自分では名推理のつもりが、実は相手の思うツボだったら…
容疑者Xは殺人容疑を隠すためにあらゆる工作を練ります。
それは被害者の身元を隠すだけでなく、“抜け道”もしっかり敷いていました。
ここで“抜け道”について考えてみましょう。
通常逃げ道は“容疑者が自分のために用意するもの”だと思ってましたが、
容疑者Xは“相手の思考”にもしっかり抜け道を仕掛けます。
…いわゆるワザと残すヒント(証拠)です。
このとき容疑者Xが仕掛けた“思考の抜け道”は見事なモノでした。
その抜け道に警察は自ら進んで誘導されてしまいます。
もちろん単純な読者の私も(泣)
読み終わって思いましたが、まさに手のひらで踊らされてる感じでした。
これから読む人は頑張って踊らされないようにしてください。
ただし…かなり手強いですよ。東野圭吾の読者を誘導するテクは…さすがです。
と、こんなことを考えてて。同じように思考を誘導された作品を思い出しました。
それは“
ゲームの名は誘拐”です。
リンク先の感想にも書いてありますが、コトあるごとに出てくる予想外の展開に
1回1回立ち止まっていろいろ推測してみたのですが…
私が推測する内容はすべて東野圭吾の手のひらでした(泣)
作者としては『してやったり!!』なんでしょね。
ま、推理小説の場合、それはそれで痛快なのは言うまでもなく。
単純な人の方が推理小説の痛快さは味わえるようです。