北極亭日乗


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平成十五年五月



平成十五年五月三十日(金曜)晴

 この三日間、20度を超す好天続きなり。昨日は北見にて30.6度、滝上、上富良野30.5度、津別30.3度、生田原、富良野30.2度の真夏日を記録せり。札幌にても24度、今日は26.8度と暑く、我が家の桜なお満開なり。

 昨日、伸び放題になりおりし雑草むしりす。暑くなる前にと思いて朝八時頃より始めたるに、日当たり悪しき場所なれど生育頗る良く根深く張りて盛大に生い茂りたれば、正午前まで四時間を要したり。
 その折、ライラックの一枝、隣家の屋根に覆いかぶさりおるに気付く。大きなる花房を幾つも付けた枝なれば伐るに惜しし、と思案したれど、他家に被害与えし後にては取り返しつかず可哀想なれど一枝伐り落としたり。断腸の思い、大袈裟ならず。花房五つ六つ玄関に生くれば今日も馥郁と香りおりぬ。

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 札幌市長選再選挙。共産公認の青山慶二氏、突然「選挙運動をやめる」と記者会見で発表せり。当方、ただ唖然とするのみ。ここに来て何故? 「先の市長選の結果から、出ぬ方が良いとする市民の声があった。それでも候補を立てたのがそもそもの失敗で分析が不十分だった」ふうの青山発言は滑稽なり。負け戦濃厚となりて、戦わねばよかったと逃げ帰るが如きなり。不在者投票にて既に一票を投じたる者もあるやも知れぬに、有権者に対し党は如何に責任を取るや聞きたし。

 報ぜられしところによれば、二十八日に党中央委員会より「候補者を立てない選択もある」の一言ありて、道委員会が運動中止を決めたる由。此処にも亦、中央の地方支配の構図を見たり。上よりの押し付けか、はたまた上の指示を仰いでのものかは知らねど、助言なれば告示前、立候補前に為すが常道、三日遅れにては嫌味な口出しに過ぎぬ。道委員会も、候補を立てて動き出しおる時に中央の意向に唯々諾々へいこら従ふは無様なり。

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 雪印乳業集団食中毒事件で、業務上過失致死傷等の罪に問われし大樹工場の元工場長と主任両被告の判決公判で二十七日、大阪地裁は執行猶予付きの禁固刑を言い渡したり。同社トップ陣の石川哲郎元社長、相馬弘元専務が嫌疑不十分で不起訴となりおるを考ふれば不公平、気の毒の感強し。

 被害者一万三千四百二十人(大阪市調べ)からせば、販売至上主義に走り危機管理意識を欠いた経営陣の責任が問われぬは納得しかねる事ならん。作った二人が罰せられても、作らせたる会社の責任が曖昧のままでは納得できぬは当然なり。会社首脳陣こそ裁かれて然るべきだったやに思ふ。

 雪印乳業の青パックから新ブランド「メグミルク」の赤パックへ。新会社設立後、経・労一体となり新ブランド確立へ努力中、と報じられおるを信じ、ここに至りてはメグミルクを飲みやるのほか無しか。

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 「道路公団『改革派』左遷」。二十九日付読売新聞夕刊一面頭の見出しに驚き憤りて記事読みたれば、義憤感ずること甚だし。

 公団民営化推進委事務局次長を務め、公団の実態を明らかにする先導役を果たして「民営化委の柱」と言われし総務部調査役が六月一日付で四国支社副支社長へ。「総裁は民営化に向けた改善意識、経営センスはゼロ」と総裁更迭要求文書を国会議員に渡せし部長級幹部が昨年十一月に北海道に異動さると謂ふ。

 中堅職員曰く「こんな人事が罷り通ったら、公団内で改革めいたことは何も言えなくなる」と。然り。これでは改革おぼつかなし。そもそも同調査役は小泉首相の意向で民営化委に加わった由、斯様な人事を為す総裁を更迭するが首相の役目なるぞ。推進委からの再度の総裁更迭要求にも、「今着々と総裁としての仕事している最中だ」と擁護する任命権者・扇国土交通相の更迭をも含め、首相決断の時と思わる。

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 ◆30日=りそな1兆9600億注入申請。りそなホールディングスは、傘下のりそな銀行が総額1兆9600億円の公的資金注入を正式に国へ申請したと発表。

 ◆28日=北朝鮮元工作員を難民認定へ。元工作員が政府に申請していた難民認定につき、東京入国管理局が「難民認定が妥当」の調査報告書をまとめ、近く森山法相が最終判断。初の北朝鮮難民と認定される可能性大。
 ⇒東京都、朝鮮総連施設に課税。都は在日本朝鮮人総連合会の中央本部(千代田区)などの土地・建物の固定資産税減免措置を解除する方針を固め、週明けにも課税通知書を送付。1972年当時、美濃部亮吉知事が「外交機関に準ずる」と認定、それ以来同税を免除していた。

 ◆26日=岩手・宮城で震度6弱。午後6時24分ごろ、宮城県沖を震源地とする強い地震が発生。岩手・大船渡市、宮城・石巻など11地点で震度6弱を記録せり。震源深度約71キロ、マグニチュードは7.0と推定。27日正午までに有感余震92回を観測し、東北新幹線の一部が不通、家屋損壊240件、けが人は118人。
⇒新型肺炎、トロントで再発。カナダ・オンタリオ州の保健当局者はトロント周辺で感染可能性例患者8人を確認、累計死亡者が3人増えて27人になったと報告。WHOは今月14日、トロントに対する感染地域指定を解除したばかり。
 ⇒知床が世界自然遺産登録へ。環境省、林野庁の「世界自然遺産候補地に関する検討会」は知床(北海道)、小笠原諸島(東京都)、琉球諸島(鹿児島県、沖縄県)の3個所を候補地に決定。知床については来年2月にも世界遺産条約委員会に政府推薦し、2年後の遺産登録を目指す。
 ⇒カンヌ最高賞に「エレファント」。第56回カンヌ国際映画祭は、コンペティション部門の最高賞・パルムドール(黄金の棕櫚)を米国のガス・ヴァン・サント監督「エレファント」に授与。



   

平成十五年五月二十五日(日曜)晴

 今夕、銭湯にて聞きし事。
 「告示日ちゅうのに、選挙カーを一台も見ないちゅうのはどうなってんの。全く、盛り上がりちゅうもんが無いね」
 「前回投票から四十二日でまた選挙じゃ、回る方だって億劫にもなるさ。投票する方だっていい加減うんざり、て気持ちだね」
 「市長なんざ、誰がなっても皆おなじ。どうでもいいゃ、て思ってる人多いんでないかい」
 「雑魚が減って、四人てのはいいけど。前回同様、誰がなっても、どうってこたあない顔ぶれだね」
 「四人たって、前回出た四人が出たわけじゃないしねェ。自民、共産の候補差し替えちゅうのは、頂けないよねェ」
 「出るんなら前回の時に出りゃーいい。党の強い要請たって、再選挙出馬に意欲的な前回候補を引きずり下ろした上での要請だ。男なら乗らないね」
 「自分に好都合なら節操を失くすのが政治屋てもの」
 「ごたごたし過ぎたよ。この分じゃ、投票率はガタ落ち。二十四、五万票で当選なんて事になったら、私が札幌市長です、なんて大きな顔してらんないよ」

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 札幌市長選再選挙告示され、予定の四氏が立候補せり。届け出順に共産党道副委員長・青山慶二(48)(党公認)、元参院議院・中尾則幸(56)、弁護士・上田文雄(54)(民主・社民支持)、前衆院議員・石崎岳(47)(自民・保守新推薦、公明支持)の各氏なり。青山氏を除きてはいずれも無所属からの立候補なれど、上田、石崎両氏は党挙げての戦い故、純然たる無所属は中尾氏ひとりと言うべきか。先ずは公明正大、堂々たる選挙戦を切に希望す。

 大通公園、時計台前など各氏それぞれの場所にて第一声を放つ。二週間に亘る選挙戦に突入したること間違いなけれど、我が町内至極閑静にして、四月選挙時の如き熱気感じられず。このまま盛り上がりを欠きて八日を迎えたれば、投票率50%を切るは必定。各候補、市選管共に隈無く回って150万有権者に投票を呼び掛けるのほか妙手なし。

 十九日に開かれし四氏公開討論会。「大型開発優先の行政を改変」「政党の既得権益を断ち、新秩序構築」「市役所に市民感覚を持ち込む」「強いリーダーシップを発揮、高質都市へ変革」等々、政策の柱の羅列のみにて具体策を語る者なかりしは解せず。具体策を集約せしが「柱」なれば、この状況、公約の空念仏に終わるを暗示せるものか。

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 二十一日、ホッカイドウ競馬第十レース(札幌競馬場)で3連単の払戻金が九十万七千百円と史上最高額を更新、と新聞にあり。これまでの最高、今月六日の第六レース3連単の五十三万六千四百三十円の報に驚きいたるに、今度は九十万円と知りて仰天せり。更に「全国の地方競馬では昨年八月十七日に東京・大井競馬場で記録した3連単の九百七十五万二千八百二十円が最高」とあるを読みて言葉無し。百円が九百七十五万円に化けるは快感か、はたまた恐怖か。

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 二十四日、茨城・水戸市立競技場。コンサドーレ対水戸ホーリーホックは1−1で引き分け。5試合連続無失点ならず、通算5勝5敗4分け、勝ち点19。6位変わらず。

 シュート=FW小野(水戸)38分、FW堀井(コンサ)68分

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 ◆25日=新型肺炎、死者700人を超す。WHOは24日、新型肺炎死者数が世界全体で696人、感染可能性例を含む感染者が8141人と発表。24日以後の死者数につき25日、中国衛生省7人、香港衛生当局4人、台湾衛生省は12人死亡と発表。これで死者は719人となる。
 ⇒縄文中期、500年古く。縄文時代中期の年代が、これまでより約500年さかのぼって約5500年−4500年前になるとする測定値を国立歴史民俗博物館がまとめ、日本考古学協会総会で発表。

 ◆24日=りそな経営健全化計画の概要固まる。公的資金注入の申請に際して必要な経営計画で、@関連50社を抜本再編し半減A役員報酬50%削減B全行員、夏賞与見送り――などを骨子とする。りそなは30日に申請の予定。

 ◆23日=個人情報保護法が成立。民間企業、行政機関に個人情報の適正な取り扱いを義務付けた個人情報保護関連5法が参院本会議で、与党3党の賛成多数で可決、成立。
 ⇒道銀と北陸銀が統合。北海道銀行と北陸3県を拠点とする北陸銀行(本店・富山市)が、2004年度中を目途に持ち株会社方式で経営統合すると発表。

 ◆22日=安保理、全会一致で対イラク決議を採択。国連安全保障理事会公式協議で、米・英・スペイン3か国提案のイラク経済制裁解除・戦後統治決議案(経済制裁を解除、米英が戦後統治、基金で石油管理、国連の関与を限定――を骨子とする)を賛成14、欠席1(シリア)の全会一致で採択。
 ⇒宅間被告に死刑求刑。2001年6月8日、大阪教育大付属池田小にて女児7人と男児1人を殺害、児童13人と教師2人に重軽傷を負わせ殺人等の罪に問われし宅間守被告(39)に対する論告求刑公判が大阪地裁で開かれ、検察側は「我が国の犯罪史上、特筆されるべき凶悪かつ重大な無差別大量殺人事件。いかなる観点からも極刑以外に科すべき刑はあり得ない」として死刑を求刑せり。
 ⇒冒険家の三浦雄一郎、エベレスト登頂世界最高齢記録。現地時間午後0時10分、南東稜からの登頂に成功。70歳にしての登頂は、これまでの65歳を大幅更新。

 ◆21日=アルジェリア北部で地震、死者770人。現地時間午後7時45分、首都アルジェ東方約60キロを震源とするマグニチュード6.7の大規模地震が発生。22日午後までに死者770人、負傷者4600人以上。なお数千人が生き埋めの可能性。

 ◆20日=北朝鮮のミサイルは「部品の9割が日本から運ばれたもの」。米上院小委員会の公聴会で北朝鮮のミサイル開発にかかわった元技師が証言。
 ⇒恐竜スピノサウルスの化石、国内初確認。群馬県立自然史博物館は、同県・神流町で発見の化石を大型肉食恐竜スピノサウルス類の歯と断定した、と発表。同類の化石確認は国内初。

 ◆19日=「弥生」の起源500年古く。九州北部で出土の土器などを放射性炭素年代測定法で測定の結果、弥生時代の始まりが定説を約500年さかのぼって紀元前10世紀ごろになる可能性大、との研究成果を国立歴史民俗博物館が発表。



   

平成十五年五月十八日(日曜)晴

 肋骨にひび入りて五日に入院せる伯母を女房と共に見舞ふ。呆けることなく頭脳明晰なるも、齢九十を越しおれば骨粗鬆症を患うも已む無き事と話しおれど、痩躯痛々しく早々に引き揚げ来たり。帰路、今は元気にしおる我が母もいつの日か…と考ふれば胸塞がりて、切なき思いばかり込み上ぐる。

 十、十一日と肌寒く、十二、十三は20度を超す暖かさ。十四日は14度で雨となり体感は10度以下。このところ気温安定せず着衣に頭悩ませり。十五日は晴れて風も無く、18度なれど頗る暖かく感じたれば、去年一度もせなんだ窓、玄関フードの硝子拭き、網戸洗いをす。三時間もあればと思いおったに、半日がかりの作業となりて雪掻き以来の疲労度と相成りぬ。されど汚れ無き硝子からの陽光気分良く、疲れ和らぐ思いせり。

 裏庭の桜、ようように大きく花開きたり。満開まで後一日、二日か。今年も咲きくれた我が桜木に感謝す。菜園の野菜、今はもう背丈三倍以上にもなり、エンドウにてはつる伸び来たりて生育頗る順調なり。このまま行けば収穫も夢で無し。

                    ☆  ☆

 政府は昨十七日、金融危機対応会議を招集、りそなホールディングスに対し公的資金二兆円の注入を決定せり。記者会見で竹中経済財政・金融相は「今回の措置は破綻処理ではなく、資本増強によって銀行を再生させるものだ。他の金融機関に問題はなく、金融危機ではない」と語りおりたり。

 果たして他の金融機関に問題なしや。りそなの自己資本比率4%割れが繰り延べ税金資産の厳格見直し故とせば、他行も亦同様の危機を孕みおるは明々白々の事実なり。「問題なし」とは如何なものか。既にして「失政」と世間の指弾を受けて然るべき身とは思わぬか。余りに暢気。

 金融危機対応会議議長たる小泉首相も傍観者的対応は許されず。旧態依然・小出しの対策を捨て、自ら積極果敢に斬新・強力なる施策を実行するが責務と知れ。

 週明けの株式市場気懸かりなり。銀行株の売り、りそな融資先株の売りが出るは必至。株価最安値更新とならば市場筋の金融危機意識は頂点、竹中経済改革も万事休すとならん。

                    ☆  ☆

 札幌市長選再選挙告示の二十五日まで残り一週間。出馬を巡る諸々の動き一段落して、立候補予定者ほぼ確定せり。弁護士・上田文雄(54)、元参院議員・中尾則幸(56)、前衆院議員・石崎岳(47)、共産党道委副委員長・青山慶二(48)の四氏なり。

 上田氏は再選挙決定後、間を置かず再出馬を表明して街頭演説を展開中。中尾氏は無党派四氏の連合構想頓挫後、再挑戦を表明。石崎氏は自民前推薦候補に代わっての出馬。青山氏は唯一人、公認候補として戦ふ。各氏それぞれにお家の事情ありて難儀如何ともし難しの感あるも、政策論争をもって正々堂々の選挙戦となるを望みたし。下馬評は言わずもがな、知事選と同様、公明党の支持を取り付けて石崎氏の楽勝。

 石崎氏は四月の選挙時に出馬要請を受けるも「国政に関わりたき故」と断わりたる身。自民党の内部事情による強引な擁立であったろうが、何で今更の感強し。まして先の選挙で自民推薦候補として戦いし道見氏が再出馬に意欲的であるを考ふれば、手など挙げられようか。
 「機を見るに敏」も、さもしい根性から出た打算で動いては下劣。先の選挙で手の内を全てさらけ出しておる他陣営から「後出しのジャンケンだ」との批判出るも当然と言うべきか。
 気乗りせぬ危ない話が旨い話に変わって、国政への道を一時棚上げと言う訳か。「節操なきは政治家たるの資格無し」が我が持論なれば、石崎氏の出馬につき一言記し置く。

 それにしても、国会議員が地方政治に口を出し過ぎるは不健全。大は知事選から小は町村議選まで、国会議員の誰か彼かが絡みおる。地方のことは地方に任せ置くが良し。未曾有の国難に瀕しおる折、国政に全力を尽くすが本分と知れ。

                    ☆  ☆

 我らがコンサの戦いぶり大いに気懸かり。勝てずとも負けねば良しか。さほど肩入れせぬ気紛れ野次馬なれど、素人目にも違和感ある攻撃、守り。何かが足りぬ。このままではJ1復帰は望むべくも無し。こうなりては、ただ戦績を記すのみ。

 十日、神奈川・平塚競技場。コンサドーレ対湘南ベルマーレはMF和波の2ゴール、無失点に抑えて2−0で五試合ぶりに勝利。試合内容はどうあれ勝てば良し。
 シュートの決定力は相手ディフェンスの出来にも左右される故、敢えて責めはせぬが、クロスの精度の悪きこと殊のほか目立つは問題なり。基本の基本「目指す所へ蹴る」が出来ぬは最悪、プロと言うもおこがまし。個々の基本技向上は、個々それぞれが己の弱点を自覚しての猛練習のほか対策は無し。
 通算4勝5敗2分け、7位変わらず。勝ち点を14として2位水戸と6差とす。

 十四日、横浜市三ツ沢公園球技場。コンサドーレ対横浜FCは0−0で引き分け。勝ち点15に伸ばすも7位のままなり。
 無失点に抑えたと謂えど、横浜の決定力不足によるものにてコンサの守備が万全ゆえにてはあらず。攻めては前節と同様、的確、正確なパスができぬゆえ攻撃のパターンを作れず、精度を欠いたシュートやクロスでは得点につながり申さず。再三の好機を得点に結び付けれなんだは、やはり実力もこれまでか。

 十七日、札幌市厚別公園競技場。コンサドーレ対モンテディオ山形は1−0で勝ち、今季札幌での初勝利を挙ぐ。4試合連続無失点、通算5勝5敗3分け、勝ち点18。6位に浮上。
 勝利を信じ、いちずにボールを追い、蹴った十九歳のFW新居辰基の1ゴール重し。同い年、FW相川の直向きな戦いぶりも亦重し。全員、両人のスピリッツに倣い実践せば、J1復帰を可能ならしめるに十分の白星を手中にするを疑わず。

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 ◆17日=台湾・衛生省が、関西旅行から戻り隔離された台湾人医師の新型肺炎感染を確認と発表。

 ◆16日=モロッコ・カサブランカ中心部4か所で連続爆破テロ、死者40人。13日=サウジアラビア・リアドの外国人居住地区3か所で爆弾テロ、死者34人。12日=チェチェン共和国・ズナメンスコエの行政府ビル近くで爆弾テロ、死者59人。
 ⇒札幌市長選再選挙。共産が20年ぶりの公認候補。共産党道委員会は、先の市長選で同党推薦で出馬の佐藤宏和氏に代え、同党道委員会副委員長・青山慶二氏(48)を擁立。同党が札幌市長選で公認候補を立てるのは1983年以来、20年ぶりのこと。
 ⇒道内の2002年高額納税者(所得税額1千万円以上)は、前年より50人減の1963人。札幌は1026人で6人の減。

 ◆15日=有事関連3法案、衆院通過。民主党と共同修正せる法案は与党3党、民主、自由などの賛成多数で可決さる。
 ⇒現職道議、公選法違反(現金買収)容疑で逮捕さる。4月の道議選渡島支庁区で再選の河野光彦議員(62)なり。

 ◆14日=警視庁公安部などは、自動車の虚偽登録の疑いで白装束の団体「パナウェーブ研究所」の関係施設12か所と車両24台の捜索に着手せり。
 ⇒偽ドル札使用の北朝鮮船員を釈放。裏付け捜査が困難として、札幌地検は処分保留のまま釈放。即、国外退去。

 ◆13日=札幌市長選再選挙。先の市長選で無党派で立候補の4人のうち、得票数二位の元参院議員・中尾則幸氏が出馬を表明。
 ⇒札医大倫理委が性同一性障害の治療を承認。性同一性障害判定治療専門部会と治療班を設置。

 ◆12日=日本経団連が政治献金斡旋再開へ向け、「政経行動委員会」の設置を決定。
 ⇒札幌市長選再選挙。先の選挙で自民党推薦で立候補、得票3位の道見重信氏が出馬を断念。

 ◆11日=第56回札樽駅伝、49チームが激走。道北陸協(一般男子・3度目)、室蘭大谷(高校男子・11度目)、室蘭大谷(女子・5連覇、8度目)がそれぞれ優勝。

 ◆10日=札幌市長選再選挙。先の市長選で無党派で立候補の秋山孝二、坪井善明、山口たかの3氏が再出馬断念。

 ◆9日=米政府が英、スペイン両国と共同で、対イラク経済制裁解除案を安保理に提出せり。
 ⇒名古屋刑務所の受刑者に対する暴行致死事件で、特別公務員暴行陵虐致死罪に問われた被告・副看守長の初公判が名古屋地裁で開かれ、被告は起訴事実を全面的に否認、無罪を主張。
 ⇒小惑星探査機「はやぶさ」打ち上げ成功。
 ⇒札幌市長選の無党派4氏、候補者一本化ならず無党派連合構想頓挫。



   

平成十五年五月八日(木曜)曇

 このところ肌寒きこと甚だし。暖房を入るる程にてはあらねど、雨降る日、風強き日などもありて体調整えるに難儀な事多し。上着着用せしも朝晩は身震いせし時もありて、リラ冷えなる優雅なる言葉も癪の種とはなりぬ。連日、銭湯に出掛け行き、サウナで汗流し、湯船に浸かりて極楽を味あふ。帰りては時季外れの熱燗、湯豆腐を所望して極楽極楽。さもなくばこの肌寒さ、なかなかに凌ぎ難し。

 あちこちで桜満開の報あれど、我が裏庭の桜未だ花小さく蕾みおるままにて一向に花開く予兆なし。日当たり悪しき場所なれば致し方なしと思えど、近くの公園の桜見るにつけ気揉めて落ち着かず。桜前線根室に到達するが早きか、我が桜の花開くが早きか…などつまらぬ事ども考え苦笑せり。桜咲かねど雑草だけは元気にて旺盛に茂りおる。これも亦、苦笑。

 例年のことなれど黄金週間とてさしたる予定もなく、三日からの三連休は自室の掃除でもと考えおりたれば、女房「玄関フードにプランターを置きて野菜をば作りたし」とのたまう。そうそう簡単に野菜が出来る訳無き事重々承知せしも、退屈凌ぎの渡りに船。よっしゃ、と話に乗りて、三日早速にホームセンターに出掛けたり。プランター、黒土、肥料、苗など買い揃えて戻り、ミニトマト、ナンバン、シシトウ、サヤエンドウ、ブルーベリーの植え付けを為す。今日までさしたる生育見られず、元のままなり。少々、気が早きか。

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 二日、FWウィルが札幌の飲食店で女性客に軽傷を負わせたること明るみに出、時を同じゅうして「ホームシック」を理由にMFベット突然の帰国、退団。どうなりおるか、コンサよ。

 ウィルは昨年十月、試合中に味方選手を蹴る暴行で横浜Mを解雇され、コンサに拾われた身。にも拘らず今度はサポーターたる市民を傷つけたるは言語道断。恩を仇で返す不届き至極なる所業と言うべし。如何な天才プレーヤーと謂えど人格に欠陥あらば入団させるべからず。罰金百万円を科して終わりとしたHFCも気に入り申さず。勝ちたい故に暴漢を雇い置くは恥ずかし。名門チームを目指すなれば、暴力即解雇の厳しき掟を示すが常道。罰金百万円とは愚かな。

 リーグ内は何処も、同じ思考回路と認識力しか持ち合わせぬものか。七日、HFC・佐々木利幸社長を東京に呼びて事情を聞きたるJリーグ・鈴木昌チェアマンは事情聴取後に記者会見、@一方的に暴力を振るったわけではないA示談成立で刑事事件にならないことが確定している――等を理由に、出場停止など重い処分でなく制裁金程度にとどまるとの見通しを示した旨、報じらる。愚かな。

 五日、札幌・厚別公園競技場。対川崎フロンターレ戦はコンサ3試合連続の無得点に終わり0−0で引き分けたり。通算成績3勝5敗2分け、勝ち点を11とするも順位は7位のままなり。

                    ☆  ☆

 ◆6日=個人情報保護関連5法案が衆院本会議で可決、参院へ。
 ・苫東用地2000ヘクタールを遊水池として治水事業に利用の方針。
 ・ホッカイドウ競馬で53万6430円の払戻金新記録。

 ◆4日=京大病院で行われた生体肝移植で、娘に肝臓の一部を提供した女性が死亡。国内約2300例の生体肝移植で、移植手術が原因で臓器提供者が死亡したのは初。
 ・札幌市長再選挙に石崎岳氏が出馬表明。



 

 

平成十五年五月二日(金曜)晴

 先月末の雨空、低温から一転して昨日今日は晴天となりぬ。札幌、本日の最高気温24.2度を記録、七月中旬並みとかや。網走・美幌町にては27.9度、帯広27.7度、北見27.5度と八月上旬並み、まさに真夏の暑さなり。

 街中は街路の照り返しもありて体感温度さらに高く、上着を脱ぎて歩く人多く、半袖姿の若者も見られたり。大通公園の噴水いと涼やかに見えたるも暑さの故なるか。幼き子ら水に手足を浸し戯れおるも既に夏の風情にて、心和みたり。

 この陽気のせいか我が家の桜、蕾大きくなりて開花間近なるを思わす。明日から黄金週間最後の三連休なれど出掛ける予定も無く、さて如何に過ごそうか。…思案したとて妙案浮かぶべくもなければ、乱雑極まる自室の掃除でもするか。

                    ☆  ☆

 昨日のメーデー、テレビ報道など観たれど盛り上がりを欠きて寂しき限り。この不況下、声高に賃上げ待遇改善を叫ぶもできず、リストラ反対の声すらくぐもって聞こえず。突き上げる拳に力無く、行進の歩調も弱々し。「しっかりせい!!」と叱咤の声をば浴びせたき思いせり。

 我が時代は経済成長期にてありたれば、インターを歌い、「聞け万国の労働者」と拳を突き上げて力強くデモ行進したれども、昨今は無理なるや。否、そうは思わず。逆境にある時こそ団結は更に固く、果敢に戦うが労働者。今こそ、その時。遠慮はいらぬ。我が時代より盛大に、高らかに歌い、要求を掲げて威風堂々のデモ行進を為せ!

 斯様なご時世故、尚更に元気であってほしき労働者の祭典。組織する側される側、共に覇気なく夢もなしではメーデーの意義皆無と言うべし。発泡酒の十円増税を為す政治に匕首を突き付けるが我ら労働者ぞ。労働者の怒りもて閉塞せる政治を打ち破らん、の気概無くばメーデーなどいらぬ。

                    ☆  ☆

 一日夕(日本時間二日午前)ブッシュ米大統領、イラクでの戦闘終結を宣言せり。戦闘終結演説冒頭に曰く
 「…米国民の皆さん。イラクでの主要な戦闘は終結した。イラクでの戦闘で米国と同盟国は勝利した。そして今、我々同盟はイラクの治安確保と再建に取り組んでいる。この戦闘で、我々は自由の大義と世界平和のために戦った。米国と同盟国は成果に誇りを感じているが、それは米軍人である諸君が成し遂げたことだ。……」(5月2日付・読売新聞夕刊より)

 この戦の歴史的評価は永久に定まらぬと思わる。とにかく戦争が終わりたる事に安堵す。各国は利害の思惑を捨てて国連の下に結集し、早急に戦後復興に乗り出す事を願ふ。我が国も苦しき台所事情なれど、出来うる限りの金と技術を提供せねばならぬ。

 サンディエゴ沖の空母エイブラハム・リンカーン艦上で戦闘終結を宣言せる大統領の軍服姿が物議を醸しおると報じらる。大統領が米軍の最高司令官であるを考ふれば至極当然の事と思わるるも、文民である以上軍服の着用は許されぬとの理由らし。確かに、此れまで歴代大統領の軍服姿を見たる記憶無し。些事に思わる事なれど、なかなかに興味深き事なり。

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 新人七人の乱立で再選挙となりたる札幌市長選の日程、昨日決定。二十五日告示、六月八日投開票となる。心配した通りの再選挙。投票用紙、掲示板、投票所設置など費用は六億円。

 既に得票一位の弁護士・上田文雄氏が再出馬の意向。同三位の前札幌市議・道見重信氏も再出馬の意向を示しおるも自民内部に別人擁立の動きもありて定かならず。同二位の元参院議員・中尾則幸氏や他の無党派三人、共産推薦の佐藤宏和氏につきても動き無く、再選挙の顔ぶれ現段階にては判断し難し。

 誰が立候補するにせよ、それぞれ基本政策を明確にし抽象論ではなく具体的施策を提示して、我がまち・札幌を如何に発展せしめ、我ら市民に如何なる利益を約束するのかを明快に語らねばなるまい。再選挙への出馬は重たしと知れ。

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 ◆2日=林道占拠の白装束と車21台が約20キロ離れた岐阜・清見村へ移動。

 ◆1日=ヨルダンの首都アンマンの国際空港で毎日新聞東京本社写真部記者の手荷物が爆発。空港職員1人が死亡、3人が負傷。手荷物中の金属製物体が爆発した模様。
 ・岐阜県警は白装束のメンバー9人に対し、道交法違反の無余地駐車で反則切符を切り、車を移動するよう命令。
 ・厚生労働省は、住民検診のC型肝炎ウイルス検査で、3月末までの1年間に全国で約3万人の感染者を発見と発表。

 ◆30日=札幌市長選再選挙に絡み、中尾則幸氏の後援会が秋山孝二氏の呼びかける無党派連合に前向き姿勢。
 ・北朝鮮の核問題について、韓国・北朝鮮閣僚級会談は「対話を通じて平和的に解決する」ことで合意、韓国側代表団が「共同報道文」を発表。
 ・岐阜・八幡、大和の両町、白装束の団体に対し占拠せる林道からの退去を勧告。

 ◆28日=札幌市長選再選挙に絡み、前衆議・石崎岳氏、立候補に前向き姿勢をみせる。
 ・イラク暫定行政機構の第2回準備会合がバグダッド市内で開かれ、復興へ向け本格討議。4週間以内に暫定政権を発足させることで合意せり。
 ・ベトナム政府とWHOはベトナム国内で新型肺炎を制圧したと宣言。制圧例は世界初。
 ・白装束をし「パナウェーブ研究所」メンバーを名乗る約40人が岐阜・八幡町から大和町にかけての林道に車を止め、電磁波の研究と称して車、ガードレール、樹木などに白布をかける奇妙奇天烈な行動をしおることが判明。