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19世紀、オーストラリア大陸南部地域で開拓候補地を決める必要に迫られたウィリアム・ライト大佐は、詳しい測量の上でマレー川河口付近よりも、川を上った内陸の、なだらかで肥沃な平野が開拓候補地としてふさわしい場所と判断、都市の建設を決断しました。アデレードです。 シドニーやパース、ホバート違い、町の設立に囚人の手がかかっていないアデレード。そんな土地柄からか、裕福で由緒ある名家が存在する保守的な都市という評判があります。しかしそんな評判とは裏腹に、別名"Festival State"と呼ばれるサウスオーストラリア州の州都であるアデレードは、年中様々なフェスティバルが開催されている楽しい都市です。 アデレードを最初に知ったのは大学時代、その大ブームに触発されて僕がF−1を見始めた頃のことでした。 当時、F−1は毎年の最終戦オーストラリアGPを、このアデレードの街の公道を市街地コースにして開催していました。 日本人初のフル参戦のF−1ドライバーとして日本での大F−1ブームに大きく貢献した中嶋悟は、1991年11月、雨のアデレードで自身のF−1ドライバーとしてのキャリアに幕を下ろしました。 それからちょうど10年後の2001年9月、僕は初めてこの地を訪れました。 アデレードの土を踏む1週間前、世界を震撼させたあの対米同時多発テロが発生し、予定通り出発しようかどうか大いに悩みました。親や一緒に行く相棒から出発の同意をとりつけ、勤務先からも「ホテル滞在時の時事情報の入念なチェックおよび有事の際の速やかな帰国」を条件に渡航の許可をもらっての複雑な気分での出発でした。 そんな複雑な気分を一掃してくれたのが、到着前に飛行機から見た美しい景色でした。 緑や黄緑の四角いブロックが所々に点在する田園風景、ゆったりと休暇を過ごす人たちがリゾートを連想させるビーチ…朝の目覚めに見たそれらの素敵な光景は、入国前にいつも湧き上がる、「これから出会うであろう何か」に対する僕のはやる気持ちをかきたたせてくれたのです。 アデレードはそんな僕のはやる気持ちを裏切ることはしませんでした。行く先々で出会った親切な人たち(こんな人たちがいなければ、僕の楽しい旅はあり得ないのです、本当に)、日本ではめぐりあうことはできないであろう安くて美味しいワイン、快適なドライブ、トラムでのんびり行くビーチ、そしてもちろん美味しい食べ物も。 世界で何かが変わろうとしていたあの頃、いつもと変わらないオーストラリアの顔を見せてくれたアデレードに、僕は元気とそして一時の安堵をもらい、次の目的地である香港に向かったのでした。 |
G'Day, Mate! Memu's here! | ||
Barossa Valley CBD Central Market Cleland Wildlife Sanctuary |
Glenelg Beach Hahndorf (German Settlement Area) Light's Vision |
Barossa Valley バロッサ・バレーはオーストラリアで指折りのワインの名産地。 オーストラリアのワインは質の良さと、それに見合わない割安感に何とも言えない魅力を感じますが、ここはそんなオーストラリア全土の生産量の25%を占める魅惑のワインの貯蔵庫とも言うべきエリアです。 バロッサ・バレーへは、シティの中心からSturt HWYを北に30kmほどドライブします。 |
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遮るものが何も無い道を走るのが、オーストラリアでのドライブの醍醐味。 天気が良ければ最高だったのですが… |
途中、こんなきれいに花が咲いているところも。 絵の具を零したみたいでしょ? |
こんな感じの風景が見えてくると、ワイナリーはすぐそこです。 |
ヌリオッパ(Nuriootpa)と言う町がバロッサ・バレーの入り口となっており、その標識に従うととりあえずは到着できます。 しかしバロッサ・バレーと呼ばれるエリアは広く、到着しただけでは何もできません。そこでインフォメーション・センターに行って、見学することができるワイナリーを教えてもらい、周辺の地図ももらいました。 我々はインフォメーション・センターで教えてもらったSeppelts Fieldと言うワイナリーに向かうことにしました。 このあたりでは、ブドウ畑と立派なワイナリーの建物が交互に入れ替わり、数キロごとに小さな町が現れる、独特の風景が続きます。 その風景を楽しみながらドライブをしばらく続けいると、Seppelts Fieldに到着しました。車を降りると、ブドウの良いにおいが僕たちを迎えてくれました。 |
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ワイナリーのメインの建物です。 | お庭…いや、ここではガーデンと呼びましょう。 美味しい空気を味わいながらワインを試飲することが出来るエリアがあります。 |
見学ツアー出発の時間です! |
受付でツアーの申し込みを済ませ、ツアー開始までの待ち時間に良く手入れされたイギリス風の庭や館内の展示物などを見物してツアーの予習(?)をし、お土産になりそうなワインの下見などもしました。 ツアー開始の時間が近づくと、見学者が集まり、結局10人ほどのグループとなりました。 最初に段々畑のような建物の醸造所に向かいました。 |
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この段々畑のような建物は、ワインの醸造所です。 | 段々畑のような醸造所の一番高い場所。 ブドウを満載したトラックが乗りつけ、ブドウを積み下ろすエリアです。 |
醸造所の中です。 絞られたぶどうの果汁が発酵等の過程を経ながら徐々に段々を下っていきます。 |
醸造所の最上部に回りこみ、ブドウの果汁が発酵してワインになる過程の説明を受けながら建物内部を少しずつ下りました。 ここは匂いが強烈です。 醸造所を出ると、かつて使用していた道具を納めた倉庫を見学し、その後に貯蔵庫に向かいました。 |
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ワインの貯蔵庫です。 | 貯蔵庫の中に収められている樽。 数十年もの間、寝かせられてきた代物です。 |
こちらは貯蔵庫とは別の倉庫内に収められたきワインの樽の数々。良い匂いがします。 |
貯蔵庫にはこのワイナリーの歴史を語るように年代ものの樽がぎっしりと並べられていました。 ツアー終了後に再びワインの物色を始めました。 どのワインも高級そうな外観にも関わらず、値段はお手頃です。 「ツアーのバッジを見せてくれれば、10%オフだから。」と受付のマダム。嬉しいじゃありませんか! そして、ワインの試飲の勧め。 「でも僕は今日はドライバーだし…」と僕が返すと、 「少しくらいだったら全然問題ないから」とニッコリと微笑むマダム。 結局、マダムの微笑みに負けて試飲をし、爽やかな甘さの白ワインを3本購入しましたが、 帰国後に家族や友人にあっと言う間に飲まれてしまいました。 |
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CBD シティの中心部は碁盤の目のように整備されていて、その中心部を囲む道路もNorth Tce.,East Tce.,South Tce.,West Tce.とわかりやすい名前になっているので、道に迷っても位置関係を把握するのはそれほど難しくはないでしょう。 その碁盤の目のように整備された市内中心部の、そのまた中心のヴィクトリア・スクエア(Victoria Square)、アデレードの一大ショッピングゾーンであるランドル・モール(Rundle Mall)、北側の鉄道駅とその中心のアカデミックなエリアなど、シティ中心部の主要なポイントを、Bee Lineという公共の無料バスが5〜10分間隔で頻繁に循環しています。 シティは徒歩でも十分歩いて回れる大きさですが、このバスを使えば、市内をかなり効率的に回れるでしょう。 このバスは、黄色い車体で、先頭に"99 Bee Line"と言う表示があり、右の写真の停留所から発着しています。バスの車体はかなり目立つので、すぐわかります。ぜひ見つけて気軽に使いましょう。 |
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滞在時にお世話になったSaville Park Suites AdelaideとNorth Tce.と平行して走るHindley St. | 市内中心部を循環する無料バス、Bee Lineの車内。 サイズが大き目の僕にはちょっと小さめのシートです。 |
Rundle Mall沿いのデパートの内部。縦横無尽に走るのは、何とジェットコースターのレール!デパートの中をジェットコースターが走っているのです。 |
市内中心部のさらにほぼ中央に位置するヴィクトリア・スクエア(Victoria Square)には、グレネルグ・ビーチ(Glenelg Beach)に向かうトラムの停留所があり、セントラル・マーケット(Central Market)や大聖堂もすぐ近くにあります。 またこの辺りには日本人観光客をターゲットにした、2階部分がオープンデッキになった、これまた無料の真っ赤っ赤なバスが往来していますが、僕は恥ずかしいので乗りませんでした。 |
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Victoria Squareの時計台と向き合う銅像。 え〜っと…誰だったっけ…(汗) (メモし忘れました…ゴメンナサイ…) |
Victoria Squareで出発を待つトラムです。 かなり年季が入っていますが、現役です。 |
Victoria SquareのすぐそばにあるSaint Francis Xavier's Cathedralと言う大聖堂。 日本に来た宣教師、あのザビエルと関係があるのでしょうか? |
僕がお世話になったホテルは北西寄りに位置していますが、そのホテルの近く、ノーステラスにある鉄道駅からは美術館・博物館・植物園・大学などのアカデミックな観光スポットが、全て徒歩圏内にあります。 そのアカデミックな観光スポットの中でも僕が特にお奨めしたいのが、南オーストラリア博物館(South Australian Museum)です。 この博物館は入場無料、入り口を入るとBlue Whaleという巨大な鯨の骨格が我々を出迎えており、これには圧倒されます。 |
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South Australian Museumの入口です。 この博物館では、ナラボー平原の洞窟で発見された肉食有袋類の絶滅種の化石から種を再現する研究も行っています。 |
入口のすぐそばにある鯨の骨格。 ド迫力です。 |
太平洋地域の部族の生活用品、武器、装飾品のコーナー。 この博物館の展示物の豊富さには驚かされます。 |
ここはアボリジニに関するコレクションが世界一で、昔の狩猟生活の様子やそのときの武具、白人が入植してからの彼らの苦しみの様子などを展示してあります。特に、白人入植時の様子はボタン一つでビデオ視聴出来るようになっており、かなり生々しい印象を受けました また、オーストラリア大陸の生成の過程を図示したものや、地質学的に価値のある岩石や鉱石の展示もあり、「オーストラリアをとことん知りたい」人にはうってつけの博物館です。 他には太平洋地域の狩猟民族の装飾品、武具や世界各地の動物の剥製も別コーナーに展示してあり、全部を見て回るにはかなりの時間がかかるので、時間に余裕を持って行った方が良いと思います。 |
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Central Market ヴィクトリア・スクエア(Victoria Square)のすぐ近くにあるマーケット。 このマーケットはかなりデカいです。 野菜・果物・肉・シーフード・乳製品など、取り扱っている種類も数多く、見ていてまったく飽きることは無く、ミルクバーでちょっとだけお腹を満たしながら楽しい時間を過ごす事が出来ます。 僕は各国の生活の様子を垣間見ることが出来るマーケットを見るのが大好き。 写真の通り、青果売り場では原色の野菜や果物がきれいに陳列されており、絵になります。そしてオーストラリアらしく、ピーマン、きゅうり、ナス、にんじん、スイカはほとんど「お化け」クラスのものばかり。 朝食用のパンを買ったとき、お店の人に 「すごく大きくてビックリ」と言うと、 「ここは全部新鮮だし、揃わない食材なんてないから最高でしょ?」との返事が。 このマーケットには上述の店の他に、雑貨屋さん、美容院、中国食品専門のスーパーの他に、東南アジア各国の料理が揃ったフードコートやカフェが隣接していて、買い物して歩き疲れたら、ここで一息いれると良いでしょう。美味しそうな料理ばかりなので、マーケット同様、目移りして大変そう。 ところで、このフードコートの一角に"Korean Sushi"って看板がありました。(右下の写真) 「えっ、何それ?すしって日本のものじゃん!何でコリアンなんだよ!」 納得いかんぞ、ワシャ! |
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オーストラリアの生活を垣間見ながら、安くてお得で楽しい買い物にチャレンジしてみましょう! | 八百屋さんもヴィジュアル重視?! | これが噂の(?)"Korean Sushi"。 その真相は…立派な日本のお寿司です(笑)。 |
Cleland Wildlife Sanctuary アデレードにもオーストラリアならではの動物に触れることの出来るアトラクションがいくつかあります。 本当は、カンガルー島に行って野生の動物たちを見たかったのですが、残念ながら時間的な余裕がなく、また初めてオーストラリアに行く相棒には、実際に動物に触れることが出来る動物公園が良いと思い、Adelaide Hillsにあるこの動物公園に行くことにしました。 車で市内中心部の南側のSouth Tce.からGlen Osmond Rd.,South Eastern FWYと経由し、Craferと言う所でMt.Lofty Sceneic DRを左方向に入り曲がりくねった道を5〜6km行くと着きます。 (今言われても分からないでしょうが(^ ^;)、上述の地名は殆ど標識に出ていました。) 到着すると、左の写真のコアラの銅像がお出迎えをしてくれます。 ここはオーストラリアの郊外にある典型的な動物公園の一つ。 数種類のカンガルーがそれぞれのエリアで放し飼いにされていて、直接エサを与えることが出来ます。触れることができるのは良いのですが、ここでは体格の良いマッチョなカンガルーまで放し飼いにされていて、ちょっと怖かったです。 |
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メスのカンガルーに愛された(?)僕。 人に見せられる顔ではないので、非公開とさせていただきます。 おほほほほ。 |
このマッチョなカンガルー、放し飼いです…(汗) 目も据わっています。(*_*;) 追いかけてきたら、どうしましょ? |
コアラっつーのは、もうちょっと愛想が良くても良いんでない?ちょっと可愛いからって良い気になって! …って言うのは冗談で、こういう場所で暮らすコアラたちは、本当は眠っている時間に叩き起こされているのです、人間様のために…(コアラは夜行性。) こあらくん、ありがと。 |
Glenelg Beach シティの中心部、ヴィクトリア・スクエア(Victoria Square)からトラム(路面電車)に乗り、煉瓦造りの家が並ぶオーストラリア独特の車窓を眺めながらのんびり揺られること25分、終点で降りると、すぐ目の前には、開拓者の碑とその先に伸びる桟橋と共に、ビーチが広がっています。このビーチがグレネルグ・ビーチです。 線路が途切れた数メートル先がもうビーチになっているのが、日本では見られない光景で、面白かったです。 |
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シティからGlenelg Beachに向かうトラムの車内。 結構きれいに手入れされています。 |
Glenelg Beachに到着で〜す。 | トラム・ストップのすぐ向こうにビーチが広がっています。 |
僕らが行った時は残念ながら海水浴シーズンではなかったのですが、それでも元気な子供たちや犬は楽しそうに海に入っていました。晴天とは言え、この日は朝方は冷え込んでいたので、水温はかなり冷たいはず。見ているこっちが心配になってしまうところですが、そばで見ているお母さんたちは、「そんなことは当たり前よ」とばかりただ暖かく見守っているだけ。本当に元気なのね。 トラムを降りて左手にホテル、右手にウォータースライダーのついた遊園地があるらしいのですが、訪れたときは工事中でした。 ビーチから伸びる桟橋自体には特に何もないのですが、桟橋の突端まで歩くとビーチの全景が見渡せるので、写真を撮るのに絶好だと思って行ってみました。が、ビーチが南向きで北から太陽が照らしており、逆光になるためか、明るい写真が撮れませんでした。 う〜ん、残念! |
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ビーチの前に聳え立つホテル。 だけど、南半球での南向きだから、ビーチはあまり明るくは見えないかも… |
サイクリングの途中でちょっと一休み。 ここGlenelg Beachに限らず、オーストラリアのどのビーチでも見られる光景です。…つーか、僕もやってるです、はい。 |
ビーチでのんびり佇む鳥って、絵になりますよね〜。 |
ドカーン!と聳え立つ記念碑の向こうにはニョッキリと飛び出た桟橋があります。 | これが桟橋です。 釣りを楽しむ以外は特にこれと言って何も無いのですが、あれば行ってみたくなるのが人間の性です。(^ ^;) |
桟橋から撮ったビーチです。 |
Hahndorf(German Settlement Area) Adelaide Hillsにあるドイツの人たちが移住してきてできた街。宿泊先の従業員に面白いと勧められたので行ってみました。 行き方は、途中まではCleland Wildlife Sanctuaryと同じで、市内中心部のSouth Tce.からGlen Osmond Rd.,South Eastern FWYと入ります。Craferをさらに奥に進み、あとはHahndorfの標識についていけばこの街に到着します。 時期によっては、フェスティバルが開催されていて、朝からにぎやからしいのですが、僕らが行った時は、お祭りは何もやってませんでした。 しかし、少しゴツゴツとした感じの建物が並んだ独特の町並みや、面白い物が揃った雑貨屋さんなど、ブラブラ散歩しながら見て歩くだけでも、結構楽しかったです。 |
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Light's Vision ウィリアム・ライト大佐の銅像の建つ見晴らしの良い丘。 ここからは、公園の緑やトレンス川越しにシティを望む良い写真が撮れるポイントです。 また、Cleland Wildlife SanctuaryやHahndorfを擁するアデレード・ヒルズも一望できます。 この場所は、大陸横断鉄道インディアン・パシフィックのアデレード停泊時に市内観光ツアーに参加した際に訪れました。 ここへは、ヴィクトリア・スクエア(Victoria Square)からKing William Rd.を北に向かい、North Tce.を横切り、川を越え左手にAdelaideOvalと言う競技場が見えたら次の角を左に曲がり、Pennington Tce.に入り真っ直ぐに進むと左手がこの場所となります。 |
Broome(WA) Canberra(ACT) Capricorn Coast(QLD) Darwin(NT)
Gold Coast(QLD) Perth & Suburbs(WA) Port Macquarie & Wauchope(NSW) Sydney(NSW)
The Journey of Indian Pacific
What about Australia do you wanna know?
大阪 2004 法師温泉 Hong Kong Farm Stay in NZ