《TVオンエア−チェック》 |
第3話 |
セリフチェック:アリス/yuma |
荒涼とした荒地、学校へ戻る結花と浅海・・・ |
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蒼然とする学校の消えた街。そして遥かな地平線に夕日が沈む中、結花と浅海が学校へ帰っていく姿・・・。結花はちょっとふざけて浅海の足元を蹴る。
浅海 :「いてっ」 そして、本倉高校の校門前についた二人・・・・。
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結花 |
もしかして、気にしてんの。 |
浅海 |
えっ・・。 |
結花 |
別に気にしなくてもいいのに。 |
浅海 |
何が。 |
そこへ高松、我猛、大友らが駆け寄ってくる。
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高松 |
浅海。 |
浅海 |
どうした。 |
我猛 |
先生に聞いて頂きたい仮説があるんです。 |
浅海 |
仮説? |
大友 |
そう、つまりあの、俺達多分まだわかんないけど・・・ |
そんな話をしているところへ、まだこの事態に気づいてさえいない生徒もいた。校門のところで気を失うD組舞岡あずさ(香里奈)、そして柔道部の伊勢原(中重 論)と二宮(一條 俊)。
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結花 |
まだ気づいてない生徒いたんだ。 |
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結花ナレーション |
そして初めての夜が来た。 |
漂流してはじめての夜、といっても時間はまだ夕方4時たというのに辺りは真っ暗。電気も食料もない。生徒らは床につくが一様にその不安は隠せない。一方・・・。
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職員室では・・・ |
若原ら教師が話をしている。そこへ浅海が入ってきた。
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浅海 |
若原先生。 |
若原 |
何か、わかったのかね。 |
浅海 |
生徒達が、新幹線を発見したらしいんですけど。 |
若原 |
新幹線?それで誰か、誰かいたのか? |
浅海 |
いえ、ただ、・・・まだ現代では開発されていないはずの新幹線らしいんですよ。・・・てことは、この学校は・・ |
若原 |
何を言ってるんだ君は。わけがわからん。浅海君、君は、君は生徒のそんなたわ言を信じてるのかね。ハハハハ。 |
結花 |
生徒の方が、こんなとこで何もしない教師よりよっぽど頼りになると・・・。 |
柳瀬 |
(結花に気づいた柳瀬)なんでMASHがここに? |
平沼 |
あんたのせいじゃないのか!?あんたがこの学校恨んで、こんな風にしたんだろ! |
結花 |
(あきれて平沼を見つめる) |
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平沼の言葉に腹が立った結花が、浅海と共に校舎の屋上へ。
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屋上で |
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結花 |
何あれ。あれじゃなんかこれ、私が悪いみたいじゃない。 |
浅海 |
不安なんだよ。 |
結花 |
えっ? |
浅海 |
自分が不安な時に、自分より弱い誰かを槍玉に挙げて恐怖心を緩和する。それが人間だよ。 |
結花 |
つまり私がその槍玉ってこと・・・。 |
浅海 |
でも大丈夫、俺が三崎さん守るから。(と言って頷く) |
ピーと音が鳴る。浅海が携帯を取り出すと 「電池充電してください・・・See You」とメッセージが出て、画面が消える。)
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浅海 |
死亡しました。(うなだれる・・・) |
結花 |
なんかすごく淋しい音。あのさ〜浅海君。責任感じたりとかしないでね。気にしてるでしょ、ずっとあたしがさ、あたしがなんか、こんなふうに風にここにいること、自分のせいじゃないかって。それ、違うからね。 |
地震が起きる直前のシーンが流れる。
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結花 |
あたしはあの時・・・あの時、自分の意思で学校に立ってた。だから、これあなたのせいじゃないし。それにさ、なんか、そんな風に淋しい顔されちゃうと、私も淋しいし。 |
浅海 |
昔、よくこういう夢みてた。子供の頃、俺その頃なんか人間嫌いでさ。もうみんな、世界中全部消えてなくなっちゃえとか思ってて。 |
結花 |
夢? |
浅海 |
そう、夢。俺と、俺の好きな子以外、みんな亡くなっちゃう・・・そういう夢。 |
結花 |
暗〜い、ほら またその顔。 |
浅海 |
そういう顔なんだよ。(力なく微笑む) |
結花 |
でもなんか不思議じゃない?携帯ある時は持ってても繋がらなかったのに、使えなくなった今はいっしょにいる。(二人、微笑む)
おやすみ。 |
浅海 |
(頷いて、電池の切れた携帯を見て微笑む・・・。) |
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教室の方では床につく高松が、最後に一ノ瀬から渡されたプレゼントを握り締めとその後悔に胸締め付けられていた。一ノ瀬のことを思い出し涙ぐむ高松。
高松 「もっと普通に好きとかいっときゃよかった・・・」
【回想シーン】高松と一ノ瀬が最後に別れた時のシーン。(第1話)
一ノ瀬が好きなら好きだといって欲しいと・・・。
一ノ瀬「ふーん、いってくんないんだ。」
高松 「おまえばかじゃないの?こんなとこでいえねーっつうの。」
一ノ瀬「ふーん、じゃあたしもコンビニ行ってこよ。」
といって寂しげな一ノ瀬の目。一足先に山田が行っているコンビニへ行こうとした足がふっと高松の方へ。小さなプレゼントの小箱を。そして不機嫌なまま一ノ瀬はコンビニのほうへ歩いていってしまった。※第1話ではセリフチェキしていません。
学校の消えた街。ヘリの音・・・。、結花の父・重雄も写真を手に必死に探し回る。が、学校の中に入っていくのを見たと、そばにいた畑の妹に言われ愕然とする。
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ll::::ll::::ll::::ll::::ll:::: タイトルロール::::ll::::ll::::ll::::ll::::ll |
ビルの電光掲示板の映像を食い入るように見つめる結花の父・重雄と一ノ瀬、山田。「生きている、あいつは何処かできっと生きている。・・・証拠が見つかるまで何も信じない」と父・重雄。その傍らで一ノ瀬も、高松を思い「私も信じません。」と。
そんな中、レポーターの中沢(石橋けい)らが、意識不明ながら見つかったという本倉高校の生徒・川和ハツ子が病院へ搬送された事を知る。
そのころ漂流している学校内では、保管貯蔵していた食料がなくなっていることに気づき殺気立つ若原。一方教室では生徒達も動揺する中、大友や我猛らが“別の場所で街も学校も存在し、皆生きている”と仮説を立てる。その仮設によると今この学校は、西暦2020年以降にいるらしい・・・。浅海が入ってくる。
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教室で |
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浅海 |
分かんないんだよ、今はまだ分かんない。でもみんな違う場所で、ちゃんと生きてるから、だから心配すんな。 |
畑 |
そっか〜、生きてるんだ。 |
金沢 |
生きてるのに戻れないの?私達(結花が教室にやって来る)私達、このまま、ここで死ぬしかないの?! |
浅海 |
金沢、死ぬこと考えるな、生きること考えろ。なっ。 |
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おっし、ほら。はい、はい・・・(といいながら 生徒に筒状のものを渡し始める) |
荏田 |
何これ?食えるの? |
浅海 |
食えない。発炎筒だ、発炎筒。みんなどっか遠くに行くときはこれ持ち歩いて、もしなんかあったらこれひっぱれば、煙がガーッと出て俺がお前らを助けに行く。 |
安堂 |
かっこいい。 |
高松 |
これ、今作ったの? すげえな。 |
浅海 |
おお、だべってる閑ねえぞ〜。やるべき事はたくさんあります。はい、はい。(発炎筒を 生徒に渡して歩く浅海を 頼もしそうに見つめる結花) |
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結花ナレーション |
そう、やるべきことは沢山あった。私達が今どこにいるのか、たしかな事はまだ何も分からないけど。とにかく私達は、それぞれ全員役割を分担し、2年C組の教室にすべての物資を集め、そこを本拠地とすることにした。やるべき事があるのは幸せな事で、私達は、真剣に働いているその時間だけは、どうしようもない不安や哀しさ、をちょっとだけ忘れる事が出来た。 |
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仕分けの仕事をする高松と大友の所へ、D組柔道部の二人(伊勢原・二宮)と舞岡あずさが来て品物をかっさらって行く。
舞岡が気になって、大友が彼女を追いかける。
そんな中、関谷が食料をひとり占めしていることが発覚。部屋の前に火を放つなどその狂乱ぶりは更にエスカレート。その火をやっと結花が消し止めた時、畑の悲鳴がとどろく・・・。
教師の平沼が、校門のところで首にロープが掛かり、死んでいるのが発見されたのだ。
若原 「可愛そうに 現実の恐ろしさに打ち勝つ事が出来なかったんだ。」とつぶやくが、若原は、もはや異様な様相を漂わせていた。
そんな事件の中、奇行から結花達に閉じ込められた関谷は閉じ込められた部屋で、「若原先生は人殺しよ!私見たのよ!」とわめくのだが・・・その声は誰にも届かない。
一方若原と追浜は、別の教室にいた結花と生徒達に東京方面へ行ってみると言い出し、高松を連れて行くことになった。ただならぬ様相の若原の行動が気がかりになっていた結花も、強引に同行を申し出て、4人は車に乗りこんだ。
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一方、ミサキフローリストでは・・・ |
隆太(妻夫木)が、結花の父・重雄を尋ねて来る。かんぴょう巻きを持って父と語る隆太。
重雄 「そうか、結花は君と会う約束で・・・ 」
隆太 「はい、俺 何かどうしても気になっちゃって約束とか厳しい方でしたから。
重雄 「そういう性格だから 真直ぐで単純で・・・」
隆太 「俺も先生は無事だと思います。どっかで、どっかでちゃんと張り切てやってんじゃないかな・・って思います。強い女性ですから・・・」
重雄 (結花の父目の前の干瓢巻を1個口に入れた)「美味い、これ 。」
立ち上がり、ポケットの中から“栓抜き”を取り出す。それは当時札付きの悪だった隆太が、結花に更生を誓った矢先の乱闘で怒った結花に殴られた“栓抜き”だった。
隆太 「あと、これ。先生に持っててもらいたくて・・・これ、俺がやり 直すきっかけになったんですよ。」 ※このシーンのチェキ:momo
一方教室で・・・
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再び教室・・・ |
C組とD組の生徒がもめているところへ浅海が陸上部の辰巳・大久保と入ってくる。
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生徒 |
先生、どこ行ってたんですか? ずっと。 |
浅海 |
見てればわかるよ。
(陸上部の生徒と2台の自転車が入ってくる) |
陸上部の生徒達が自転車を漕ぐと、豆電球に明かりが灯る。
喜ぶ生徒達。
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大友 |
(大友が安堂の髪が濡れてる事に気づく) 安堂、なんか濡れてない? |
安堂 |
ああ、これシャワー浴びたんだけど、ドライヤーないじゃん。 |
浅海 |
ちょっと待て、安堂。 |
池垣 |
そうだよ、ふざけんなよ。俺ら、こんな働いてんのにさあ。 |
安堂 |
ああ・・・そっか、ごめんなさい。 |
浅海 |
いや、違う、そういうんじゃなくて。ん〜 俺らって今さ、俺らしかいないのね。俺達今までさ、本当に沢山のものとか、人に支えられて、守られて、生きてきたんだけど。よく考えてみ、今なんもねえじゃん。 |
我猛 |
(我猛が パソコンを持って入ってくる)
ただ今、カウントを測定して来ましたが、現在の残り水量は7000リットル。つまり23人なら・・・
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浅海 |
3日分の生活用水・・。 |
辰巳 |
マジで3日分っすか。 |
浅海 |
もう、それしか残ってねえ。(驚く生徒達)だから俺達は何かが見つけられるまで、こうやってみんなで支えあって、守りあって行かなきゃいけないの。俺が言ってる意味、分かるよね。 |
安堂 |
分かった、浅海。私もちゃんと努力する。
(そう言って服を脱ぎ踊り始める?!) |
生徒 |
なにやってんだよ。 |
安堂 |
雨乞い。校庭でこう・・・踊って!?・・・みたいな。 |
浅海 |
(あっけにとられる)
あっ、そういや あいつらどうした。(結花や高松がいないのを気にする。) |
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一方若原らが車を走らせる中、松葉杖を付いた生徒・西あけみ(赤咲怜奈)を発見。山梨へ行くというのだが、彼女に戻ることを促す結花と高松。そんな話をしているうちに、若原と追浜の乗った車が結花達めがけアクセルを踏み込んできた。ただならぬ殺気を感じ結花・高松は西をかばいながら、近くの洞窟へと逃げ込む。奥へと逃げ、やっとたどり着いた光の先は、何と廃屋の一室、高層で足元は断崖絶壁。後がない。結花達に襲いかかる若原と追浜。結花の悲鳴が、隆太と父・重雄に届く。
心配した隆太は父に電話をかける。その父はパジャマのままとびだし、声のする方へとタクシーを走らせ、あるホテルの一室にたどり着く。日を改め、今度は一ノ瀬・山田も同行。すると父はいきなりホテルの部屋の結花の声が聞こえてくる壁に、ノミを立て穴をあけ始める。
重雄 (栓抜きをもって)「これを、ここに埋めるんだ。私の娘は強いこだ。だから、これがあればきっと、あのこは自分の力で戦う。」
一ノ瀬 「栓抜き?」
重雄 「そう。これは、娘が教師だった時に、生徒と戦った、記念の栓抜きなんだ。」
そう言って重雄は、ホテルの壁にノミを立てる。山田は頭がおかしいというが、一ノ瀬も一緒に壁に穴をあけるのを手伝うのだった。重雄は、栓抜きを布で包みビニールに入れその穴に埋めた。
重雄 「結花!がんばれよ!」
一ノ瀬 「どうか、届きますように」
【一ノ瀬 回想】
一ノ瀬 「・・・高松、私なんであの時、あの時笑わなかったんだろう、高松・・・」(最後に別れたシーン)祈る一ノ瀬。
すでに西は気を失い、危機迫っていた結花と高松。一ノ瀬の声が、高松に届いた。高松は浅海にもらった発煙筒でのろしを揚げる。それをちょうど、学校の校庭にいた浅海が見つける。
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車を走らせる浅海。しばらくすると結花達が乗っていた車を発見。黄色いバラの造花が落ちていた。 廃墟内では、首を締めつけられている結花の手元の壁が崩れる。そこには何と、父がホテルの壁に埋め込んだ栓抜きが・・・。それを手に取り、結花は若原に振り上げたのだった。
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