Role & Rollにおけるクトゥルフ
Vol.11-20, SP3

  • 新紀元社発行のRPG専門誌「Role & Roll」における“クトゥルフの呼び声”(“クトゥルフ神話TRPG”“コール オブ クトゥルフ d20”“クトゥルフ・ダークエイジ”及び“クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上”)関連記事です。
  • リスト化されているのは基本的に私の所有分だけです。
    また、シナリオの紹介文ではネタばれしている危険もあります。

Vol.1-10, SP, SP2 / Vol.11-20, SP3 / Vol.21-30 / Vol.31-40 / Vol.41-50 / Vol.51-60
Vol.61-70 / Vol.71-80 / Vol.81-90 / Vol.91-100 / Vol.101-110 / Vol.111-
Vol.11 / Vol.12 / Vol.13 / SP3 / Vol.14 / Vol.15 / Vol.16 / Vol.17 / Vol.18 / Vol.19 / Vol.20

記述例
記事の掲載誌の号数(初版発行日)
記事名
著者/訳者等(敬称略)総ページ数
記事の概要

Vol.11 (2005.4.6)

Brand New Games
1P

発売予定の製品として“クトゥルフ・ダークエイジ”が掲載されている。

  • クトゥルフ・ダークエイジ
    • 発売日■2005年4月22日予定
    • 価格■5000円[税込]
    • 著者■シュテファン・ゲシュベルト
    • 発売■新紀元社

アーカム計画
クトゥルフ・ダークエイジ・リプレイ「誰がためのヴァルハラ」(前編)
構成:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:青木邦夫10P

ルールブックの発売に先行して掲載された、Vol.12の記事へと続く“クトゥルフ・ダークエイジ”リプレイの前編。舞台は10世紀初頭、ドイツ西部の森林地帯。ベテランのプレイヤーが演じる四人の探索者達は、錯乱した役人が領主の館へと帰還した事件に不穏な謎の臭いを嗅ぎ取り、彼が訪れていた東の湿地の集落へと赴く。そこで彼らが遭遇したものとは……。

  • ダークエイジ探索者の創造
    • 職業について
      ほとんどの人間が農林業等の第一次産業に従事していた時代において、それ以外の職業を選択した探索者は社会的に非常に珍しい存在。「普通の市民」が神話的事件に巻き込まれる“クトゥルフ神話TRPG”等とは異なる部分である。
      社会的身分等の条件によって自由な行動が制限されている職業も多く、キーパーはルールブックの指針を参考に探索者達の出会いを演出する、あるいはシナリオに適した職業をキャラクター作成時にあらかじめ提示しておく、等の工夫が必要となる。
    • 呪文について
      呪術に縁の深い職業や司祭等は、技能に割り振るパーセント値を100ポイント消費するごとに1つ、最初から呪文を覚えておく事が出来る。ただし覚える事の出来る呪文はキーパーの許可したものに限られる。
      なお、この時代には「精神分析」という概念が存在しないため、キャラクターの狂気を癒すためには呪文の力を借りる必要があったりするようだ。
    • 探索者紹介
    “ダークエイジ”における強さ比較では、「よく訓練された重武装の兵士>深きもの、食屍鬼」という事のようだ。
    “ダークエイジ”におけるEDUは「教育を受けた期間」ではなく「学究心の高さ」を意味しているので、年齢とは関係無し。美浜ちよちゃんも再現可能。
  • 領主の庭にて狂気の男を取り押さえる
  • 東の湿地にて悪魔の像と出会う
  • 原生林の中の沼にて巨人を目撃すること

#近日発売になるルールブックの紹介(宣伝)が目的にあるためか、シナリオ自体はオーソドックスな調査ものの展開をしている。キャラクター作成時に魔法を習得可能であるという点から、タクテクス別冊「クトゥルフ・ワールド・ツアー」“クトゥルフ・ハイパーボレア”を思い出す古参ゲーマーも多いと思う。だが、同じC.A.スミスの作品ならば、“アヴェロワーニュ”物語群の「イルーニュの巨人」が1281年、「アヴェロワーニュの獣」が1369年、「聖人アゼダラク」が1175年という時代設定なので、こちらの方が再現可能性が高いかもしれない。


Vol.12 (2005.6.7)

アーカム計画
クトゥルフ・ダークエイジ・リプレイ「誰がためのヴァルハラ」(後編)
構成:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:青木邦夫10P

Vol.11の記事から続く“クトゥルフ・ダークエイジ”リプレイの後編。東の湿地へと調査に赴いた探索者達は、地元で「ヴォータンの墓」と呼ばれている禁忌の森へと入り込み、犬頭の巨人を目撃する。何とかその地を抜け出し、付近の集落へと帰還した彼らを待っていたのは、殺戮されたばかりの見知らぬ住民達の死体と、生存者らしき一人の少女だった。彼女は探索者達に告げる――この地こそヴァルハラと……。

  • 残虐なるマジャール人の蛮行を目撃すること
    • 『クトゥルフ・ダークエイジ』好評発売中!
  • オット、忌まわしくも罪深き行ないを告白すること
    • 探索者紹介
  • 少女、「ヴァルハラ」を語ること
    • 怪物紹介
      ◆墓に群れるもの/Tomb-Herd
  • アダルベルト、カニ怪物と戦うこと
  • 石碑に触れて元の世界へ帰還すること
  • 独眼の老人に黒い石を渡すこと
    • ゲルマン神話およびキリスト教と『ダークエイジ』
  • エピローグ

#キーパーとしての内山氏の感想では、“ダークエイジ”においては探索者への情報の出し方が難しいとの事。新聞や日記等の“クトゥルフ”定番の情報源が利用できない事に加え、PCの識字率の低さから、与えられた情報を判読するのに失敗する事もある。
プレイヤー諸氏からは、現代ものよりももっと単純なシナリオの方が、複雑な事を考えずに行動する中世のキャラクターにはふさわしいかもしれないし、いろいろ悩むよりもどんどんシナリオを進める事が出来るので展開が速くて良い、という感想があった。
また、必ずしも歴史に忠実にプレイする事もないだろうという意見もあり、それを受けて内山氏も、プレイヤー達が歴史好きだったり時代背景を知っていたりする場合は、しっかり下調べをしたシナリオを組めば良いし、そうでない場合はより気軽に神話怪物と戦うシナリオを楽しんでも良いだろうと語っている。


Vol.13 (2005.8.9)

アーカム計画
アーカムの歩き方
『H.P.ラヴクラフト アーカム』活用ガイド
構成:坂本雅之│文:内山靖二郎│画:青木邦夫8P

『クトゥルフ・ダークエイジ』の発売で、新たな展開を見せるクトゥルフ神話のTRPGだが、その原点であるアーカムも忘れてはならない。今号の記事では、これまで『R&R』で十分に紹介されていなかった『H.P.ラヴクラフト アーカム』の活用法とその魅力に迫る!

  • 『H.P.ラヴクラフト アーカム』
    著者:キース・ハーバー
    装丁:B5版 総164ページ+アーカム地図
    発行:新紀元社
    定価:3,150円[税込]
  • さて、この本をどう読むか?
  • 活用法1 シナリオにひと味加える
  • 活用法2 アイデアソースとして活用する
  • 活用法3 探索者たちに色づけをする
  • アーカムおすすめスポット
  • 新刊紹介
    青心社文庫「クトゥルー 13」
    オーガスト・ダーレス他/大瀧啓裕訳・編
    定価:714円(税込)
  • 『クトゥルフ神話キーパーズ・コンパニオン』(仮題)情報!
    次にお届けできるサプリメントは『クトゥルフ神話キーパーズ・コンパニオン』(仮題)に決まった! これはケイオシアムから2000年に出版された『Keeper's Companion』と、2002年に出版された『Keeper's Companion 2』の再編集版となる。基本のルールブックに収録されていなかった魔道書、呪文、クリーチャー、アーティファクトなど、豊富なデータはきっと信者を満足させてくれるに違いない。

#『H.P.ラヴクラフト アーカム』に限らずその他のサプリメントを読む際にも大いに参考になる記事。他のTRPGの都市設定サプリメントから「クトゥルフTRPG」用のシナリオを考え出す等。


SP3 (2005.9.7)

スピタのコピタの! すぺしゃる
画:緑一色│文:―(6P+2P)*2

TRPG体験コミック「スピタのコピタの!」の本誌連載分に書き下ろしを加えた総集編。vol.5掲載の「第5卓:邪神さまのういやつなのか?」及びvol.9掲載の「第9卓:学者も歩けば魚人に当たる」が収録され、それぞれの最後にシステムの紹介記事が、“コール オブ クトゥルフ d20”について2ページ、“クトゥルフ神話TRPG”及び“クトゥルフ・ダークエイジ”について各1ページづつ添えられている。各TRPGの紹介は「準備するものは?」「何人で遊べるの?」「どんな世界で遊べるの?」「どんなキャラクターができるの?」「ここがおもしろい!」の項目に答える形で書かれている。

“コール オブ クトゥルフ d20”の紹介では、「ここがおもしろい!」の項において特にd20システムの「出目10」及び「出目20」ルール(行為に時間的余裕があり、阻害要因がなく、「出目20」の場合にはさらに何度でも再実行できるような状況において、判定の1d20の出目をそれぞれ10及び20と判断する事を許すルール)が取り上げられ、調査等が重要になるホラーRPGとの相性の良さが指摘されている。魔道書の読み取りや呪文の習得の成否等、探索者達の生死を分ける判定にこれらのルールが活用出来るため、キーパーがシナリオのバランスをとりやすいという利点があり、逆に時間制限を設けてこれらのルールが活用出来ない場面を作りだし、シナリオの緊張感を高める事も可能であるとの事。


Vol.14 (2005.9.25)

アーカム計画
シークレッツ・オブ・ジャパン "Secrets of Japan"
日本を舞台にしたクトゥルフRPG
文及び翻訳:坂本雅之│画:Nottsuo、Melissa Uran9P

 ケイオシアムからこの春出版されたばかりの、最新の『クトゥルフ神話TRPG』サプリメント、『シークレッツ・オブ・ジャパン』(Secrets of Japan:以下SoJ)。
「アーカム計画」では、『R&R』の偶数号で数回にわたってこの『SoJ』の一部を紹介していくぞ。なお、奇数号では従来どおりのサポートを続ける予定だ。

現代日本を扱った海外産のサプリメント“シークレッツ・オブ・ジャパン”から、クリーチャー・データや魔道書、諸設定等を抜粋して翻訳する連載記事の第一回。

  • 『シークレッツ・オブ・ジャパン』とは?
    • 六界世界におけるクトゥルフ神話存在 "Mythos Entities in the Six Realm"
      • 星蛇 "Astral Serpent"
        精神的な寄生体
      • 悪心影 "Aku-Shin Kage"
        ニャルラトテップの化身、暗黒将軍
      • エメラルド・ラマ "The Emerald Lama"
        ハスターの化身、心の触媒毒
  • 『クトゥルフ神話TRPG キーパーコンパニオン』は10月初旬発売!
    同号のBrand New Games記載の情報によると、著者はキース・ハーバー、訳者は坂本雅之及び中山てい子、価格は未定(となっているが、発売元のエンターブレインのサイトでは税込2310円、発売日2005/10/01)。
    • 禁断の本(クトゥルフ神話の魔道書):30種類もの魔道書を徹底的に紹介
    • 異界の種族:代表的な6種族の詳細な解説
    • 秘術のアーティファクト:神話作品や従来のシナリオに登場した神話的アイテムを詳細に解説

#"Secrets of Japan"は現代日本を社会、オカルト、宗教、歴史等の様々な視点から紹介しているもので、総ページ数は360以上というケイオシアムのサプリメントの中でもトップクラスのボリュームがある。その内容の半分以上が現代日本に関する一般的な説明である事と、「『SoJ』は日本人にとって、ラヴクラフト的でもクトゥルフ的でもない」事から、新紀元社サイドでは当面この日本語版を製品にする予定はないようである。しかし仏教、神道、陰陽道、道教等の思想の解説にもかなりのページ数が割かれ、それぞれに神話的設定が組み込まれている等、日本のユーザーにとって魅力的な内容も多いため、それらの抜粋をRole&Rollの記事として公開していく事にしたようだ。


ボードゲーム・ジャンクション
今月の注目作
文:江川晃1P

今年FANTASY FLIGHT GAMESから再販された、新版“アーカム・ホラー”が紹介されている。旧版の内容が全面的に見直され、アーカム各地における遭遇イベント等はカードにまとめられて利便性と拡張性を持ち、ゲームの進行に従ってNPCである住人達の状況も変化するようになっているとの事である。「クトゥルフ神話のファンはもちろん、あらゆるTRPGのファンにこそお勧めしたい一作です」と評価されている。


RPG・ボードゲーム・プラスαを斬る!
文:安田均1P

新版“アーカム・ホラー”の、「ボードゲームのストーリーゲーム化」の先駆者としての側面とその特徴に注目した批評。このゲームは安田氏からも好意的な評価を得ている。


広告:新紀元社「F-ファイル」シリーズ発刊
2P

「テーブルトークRPGを強力サポート!」という趣旨で発刊された新シリーズ。続刊の紹介において「図解 クトゥルフ神話」10月刊行予定との記述がある。


Vol.15 (2005.10.29)

アーカム計画
クトゥルフ・シナリオ「汝は悪臭放つもの」
構成:坂本雅之│文:内山靖二郎│画:青木邦夫9P

13号の「アーカムの歩き方」に続く『H.P.ラヴクラフト アーカム』(『HPLA』)徹底活用法第2段ということで、アーカムを舞台にしたシナリオ「汝は悪臭放つもの」を掲載する。『HPLA』を使用することで、より充実したシナリオを『R&R』で紹介することが可能になっている。

  • “クトゥルフ神話TRPG”及び“コール オブ クトゥルフ d20”両対応のシナリオ。
  • 舞台設定は1920年代のアーカム。
  • 作成したて(1レベル)の探索者4人向けにデザインされている。
  • プレイに必要な時間は、探索者作成を除くと5時間程度。
  • プレイする際にはサプリメント“H.P.ラヴクラフト アーカム”が必要であり、プレイヤーもプレイ中にこれを参考資料(探索者の知識)として読む事が推奨されている。
  • 記事の最後には「日本サプリメント制作開始! 海外デビュー決定!!」の報があり、“クトゥルフと帝国”及び“比叡山炎上”について触れられている。
    “〜帝国”の執筆者として坂本雅之や内山靖二郎に加えて、同じく大正日本を舞台としたTRPG“秘神大作戦”のデザイナーである坂東真紅郎の名前が挙げられている。発売予定は2005年12月との事。
    織田信長が活動中の戦国時代を舞台とする“比叡山炎上”では、近接戦用のルールが追加され、また日本独自の術や日本の伝説とクトゥルフ神話との関連についても検討中との事である。
    これらのサプリメントは英訳され、ケイオシアムから発売される予定。
  • 次回予告は、サプリメント“シークレッツ・オブ・ジャパン”に登場する日本独自の魔道書の紹介となっている。

#シナリオでありかつサプリメントの活用法を教えてくれる、このような記事はお得感があってとても嬉しい。


Vol.16 (2005.11.27)

Brand New Games
1P

12月発売予定の“クトゥルフ神話TRPG”用サプリメント“クトゥルフと帝国”について、これまでの紹介記事よりもさらに詳細な情報が掲載されている。

  • 1923年(大正12年)の関東大震災から昭和の初期までを扱ったソースブック。
  • 当時の社会情勢、生活、娯楽、情報源、法執行機関、病院、軍事機構、交通機関等に関する豊富な資料を収録。
  • 帝都東京の主な場所については、当時の地図や現存する建物の写真等の具体的な情報を提供。
  • 当時の日本がアジア・太平洋に持っていた勢力圏についても紹介。
  • 30種類もの探索者の職業について、イラストやプレイスタイルの提案とともに収録。
  • 帝都を舞台にしたもの等シナリオ三本付き。
  • “コール オブ クトゥルフ d20”にも利用可能。

アーカム計画
シークレッツ・オブ・ジャパン "Secrets of Japan"
日本を舞台にしたクトゥルフRPG
文及び翻訳:坂本雅之│画:Nottsuo、Melissa Uran5P

 14号に続いて『シークレッツ・オブ・ジャパン』(以下SoJ)の紹介第2回! 今回は日本独自の魔道書を紹介するぞ!
 今回は『クトゥルフと帝国』執筆のため、5ページの短縮版でお送りする。

“シークレッツ・オブ・ジャパン”に収録されている11種の日本独自の魔道書の一覧と、その中の3種の詳細な紹介。

  • 日本特有の魔道書 "Catalogue Nipponica"
    • テキストの言語
  • 「黒魔術:言霊の技巧」 "Kuro Majyutsu: Kotodama no Giko"
    • 言霊の利用
    • 歴史
    • 知られている版
  • 「曲がった道」(摩訶不思議道) "Makafushigi Michi"
    • 内容
    • 成文化されたテキスト
    • 知られているバージョン
  • 「日本における超自然」 "Supernaturalia Japonica"
    • 内容
    • 知られているバージョン

#ラフカディオ・ハーンによって書かれた「日本における超自然」等は確かに興味深いが、前回の紹介記事において言及された「禁忌経典」や「石庭無限」を扱って欲しかった。「石庭無限」の内容である「クトゥルフ神話俳句」とは? 1987年に麻原シンヤマによって書かれたという「仏陀の涙の教義」や、DVD「幽霊計画白書」、宮本武蔵著というマーシャル・アーツの手引書「六輪の書(六輪法)」も怪しさ大爆発だし……。


Role & Roll主催
第4回シナリオコンテスト&公認GMオーディション結果発表
1P

JGC2005において行われた『第4回シナリオコンテスト&公認GMオーディション』において、現代日本を舞台とする“クトゥルフ神話TRPG”用の正統派和風ホラーシナリオ「泣きこけし」(作者:遊戯の達人・神奈川県)がシナリオコンテストの入賞に選ばれている。作者はまた、第4回公認GMオーディションの合格者でもある。

(「泣きこけし」に対する)編集部コメント:PCはもちろん、プレイヤー自身にも恐怖を与えるように考え抜かれたストーリーラインが印象深い、非常に完成度の高いシナリオに仕上がっています。村の伝承を始めとしたギミックの数々もよく練られていて、ストーリーに奥深さを与えていことに成功している点も高評価のポイントでした。また、ヒントをさりげなく散りばめつつも、油断していると容赦なく死亡するという、実にホラーシナリオらしいゲームバランスも秀逸で、今回の入賞とさせていただきました。

総評:(シナリオコンテスト大賞作品と入賞の「泣きこけし」について)どちらが大賞でもおかしくないクオリティを持っていました。


広告:新紀元社「F-ファイル」シリーズ
2P

「図解 クトゥルフ神話」の広告がページ見本や目次の一部とともに掲載されている。

#広告では「発売中」となっているが、実際の発売時期はこの号よりも少し後だった。


Vol.17 (2005.12.26)

アーカム計画
クトゥルフ・リプレイ「渇きの泉」(前編)
構成及び文:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:青木邦夫、那知上陽子11P

当時発売直後であったサプリメント“クトゥルフと帝国”の紹介が2ページと、これを使用した、昭和初期の日本を舞台とするシナリオのリプレイの前編。探索者のひとりの肉親である美術商が奇怪な死を遂げる。彼が絵画展を催した画家が事件に関係しているのでは、と推測した探索者達は、画家を訪ねて長野県の山中へと赴くのだが……。

  • 帝都を覆う黒い影!!
    『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフと帝国』ついに発売!!

    発売日■12月19日 価格■3990円[税込]
    著者■坂本雅之、坂東真紅郎、内山靖二郎ほか
    表紙イラスト■米田仁士
    発売■エンターブレイン

    • 待望の日本ソースブックついに登場!

      舞台は1920〜30年代の日本。1923年(大正12年)に起こった関東大震災後の復興期から、1934年(昭和10年)の満州帝国成立のころまでを主に扱う。

    • 豊富な資料
    • 新しい探索者と追加技能
      • 帝都を探索する人々
    • シナリオは3本収録
  • リプレイ「渇きの泉」(前編)
    • 銀座に3人の探索者が集う
      • 探索者紹介
    • 再会は悲鳴に変わる
    • トンネルを越えて長野へ
      • 地方都市の様子
    • 雪山に舞うものたち

Vol.18 (2006.2.20)

Brand New Games
1P

戦国時代の日本を舞台に“クトゥルフ神話”を楽しむためのTRPG“比叡山炎上(仮)”に関する情報。

  • 比叡山炎上(仮)
    • 発売日■3月予定
    • 価格■3990円[税込み]
    • 著者■朱鷺田祐介/ほか
    • 発売■エンターブレイン
    • 本書はサプリメントの類ではなく、単体で遊ぶ事が可能。言わば和製“クトゥルフ・ダークエイジ”との事。

アーカム計画
クトゥルフ・リプレイ「渇きの泉」(後編)
構成及び文:坂本雅之│作:内山靖二郎│画:青木邦夫11P

“クトゥルフと帝国”を使用した、昭和初期の日本を舞台とするシナリオリプレイの後編。肉親の怪死に関係していると思われる画家を訪ねて、長野県の山中へと赴いた探索者達を待っていたのは、画家の弟子を名乗る美少年、蝙蝠に似た翼を持つ黒い怪物、そして水銀のような水をたたえた伝説の沼であった……。

記事の最後に、“クトゥルフと帝国”をプレイしてみてのプレイヤーの感想と、舞台となる当時の東京に関する推薦資料の紹介が載っている。

  • リプレイ「渇きの泉」(後編)
    • 森を駆け抜けて
    • 三者三様の情報収集
    • 森を駆け抜けて
    • 銀の沼に現れた者
  • 『帝国』をプレイしてみて
    • 「(馴染み深いが身近過ぎて時代としての魅力が薄い現代日本、魅力はあるが馴染みある時代ではない1920年代アメリカと比べて)昭和初期の日本は、プレイヤーにもイメージしやすく、それでいて現代日本とは微妙に異なった風俗や社会情勢を持つ、魅力ある舞台と言える」
    • 「携帯電話とかインターネットとか、便利すぎる道具がないのもキーパーとしてはありがたい」
    • 「大都市はだいぶ発展しているけど、田舎にいけばまだ文明の利器の届かない隔離された土地が残されている。そのアンバランスさはゲームでも大いに利用できる」
    • 「(昭和初期という時代性を理解してもらうために)とりあえずプレイヤーには『1920〜1930年代日本における職業』を読んでもらうといい」
    • 「(クトゥルフ神話の持つ圧倒的な存在感のために)舞台がいろいろ変わってもクトゥルフというゲームの本質は変わることがない」
  • 帝国通信
    帝都をもっと知るためのお勧め書籍
    • 講談社編『昭和二万日の全記録』(全19巻)
      講談社、1989〜1991
    • アイランズ編『東京の戦前 昔恋しい散歩地図』
      草思社、2004
    • 今和次郎編『新版大東京案内』(上下)
      ちくま学芸文庫、2001
    • 芦原由紀夫『東京アーカイブス よみがえる「近代東京」の軌跡』
      山海堂、2005
    • 『地図で見る東京の変遷』
      財団法人日本地図センター、1992
    • 『値段の明治・大正・昭和風俗史』(上下)
      朝日文庫、1987

『地図で見る東京の変遷』の項で触れられているのだが、“クトゥルフと帝国”に東京全図が収録されていないのは、東京のサイズが大きすぎるのが原因。街並みがわかるような、プレイに役立つ程度の縮尺の地図を収録する事は無理だったようだ。各地域の相対位置を把握する程度なら、現代の地図でも十分代用がきくとの事。

#リプレイの黒幕、己が生命にこだわって大御水をさっさと飲んでしまっているところが小物だ。自分はいつでも飲めるのだから、これを「生命水」と名づけて高値と引き換えに有力者達にばら撒けば、帝国はおろか全世界を支配する事も可能だったであろうに……。


Vol.19 (2006.3.21)

アーカム計画
シークレッツ・オブ・ジャパン "Secrets of Japan"
日本を舞台にしたクトゥルフRPG
文及び翻訳:坂本雅之│画:Nottsuo、Melissa Uran7P

14、16号に続いて『シークレッツ・オブ・ジャパン』(以下SoJ)の紹介第3回だ! 今回は日本のクリーチャーのうち化け物、妖怪を紹介する。

残念ながら、“シークレッツ・オブ・ジャパン”の内容紹介記事は今回でお休みとの事。

  • お化け物 O-Bake-Mono

    クトゥルフ神話との関係

    • カッパ、小型の独立種族 Kappa
    • テング、大型の独立種族 Tengu (T'ien-Kou/Garuda)
  • 妖怪、アザトースの子ら Yokai, Children of Azathoth
    • 雪女 Yuki Onna, Snow Woman
    • ろくろ首 Rokuro-Kubi
    • 化け猫 Bake Neko (Monstrous cat)
  • 正誤表
    R&R14号ではエメラルド・ラマのSTRが「11」とありますが、これは「20」の間違いでした。つつしんで訂正させていただきます。
  • 帝国通信
    • 林芙美子『放浪記』
      新潮文庫、1979
    • 林芙美子/立松和平編『下駄で歩いた巴里』
      岩波文庫、2003
    • 林芙美子/今川英子編『林芙美子 巴里の恋』
      中公文庫、2004

Vol.20 (2006.4.24)

表紙
画:緒方剛志1P

「クトゥルフの着ぐるみを脱いで顔を出す少女」という。1988年に出版された「クトゥルフ・ハンドブック」(出版:ホビージャパン社、著者:山本弘)の、加藤直之氏が描いた表紙へのオマージュと思われる。


BRAND NEW GAMES
1P

5月に発売予定の“クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上”の表紙が公開されている。イラストは「Role & Roll」の表紙も描いている緒方剛志氏。


アーカム計画スペシャル
特集 クトゥルフの呼び声
Call of Cthulhu
文:内山靖二郎、坂本雅之、森瀬繚│画:青木邦夫全21P

さまざまな時代や国々にスポットを当てる、『R&R』初のクトゥルフ特集!
小説家である朝松健氏の協力を得て、氏の創作した架空の都市“夜刀浦市”を元にしたミニサプリメントも掲載!!

#以下、特に記されていない場合、文章は坂本雅之氏。

  • クトゥルフ神話の誕生
    • 広がる神話の輪
      • クトゥルフ神話を最初に読むなら
    • クトゥルフ神話とゲーム
    • クトゥルフ神話作品年表

ローリング20's
アメリカ狂乱の20年代
文:坂本雅之│画:青木邦夫6P
  • 繁栄の時代
    • 繁栄の影
    • 禁酒法とギャング
    • アル・カポネ
    • クー・クラックス・クラン(KKK)
    • 1920年代の服装
    • 娯楽
    • スポーツ
  • 情報源
    • 公的記録
    • 新聞
    • 図書館および博物館
  • 法執行機関
    • 国際的な情報
  • 交通手段と旅行
    • 自動車
    • オートバイ
    • タクシー
    • バスと路面電車(トローリー)
    • 都市間路面電車(インターアーバン・トローリー)
    • 長距離バス
    • 鉄道
    • 航空機
  • 「暗黒の木曜日」、時代の終わり

無限に広がるクトゥルフワールド
文:内山靖二郎│ゲーム紹介:坂本雅之4P
  • 古き良きアメリカ、そしてすべての原点(1920年代アメリカ)
  • 帝都に響く軍靴の音、そしてカフェーとエロ・グロ・ナンセンス(1920年代日本)
    • 『クトゥルフ神話TRPG クトゥルフと帝国』
      エンターブレイン
  • 暗い森の中で、剣に頼るか? 神に祈るか?(10世紀ヨーロッパ)
    • 『クトゥルフ・ダークエイジ』
      新紀元社
  • ニンジャとサムライ、信長とクトゥルフ(日本の戦国時代)
    • 『クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上』
      エンターブレイン
  • あなたの町も、アザトースが中心に眠る宇宙の一部(現代)
  • ホームズと知恵比べ、カーターと夢見(1890年代イギリス、ドリームランド)
    • 『Cthulhu by Gaslight』
      (ケイオシアム、未訳)
    • 『H.P.Lovecraft's Dreamlands』
      (ケイオシアム、未訳)
    • その他未訳のサプリメント

#“ガスライト”が未訳扱いとは……ホビージャパン時代は黒歴史?


夜刀浦綺譚
――千葉県夜刀浦市の設定とプレイの手引き――
文:森瀬繚│画:青木邦夫
監修:朝松健
地図製作:劔城藍、エルスウェア
協力:立原透耶、夜刀史郎
8P

編集者として、翻訳者として、作家として、日本におけるクトゥルフ神話作品の普及に尽力した朝松健氏がデザインした知る人ぞ知るクトゥルフ神話スポット、夜刀浦市。
朝松健氏と『クトゥルフ神話TRPG』のコラボレーションがここに実現!

  • 位置と交通手段
  • 夜刀浦の歴史
  • 夜刀浦町
  • 缶詰工場跡
  • 伊衛門島
  • さぶろう沼
  • 飯綱製薬
  • 飯綱大学
  • 夜刀浦庄の真言立川流
  • プレイの手引き
    • 参考文献
      • 朝松健・編『秘神』(アスペクト)
      • 小中千昭『インスマスを覆う影』(TBS)
      • 菊地秀行・佐野史郎ほか『クトゥルー怪異録』(学研)
      • 千葉県高等学校教育研究会歴史部会『千葉県の歴史散歩』山川出版社
      • 海法紀光『塵骸魔京〜ファンタスティカ・オブ・ナイン〜』(ファミ通文庫)
    • 魔道書
      • 妙法青蓮華秘密刹鬼経
    • クリーチャー
      • 漂うものども Floating Ones
    • NPC
      • 磯野(いその)
      • 秦陽子(はた・ようこ)
      • 夜刀史郎(やと・しろう)

スピタのコピタの!
第22卓:三匹が斬ったり斬られたり
画:緑一色6P

作者の参加したTRPG(主に最新作)のセッションを元にして書かれるリプレイ漫画。今回は“クトゥルフ神話TRPG 比叡山炎上”。

#元亀元年(1570年)、信長軍の退路の安全を確保するために、忍者(緑一色氏のPCであるクノイチ)・兵法者・茶人という組み合わせの先発隊は通り道である朽木谷の豪族に庇護を求めて接触するのだが、そこには見るからに怪しげな謎の南蛮人Xの姿が……「ミ=ゴウさまとお呼び!」

  • 死体を見たぐらいでは正気度は下がらず、職業によっては最初から呪文等を使用できる……という“比叡山炎上”の特徴は、懐かしい“クトゥルフ・ハイパーボレア”を思い出させる。
  • 今までで一番悲惨な目に会ったのではないだろうか、緑一色氏のPCは。
  • 三人中二人がリタイヤしていても、一応PC残存エンドを迎えられるとは……ミ=ゴはやっぱり(犬よりも)弱かった?
  • 今回のシナリオ「朽木谷妖変」の裏話は、朱鷺田祐介氏のblog「黒い森の祠」で読む事が出来る。

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