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東野圭吾のおすすめ本




■容疑者Xの献身 考察その4
自分では名推理のつもりが、実は相手の思うツボだったら…

容疑者Xは殺人容疑を隠すためにあらゆる工作を練ります。 それは被害者の身元を隠すだけでなく、“抜け道”もしっかり敷いていました。

ここで“抜け道”について考えてみましょう。

通常逃げ道は“容疑者が自分のために用意するもの”だと思ってましたが、 容疑者Xは“相手の思考”にもしっかり抜け道を仕掛けます。


…いわゆるワザと残すヒント(証拠)です。


このとき容疑者Xが仕掛けた“思考の抜け道”は見事なモノでした。 その抜け道に警察は自ら進んで誘導されてしまいます。

もちろん単純な読者の私も(泣)  読み終わって思いましたが、まさに手のひらで踊らされてる感じでした。

これから読む人は頑張って踊らされないようにしてください。 ただし…かなり手強いですよ。東野圭吾の読者を誘導するテクは…さすがです。

と、こんなことを考えてて。同じように思考を誘導された作品を思い出しました。 それは“ゲームの名は誘拐”です。

リンク先の感想にも書いてありますが、コトあるごとに出てくる予想外の展開に 1回1回立ち止まっていろいろ推測してみたのですが…

私が推測する内容はすべて東野圭吾の手のひらでした(泣)  作者としては『してやったり!!』なんでしょね。

ま、推理小説の場合、それはそれで痛快なのは言うまでもなく。 単純な人の方が推理小説の痛快さは味わえるようです。





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東野圭吾のおすすめ本容疑者Xの献身 感想容疑者Xの献身 考察1考察2:被害者を悪者にする手法考察3:人が秘密を隠すコツ考察4:思考の抜け道への誘導考察5:数学的概念とのシンクロ考察6:フーダニットよりハウダニット考察7:結末を予想する面白さ考察8:魅力的な登場人物考察9:東野圭吾の本のタイトル考察10:他の東野作品との関係考察11:数学の美しさと学ぶ意味納得いかなかった箇所は?