北極亭日乗 |
平成十五年九月 |
平成十五年九月二十六日(金曜)曇 この月初め「防災の日」に、日頃より地震に備へねばならぬと考へいたに、備えする間も無く襲い来たりぬ。これしきの地震、驚かぬと言いたけれど、久々に「やや!」っと身構えけり。夕方の銭湯にても誰もが皆、地震の話しおりぬ。 午前四時五十分ごろ、尿意催すも床の中にてうとうとしおる時、緩やかな揺れを感じて地震なるを知る。徐々に揺れ激しくなりて家屋きしみ出したれば、いささか気味悪くなりて起き上がりたり。女房既に起きいて部屋の様子を窺いおりぬ。揺れの時間相当に長く感じられたるも、一分にも満たざるなり。津波がこと気になりて揺れ収まりてよりテレビをつけ、速報を観るも詳細分からぬ故、小便を為して床に戻りたり。将に横になると同時、再度揺れ始まりぬ。慣れのせいなるか、前回に比して穏やかなる揺れ方に思へ、横になりたるまま柱のきしみを聞きおれば、やがて収まりぬ。 八時頃起床、早速にテレビに噛り付き、被害の尋常ならざるを知りたり。被害出し浦河に懇意にせる魚屋在りせば、午後になりて安否問わんと幾度も電話すれど通ぜず。女房ともども心配するも致し方無く、「非常時なれば電話不通も当然なること。明日朝にも再度安否問うがよき」とて、先ずは一段落となりぬ。 気象庁、今回の地震を「2003年十勝沖地震」と命名せり。被害に遭いし方々には申し訳無けれど、我が十勝に住みおりて経験せし一九五二年三月四日の十勝沖地震を思わば、今回の地震など然したること無し、と思わる。あの折の揺れは今未明の比にあらず、凄まじきものにてありき。 「十勝沖」で思い出されるは、逃げ出しもせで部屋の茶箪笥を押さえいたとて、我が母「気丈なおなご」と近所の評判となりたること。周囲の賞賛に対し母は我ら子に言いし。「中の瀬戸物割れたら、買うお金無いからね。後片付けも大変だし」と。我、子供心に思いたり。「けちくさい。死んだらどうすんのさ」 ドキュメント9・26 (2003.9.27付 読売新聞) 各地の震度次の通り
・震源=襟裳岬の東南東沖約80km、深さ約42km 津波の高さ(単位・m) 函館 0.8 苫小牧西港 1.0 苫小牧東港 1.1 浦河 1.3 様似 2.4 えりも・歌別 1.4 えりも・東洋 1.4 襟裳岬 1.9 えりも・百人浜 3.8 えりも・庶野 2.2 広尾・音調津 2.3 広尾・十勝港 2.5 大樹・浜大樹 3.1 大樹・晩成温泉 3.1 豊頃・湧洞沼 3.1 豊頃・大津 2.2 浦幌・厚内 2.5 浦幌・厚内漁港 1.8 釧路・白糠 1.7 釧路西港 1.6 釧路 1.2 厚岸 1.1 浜中・霧多布 1.2 根室・花咲 0.9 根室 0.2 ☆ ☆ 彼岸入りしてより朝の寒さ増しおるやに感じらる。二十三日、下川にては早や氷点下を記録、札幌も9.1度と秋冷の候。秋晴れの下、墓苑には墓参りの家族連れ多しとテレビ報ず。郊外の木々の葉、所々黄色にて紅葉せるも見らる。近くの自転車道の木々も同様にて、黄色きまま散りおるものも多くなりぬ。例年に比して季節の移ろい早き様に思われてならず、冬備えのことども、ふと考へたりす。今暫し、晴天の日続きて欲しし。 ☆ ☆ 国会から町村議会まで、議員の質の低下を嘆きおりたは何時の日か。その度合い益々深しを思ふ。函館市選出の阿部義人道議、傷害容疑にて逮捕、議員辞職す。 酒場で若き従業員と対話せるも、如何な話題も悉く両者合致せず、最後「政治家は口だけだ」の一言に逆上、傷害に及びしとかや。此処にも亦、思考停止人間の典型在り。四月の統一選初当選なれば、老獪な先輩道議に十分揉まれおらず修行が足りなんだとも言へる。 議員たる者、先ずもって相手の話を聞かねばならぬ。まして有権者とあらば誠心誠意話を聞き、思ふところは意を尽くして説明せねばならぬ。阿部道議は会話の仕方、作法をよく知らなんだよふだ。人間、年を取れば皆賢くなるとは限らぬが、それにても年相応に智恵は付くもの。五十を越した男の振る舞いとも思へぬ。堪え性無く「切れる」坊やと同レベルでは議員は務まらぬ。辞任が当然。 さて、斯様に未熟なる人物を公認候補とした民主のお歴々、「個人の資質の問題」では無く、ご自身の資質も考へみては如何か。加えて、もし後援会組織あらば即解散し、間違っても再度議会へ送ること無きよう願いたし。 ☆ ☆ 全国あちこちで果実、農作物の盗難頻発しおる中、遂に(と謂ふては語弊があるが)北海道にても米泥棒出現せり。鷹栖町の農家納屋に収蔵し置きし出荷直前の「ほしのゆめ」玄米千八百キロ(三十キロ詰め六十袋)盗まる。米の出来悪しく、銘柄米の品不足が報じられたる途端、値上がり始まりて盗難の報あちこちに聞くと謂ふも情け無し。人心荒廃の証しの一端か。 米はお百姓が八十八手間掛けて作る大切な物、お百姓の命と同じ。粗末にせば罰が当たる――と言われ育った我には、盗み取る輩の気が知れぬ。花一輪とて、己が丹精込めしものを失ふは辛し。ましてや米ぞ。一年天塩に掛けてようよう収穫せし命の糧を盗み行くなど言語道断。お百姓の心中をば慮りみよ――と言ふたとて聞く耳持たぬ輩に相違無ければ、斯様なる者はひっ捕らえて生き埋めの刑に処し、田畑の肥やしにせるが上等。 ☆ ☆ 二十三日、福岡・東平尾公園博多の森球技場。コンサドーレ対アビスパ福岡戦は、0−1のコンサ完封負けで二連敗。通算成績11勝13敗11分け、勝ち点44と変わらず。順位七位から九位へ。 二十日、札幌・厚別公園競技場。コンサドーレ対ヴァンフォーレ甲府戦は、0−2でコンサ完封負け。通算成績11勝12敗11分け、勝ち点44で変わらず。七位に後退。 ★ ★ ◆26日=北海道M8、連続6弱。太平洋沿岸に津波。1人死亡305人ケガ、41000人避難。苫小牧で原油タンク炎上、7時間後鎮火。ガス漏れ、停電、通行止め…ライフライン寸断。 ◆25日=「爆弾」石原発言、計算ずく。都議会で答弁、「バカなメディアが食いついた」。曽我さん母拉致で暴言も。 ◆24日=民主・自由党が合併、協議書に調印。衆参204議員、二大政党体制へ。 ◆23日=国連総長総会冒頭演説。「米の専制攻撃理論は国連の原則に対する根本的な挑戦」と批判。安保理改革へ諮問委設置方針。 ◆22日=小泉再改造内閣が発足。竹中経財・金融相、川口外相留任。谷垣財務、麻生総務、石原国交。首相、改革推進を強調。 ◆21日=自民新執行部、幹事長に安倍氏を抜擢。政調会長に額賀氏、堀内総務会長留任、山崎氏は副総裁に。 ⇒首相意向。藤井道路公団総裁を更迭、扇国交相も退任の方針。 ⇒G7声明「柔軟な為替政策必要」。人民元、円売り介入念頭。 ⇒英独仏首脳会談、イラクへの「早期主権移譲」で一致。時期など依然対立。 ⇒イラク統治評議会メンバー、撃たれて重傷。米占領協力者への“宣戦布告”か、米軍の占領政策に打撃も。 ⇒韓国与党分裂、大統領派37人が離党。盧政権、政界再編へ綱渡り。 ⇒リベリアに1万5000人派兵、国連安保理決議。 ⇒ラトビア、国民投票でEU加盟承認。25か国体制が確定。 ⇒成田空港予定地内の東峰神社訴訟、公団が22日に和解案を提示。不調なら代替案「北側延伸」決断の可能性も。 ⇒河原崎長一郎さん死去。64歳。幅広い役柄、確かな存在感。 ⇒「TIGERS」登録商標争い、阪神と「魔法瓶」法廷へ。 ⇒中学教師、教室で少女のヌード撮影。容疑の44歳逮捕。(富山) ⇒スクレイピー感染羊判明。道内では7年ぶり、本別の農家から1頭。 ⇒網走開建職員を逮捕、業者と共謀、架空発注で360万円詐欺容疑。 (以上、読売新聞から) |
平成十五年九月十九日(金曜)雨 旅行にて負ふた虫刺され、中でも左前腕部の傷に往生せり。水疱破れし後なかなかに完治せず、一時は包帯を巻きおりしが三日前より瘡蓋に成りたれば、今日は絆創膏を張りて銭湯へ出掛けたり。旅から戻りてより銭湯に行くことならず、シャワーにて我慢しおりしが、今日ようよう湯に浸かり、サウナにて溜まりし汗出し切りたり。湯上がりのビールの旨きこと謂ふまでも無し。甘露、甘露と喉鳴るは久しぶりなり。 ☆ ☆ 阪神優勝の十五日から始まりし道頓堀ダイブ。十七日遂に死者出でり。自ら飛び込みたるに非ず、橋上の人だかりの中、何者かに押されて転落せしものなり。ダイブ見学のつもりで気楽に出掛け来て、己が死のダイブに巻き込まれようとは万に一つも考へなんだらふに。酷なれど、これも自業自得なり。 大阪府の女性知事さんの「阪神優勝なれば、道頓堀に飛び込んだって許される」的発言のせいでもあるまいが、府警や大阪市が立てた「飛び込み禁止」の看板は役に立たなんだ。十八年間待ちに待った阪神優勝とあらば、大阪人なればファンならずとも馬鹿騒ぎの一つもしたくなろうと謂ふもの。機動隊など出動させて、付きっ切りにて監視せぬ限り道頓堀ダイブは阻止できまい。橋の通行を禁止したとて、飛び込みに適せる場所は幾らも在る故、ダイブ絶えること無し。 飛び込み、見物の自粛呼び掛けなど無用。ダイブ希望者あらば快く飛び込ませるが良し。間近で見物したき者あらば快く見物させるが良し。「気の済むまでどうぞご自由に」と言い添ふることも忘るまじ。結果としての生き死には当然本人に帰するもの。承知の上で為すことに口を挟むべからず。取締当局は口を出さず顔も出さず、「後はどう成りても関知せず。好きにせよ」で良し。 ☆ ☆ モスクワ・ボリショイ劇場のプリマ・バレリーナが体重を理由に解雇されたる由、可笑しくもあり哀れにてもあり。公式資料にては身長百六十九センチ、体重五十キロなれど、アイスクリーム好きが災いしてか体重は六十キロ超との説有力とかや。 バレエ「白鳥の湖」のパートナーに共演を拒否され、主役を降ろされたと言ふ。パートナーはバレエダンサーであって重量挙げの選手ではあるまい。如何に鍛錬を積みしダンサーにても六十キロのリフトを繰り返しおれば腰痛も心配、疲労も馬鹿にできぬ、己のバレエダンサーとしての寿命を縮めかねぬ、と考へて当然。共演拒否したとて誰が責められようか。 不当解雇で裁判に訴えると謂ふが、失笑を買うのみ。幾分でもプリマのプライド残りおるなれば、おやめなさい。話は簡単明瞭、プリマの重責を理解せぬプリマが、悲しいかな己の食欲に抗しきれなんだと言ふだけのこと。ダンサーにとって肉体は商売道具。商売道具を磨き上げる努力為さざれば最早ダンサーの資格無し。資格無きダンサーを雇う劇場も亦無し。至極当然。 ★ ★ ◆19日=IAEA、核拡散防止条約への復帰を北朝鮮に促す決議を採択。 ◆18日=超大型ハリケーン「イザベル」上陸で、米“首都閉鎖”。東部7州も非常事態宣言。 ◆17日=日朝首脳会談から丸1年。 ◆16日=ダイエー福岡2事業入札、米投資会社コロニー・キャピタルが600億円超の最高額を提示。 ◆15日=WTO交渉が決裂。「新分野」で対立解けず、来年末合意困難に。 ◆14日=「アラファト殺害も選択肢」。イスラエル副首相が明言。 |
平成十五年九月十三日(土曜)雨 雨脚弱く雨量少なきも台風14号の影響にて風強し。 昨日夜、旅より戻りたり。旅中遊びおりし時には疲れなどとんと感ぜずにおりしに、旅装を解きて我が家の蒲団に横になりたる途端、蓄積されたる疲労どうと出で来て熟睡せり。 山中の温泉宿に泊まりて露天風呂を楽しみおりたれど、蚊か虻か判然とせぬ虫に両腕三か所、右脚二か所刺され赤く腫れ上がりて痒きに閉口せり。旅の土産とするも色気無きことなり。 旅行詳細は別に記録すとして、取り敢えず旅程のみを記し置く。 ☆ ☆ 田中外務審議官宅の爆弾様不審物事件についての石原都知事発言が物議を醸しおる。早々に発言を撤回、遺憾の意を表して謝罪せば良きものを、問題発言の翌十一日に再度「そういう目に遭って当然のいきさつがあった」と懲りずに発言せるを聞くに、批判されるを承知の上で故意に発言、反応を楽しみおるやに見える。 発端は総裁選出馬の亀井氏への応援演説。当人とせば聴衆集めに気軽に発した一言。斯くも騒々しくなるとは考えもしなんだらふ。いやいや、この御仁、「太陽の季節」で登場以来、既成の権威、秩序、道徳に敵対破壊するを信条にし来れば、斯様な発言屁でも無く日常茶飯のことにて、当然のことを謂ふて何が悪いと思いおるやも知れず。 どこかの評論家氏が言ふていた。石原慎太郎なる御仁はトリックスターであり、言葉の確信犯なり、と。なるほど、然るべき地位に在る人物なれば決して口にせぬ過激、不穏当、奇天烈な発言を為して我らを楽しませおる。はやりのパホーマンスと見れば、発言を真に受けることも無からふ。とは云え、「が、しかし……」と考えざるを得ぬ場合も多々在る故、困った事にてはある。 かつて(現在もか)、石原総理待望論なるもの在り。はて?この御仁、国会議員なりし折、何をした政治家かとんと分からぬ。威勢良き事ぶち上げて常に注目の的であったは確かなれど、政治家として如何な実績も残しおらず。都知事として諸々風変わりなる奇策をぶち上げおるも、なかなかに奏功せず苦戦中にてもあり。我が見るところ、政治家には不向き。国政への未練を断ち、早きうちに都政からも身を引くが賢明と考ふるなり。何故に斯様な人物を頭に据えたるか、都民に聞きたし。 ☆ ☆ 厚生労働省が発表せる「長寿番付」に依れば、今月末迄に百歳以上となる高齢者は二万五百六十一人。五年で倍増の速さと謂ふ。さて、「長寿は幸せか?」と問わるれば、このご時世故、何とも返答に窮す。寿命が延びるは結構なること、と喜びおる高齢者果たして幾人おることか。我が身近の八十路の翁は言ふ。「早いとこ、ポックリ行きたいね。今の世の中、俺の生きたい所でねぇからさ」 ☆ ☆ 十一日、米同時テロから二年。思い出されるは映画の如きかの場面。「何故だ!」と叫びし折の疑問、未だ氷解せず。あれから後の米国の在りよう、これ亦疑念、不可解渦巻きて闇の中に在り。されど、此れだけは明言したし。国連無視の先制攻撃理論、一国主義的独断は許されぬ、と。 ☆ ☆ 八日、自民党総裁選告示さる。再選を目指す小泉首相に対するは、既に立候補を表明せる前政調会長・亀井静香、元外相・高村正彦、元運輸相・藤井孝男の三氏にて予定通り。 楽しみに見おりし若手議員結集しての独自候補擁立は成らず。恐らくは年寄り連の強き締め付け在りて、最後には身動きできなんだに相違無し。されど党改革を叫ぶなれば、年寄りを踏み潰してでも前進するが若手の意気地ぞ。残念なるも不甲斐無きことなり。 立候補四氏が訴ふる公約・政策、如何なものか。此れまで述べおる断片にては比較検討は困難。経済政策が最大の争点になるは必定なれば各氏、現状打破の具体策、達成目標、タイムスケジュールをば明確に開陳すべし。具体策を伴わぬ選挙向け空論ではならぬ。従前通りの大言壮語の公約であつてはならぬ。 しかし辛辣に論評せば、四氏共にさしたる政策無く亦具体策も持たぬが如き故、議員連は結局自己保身の法則で動きて人気者・小泉首相に擦り寄り行くが落ち。総裁選に政策論争など初手から不要と思ふべし、か。此れ亦、残念なるも阿呆らし。 ☆ ☆ 道警巡査長が着古しの制服をネットで競売したる話、二、三日前新聞にて読みし。一読、此処にも常時思考停止せる阿呆が居りたるかの思い。八十万円を稼ぎて、罰は一か月のみ減給百分の一の懲戒処分……我に声無し。右を向いても左を見ても馬鹿と阿呆の絡み合い、世の中真っ暗闇じゃござんせんか。 各人に支給されおる制服は不用になりし場合、本人が処分する決まりらし。我ら貧乏人の税金にて賄われる制服を自由に処分さするとは何と豪気な親方様か。民間企業にては作業服一枚個人の自由にはならぬし、廃棄まで徹底管理するが普通。噂通り道警組織は腐りおるか。昨今頻発する不祥事も制度疲労、組織腐敗が元凶に相違なし。上も下も無様、「好きにしたらええがね」。 ☆ ☆ 「妻を冷凍保存」の見出し。何やかや驚くことばかりの日々なり。妻が出産直後に出血多量で死亡、医師の説明に納得できぬ夫が妻を冷凍保存。遺体解剖の結果、医療ミスが判明して医師に罰金刑――と謂ふ話。愛情物語か、妻の仇を討ちし夫の美談か、はたまた、おどろおどろしき怨念・カルト的残虐物語か。 ☆ ☆ 十三日、札幌・厚別公園競技場。コンサドーレ対水戸ホーリーホック戦は、1−0でコンサが連勝。通算成績11勝11敗11分け、勝ち点44として六位に。 ★ ★ ◆13日=10月10日解散、11月9日総選挙。首相が政治日程を最終決断。 ◆12日=10月末を期限に、イランに対し核計画全容開示迫る。IAEAが決議を採択。イランは拒否声明。 ◆11日=悲しみ刻む9.11、米同時テロから丸2年。NY、追悼と警戒。追悼式典に大統領不参加。 ◆10日=「米英、多国籍軍下に」、仏独がイラク統治修正案を安保理非公式協議で提示。対立再燃の恐れ。 ◆9日=自民橋本派副会長の野中広務・元幹事長が引退表明。総裁選をめぐる橋本派内の対立で。 ◆8日=イラク問題で安保理常任理5か国が、13日に外相会議。 ◆7日=アラファト議長がアッバス首相後任にクレイ氏を指名。 |
平成十五年九月六日(土曜)曇 自民党総裁選の流れ日に日に「小泉再選」の方向へ動き行くやに見ゆ。派閥が機能せぬ状況は大歓迎なれど、選挙控えで小泉人気にあやかりたい組やら、役職欲しい組の擦り寄りやらが垣間見ゆるは如何なものか。我に理解し難きは、郵政民営化など小泉さんの改革路線に賛同せぬ支持者と言ふ立場。幾人が立候補すか分からねど、政策論争無き総裁選にしてならじ。大いに己が政策を論じ、党員有権者の判断を仰ぐべし。 昨日今日と21度台の気温。先日に比して冷涼なれば、やはり秋の気配濃厚なり。肌掛け一枚にて寝おりたるに、明け方寒さ感じて目覚む。冬の足音近し、と謂うには間あれど暢気に構えおる時期にもあらずを思ふ。この後幾日、汗ばむ日あるか。 明日より小旅行へ出るとて旅支度などす。女房あれもこれも持ち行かんとて、旅鞄膨れに膨るもなお入れ残る物在り。我の持ち行く物は写真機と洗面道具のみにてあれば事も無し。足腰弱りたる身をば考へて軽量にせよと言えど、女房一向に聞く風なかりせば言ふを止め、好きにさせ置きぬ。明日は如何あいなるか。 ☆ ☆ 札幌刑務所での医師名義借りが明るみに出でて法務省が調査したるところ、全国の矯正施設内医療機関に常勤せる医師の84%が週一日から四日しか勤務せぬ「名義貸し」であることが判明せりと謂ふ。罪人を矯正する場所で不明朗な報酬を受けおる医師も医師なら、当然なることと雇いおる施設幹部も幹部なり。両者の卑しさ阿呆さ加減、常人にては量り難し。 幾多の医療過誤事件、名義貸しを始めとする昨今の医師の在り様、慨嘆禁じ得ず。医師精神の荒廃、医師技量の低下は病院に出掛けみれば一目瞭然。どの病院にも己が担当医にはしたくなき傲慢不遜、人心を持たぬが如き輩が一人や二人はおる。医を以って人命を守り助くるにあらず、金取って人命を危ふくす、の類なり。医者にかかるも覚悟してとは情け無し。 医者、何時の頃より斯く浅ましく下品に成りしか。受験脳のみ発達せる者を集める入試制度、技術より理論偏重の医大教授陣と医局制の医学教育、人格を審査せぬ医師国家試験等々が斯様な医者を生み出したる元凶やに思わる。されば今こそ、現制度を捨てずして抜本改革成し得ずと心得、新世紀に相応しき制度創生を考ふる時にてあらんや。 ☆ ☆ 上田・札幌市長の後援会が市幹部宅に一枚五千円のパーティー券を郵送したと謂ふ。権威・権力に阿ぬ市民派、良識派の熱血弁護士として鳴らした上田氏、後援会のお節介、先っ走りに慌てたるか苦笑したるか。「いやー、まいったー」と謂ふところならん。 如何な場所にも思考せぬお調子者は居るものなれど、後援会が後援対象を窮地に陥れるが如き行動を為すとは……。笑い話にもならぬ。選挙に勝ち戦の宴など不要。後援会は選挙終了と同時に粛々と解散するがよし。後々まで組織を残し置けば早晩献金集め屋に堕するが落ち。上田氏も望むまい。 ☆ ☆ 六日、佐賀・鳥栖スタジアム。コンサドーレ対サガン鳥栖戦は、1−0でコンサ九試合ぶりに勝利。通算成績10勝11敗11分け、勝ち点41。八位。 ★ ★ ◆6日=パレスチナ自治政府のアッバス首相辞任。アラファト議長と対立、新和平案崩壊の危機。 ◆5日=人民元変動幅拡大に含み、APEC財務相会議閉幕。 ◆4日=米が先の6か国協議で、核放棄先行方針を修正し、段階解決策を提示していたことを明らかに。 |
平成十五年九月三日(水曜)晴 先週末より気温上がりて、三十一日26.2度、一日27.6度、二日27.9度、今日は25.9度と残暑を思わせる気温なり。家周りの雑草萎れ枯れる気配無く、益々旺盛に茂り来るやに見ゆるも憎し。狭き庭も暫く放置しおきたれば、雑草我が物顔に繁茂蔓延りて凄まじき様相を呈しおる。 雑草とて寒きよりは暖かきが良きか。命ある物みな、それぞれに夏の名残を楽しみおる時期なれば生い茂るに任せ置くが慈悲、これ風流の極致なり――などと埒も無きことを謂いて女房を煙に巻き、雑草抜きを逃れおる我が体たらく恥ずかし。されど、枯れる時季至るも近々なれば生死自然に委ねるがよしと思いて今尚放り置きぬ。 ☆ ☆ 二日、広尾幼児殺傷事件の控訴審判決出たり。札幌高裁は一審・釧路地裁帯広支部の「死刑」を破棄、「無期懲役」の判決を下せり。判決要旨を読みて思うたは、量刑判断の控訴審判決なれば検察も深入りせず確定するだろふこと。そして亦、幼子の命を奪われし両親の胸中を思ふ。 盗人に我が子を殺めらるれば、いかな寛容寛大、慈悲深き両親とて鬼にもならふ。被告人が極刑にて死したとしても癒さるること無きは重々承知しおりても尚、極刑を望んで止まぬ苦しみ悲しみは余人には計り知れぬ。無理な注文、余計なお世話なれど、御両親には一日も早く平安、安寧の心を取り戻されんことを、と祈りたし。 以下に「判決要旨」の結論部分を記し置く。 ☆ ☆ 「防災の日」の一日、全国各地にて大規模なる総合防災訓練が展開されたる由、報道されたり。関東大震災から八十年、北海道南西沖地震から十年、阪神・淡路大震災から八年を経過し、今亦、南関東直下型地震、東海地震の発生が懸念されおる時ゆえ、防災意識の啓蒙及び防災訓練は、この日のみならず年中間断なくと思える程頻繁に行われて然るべきなり。札幌にても石狩平野に活断層が在りて油断ならず、我も地震に備え日頃より訓練をば為さねばならぬか。 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合の調査によると、国内の木造住宅の四分の三が耐震性に問題在りと謂ふ。耐震工事業者の組合の調査故、勘繰れば受注増に繋げんがため不安を煽りおるやにもとれる。が、此処は虚心に聞く耳持ちたし。 建築基準法改正で耐震設計基準が引き上げられた一九八一年以前に建築の住宅は危険度が高いとも謂ふ。我が家は八一年以降に建てた故、まずは安心かと安堵したれど、安普請なれば頑丈、完全な耐震構造にて建てられおるとも思えず、不安俄かに起こりて未だ払拭すること能わず。 グラリと来たれば、即座に家から飛び出すが一番か? しかし、外に飛び出て倒壊し来る家屋に押し潰さるる可能性無きにしも非ず。内にて死すが良きか、外にてが良きか――など考えるも馬鹿ばかし。齢重ねて老い朽ちる身、何時死してもよしの心境なれど、天災にて死するはちと不本意の思いも在りて複雑なり。此処は一つ、耐震調査など為して補強策を講ずるが妥当なるやも、などと埒も無い思案始まりぬ。 ☆ ☆ チャールズ・ブロンソン死せり。享年八十一歳。天寿全ふせるを信じ、永久に御身に平安の在らんことを……合掌。 若き日、男とは斯くあるべしを教えくれたはブロンソンなり。男の価値は見てくれに非ず、寡黙の内に秘めた心意気に在り――をスクリーンの中に見せくれた。我も斯く在りたしと幾度思いしことか。あの男臭さは何処より出で来るや、あの野性的仕草・雰囲気は如何にして醸し出されるや、てな事をば考えては日焼けに精出し、鼻下に髭など蓄えし事ども思い出さるる。 「荒野の七人」のオラリー、「さらば友よ」のプロップ、妻子を殺され復讐に燃えるポール・カージーを演じた「狼よさらば」。ブロンソン作品はと問えば、大方が挙げるであろうこの三作を幾度観たことか。悲しいかな、幾度観続けても我はブロンソンの様には成りえなんだ。当たり前の話なり。再度合掌。 ☆ ☆ 三日、札幌厚別公園競技場。コンサドーレ対サンフレッチェ広島戦は、1−2で今季二度目の三連敗。八試合連続白星無く、勝ちて二位に浮上せる広島との勝ち点差は19。通算成績9勝11敗11分け、勝ち点38。順位九位に後退せり。 三十日、埼玉県営大宮公園サッカー場。コンサドーレ対大宮アルディージャ戦は、0−3でコンサまたまた連敗。張監督未だ初勝利を掴み得ず。通算成績9勝10敗11分け。勝ち点38のまま、七位も変わらず。 ★ ★ ◆3日=イラク、多国籍軍で治安維持。米の安保理決議草案、復興への国連権限拡大。 ◆2日=アラファト議長を年内に追放、イスラエル国防相が示唆。 ◆1日=イラク統治評議会が暫定内閣を組閣。外相はホシャル・ゼバリ氏。 ◆31日=世界陸上・女子マラソンで野口「銀」千葉「銅」。坂本も健闘4位。 ◆30日=イラク・ナジャブの爆弾テロに関与の4人を逮捕。イラク当局が「アル・カーイダ関与」を確認。 ◆29日=6か国協議閉幕。核問題の平和的解決、今後の協議継続など6項目で参加国が合意。「拉致」も協議継続、日朝一致。 |