Role & Rollにおけるクトゥルフ
Vol.71-80

  • 新紀元社発行のRPG専門誌「Role & Roll」における“クトゥルフの呼び声”(“クトゥルフ神話TRPG”“コール オブ クトゥルフ d20”“クトゥルフ・ダークエイジ”及び“クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上”)関連記事です。
  • リスト化されているのは基本的に私の所有分だけです。
    また、シナリオの紹介文ではネタばれしている危険もあります。

Vol.1-10, SP, SP2 / Vol.11-20, SP3 / Vol.21-30 / Vol.31-40 / Vol.41-50 / Vol.51-60
Vol.61-70 / Vol.71-80 / Vol.81-90 / Vol.91-100 / Vol.101-110 / Vol.111-
Vol.71 / Vol.72 / Vol.73 / Vol.74 / Vol.75 / Vol.76 / Vol.77 / Vol.78 / Vol.79 / Vol.80

記述例
記事の掲載誌の号数(初版発行日)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

Vol.71 (2010.08.20)

アーカム計画
ラヴクラフト・カントリーへの招待
〜ミスカトニック大学図書館編〜
文:坂本雅之5P

ラヴクラフト及びその後継者達の多くが作品の舞台とした、アーカムやインスマス等を含むニューイングランドの一帯「ラヴクラフト・カントリー」を扱うソースブックの一つ“ミスカトニック・ユニバーシティ”"Miskatonic University"から、大学図書館に関する部分が紹介されている。

このソースブック(以下『MU』)は1920年代のミスカトニック大学に焦点を当てたもので、総ページ256にも達する大作だ。『アーカム』でもかなりのページ数を使って紹介されているが、『MU』では、大学の地図、歴史、人物、図書館や博物館に収蔵されている書籍・物品の紹介はもちろん、キャンパス・ライフも楽しめるようになっている。学生たちが入学から卒業までどんなふうに単位を取ればいいのか、クラブ活動はあるのかなど、これ一冊あれば「ミスカトニック大学青春白書」なるドラマも作れるくらいだろう(笑)。

  • ミスカトニック・ユニバーシティ
  • ミスカトニック大学オーン図書館
    • オーン図書館の歴史
    • 図:ミスカトニック大学オーン図書館(『H.P.ラヴクラフト アーカム』より)
    • 制限図書保管庫
    • 制限図書
    • 制限図書に含まれる本
    • 一般蔵書の中にあるクトゥルフ神話文献
    • 一般蔵書にあるオカルト書籍
  • コラム:図書紹介
    ちばかおり著
    『世界名作劇場 メモリアルブック アメリカ&ワールド編』(定価2,625円:税込)
    『世界名作劇場 メモリアルブック ヨーロッパ編』(定価2,940円:税込)
  • コラム:ロール&ロールブックス『クトゥルフ神話TRPGリプレイ みなせゼミの名状しがたき夏休み』

Vol.72 (2010.09.17)

アーカム計画
ラヴクラフト・カントリーへの招待
〜インスマス編〜
文:坂本雅之5P

「ラヴクラフト・カントリー」を扱うソースブックから今回は、小説「インスマスを覆う影」の舞台であるインスマスを扱った“エスケープ・フロム・インスマス”"ESCAPE FROM INNSMOUTH"を、原作小説の筋に沿う形で紹介している。

『エスケープ・フロム・インスマス』はこのインスマスとその周辺を扱うソースブック/シナリオ集で、インスマスの歴史、インスマス面、ダゴン秘密教団、深きもの、情報源などの記事に続いて、『H.P.ラヴクラフト アーカム』(新紀元社刊)スタイルで主だったスポットを一つ一つ案内するという形式をとっている。
 地図やNPCのイラストも豊富で、ラヴクラフト・カントリーでの探索をプレイするうえで欠かせないソースブックのひとつだ。

  • 『エスケープ・フロム・インスマス』
  • インスマス行きバス
    • ジョー・サージェント、バス運転手(33歳)
    • 図:バス運転手ジョー・サージェント
    • ロバート・マーシュ 高位の神官(46歳)
    • 図:ダゴン秘密教団指導者ロバート・マーシュ
    • 図:インスマス全景
    • 図:行方不明となった酔いどれザドック・アレン
    • 図:ダゴン秘密教団本部
  • ギルマン・ハウス
  • シナリオ
  • コラム:ロール&ロールブックス『クトゥルフ神話TRPGリプレイ みなせゼミの名状しがたき夏休み』

Vol.73 (2010.10.16)

アーカム計画
ラヴクラフト・カントリーへの招待
〜ダニッチ編〜
文:坂本雅之5P

「ラヴクラフト・カントリーへの招待」として続けてきたこのシリーズだが、今回は『H. P. ラヴクラフトのダニッチ(H. P. Lovecraft's Dunwich)』(仮)を紹介する。ラヴクラフトの代表作の一つ「ダニッチの怪」の舞台となったダニッチと周辺地域を徹底的にデータ化したソースブックだ。

  • ダニッチの歴史
    • 図:アイルズベリイ街道と周辺の町
    • 図:ダニッチ中心部
  • ダニッチの町
  • ダニッチの怪
    • 図:ウィルバーの母親 ラヴィニア・ウェイトリー
    • コラム:ウィップアーウィル
    • 図:ウィルバーの家の廃墟が残る
    • コラム:ダニッチ年表
    • 図:ダニッチ周辺地図
  • 『H. P. ラヴクラフトのダニッチ』(仮)
  • コラム:ロール&ロールブックス『クトゥルフ神話TRPGリプレイ みなせゼミの名状しがたき夏休み』

ブルーローズ・ネクサス サポート
ホットスポット ギザの大ピラミッド
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)4P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」のシナリオの舞台の候補、ギザのピラミッドを中心としたエジプトについての解説。これまでと同じく“クトゥルフ神話TRPG”にも活用可能である。

  • エジプトの大ピラミッドへ!
    • エジプトという名称について
  • ピラミッドの建造者たち
  • クフ王の後継者たち
  • 参考資料
    エジプトの考古学 近藤二郎 同成社
    エジプトミイラ五〇〇〇年の旅 吉村作治 講談社
    古代エジプト人 ロザリー・デイヴィッド 筑摩書房
    古代エジプト 都市文明の誕生 小谷野晃 古今書院
    古代エジプトなるほど事典 吉村作治監修 実業之日本社
    古代エジプト ファラオ歴代誌 ピーター・クレイトン 創元社
    ファラオの王国 吉村作治編 ニュートンプレス NEWTONアーキオ ビジュアル考古学Vol.1
    四大文明 エジプト NHK出版
    早稲田大学エジプト学研究所 http://www.egyptpro.sci.waseda.ac.jp/index.html
    大林組 http://www.obayashi.co.jp/ 「季刊大林 クフ王型ピラミッド建設計画の試み」
  • 図:クフ王のピラミッド
  • コラム:NPCデータ「スフィンクス」

Vol.74 (2010.11.19)

特集 アーカム計画スペシャル3
クトゥルフの再興
構成:坂本雅之│文:内山靖二郎、寺田幸弘│画:ノッツォ全16P

全国の『クトゥルフ神話TRPG』ファンの皆様お待たせしました! なんと『R&R32』以来となるクトゥルフ特集! 今後のサプリメント展開や、これまでに発売されたラインナップ紹介、シナリオとキーパーガイドなど盛りだくさんでお届けします!


アークライトから新シリーズ『クトゥルフ・ワールドツアー』刊行決定!
文:坂本雅之2P

今回『クトゥルフ・ワールドツアー』として、従来掘り起こしきれなかった、クトゥルフ神話の多様性、可能性を追求するシリーズを制作することが決定された。
『クトゥルフ・ワールドツアー』は本文64ページ、ルール・データ、資料、ガジェット、シナリオをコンパクトにまとめたサプリメントで、「1つのテーマで1冊」をコンセプトに『クトゥルフ神話TRPG』、TRPGの可能性を探るとともに、新たなファン層を開拓することを意図したものだ。

  • アークライトから新シリーズ『クトゥルフ・ワールドツアー』刊行決定!
    • 第1弾『クトゥルフ・ワールドツアー クトゥルフ・ホラーショウ』(12月発売予定)
    • 第2弾『クトゥルフ・ワールドツアー 忌まわしき古代遺跡』(仮題:2011年春発売予定)
    • 第3弾はまだシークレット!
  • 『るるいえはいすくーる』近日発売!
  • 来春には新ソースブックが登場!

特集の直後のアークライトの広告ページには次の様に記載されている。

  • クトゥルフ・ワールドツアー 1 クトゥルフ・ホラーショウ
    12月下旬発売予定
    • 著:内山靖二郎、高平鳴海、寺田幸弘ほか
    • イラスト:ノッツォほか
    • 判型:B5版
    • 予価:1890円[税込]
    • 発行・発売:アークライト
  • クトゥルフ・ワールドツアー 2 忌まわしき古代遺跡
    2011年3月発売予定
  • クトゥルフ・ワールドツアー 3 タイトル未定
    2011年6月発売予定

『クトゥルフ神話TRPG』ラインナップ紹介
文:寺田幸弘3P
(eb!=エンターブレイン刊、新紀元社=新紀元社刊)
  • まずはこれから始めよう
    • クトゥルフ神話TRPG(eb!)
  • 豊富なソースブックの数々
    • クトゥルフ神話TRPG クトゥルフと帝国(eb!)
    • クトゥルフ神話TRPG マレウス・モンストロルム(eb!)
    • クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(ドリームランド)(eb!)
    • クトゥルフ神話TRPG クトゥルフ2010(eb!)
    • H.P.ラヴクラフト アーカム(新紀元社)
  • 表:時代背景別ラインナップ
  • これだけでも楽しめるルール&ソースブック
    • クトゥルフ・ダークエイジ(新紀元社)
    • クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上(eb!)
  • シナリオ集
    • クトゥルフ神話TRPG シナリオ集 七つの怪談(新紀元社)
  • リプレイ
    • クトゥルフと帝国リプレイ 白無垢の仮面(新紀元社)
    • クトゥルフ神話TRPGリプレイ みなせゼミの名状しがたき夏休み(新紀元社)
    • クトゥルフ神話TRPGリプレイ るるいえあんてぃーく(eb!)
  • コラム:海外サプリメント
    ケイオシアムによるアメリカでの最近の展開を紹介する。
    • Terrors From Beyond
    • Secrets of New Orleans
    • Arkham Now
    • Cthulhu Invictus
    • Strange Aeons II

キーパー用シナリオ作成ガイド
開始一時間でキメるキーパー術
文:内山靖二郎│画:ノッツォ3P

ここでは12ページから掲載されているシナリオ「黄色い家」をテキストにして、プレロールドキャラクターを活用したゲーム開始一時間でバッチリとキメるキーパー術をお教えしよう。

  1. プレロールドキャラクターでキメろ!

    まとめてキメて
     プレロールドキャラクターの縛りがきついほどキーパーは楽だが、キャラクターメイキングの楽しさは失われる。
     その日のゲーム環境に応じて、縛りを調整しよう。

  2. 引きと押しをキメろ!

    まとめてキメて
     引きはプレロールドキャラクターの設定部分に、事前に仕込んでおけ。
     押しは探索者のM(マゾ)的な部分を刺激しろ。

  3. 探索者同士の関係をキメろ!

    まとめてキメて
     プレロールドキャラクターで探索者同士の関係を提示する。
     それが面倒なら、最初から知り合いにしてしまえ。だけど、どんな知り合いかはきちんと決めておくこと。


クトゥルフ神話TRPG 現代日本シナリオ
黄色い家
作:内山靖二郎│画:ノッツォ8P
  • 職業や技能が決定された4人のプレロールドキャラクターの使用を想定したデザイン。
  • プレイ時間は探索者の作成時間を除いて4時間程度。
  • シナリオの舞台は現代日本、8月の長野県。

ブルーローズ・ネクサス サポート
ヴィランズ レックス・ムンディ 〜世界の王修道会〜
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)4P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」における敵役の陰謀組織についての解説。これらの設定は“クトゥルフ神話TRPG”にも応用可能である。

世界の魔術界に君臨する魔術結社「銀の暁」。その中でもシオン修道会の流れを組む「世界の王修道会」は、世界史を揺るがすほどの秘密を守護する強大な秘密結社なのだ。

  • 世界の王(レックス・ムンディ)修道会
  • シオン修道会
  • レックス・ムンディ
  • 血脈(リネージュ)の魔法
  • 胎動する暗黒
    • イスカンダル・コンフリクト
    • ポラリス
    • レムリア・ライジング
    • ピラミッド・アイ

Vol.75 (2010.12.18)

ブルーローズ・ネクサス サポート
ホットスポット 東京、新宿、歌舞伎町
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)4P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」のシナリオの舞台の候補、霊的都市としての東京、特に新宿歌舞伎町についての解説。これまでと同じく“クトゥルフ神話TRPG”にも活用可能である。

  • アースダイバー:縄文海進期と江戸の形成
  • 将門と江戸
    • 図:北斗七星の形に配された、将門ゆかりの神社・史蹟
  • 中野長者伝説
  • 大江戸魔方陣
  • 新宿の誕生
  • 参考資料
    アースダイバー 中沢新一 講談社
    戦争の日本史4 平将門の乱 川尻秋生 吉川弘文館
    帝都物語 荒俣宏 角川書店
    大江戸魔方陣―徳川三百年を護った風水の謎 加門七海 河出書房
    東京魔方陣―首都に息づくハイテク風水の正体 加門七海 河出書房
    将門は神になれたか 加門七海 ペヨトル工房
    スーパービジュアル版江戸・東京の地理と地名 鈴木理生 日本実業出版社
    中野成願寺 http://www.nakanojouganji.jp/

Brand New Games
4P

“クトゥルフ・ワールドツアー 1 クトゥルフ・ホラーショウ”の発売日が2011年の「1月下旬予定」に変更されている。


ハラショー!REPORT&RESPONSE
文:―│イラスト:笛吹りな2P

読者からのお便りに対する応答及び「編集部通信」において、「アーカム計画」の企画リーダーである坂本雅之氏が突然の体調不良により入院したため、今号の記事が休載になり、2010年12月に予定されていた“クトゥルフ・ホラーショウ”の発売も延期になったという事が書かれている。内山靖二郎氏のブログによれば、坂本氏はその後無事退院したとの事。


Vol.76 (2011.01.27)

特集:クリエイターズ・インタビュー
―│画:緑一色14P

「Role & Roll」で活躍中のゲームデザイナー12人が編集部からの4つの質問「好きなゲーム・影響を受けたゲーム」「デザイナーになるきっかけ」「ゲームデザインの意図」「今後作ってみたいゲーム」に各自回答している記事。
“クトゥルフ神話TRPG”に関しては、門倉直人氏がBRP版“クトゥルフ”の持つコスミックホラーについて「初期ウルトラシリーズとかにはまった人には相性がよさそうな気がする。」と発言したり、朱鷺田祐介氏が“クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上”のデザインは「信長の正気度は低そうだね?」というネタ=アイデアから始まった、と発言したりしている。


アーカム計画
『クトゥルフ・ホラーショウ』へようこそ
文:坂本雅之/内山靖二郎│画:ノッツオ5P

 これまでの『クトゥルフ神話TRPG』をより深く楽しんでもらうためのソースブックとはコンセプトがやや異なり、『クトゥルフ・ホラーショウ』はホラー映画をテーマとしたゲームを『クトゥルフ神話TRPG』を利用して楽しんでもらうということを狙っている。
 深夜のテレビ映画、レンタルショップに並んでいるようなDVDなど、身近で誰もが一度は見たことのある、あのホラー映画の雰囲気を味わってもらおうというものである。もちろんそこにコズミックホラーのスパイスを振りかけることも忘れてはいない。

“クトゥルフ・ホラーショウ”を紹介する記事本文は内山氏によるもの。坂本氏はコラムにおいて、前回の「アーカム計画」休載の顛末や胃に穴が開いたという病状の経過について報告している。

  • ホラーショウへようこそ
  • オプションルール「捨て駒キャット」
    プレイヤーは、わき上がる好奇心と、保身する気持ちのバランスにグラグラと悩みながらも、なんとか勇気を奮い起してコズミックホラーの脅威に立ち向かっていくのが『クトゥルフ神話TRPG』の醍醐味である。
  • ホラーショウらしいルール整備
  • まずはこの三本を楽しんでくれ
  • ホラー映画へもようこそ
  • コラム:新作の制作は再調整中!
    いちおう『ホラーショウ』は1月末発売とさせていただき、第二弾以降も1月程度後ろにずらさせていただく予定です。そして重大発表! 次のケイオシアムからのライセンスは『インスマスからの脱出』(仮題)に決定! 詳細は次号以降にて!

#“クトゥルフ・ホラーショウ”はやはり、1991年にホビージャパン社から発売された“13の恐怖”から強く影響を受けているとの事。
#NPCをPCの身代わりに殺させて危機を回避したり「命と引き換えの情報」を獲得したりするオプションルール「捨て駒キャット」で、大牧場羽美の必殺技「じじい投げ」を思い出してしまった。
#行動不能となる時間が短い代わりに、危機的状況においてさらなるトラブルの原因になりそうな症状がそろえられているという独自の「一時的/不定の狂気表」は“クトゥルフ神話TRPG”にも活用してみたくなる。
#クトゥルフ神話のクリーチャーの多くはそもそも地球外生命体、つまり従来のシナリオのほとんどはエイリアンパニックものである、という指摘は確かにその通り……かな。
#“クトゥルフ神話TRPG”のキーパーの視点から見たホラー映画の解説は、シナリオプロットも兼ねているという事もあり興味深い。


Vol.77 (2011.02.25)

アーカム計画
ホラー映画テンプレート式シナリオ講座
文:坂本雅之/内山靖二郎│画:原友和5P
  • はじめに

    『クトゥルフ神話TRPG』とホラー映画は相性が良い。オリジナルシナリオを作るのはちょっとハードルが高いとも言われている『クトゥルフ神話TRPG』も、ホラー映画のテンプレートを参考にすることで、初心者キーパーにもシナリオのイメージがわきやすくなる。
     そこで、今回のアーカム計画では、あまり気負わずに、手を抜けるところは抜いて、大事なポイントだけ気合いを入れればよいというコンセプトでシナリオ講座を開くことにしよう。みなさんには、これまで見たホラー映画を思い浮かべながら読み進めてもらいたい。

  • 事件の予兆【伏線】
  • 最初の犠牲者【導入】
  • 周囲の不理解【動機付け】
  • 断片的情報【調査】
  • 恐怖の具現化【ネタバレ】
  • 恐怖の打破【クライマックス】
  • おわりに
  • コラム:『インスマスからの脱出』制作中!
    文:坂本雅之
  • コラム:クトゥルフ・ワールドツアー クトゥルフ・ホラーショウ 好評発売中!
    第二弾『クトゥルフ・ワールドツアー 忌まわしき古代遺跡』(仮)も鋭意製作中だ!

霊障都市捜査ファイル
新宿特区マル秘捜査マニュアル
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

霊障都市と化した近未来の新宿で殺人課の刑事が、猟奇殺人鬼を追いかける。今回は、科学捜査の方法を掲載する。

  • 科学捜査
    • 鑑識課の仕事
  • 科学捜査とは何か?
  • 科警研と科捜研
    • 科学警察研究所の内部組織
    • オプション・ルール:最新装備
    • オプション・ルール:分析依頼
  • 検視と司法解剖
  • ALSライト
  • コラム:今日の事件簿

#「霊障都市捜査ファイル 罪の街(シンシティ) 新宿」(エンターブレイン)のサポート記事。科警研や科捜研の解説は“クトゥルフ”で現代もののシナリオを制作したり遊んだりする際に役立つと思う。
「科学捜査研究所」と言えば(?)「怪奇大作戦」のSRI "Science Research Institute"だが、このドラマの制作当時(1968年)は「本物」の方はまだ存在していなかった。2007年に放映されたリメイク作品「怪奇大作戦 セカンドファイル」では、英語のつづりはそのままに「特殊科学捜査研究所」と名称が変更されている。


ブルーローズ・ネクサス サポート
ホットスポット ナン・マドール
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」のシナリオの舞台の候補、「南太平洋に存在する謎の海洋王国の遺跡ナン・マドール」についての解説。クトゥルフ神話ネタを「ブルーローズ・ネクサス」に持ち込んだものであり、必然的に“クトゥルフ神話TRPG”にも活用可能である。

  • 南太平洋に浮かぶ謎の遺跡の島
  • 幻のサウテロール王朝
  • オーパーツ:謎のプラチナ棺
    • ナン・マドールのプラチナ棺
  • ポナペ教典

Vol.78 (2011.03.20)

アーカム計画
クトゥルフ神話の異世界案内
構成:坂本雅之│文:寺田幸弘5P

恐怖を楽しむため、知らない世界を旅してみよう。原作などで描かれる神話的異世界を活用し『クトゥルフ神話TRPG』のシナリオ展開を広げる方法を提案する。

  • 図:セラエノの大ホール(『ユゴスからの侵略:The Fungi from Yuggoth』より)
  • 図:悪魔の穴(『In the Shadows』より)
  • あなたの知らない異世界
    • 異世界に注目してみよう
  • 未知なる恐怖を描く
    • 異世界へいざなうには
    • 縁故を利用する
    • 設定を利用する
    • 強制イベント
  • 異世界の扉を開く鍵
    • 異界への入り口
    • 物理的な旅行
    • そのほかの手段
    • タイム・トラベル
  • 地球上にある異世界
    • ルルイエ
    • 深きものどもの都市
    • イスの偉大なる種族の都市
  • ほかの星にある異世界
    • カルコサ
    • 図:幻の町カルコサ(『Fatal Experiments』より)
    • セラエノ
    • ユゴス
  • 別次元にある異世界
  • 異世界の歩き方
    • 演出を考える
    • 潜む脅威
  • ボードゲームも参考に
  • 主な参考資料
    『アーカムホラー』シリーズ
    『エンサイクロペディア・クトゥルフ』
    『クトゥルフ・バイ・ガスライト』
    『Fatal Experiments』
    『The Day of the Beast』
  • コラム:『クトゥルフ神話TRPG インスマスからの脱出』近日発売!
    文:坂本雅之

霊障都市捜査ファイル
新宿特区マル秘捜査マニュアル
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

霊障都市と化した近未来の新宿で殺人課の刑事が、猟奇殺人鬼を追いかける。今回は、プロファイリングと心理捜査の方法を掲載する。

  • 心理捜査とプロファイリング
    • オプション・ルール:得意な捜査手法
  • プロファイリング
  • ポリグラフ
  • キネシクス
  • クライム・シーン・アナライズ(CIA)
  • ソシオグラム
  • コラム:今日の事件簿

#「霊障都市捜査ファイル 罪の街(シンシティ) 新宿」(エンターブレイン)のサポート記事。心理学・社会学・行動科学的見地から犯罪傾向を分析する様々な手法についての解説は、前回と同じく“クトゥルフ”で現代もののシナリオを制作したり遊んだりする際に役立つと思う。いくつかの手法は“クトゥルフ”における〈技能〉として取り入れる事が出来るかもしれない。


ブルーローズ・ネクサス サポート
ホットスポット アウトバック
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」のシナリオの舞台の候補、「南半球、オーストラリア内陸に広がる広大な無人の荒野、アウトバック」についての解説。これまでと同じく“クトゥルフ神話TRPG”にも活用可能である。

  • アウトバックへようこそ
    • エアーズ・ロック
  • ウーメラ試験場

#オーストラリアを扱った“クトゥルフ”のサプリメントには、ケイオシアム社から1987年に発売された"Terror Australis"がある。ウェブサイト「HAPPYEND HOMEPAGE」に掲載されていた、はっぴぃえんど様の翻訳したサプリメント裏表紙の解説文の一部を、以下に引用させていただく。

「オーストラリアの恐怖」には,原住民や,彼らの「夢の時代」の神秘的な概念,「夢の時代」の住民,オーストラリアの歴史,1920年代の交通手段,近代オーストラリアの俗語,ハンティング,「夢の時代(アルチェリンガ)」のゲームへの適用,および3編の冒険「親愛なるブンイップ」,「イリンブラの誇り」,「砂の下の都市」が含まれる.どのようなゲームシステムにでも使えるように配慮されている「オーストラリアの恐怖」には,オーストラリアに精通した人をもひきつけるような多くのイラストや地図も含まれている.

このサプリメントのシナリオの一編「砂の下の都市」"City Beneath the Sands"は、キャンペーンシナリオ“ニャルラトテップの仮面”"Masks of Nyarlathotep"に収録されなかった「オーストラリアの章」であり、後に"The Complete Masks of Nyarlathotep"において統合されている。


Vol.79 (2011.04.17)

アーカム計画
甦ったインスマス
文:坂本雅之│画:ノッツオ5P

今回は発売直後の『クトゥルフ神話TRPG インスマスからの脱出』を楽しむためのアイデアを交えながら紹介する。

  • 「ラヴクラフト・カントリー」シリーズ

     このシリーズは一言でいってしまえば、町(地域)の設定+シナリオ集である。町の歴史、場所、人々などをゲームのデータや地図、イラストなどをふんだんに交えつつ、解説したものだ。
     感心するのは、とにかくつくり込んであること。原作に登場するメジャーなキャラクターばかりでなく、その周囲の一般の人々も、一家の歴史や家族構成、人間関係などが事細かに設定されている。つまりこのシリーズは、ありきたりのワールドガイドとは異なり、詳細な地域全体の俯瞰図を完成させているのだ。
     ラヴクラフトの作品をはじめとするクトゥルフ神話作品を徹底的にリサーチし、その地域の神話的スポット、人々、魔道書などを抽出してデータ化し、さらにそれらの間隙を埋めることによって「リアル」な町の姿を創造することに成功しているのだ。

    • 『クトゥルフ神話TRPG インスマスからの脱出』

      本書はケイオシアムから出版されている『Escape from Innsmouth』の翻訳である。初版は1992年の出版で、1997年に改訂増補版とでも呼ぶべき第2版が出版されている。

       本書の構成は全176ページのうち1割程度をインスマス全体の紹介に充て、表と裏の歴史や、そこに棲む深きものと人間との混血種について解説し、3割程度を「インスマスと周辺のガイド」として町の一つ一つの場所を解説し、残り6割がシナリオとシナリオフックになっている。そして大判のインスマス地図も付属している。

  • インスマスとは?
  • 図:ラヴクラフト・カントリー
  • 「インスマスと周辺のガイド」

    「インスマスと周辺のガイド」では、地域ごとにその特徴を説明し、その後場所ごとに人物や特記事項、ゲーム用データを記載する形となっている。

  • 図:マサチューセッツ州インスマス
  • 図:「インスマスからの脱出」より
  • シナリオ

     本書に収録されたシナリオは3本。旧版の2本に、新版になって導入シナリオ「クローフォードの遺産」が追加された。

    • 「クローフォードの遺産」
    • 「インスマスからの脱出」
    • 「インスマス襲撃」

      探索者は各目標に向かう襲撃隊に、アドバイザーとして1人ずつ参加する。パーティーがばらばらになってしまうわけだが、ほかのプレイヤー向けNPCが「支援キャラクター」としてそれぞれの襲撃隊に用意されており、一緒にシナリオを楽しむことができる。

       各目標は3つのパートに分かれており、1つのパートがちょうどクライマックスに達したところで、ほかの目標をプレイする。ちょっとタイプは違うかもしれないが『ER緊急救命室』のような同時進行の群集劇が楽しめるというわけだ。

  • おわりに

TRPGデータベースRPGGeek"Lovecraft Country series"の項や、Yog-Sothoth.comCthulhuWikiの記述によれば、「ラヴクラフト・カントリー」シリーズとは、1990年から1998年にかけて発売された以下の9つのサプリメントの事。いくつかは書籍あるいはPDFファイルの形で現在でも購入可能。

  1. Arkham Unveiled (1990) / The Compact Arkham Unveiled (1995, 2nd Edition) / H.P. Lovecraft's Arkham (2002, 3rd Edition)
  2. Return to Dunwich (1991) / H.P. Lovecraft's Dunwich (2002, 2nd Edition)
  3. Kingsport (1991) / H.P. Lovecraft's Kingsport (2003, 2nd Edition)
  4. Tales of the Miskatonic Valley (1991)
    ミスカトニック川沿いの村落を舞台としたシナリオ集。
  5. Escape from Innsmouth (1992) / Escape from Innsmouth (1997, 2nd Edition)
  6. Adventures in Arkham Country (1993)
    大西洋岸のキングスポートからダンウィッチの丘陵地帯までのミスカトニック渓谷全域を舞台としたシナリオ集。
  7. Miskatonic University (1995) / Miskatonic University (2005, 2nd Edition)
  8. Dead Reckonings (1998)
    アーカムやダンウィッチ、そしてミスカトニック渓谷に点在する村々を舞台としたシナリオ集。
    Dead Reckoningとは推測航法、出発点からの進行方向と進行距離によって現在位置を推算しつつ進む航法の事。転じて「わずかな情報あるいは全く情報がない状態での推測」の意味もある(ならば邦題は「暗夜航路」とかどうだろう)。
  9. Before the Fall (1998)
    「インスマス襲撃」によって陥落する前のインスマス及びその周辺を舞台としたシナリオ集。

パラサイトブラッド
シナリオ「海の上のソドム」
文:龍口明眞│監修:北沢慶5P

現代日本における、全長180メートル、乗客定員550名超の豪華客船を舞台にしたシナリオ。客船マップは別のシナリオにも流用出来るとの事。

#しかしページ制限のためか、フロアマップがシナリオに関係する場所のある3枚しかなく、550名乗りという割には一階層における客室数等も微妙なので、このシナリオ以外への、特にシステムを超えて“クトゥルフ”等への転用はちょっと厳しいように思われる。ホビージャパン時代のサプリメント“療養所の悪魔”収録のシナリオ“モーリタニア”よもう一度、というわけにはいかないようだ。参考までに同規模の、全長166.65メートル、乗客定員最大523名の豪華客船「にっぽん丸」船内図(デッキプラン)を。


霊障都市捜査ファイル
新宿特区マル秘捜査マニュアル
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

霊障都市と化した近未来の新宿で殺人課の刑事が、猟奇殺人鬼を追いかける。今回は、人気刑事ドラマを題材にしつつ、チームの運用例を掲載する。

  • 霊障都市の相棒たち
  • 追加クラス:特命係

    解説:いわゆる窓際部署で、各課のはみ出し者が配属され、特命係、別班、資料室、継続捜査班などとも呼ばれる。捜査資料の整理・管理および他部署への支援活動を職務としており、殺人の時効がなくなったことから、「日本版コールドケース」として、事件の再捜査を担当している

    • オプション・ルール:追加クラスの優先度について
    • 特命係の重ね取り
  • セッティングとしての特命係

     特命係はクラス解説にもある通り、警察内部の都合で作られた窓際部署である。辞めさせるほどではないが、現場で扱いにくい人材を放り込む場所だ。
     もともと、警察という組織は、社会の秩序を守るために、武器の行使を含む治安維持活動を行うものであり、組織としてのルールが非常に厳しい。内部統制力が強くならざるを得ない組織である。
     しかし、刑事ドラマのようなエンターテイメント作品では、時にそうした足かせを外してしまわないといけない部分があり、特設の部署、あるいは、特化した部署が必要となる。

    • オプション・ルール:特命係と政治圧力
  • コラム:今日の事件簿

#「霊障都市捜査ファイル 罪の街(シンシティ) 新宿」(エンターブレイン)のサポート記事。特命係の解説は、警察関係のPC及びNPCのロールプレイや、神話的事件を積極的に扱う組織に複数のPCが属する「デルタグリーン」や「Xファイル」のような設定の“クトゥルフ”への導入に役立つと思う。


ブルーローズ・ネクサス サポート
ホットスポット エジプト2:FaceBook革命の陰で
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」のシナリオの舞台の候補、エジプトをVol.73以来再び取り上げている。2011年1月から2月にかけての「FaceBook革命」の際の、エジプト考古学博物館の略奪事件、国内外のハッカー達の活動、そして世界最古の唯一神崇拝でありユダヤ教にも影響を与えたアテン信仰の経典「アマルナ・コーデックス(アマルナ文書)」を巡る秘密結社の攻防と、“クトゥルフ”にも応用可能なシナリオフックが提示されている。

  • コラム:シームレス・ワールドと現代
  • 動乱のエジプトへ
  • 世界を変える力
  • オーパーツ:アマルナ・コーデックス

唯一神である太陽神アテンは、“マレウス・モンストロルム”の185ページ「ハンセン・ポプラン卿の日誌 エジプトの神々」ではヨグ=ソトースの化身の一つであるとされている。


Vol.80 (2011.05.28)

アーカム計画
インスマスの歩き方
構成:坂本雅之│文:内山靖二郎5P

すでに手に入れて、読み始めた方も多いと思われる『クトゥルフ神話TRPG インスマスからの脱出』(以下『インスマス』)だが、今回はその活用法について、キーパーの心得に重点を置いて解説をさせてもらおう。

  • キャンペーンのホームタウン
    • 図:アーカム市内の一部(『H. P. ラヴクラフト アーカム』より)
  • お隣の町インスマス

    「ラヴクラフト・カントリー」シリーズというのは、これまでキャンペーンで使用してきたアーカムというホームタウンをどんどん拡張していくという意味合いもあるソースブックなのだ。

  • インスマスへの険しい道のり

     キーパーは、インスマスが危険な舞台であるからこそ盛り上がるシナリオの展開を心がけるようにしてほしい。

    • 友人が行方不明になる
    • インスマスからの脱出
    • 最後の舞台はインスマス
    • 図:探索者があまり首を突っ込むと混血種たちが襲ってくる。
  • 一度はおいでよインスマス
  • コラム:これからの予定

一つの街をホームタウンとして、異なるプレイヤーによる異なるキャラクター達が、異なる時代に属する異なる複数のシナリオをプレイしていく「『同じ町を使い続ける』という意味でのキャンペーン」という遊び方が紹介されており、その舞台として“H. P. ラヴクラフト アーカム”で扱われているアーカムの街はふさわしいとの事。
また、ゲーム中でプレイヤーが、自身の「クトゥルフ神話知識」とキャラクターのそれとの差異故に「知らないふりをして、賢明な行動をしている」場合と「知らないふりをして、愚かな行動をしなければならない」場合があり、後者の場合はプレイヤーがストレスをためる事になると指摘されている。


ブルーローズ・ネクサス サポート
ホットスポット 南極
文:朱鷺田祐介(スザク・ゲームズ)2P

トレジャーハンター冒険活劇RPG「ブルーローズ・ネクサス」のシナリオの舞台の候補、南極大陸の解説。これまでと同じく“クトゥルフ神話TRPG”にも活用可能である。

  • 南極のもうひとつの顔
  • 南極に隠された謎
  • オーパーツ:ピリ・レイスの地図
    • 図:一五二九年にイスタンブールのトプカプ宮殿博物館で発見されたピリ・レイスの地図の一片。

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