Role & Rollにおけるクトゥルフ
Vol.51-60

  • 新紀元社発行のRPG専門誌「Role & Roll」における“クトゥルフの呼び声”(“クトゥルフ神話TRPG”“コール オブ クトゥルフ d20”“クトゥルフ・ダークエイジ”及び“クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上”)関連記事です。
  • リスト化されているのは基本的に私の所有分だけです。
    また、シナリオの紹介文ではネタばれしている危険もあります。

Vol.1-10, SP, SP2 / Vol.11-20, SP3 / Vol.21-30 / Vol.31-40 / Vol.41-50 / Vol.51-60
Vol.61-70 / Vol.71-80 / Vol.81-90 / Vol.91-100 / Vol.101-110 / Vol.111-
Vol.51 / Vol.52 / Vol.53 / Vol.54 / Vol.55 / Vol.56 / Vol.57 / Vol.58 / Vol.59 / Vol.60

記述例
記事の掲載誌の号数(初版発行日)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

Vol.51 (2008.12.22)

アーカム計画
ラヴクラフトの幻夢境
文:坂本雅之│画:原友和5P

新しい『クトゥルフ神話TRPG』のソースブック/シナリオ集『クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(仮)』の発売が決定した! ラヴクラフトの作品群の中で重要な位置を占めながら従来のゲームではカバーされていなかったこの分野を埋める重要なサプリメントだ。今回のアーカム計画ではこの幻夢境(ドリームランド)を紹介する。

  • ラヴクラフトとドリームランド
  • ドリームランドとゲーム
  • ドリームランドの地理
    • 東部
    • 北部
    • 図:ドリームランドの地図
    • オリアブ島
    • 海洋
    • 西部
    • 地下世界
    • 彼方の世界
  • ドリームランド動物誌
    • 図:食屍鬼
    • ズーク族
    • 夜鬼
    • 食屍鬼
    • ルズの領主
  • ドリームランド人名録
    • ナシュトとカマン=ター
    • アタル
    • 図:ナシュトとカマン=ター
    • クラネス王
    • ウルタールの猫将軍
  • 次号予告

    次号からはこの『クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境』によるリプレイ「はるかなるウルタールに猫を求めて」を掲載する。『ナコト写本』を求めるアーカムの愛猫家たちが偶然入り込んだドリームランドで遭遇する驚異の体験に乞う御期待!

#夢幻境に関するこのような記事は「RPGマガジン」1994年1月号の「クトゥルフ通信 第6回『幻夢境観光案内』」以来14年ぶりか。


シルバーレインRPG
銀誓館の学園ライフ5 鼻歌まじりのハウスキーパー!?
文:友野詳/安道やすみち/グループSNE│画:トシヤ/ヤトアキラ5P

ゲーム内のキャラクタークラスを取り上げる「ジョブクローズアップ」のコーナーにおいて、「楽器から発する音波を使い、様々な効果を生み出す能力者」フリッカー系向けのシナリオソースとして、「二十世紀初頭の、天才ヴァイオリニストが遺したという奇妙な楽譜」をめぐる事件「エーリッヒ・ツァンの楽譜」が例示されている。「通常の音楽理論にはまったく沿わないその曲を完璧に演奏すれば、異界への門が開くと囁かれています。」


Vol.52 (2009.1.25)

Brand New Games
1P

“クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(仮)”の発売が告知されている。発売日は2月の予定。定価は未定。日本語版サプリメントとしては初めて、カラーの地図が付属するとの事。


アーカム計画
はるかウルタールに猫を求めて 第一話
構成:坂本雅之│文:内山靖二郎│画:那知上陽子5P

 舞台は1920年代のアーカム。猫好きの探索者たちが巻き込まれた二つの事件は、奇妙なつながりを見せて、やがては彼らをドリームランドへと誘うことに……。
 発売が予定されている待望の新サプリメント『クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(仮)』。アーカム計画では、これから4回に渡ってドリームランドを舞台にしたシナリオのリプレイを掲載する。

  1. 探索者の創造
    • ジョージ・ブライデン
    • アン・A・アーサー
    • ローランソン・アップダイク
    • イルズリー・パーソンズ
    • コラム:ドリームランドにおけるシナリオ
  2. においが消えていない!
    • コラム:『ラヴクラフトの幻夢境(仮)』発売迫る!!

ボードゲーム・ジャンクション
Topics
2008年 エッセン・ゲーム祭―シュピール! つぶぞろいの新作をどうぞ その1
文:安田均2P

コスモス社の新作ボードゲーム“ドイツ・クトゥルフ”が紹介されている。ゲームの原題は「セイレムの魔術師 / セイレムの魔女たち」"Der Hexer von Salem"で、ヴォルフガング・ホールバイン Wolfgang Hohlbeinによる同題のクトゥルフ神話小説が原作。ゲーム自体のデザインは、同じくコスモス社の「大聖堂」(これも同名の小説が原作)等を手がけたミヒャエル・リーネック Michael Rieneck。ゲーム進行は新版“アーカム・ホラー”と似ているが、プレイ中で扱われるデータがより少なく、その分システムにおけるジレンマ感が加味されているとの事。結果的に“アーカム・ホラー”よりも軽く、短時間で1ゲームをプレイできるようになっている。

同じく「ボードゲーム・ジャンクション」内の記事「今スグ買える! 遊べる! 輸入ゲーム ピックアップ」にある「掲載ゲーム一覧」では、“ドイツ・クトゥルフ”は「プレイ人数 2〜4人、プレイ時間 50〜60分、対象年齢 10歳以上、価格 $53.99」となっている。なお、この記事の時点ではアークライトの輸入ゲームのラインナップには入っていない。

#原作の"Der Hexer von Salem"はシリーズもので、ゲーム化作品としてはブックタイプの"Der Hexer von Salem - Cthulhu -"が2005年にPegasus Gamesから発売されているようだ(上記のゲーム"Der Hexer von Salem (Spiel)"との関係はよくわからない)。原作については安田氏も「現在調査中」としているので、そのうち詳細が誌上で報告されるかも知れない。


RPG・ボードゲーム・プラスαを斬る!
文:安田均1P

2008年のエッセン・ゲーム祭で登場した新作ゲームの特徴について論じており、「一昨年の『大聖堂』でブレイクした、原作小説のボードゲーム化の流れ」の顕著化の一例として、上記の“ドイツ・クトゥルフ”が取り上げられている。

デザインはさすがに『大聖堂』のリーネックだけあって、『アーカム・ホラー』でけずるべき煩雑なところは切り捨て、ドイツゲーム風のオモシロさなどは全面的に残してある。何より、すぐに繰り返して遊びたくなるのはグーだ(『アーカム・ホラー』は傑作だが、2回続ける気にはならない)。

しかし安田氏としては原作の「セイレムの魔術師」やそのTRPG及びゲームブック化という展開の方により興味をそそられていて、このボードゲーム自体の評価は「一応、おもしろい」というもの。

 やっぱり、RPGスタイルの作品をボードゲーム化するとなると、ドイツゲームも『アーカム・ホラー』スタイルになるのだろうか? その辺が興味ぶかかった。


Vol.53 (2009.2.23)

Brand New Games
1P

“クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境”の概要が紹介されている。

  • 発売日■2月21日予定
  • 定価■4725円[税込]
  • 著者■クリス・ウィリアムズ、サンディ・ピーターセンほか
  • 翻訳■坂本雅之
  • 発売■エンターブレイン

アーカム計画
はるかウルタールに猫を求めて 第二話
構成:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:那知上陽子5P

 アーカムで発生した事件を追う探索者たちは、やがてこれらにある共通点を見いだした。それは、かの『ナコト写本』に記された、夢の世界に存在するといわれるウルタールという地名。アーカムとウルタール、この二つの街が交差するとき、また新たな犠牲者が生まれる……。
 新発売のソースブック『ラヴクラフトの幻夢境』リプレイ第二弾!!

  1. 消えたランスロット
  2. 頭にこぶを持つ露天商
  3. 浅き眠りの七十段の階段
    • コラム:『ラヴクラフトの幻夢境』いよいよ発売!!

Vol.54 (2009.3.24)

アーカム計画
はるかウルタールに猫を求めて 第三話
構成:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:那知上陽子5P

 アーカムに出回っていた謎のお香を使ったことで、ドリームランドへとやってきた探索者たち。しかし、不可思議な森をさまよう探索者たちを待ち受けるのは、ドリームランド特有の危険なクリーチャーであった。
 満を持して発売された、新作サプリメント『クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(ドリームランド)』リプレイの第三弾――いよいよシナリオも佳境にっ!

  1. 魅惑の森をさまよう
  2. ウルタールを目指して
    • コラム:『ラヴクラフトの幻夢境(ドリームランド)』好評発売中!!

リプレイ中においてドリームランドにおける狂気/悪夢の特別ルールと、ドリームランド特有の技能〈夢見〉〈夢の知識〉が使用及び説明されている。


Vol.55 (2009.4.22)

魔法イメージ探訪記
第三十五回 語りきれなかった事など(3)
文:門倉直人│画:緒方剛志2P

連載「第三回:花見の魔法」の「『桜』の色々な諸源説について考察あれこれ」において、ヘブライ人が唯一神の名をそのままでは発音困難な神聖四文字"YHWH"として表した事に触れ、「畏れ多い存在だから」婉曲に表現したというよりも、抑圧されていた身分から信仰を秘密にせざるを得なかったヘブライ人が「仲間内でしか通じない」ように暗号化する必要があったのではないかと考察し、「ラヴクラフトによるクトゥルフ神話の『読めない神名』というモチーフは、この神聖四文字からヒントを得た――というか少しネガティヴな視線でのパロディーだったかもしれません」と推測している。


アーカム計画
はるかウルタールに猫を求めて 第四話
構成:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:那知上陽子6P

 猫の街ウルタールに到着した探索者は、さらわれたマドンナのベルを探して、この土地に隠された忌まわしき過去を暴くこととなる。誰もが口にすることすらはばかる黒い森には、いったい何が潜んでいるというのか……?
 大好評発売中の新作サプリメント『クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(ドリームランド)』リプレイの第四弾。いよいよ物語は最終話を迎える!

  1. 101匹猫ちゃん大行進
  2. 忌まわしき小作人の小屋
    • コラム:『ラヴクラフトの幻夢境(ドリームランド)』好評発売中!!

Role&Roll Station
2P

Vol.48のRPG・ボードゲーム・プラスαを斬る!でも取り上げられた、FANTASY FLIGHT GAMES社の"Call of Cthulhu THE CARD GAME"が、アークライトから“コール・オブ・クトゥルフ カードゲーム”として今秋発売予定である事が発表されている。同社の「ディセント」と同じく完全日本語版。この号のBrand New Gamesでは触れられておらず、追加情報は5月31日に開催されるゲームマーケット2009において知らされるとの事。


Vol.56 (2009.5.24)

ボードゲーム・ジャンクション
Topics
2009年 アメリカゲーム 初夏の新作!
文:安田均2P

FFG(FANTASY FLIGHT GAMES)社のボードゲーム“アーカム・ホラー”の最新拡張セット“アーカム・ホラー:黒山羊の森”"ARKHAM HORROR: THE BLACK GOAT OF YHE WOODS"(ケヴィン・ウィルスン作)が紹介されている。「今月の注目作 CLOSE UP」の記事でも、同じ作者のFFG社製ボードゲーム「アンドロイド」が取り上げられ、高い評価を受けている。
別ページの記事「今スグ買える!遊べる! 輸入ゲーム ピックアップ!」の「掲載ゲーム一覧」によると、価格は24.95ドルで、アークライトの輸入ゲームラインナップには入っていない。
なお「Role&Roll Station」の広報記事によれば、5月31日に東京都立産業貿易センター(台東館)にて開催される「ゲームマーケット 2009」にRole&Roll Stationも出店し、「大変お待たせしていた」アーカム・ホラー拡張セットの日本語訳付きを発売する予定であるとの事。

#“アーカム・ホラー”及び拡張セット(エクスパンション)については、有味 風様の「終末同盟」に詳細な解説があります。


アーカム計画
ドリームランドを舞台としたクトゥルフ神話作品
文:坂本雅之5P

 膨大な設定が用意されている『クトゥルフ神話TRPG ラヴクラフトの幻夢境(ドリームランド)』。今回は基となった作品を紹介しながらドリームランドでの探索を考える。

 順番は『ラヴクラフトの幻夢境』を参考に、おおよその年代順に並べた。例によって創元推理文庫の『ラヴクラフト全集』は「全」と略して表記し、一部の固有名詞には『ラヴクラフトの幻夢境』で解説されているページも記した。

  • リン・カーター「ナスの谷にて」(『エイボンの書』)
  • ラヴクラフト「サルナスの滅亡」(全7)
  • ラヴクラフト「ウルタールの猫」(全6)
  • ラヴクラフト「蕃神」(全6)
  • ラヴクラフト「イラノンの探求」(全7)
  • ラヴクラフト「セレファイス」(全6)
  • ラヴクラフト「古燈台」(ソネット「ヨゴス星より」から:『定本ラヴクラフト全集7-2』)
  • ラヴクラフト「忘却の彼方へ」(『定本ラヴクラフト全集1』)
  • マイヤーズ『The House of the Worm』(「妖蛆の館」)
    • 「妖蛆の館」(『新編 真ク・リトル・リトル神話大系5』『真ク・リトル・リトル神話大系3』)
    • 「Yohk the Necromancer」
    • 「Xiurhn」
    • 「Passing of a Dreamer」
    • 「The Return of Zhosph」
    • 「Three Enchantments」
    • 「The Maker of Gods」
  • ラヴクラフト「ピックマンのモデル」(全4)
  • ラヴクラフト「ランドルフ・カーターの陳述」(全6)
  • ラヴクラフト「未知なるカダスを夢に求めて」(全6)
    • 図:ランドルフ・カーターのドリーム・クエスト(「未知なるカダスを夢に求めて」より)
  • ラムレイ「ダイラス=リーンの災厄」(国書刊行会『黒の召喚者』)
  • ラヴクラフト「白い帆船」(全6)
  • ラヴクラフト「北極星」(全7)
  • ラヴクラフト「銀の鍵」(全6)
  • コラム:ドリームランドで便利な場所・人物
    • ドリームランド大図書館
    • クラネス王
    • 賢者アタル
  • ラヴクラフト&E.ホフマン・プライス「銀の鍵の門を越えて」(全6)
  • ラヴクラフト「霧の高みの不思議の家」(全7)
  • ラムレイ『Clock of Dreams』
  • ラムレイ『Hero of Dreams』
  • ラムレイ『Iced on Aran』
    • 「Iced on Aran」
    • 「Augeren」
    • 「A-mazed in Oriab」
    • 「Tale's Tail」
  • 参考文献:
    • リン・カーターほか『エイボンの書』(新紀元社)
    • 『ラヴクラフト全集6』(創元推理文庫)
    • 『定本ラヴクラフト全集7-2』(国書刊行会)
    • マイヤーズ『The House of the Worm』Arkham House, 1975
    • ラムレイ『タイタス・クロウの帰還』(創元推理文庫)
    • ラムレイ『Clock of Dreams』Tor Books, 1999
    • ラムレイ『Hero of Dreams』Ganley, 1986
    • ラムレイ『Iced on Aran』Ganley, 1992

#ラムレイによるファファードとグレイ・マウザー……じゃない、デヴィッド・ヒーローと放浪者エルディンのコンビの幻夢境冒険ものは、残念ながら「タイタス・クロウ」ものとは異なり、原書の各版とも絶版状態のようです。


サタスペ
亜侠必死
文:河嶋陶一朗(冒険企画局)│画:速水螺旋人2P

「今月のおたから大百科」に追加アイテムデータ「エーリッヒ・ツァンのジュークボックス」が……音楽機器メーカー「オーゼイユ」製であるとの事。


セイクリッド・ドラグーン
シナリオ&サポート
海竜の魔境
文:力造│画:桃タイ6P

追加クリッター(モンスター)データに「深きものども」が……やはり奉仕種族であるとの事。


Vol.57 (2009.6.24)

アーカム計画
1930年代――飛行艇の時代
文:坂本雅之│写真協力:月刊エアワールド5P

『R&R』49号で紹介した1920年代の航空事情に続いて、1930年代の飛行艇の話をさせていただく。当時洋上長距離航路は飛行艇が担っており、豪華な内装を持つ飛行艇が各国で作られた。日本でも川西が飛行艇を製造し、大日本航空がそれを使ってサイパン・パラオ方面への航空路を開設していた。

  • 写真:アメリカのマーチンJRM「マーズ」飛行艇
  • 飛行艇とは?
  • 初期の飛行艇
    • カーチスNC-4
    • ショート「フェリクストウ」F.2A
    • ドルニエDo15「ヴァル」
    • ドルニエDoX
  • コラム:航空機の航法
  • インペリアル航空と飛行艇
    • ショートS-8「カルカッタ」
    • ショート「エンパイア」
  • パン・アメリカン航空と飛行艇
    • パン・アメリカン航空の太平洋航路
      • マーチンM-130「チャイナ・クリッパー」
      • ボーイング314
      • 写真:ボーイング314のコックピット
    • パン・アメリカン航空の大西洋横断路線
  • 大日本航空と飛行艇
  • 写真:川西式四発旅客飛行艇
  • コラム:その他の飛行艇
    • 二式飛行艇
    • ヒューズH-4「ハーキュリーズ」
  • 参考文献:
    • キース・ハーバー『The 1920s Investigator's Companion』ケイオシアム、1997
    • 講談社編『昭和二万日の全記録 第5巻』講談社、1989
    • (財)日本航空協会編『日本民間航空史話』(財)日本航空協会、1966
    • 帆足孝治『世界の海を渡った豪華絢爛の翼 飛行艇の時代』イカロス出版、2005

Role&Roll Station
2P

「今夏発売!完全日本語版ボードゲーム最新情報」と題して、FANTASY FLIGHT GAMES社のカードゲームの翻訳版『クトゥルフ神話カードゲーム完全日本語版』の完成が報告され、見本として「クトゥルフ/偉大なる旧支配者」のカードが掲載されている。発売日についての情報は無いが、拡張パックの発売は決定しているとの事。


Vol.58 (2009.7.17)

アーカム計画
戦闘ラウンドの試案いろいろ
文:坂本雅之5P

 以前から個人的にいろいろ疑問に思い、またユーザーからの質問も多い戦闘ルールのことをいろいろ考えてみた。ルールの解釈や、キーパーにまかせられた運用面、さらに追加のルールなど。いうまでもなく、これはあくまで坂本個人のアイデアであり、何らかの公式性のあるものではないことに注意すること。

  • 『クトゥルフ神話TRPG』にもう少しリアルな戦闘ルールを導入したい。
  • 現行の『CoC6』ルール
    引用:戦闘ラウンド(『クトゥルフ神話TRPG』65ページ)
    • 宣言?
      引用:クトゥルフFAQより(『R&R44』アーカム計画)
      引用:行動の順序(『ストームブリンガー』101ページ)
    • DEXと攻撃の順番
      • First In Last Out(先入れ後出し)
        引用:第1ステップ(『大帝の剣TRPG』61ページ)
      • DEXランクを導入する。
        引用:3.行動(『ストームブリンガー』102ページ)
  • 複数回攻撃できる場合、どのタイミングで攻撃を行うのか?
  • エンドレス・ラウンド制
    • ラウンドから必要インパルス数への変換
      表1:DEXと必要インパルス数(案)
      表2:『CoC6』での攻撃回数と必要インパルス数(案)
      表3:神話生物攻撃(案)
      図:インパルス管理の仕方
    • 回避、受け流し
    • アクションの変更
  • コラム:ほかのBRPシステム
    • 『MICHAEL MOORCOCK'S ストームブリンガー』ケイオシアム/エンターブレイン
    • 『Basic Roleplaying 2008』ケイオシアム
    • 『Ringworld』ケイオシアム
    • 『ルーンクエスト』ケイオシアム/アバロンヒル/ホビージャパン
  • 次号以降の予定

#これまでに提案された戦闘ルールの改良案で思い出されるのは、1982年に「ディファレントワールド」"Different Worlds"誌issue19に掲載され、有坂純氏によって「TACTICS別冊RPGマガジン」1987.1(No.2)に翻訳された、銃器ルールに関する記事「クトゥルフを撃て」"Guns Against Cthulhu, by Dick Wagenet"です。この中の「発射率(ROF)」の追加ルール等は、後に有坂氏作のキャンペーンシナリオ“黄昏の天使”に付属する“1980年代に関する資料集”の銃器ルールにも採用されました。

I. 武器マニュアル1988
銃器:

(中略)

 銃器の性能からは今までの“ラウンドあたりの射撃回数”の欄が除かれて、代わりに“発射率(ROF)”というデータがおのおの追加されます。各戦闘ラウンドにおいて、銃器を使うキャラクターは第1発目の射撃をまず自分のDEX値の番に行ないます(もちろん、敵の全員が近接戦用武器で立ち向かってくる場合には、戦闘ラウンドの最初にまず第1発目を発射しますが)。そして、第2発目の射撃は自分のDEX値からその銃器のROF値を引いた番に行ない、第3発目の射撃は自分のDEX値からその銃器のROFの2倍を引いた番に行ない…………というように、本来のDEX値の番を最初に、その後は使用している銃器のROF値ごとの番に射撃が実行されるわけです。

 例えば、ROF値が4である9mmオートマチック拳銃を、DEX値が14であるキャラクターが使うような場合は、戦闘ラウンドごとにDEX値の順番14、10、6、2にそれぞれ射撃を行なえることになります。


Game Market 2009 レポート!
岡和田晃1P

5月30日及び31日に開催された、今年で10周年となるアナログゲームの総合イベント「ゲームマーケット」の内容報告。アークライトのブースでは、今夏発売予定の『クトゥルフ神話カードゲーム スターターキット』の先行体験会が行われた。著者いわく「びっくりするほど面白い!」との事。

ぱっと見、普通のTCG風味のゲームかと早とちりしていたが、システムが練り込まれ、煩雑さが緩和されており、初心者でも入りやすく、奥が深い。単に敵を倒すだけではなく、「物語」を体験することがゲームの主軸にあるのも斬新だ。イラストや、カードを使用した際に配置するクトゥルフ像も不気味で実に趣がある(笑)。

Vol.57の「Role&Roll Station」において紹介された「クトゥルフ/偉大なる旧支配者」のカードにもかなりの反響があったという事が、今号の「〜ステーション」ページにおいて報告されている。


Vol.59 (2009.8.24)

アーカム計画
『クトゥルフ神話TRPG』における戦闘のススメ
構成:坂本雅之│文:内山靖二郎5P

基本ルールブックだけではややわかりづらいところのある『クトゥルフ神話TRPG』における戦闘ルールについて、ケイオシアムからの回答を参考にしつつまとめてみることとした。
 ただし、すべての細々としたルールについてケイオシアムから答えを得ることはできなかった。本文中に「※注)」とされているものは、日本のアーカムメンバーたちによる独自の見解である。

  • はじめに
  • 行動順番の決定
  • 受け流しについて
    • 表:攻撃に使用する武器と、受け流しに使用する武器の対応表
  • 火器の攻撃
  • 近接戦用武器の攻撃
    • 回避の使い方
  • 人間の素手の攻撃と受け流し
  • 組みつきについて
    • 対象をしっかり押さえ込む
    • 対象を倒す
    • ノックアウトする
    • 武器を取り上げる
    • 対象を肉体的に傷つける(対象が逃れる行動が可能)
    • 対象の首を絞める(対象が逃れる行動が可能)
    • 素手の攻撃を受け流す
    • 武器の攻撃を受け流す
    • 〈組み付き〉を受け流す
  • クリーチャー/神格の攻撃と受け流し
  • おわりに

    今回の記事は、あくまで戦闘ルールの処理に困ったときなどに、ルールではどのようになっているのかの参考にしてもらうためのものである。


Role&Roll Station
2P

「発売直前! この夏のイチ押しゲーム!」と題された記事において、対戦型カードゲーム『クトゥルフ神話カードゲーム完全日本語版』のあらまし等が紹介されている。

 各プレイヤーは「恐怖」「戦闘」「秘儀」「探索」といった試練を乗り越えて、ボスと戦います。ボスに勝利することで「物語」を獲得でき、これを3つ集めた人が勝利者になります。
 このゲームの最大の特徴は、物語に合わせて自分で山札(デッキ)を作成することでしょう。カードセットの中から作成するのですが、相手も同様に作成するので条件は同じ。対等の勝負を行えるのです!

「ピックアップカード」として「キャラクターの負傷を打ち消す能力」を持つ「ミ=ゴの戦士」が取り上げられている。

  • クトゥルフ神話カードゲーム完全日本語版
  • 価格■4600円(予価)
  • 発売■アークライト

ロール&ロール ステーションでは8月にこのゲームの体験会を計画している。また日本語版の入荷日が判明し次第、その詳細をWeb及び店頭にて告知するとの事。


Vol.60 (2009.9.17)

アーカム計画
日本の法執行機関と「特殊部隊」
文:坂本雅之5P

武器データをまとめるために現代日本に存在するさまざまな法執行機関や準軍事組織を改めて調べてみたのだが、武器データよりもこれらの組織の概要を把握しておいた方が、神話、非神話を問わずさまざまな異常な事件に対処しやすいと感じ始めた。そこで今回は日本の法執行機関と「特殊部隊」についてまとめてみようと思う。

  • 日本の法執行機関
    • 警察
    • 警視庁の構成
    • 警察署の構成
    • 警察庁
    • 海上保安庁
    • 税関
    • 麻薬取締官
  • 日本の「特殊部隊」
    • 警察系の「特殊部隊」
      • 機動隊
      • 銃器対策部隊
      • SAT(Special Assault Team:特殊部隊)
      • SIT(Special Investigation Team)
      • 警察庁スカイマーシャル
    • 海上保安庁
      • 海上保安庁特殊警備隊
      • 海上保安庁特別警備隊(特警隊)
    • 自衛隊
      • 陸上自衛隊特殊作戦群
      • 海上自衛隊特別警備隊
  • 神話的事件と法執行機関
  • コラム:現代日本の武器解説
    • 拳銃
    • サブマシンガン
    • ライフル
    • ショットガン
  • 表:現代日本の武器表(暫定版)

セイクリッド・ドラグーン
シナリオ&サポート
炎の災厄を断て!
文:力造│画:桃タイ6P

追加クリッター(モンスター)データに「ミ=ゴ」が……種別は「植物」(菌類)で、やはり資源採掘をしているとの事。


ボードゲーム・ジャンクション
今スグ買える! 遊べる! 輸入ゲーム ピックアップ
文:―│イラスト:水着M2P

1ページにわたって“クトゥルフ神話カードゲーム完全日本語版”、通称“クトゥルフLCG”が取り上げられ、プレイの手順や勝利条件等の概要が紹介されている。ルール説明だけ聞くと複雑そうな印象を受けるが、実際にプレイするとそのような感じはあまりないとの事。末尾の「掲載ゲーム一覧」の情報は以下の通り。発売はアークライトで、輸入ゲームラインナップにも入っている。

  • ゲームタイトル(邦題):クトゥルフ神話カードゲーム完全日本語版
  • デザイナー:ネイト・フレンチ
  • メーカー:Fantasy Flight Games社
  • プレイ人数:2人
  • プレイ時間:30〜40分
  • 対象年齢:13歳以上
  • 価格:4600円

Role&Roll Station
2P

“クトゥルフ神話カードゲーム完全日本語版”絶賛発売中との告知。また「拡張パックも、今後本国での英語版発売と同時期に日本語版も発売していく予定」とされていて、拡張パックセットの一つ『ドリームランド・アサイラムパック 黄昏の恐怖 TWILIGHT HORROR』の日本語版パッケージの写真が載っている。


ハラショー!REPORT&RESPONSE
文:―│イラスト:笛吹りな2P

読者からのお便りの「その他の感想」の項において、2009年7月22日の皆既日食を観測しに奄美大島まで出かけた読者からの「日食中“イア! イア!”と口ずさみそうになりました(笑)」という投稿に対して「勇敢な探索者の活躍により発生した雲によって日食が隠され、邪神の復活が阻止されたのだ!」「『悪石島』もクトゥルフ的に気になる名前」「日食を見にきた人たちは、実は邪神復活の陰謀を企む秘密結社に、儀式のためのいけにえにされるとか……」等とシナリオネタで盛り上がっている。


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