相とパレスチナ自治政府・アッバス首相が、2005年までのパレスチナ国家樹立への道筋を示した新和平案「ロードマップ」(行程表)の受諾を公式に表明。 ⇒シカゴ・カブスのサミー・ソーサ外野手、コルク埋め込みの違反バット使用で退場処分。「練習用のバットを使ってしまった。どんな非難も罰も受ける」の弁。 |
平成十五年六月二日(月曜)晴 早六月、老いると共に歳月の過ぎ行くこと甚だ早し。比して、眠り浅く夜明け遅し。寝返りばかり繰り返しおる故、体休まらず疲労徐々に蓄積の始末。加えて眼球衰え、歯ぐらつき、肩凝り、頭痛、腰痛、筋肉痛だと厄介な事ばかり出来す。これも齢なればと慌てず騒がず、ゆるり静かに暮らしおれど時の流れの速きこと如何ともし難し。在るがままに生きよ、それでよし。 衣替えの月なれど肌寒く、半袖には未だ遠し。一昨日夜から昨日と気の早き台風の影響にて雨となりて、我が家の桜花大方落つ。花弁散るにてはあらず、風雨に打たれ花房ぼとりぼとりと落つるなり。地べたの桜花いと寂しげにて哀れを催す。この春もよくぞ咲きくれた、有難たふと心中より感謝せり。 ☆ ☆ 昨日、貴乃花の断髪式あり。現役十五年、優勝二十二回と一時代を築きし横綱貴乃花(本名・花田光司、30歳)の引退、一代年寄「貴乃花」襲名披露大相撲が東京・両国国技館で行われ、縁深き五十人が大銀杏に鋏を入れたり。その模様テレビで観おれば、彼の歩み来る道の諸々の事思い出で来て、画像しばしば涙に滲みたり。 満身創痍、よくぞ此処までの思い強し。この十五年間、国技館の屋台骨を支え、部屋を支え来る労苦計り知れず。その成績、相撲界への貢献など、称えて余りあるものあり。怪我に泣きおる折の世間の毀誉褒貶に耐え抜きしこと、心中察すれば涙込み上ぐ。 己が結婚、兄との確執、両親の離婚等々、面白可笑しく書き立て報ずる無神経な一部マスコミにも沈黙し、相撲道を貫徹せる強固不惑の意志に感服せざるはなし。この性根、生き様をもってせば、名伯楽、良き親方となりて弟子を指導すること疑い無し。されど貴乃花よ、己が部屋の隆盛を望むことなかれ、国技・相撲の隆盛こそを望み、目指せ。 ☆ ☆ 三十一日、札幌ドーム。コンサ対アルビレックス新潟戦は、ホベルッチが2ゴールを決め2−0で勝利。今季札幌ドーム初勝利を挙ぐ。通算成績6勝5敗3分け、勝ち点22。 ☆ ☆ ◆2日=火災救助の3消防士死亡。神戸市の住宅火災で、火元の男性救出のため建物内に入って間もなく2階部分が崩落、3消防士が下敷きとなり窒息死、10消防士が重軽傷、火元の男性も死亡。 ⇒エビアン・サミット開幕。第29回主要国首脳会議がフランス南東部部・エビアンで開幕。同サミットに出席中の米中首脳が会談、「北朝鮮核問題解決には日韓が主要な役割を果たすべき」との認識で一致。 ⇒アンマンの空港爆発で、ヨルダン国家治安法廷は毎日記者に禁固1年6月の実刑判決。記者側は国王に特赦を願い出る。 |