読み終わってからわかる“献身”の意味。
この作品のタイトルを見てまず目がいくのは“X"ですよね。
内容も数学者が登場するだけに尚更かと思います。
しかし読み終わってみると、
『なるほど、それでこういうタイトルにしたんだナ〜』というのは“献身”のほうです。
これは読んだ人全員が同意してくれるものかと。
容疑者Xの“献身”。じっくり堪能してくださいな。
というように、東野作品ではこのようなタイトルづけが結構見られます。
凝ってるというか、絶妙というか…
東野作品を読む前は結構タイトルに騙されていたので(特に実用本)、
『所詮タイトルなんて参考程度…』と思っていましたが、それを根本から覆したのが
“
秘密”でした。
…本を読んでる最中にあれほどフラッシュバックが起きたことはなかったデス。
よくひとつの言葉にあれだけ意味を持たせたり、重みづけができるナ〜と。
他にも“
宿命”だったり、
“
私が彼を殺した”だったり…
読んでから『用意周到なタイトルづけしてるナ〜』というのがわかります。
ま、タマゴが先かニワトリが先かわかりませんが(笑)
ちなみに東野作品のほかでは『いま、会いにゆきます』とか『硝子のハンマー』もなるほどナ〜と思いました。
というわけで。読み終わったあと『なるほどナ〜』と思えるタイトルになってるか?
を考えるのもひとつの楽しみにしています。
実用書などは相変わらず“的はずれ”なものがたくさんありますが。
『タイトルが過剰なものに良書ナシ!!』 いまんとこ私の結論です(笑)
意外にシンプルなタイトルの方が良書の確率も高いかもしれませんね。