証明するのが難しいか、それともその証明が正しいことを証明する方が難しいか…
これは数学の世界で有名な『P≠NP問題』というもので、
且つ、容疑者Xがガリレオ湯川に問いかける文言です。
私のわかる範囲で補足すると。数学の世界では高等?になるほど計算問題は存在せず、
『○○は正しいかどうか』という証明問題ばかりになってしまいます。
つまり容疑者Xは表向き“数学の問題”としてガリレオ湯川に質問しますが、
ホントのところはそのウラにある“殺人”を暗示して湯川に問いているわけです。
『オレなりにレールを敷いて(殺人に関係ないことを)証明したが、
この証明が正しいか正しくないか、湯川の解答はどうだ?』
う〜ん、、、とっても深いですね。
このようにこの作品では数学的概念をうまくシンクロさせてストーリー展開していきます。
もちろんXが容疑者である以上、この証明は“正しくない”のですが。
その正しくないことを湯川が証明しきれるのか? これも作品のみどころです。
ちなみに。生理的に数学を受け付けない人でも楽しめる作品ですのでご安心ください。
あくまで数学的考えになぞらえてるだけで、物語の本質は“推理小説”と“せつないはなし”です。
にしても、ホントこのストーリー展開は見事でした(しつこいけど)。
今までの考察(その1〜4)では、他の作品を比較対象に挙げていろいろ述べてきましたが、
この“うまくなぞらえている”という点については…比較対象が思いつかないんですよね。
ダヴィンチコードと最後の晩餐の関係? これもちょっと違うよナ〜