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東野圭吾のおすすめ本




■数学の美しさと学ぶ意味
数学を勉強する意義について考えて見ましょ〜

作品の中で数学者石神が『数学を勉強する意味』について生徒に説明するシーンがあります。 確かバイクの加速度と微分とを関連付けながら説明していたと思いますが、 実際のところ意味とはなんなんでしょうか?


…なんでしょね(笑)


よく『難しい問題にチャレンジする、もしくはそのプロセスを養う』なんて言いますが、 “プロの数学者”たちはそんなことは全く思っていないようです。


数学が美しい、知識欲をくすぐる…etc


最近話題の『博士の愛した数式』を書いた小川洋子さんと、 同じく今話題の本『国家の品格』を書いた藤原先生の対談本、

『世にも美しい数学入門』

にそんなことが書いてありました。どうやら数学は“学問”ではなく“哲学”のようです(笑)

ま、そういう高尚なものは別として。 いまだに有名な秋山仁先生のように面白く数学を教えてくれらば、もう少し興味を持てたのかな。

さて。容疑者Xの中にも数学の内容が少し登場します。 個人的には“未だに残る数学界の未解決”にとても興味を惹かれましたが、 わかる範囲で復習しときたいと思います。


P≠NP
・物語上、一番重要な数学的概念です。
・『証明が難しいか? それともその証明が正しいことを証明するほうが難しいか?』
・非常に巧みに物語とシンクロさせましたね。脱帽です。

四色問題とは
・地図を思い浮かべ、“隣接する国を別の色で塗ろう”とすると、4色あれば可能だそうです。
・すでにこれは証明済。
・なんでこれが数学なのか? なんでこれを証明しようと思ったのか?
・知識欲がくすぐられる美しい数学なのでしょか(笑)

エルデシュ論者とは(確かこんな言い方だったかと…)
・ずば抜けて多くの論文を書き上げた数学者です。
・湯川と石神の最初の出会い(大学時代)の会話の中で交わされます。

リーマン予想とは
・素数の表れる頻度を予想したものらしい。未だ証明されていない7つの未解決問題のひとつ。
・作品の中で石神はこれを証明することをライフワークにしている。
・ちなみに最近これを証明したという数学者が現れたらしい。なんかちょっぴりロマンですね。

■ご参考:数学七つの未解決問題―あなたも100万ドルにチャレンジしよう!
・1つでも解いたら100万ドルなんだとか。
・これは数学という学問に刺激をあたえるため、クレイ数学研究所が出してるそうです。
・怖いもの見たさでチョッピリ見てみたい本です。

序章 クレイ数学研究所の賞金問題の意義
第1章 リーマン予想
第2章 バーチ&スウィンナートン・ダイアー予想
第3章 P≠NP問題
第4章 ホッジ予想
第5章 ポアンカレ予想
第6章 ヤン‐ミルズ方程式の質量ギャップ問題
第7章 ナビエ・ストークス方程式の解の存在問題


というわけで。 この本を読むとちょっぴり数学の見方が変わるかも?ですヨ。

さて。今まで長々と考察を書いてきましたが今回で一応ラストです。 次回にネタバレを含む“ココはどうなのよ!?”という箇所を書いて終わりにしたいと思います。





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東野圭吾のおすすめ本容疑者Xの献身 感想容疑者Xの献身 考察1考察2:被害者を悪者にする手法考察3:人が秘密を隠すコツ考察4:思考の抜け道への誘導考察5:数学的概念とのシンクロ考察6:フーダニットよりハウダニット考察7:結末を予想する面白さ考察8:魅力的な登場人物考察9:東野圭吾の本のタイトル考察10:他の東野作品との関係考察11:数学の美しさと学ぶ意味納得いかなかった箇所は?