ほしたびの旅

北海道~広島縦断の旅2005

旅日記41~45日目: 福井・滋賀経由広島へ

41日目: 9月19日(月) 越前大野市を回る

朝起きると、テントは露でびっしょり。野宿なので急いで撤収しなければならない。ある程度拭いてテントをたたむ。白鳥から国道158号で油坂峠を越える。いい感じで上っていくが、途中から道が狭く路面も少し悪くなる。九頭竜ダムはロックフィルダムになっていて、石が積み上げられているのが見える。道の駅九頭竜では元気なおばあちゃんが舞茸(だったと思う)を、声を裏返して売込みしていた。そこの道の駅には恐竜の親子が立っていて、時々吠えて動き出す。しっぽの動きなどが妙にリアルだ。

石を積み上げたロックフィルダム、
九頭竜ダム
恐竜の親子、
道の駅九頭竜で吠えている

大野市に入り、白山ワイナリーに立ち寄る。山ぶどうのジュースでも試飲できるかと思っていたら、試飲はワインだけだった。仕方なく山ぶどうアイス(300円)を食べる。バニラに何か加えていると感じるが、よくわからず。

大野市中心部の七間通りに面した元町観光案内所に行くと、「山あいの小京都浪漫ちっく散歩道」スタンプラリーというのをやっていて、十ヶ所全部回れば記念品を差し上げますと言われたので、やることにした。とりあえず昼食にと、そば屋の「七間本陣」(平日11:00~14:00、土日11:00~15:00、火曜と第2月曜定休)に行き、おろしそば(525円)を注文。出てきたのを見ると、直径14cm程の小さな浅い容器にそばが高めに盛られていて、大根おろし・ネギ・鰹節がかけられている。そばの量は約100gということらしく、物足りない。そばは細めでやや腰がある感じで、普通においしい。そば湯も出たので、大根おろしが入った残りのだしに足して飲むとなかなかいい感じ。

食後は次々スタンプラリーポイントを回っていく。最大の難関は越前大野城。ふもとの駐車場にバイクを停めて約20分、歩いて登らなくてはならない。汗だくだくで登っていく。頂上まで登っても有料の天守閣に上らないと景色は良くない。後から登って来た人も暑そうにしている。次へと回る。御清水は下から水が湧いていて、そこが飲料水用、下流のほうは洗い物用と流れの位置で使い分けられていた。全てを回って元町の観光案内所に戻ると、おみやげ物が並んでいる中から、「けんけら」(315円?)と「里芋あられ」(315円?)というお菓子をもらった。 けんけらは、大豆粉と白ごまを水飴で固め、薄く伸ばした菓子で、硬い。里芋あられは、大野市特産のさといもともち米で作ったあられだ。


越前大野城
越前大野でスタンプラリーをしてもらったお菓子
スタンプラリーのおみやげ

観光案内所近くのスーパーに買い物に行くと、そのすぐそばに「順和堂」という和菓子屋があり、何やら焼いているのが見える。気になってその焼きたての「いもきんつば」(126円、9月~12月頃の季節限定らしい)を買って食べる。表面がコーティングされたように少し固まっていて、中はホクホクのさつまいも。おいしい。

観光案内所で、無料でキャンプができる所があると聞いた六呂師ハイランドホテルに行ってみると、キャンプはできないと言われた。別に、近くの勝山市側に入った所にキャンプ場があったが、1区画4000円とバカ高い。困ったなぁ。道の駅でもらってきた「福井県観光ガイドブック」でよさそうな所を探していると、上志比村の吉峰寺キャンプ場が安くて良さそうだったので役場に電話してみると、事前に連絡が無いと管理人が行っていないので電気・トイレが使えないという。そして、担当者と連絡を取ってくれて、そんな状態で良ければ特別に無料で使っても良いと言われたので泊まることにした。もう暗くなっていたので、見つけるのに手間取ったが、なんとか到着。すぐ隣に建設中の高速道路の橋脚が建っていた。

  • 今日の天気:晴時々曇
  • 走行距離:149.7km
  • 宿泊地:福井県上志比村吉峰寺キャンプ場
  • 入浴地:やすらぎの郷 CAMU湯(400円)

42日目: 9月20日(火) 内容充実の福井県立恐竜博物館


恐竜と卵形の博物館

勝山市にある福井県立恐竜博物館(500円)に向かった。建物を遠くから見ると山の中に卵が置かれているように見える。まずは博物館の周囲に広がる長尾山総合公園を回る。この公園は広く、恐竜のモニュメントや遊具があり、家族づれには楽しめそうな所だ。

9:45頃に博物館に入館。出入口の所は3階に位置していて、まずはエスカレーターでいっきに地下に降りる。通路を進むと左右の側壁に化石の標本が飾られている。聞くと本物(実物)らしい。ウミユリが立体的に重なっているいる様子が見てとれる。すごい。1階に上がると、恐竜の体や暮らし等さまざまな解説コーナーがあり、とても詳しい。そして恐竜骨格のレプリカ(一部の恐竜は本物)がたくさん展示されていて圧巻だ。恐竜以外にも地層や岩石、生命の歴史といった地球科学の分野の展示が盛りだくさん。多くの人が、さっさと通り過ぎていくのがもったいなく感じる。じっくり見たので外に出たのが14時半頃になっていた。


立体感があるウミユリの化石

恐竜の骨格標本

国道416号を西へと走っていると、羽二重餅工場見学という看板が目に付いたので、越坂トンネルを過ぎてちょっとの所にある、マエダセイカの「羽二重餅の古里」に寄った。工場内では製造はもう終わっているのか、これといった動きは無い。でも直売所ではいろいろな種類の餅が試食できる。くるみとかいちごとかいろいろあったが、あんこ入りのよもぎ羽二重餅が良かったな。

朝倉館跡、
一乗谷朝倉氏遺跡

急いで一乗谷朝倉氏遺跡資料館(100円)に行く。安いだけあって中の展示は少しだけだ。実際に遺跡を発掘している所はそこから少し離れた所にある。文字通り谷になっていて、静かだ。南へ進み、近くにキャンプ場があるのでそこに泊まろうとしたら、災害のため利用休止になっていた。それならと町外れの公園を見つけ、温泉に行ってから戻ってみるとナイターでゲートボールをしている。困った。今立町(2005年10月から越前市)まで進み、小次郎公園に行ってみると、よさげな東屋があったので、ここで泊まることにする。

  • 今日の天気:曇、朝雨
  • 走行距離:83.4km
  • 宿泊地:福井県今立町(2005年10月から越前市) 小次郎公園
  • 入浴地:鯖江市ラポーゼかわだ(500円)

43日目: 9月21日(水) 再び大津、美富士食堂

佐々木小次郎の像
小次郎公園にて

小次郎公園の朝があけた。東屋のそばに池があり、鯉が泳いでいる。体を乗り出すと鯉が寄ってくる。エサは無いよーだ。ここは、巌流島で宮本武蔵と対決した佐々木小次郎の出身地であるとされ、小次郎像も立っている。公園の近くに「赤谷名水」の案内表示があったので、朝食時の飲み水にと約2km東へ向かった。静かな山際の集落の山はしに、それはあった。ここの湧き水は「長寿の水」として地元の人に大切にされているようだ。水を汚さないための注意書き等が書かれている。パンを食べていると、近くのおばちゃんたちが農産物を持って隣にある無人販売所に置きに来た。挨拶を交わして少し話をする。おばちゃんの息子さんもバイクで北海道に行ったりしているらしい。

宇宙戦艦ヤマトの像
敦賀市にて

ぐんぐん南下。敦賀市内の中心部には宇宙戦艦ヤマトと銀河鉄道999のワンシーンを像にしたものがいくつかあった。滋賀県に入り、マキノ町にあるメタセコイヤの並木道は、曇り空ということもあってか今ひとつ映えない。

美富士食堂
大盛りの店

昼食の時間にちょうど良いので、去年も訪れた大津市膳所にある「美富士食堂」(10:00~20:00)に行った。さて、何にしようか。豚丼(650円)は前回来たときにはがメニューに無かったと思うので、これに決める。注文し、しばらくして運ばれてきたのを見ると、山盛りである。なんとなく去年のカツ丼よりはやや盛りが少なく感じるのは感覚がおかしくなったからか。(^_^;) 今回は前回と違って腹ペコ状態。ペースが衰えることなく完食した。でも、味は今ひとつ。去年食べたカツ丼は良かったのになぁ。

美山町北地区にて
かやぶき屋根の家

大津市内のバイク屋でオイル交換した後、北上し、大津市北端の梅ノ木で国道367号を離れ西に向かって山の中の1車線路を走る。京都府美山町の北地区にはかやぶき屋根の家が密集していた。夕方になり、適当な所にキャンプ場が見つからず、今日も野宿。

  • 今日の天気:曇時々晴
  • 走行距離:344.5km
  • 宿泊地:京都府瑞穂町道の駅瑞穂の里さらびき

44日目: 9月22日(木) 篠山の菓子

篠山市に入り、篠見四十八滝の様子を見に行った。キャンプ場そのものは水場が無く、「今シーズンは終わりました」と看板が出ていた。滝を回ることはしなかったが、解説板によると、滝は八つだけれど水が絶えまなくしじゅう流れているから四十八滝だって?! それじゃあ広島の三段滝なんて四十三段滝だぁ。


篠山城跡

篠山城ではもともと天守閣が作られなかったらしく、再現された大書院と神社があるくらいでだだっぴろい公園といった感じ。そこに、明治時代の篠山において教育の礎を築いた青山忠誠という人の碑があった。その説明板によると、その人が私財でもって建てた学舎が火災に遭った時に名言を残している。その言葉とは、学舎は焼くとも教育焼くな。それを見て、私は「焼肉焼いても家焼くな」を思い浮かべた・・・。(^_^;)

西へ進み、国道176号から県道36号に入って行くと、「栗もち」というのぼりが立っている店が目に付いた。寄ってみると栗もちはまだ並べられていなかったが、いろんな和菓子がありそう。この店「諏訪園」はお茶とお菓子の店で、ここが本店ではあるが、今はインター店でお菓子を作っているということだった。そこで舞鶴若狭自動車道丹南篠山口インター近くにある諏訪園インター店(水曜定休?)まで引き返して食べてみることにした。「栗もち」(190円)は、普通の餅と違って、栗を使った餡?の中に餅を入れたもので、栗がある秋だけの季節限定品だ。食べると先に甘い感触が来る。餅もちょうどよい柔らかさ。次に、これも秋から冬にかけての限定となる「白いさつまいも」(140円)を食べた。餅の中にスイート風のポテトとクリームが入っているらしい。程よい甘さで良い。店の喫茶コーナーで食べていると、お茶もサービスしてくれた。でも、二つともちょっと高いなー。


丹波市山南町の仁王像

東はりま日時計の丘公園

西脇市のへそ公園に行った。説明によると、東経135度、北緯35度というキリが良い経緯度の交点があって、その経度・緯度ともに日本国土のほぼ中心の値になるということで日本の中心、「へそ」だ、ということらしい。へーそーなの・・・。

福崎町に入り、「もちむぎのやかた」(水曜定休)が気になったので寄ってみた。そこは、大麦の仲間であるもち麦を使った麺、「もちむぎ麺」の製造直売所であった。レストランもあるが、昼食を食べて間もないのでそこで食べるのはよした。館内を見ていると、「試食をどうぞ」と、もちむぎ麺を出された。食べてみると、そばとも違う、どちらかというとうどんのような感じもする、独特な感じの麺だ。

佐用町の旧南光町地区にて
田に転ぶロール

中国道沿いに西へ進む。岡山県の勝央から県道52号、国道53号を経由し、建部町につくまでに日没の時間になる。八幡温泉のあたりはやたら虫がたくさん飛んでいる。最後の晩も野宿だ。

  • 今日の天気:曇
  • 走行距離:262.4km
  • 宿泊地:岡山県建部町八幡温泉郷駐車場
  • 入浴地:国際温泉会館(400円)

45日目: 9月23日(金) 岡山から広島へ戻る

アップダウンとカーブがこぎみよい農道を使って吉備中央町の道の駅かもがわ円城まで走る。休憩していると、次々と人がやってきて結構にぎわっている。吉備高原都市(といっても都会からはずれた郊外の街といった感じ)まで走り、そこから県道72号を岡山市方面へ走る。この道は快適快走、気持ちが良い。

岡山駅に寄り、きび団子を買うために地下街の、おみやげ屋がかたまっている所に行く。各店のショーウインドウ前に立つたびに、店の人からきび団子の試食攻撃を受ける。微妙に味が違うようだが、どれが良いかよくわからない。いろいろとたくさん食べると脳がもういいよと信号を送ってくるので、とりあえず決めて買う。

岡山市内も、国道2号岡山バイパスも、交通量が多い。笠岡の手前くらいでのろのろ状態になっている所でふと右前方を見ると、バイクが大破して人が倒れていて、周りを人が囲んでいる。倒れている人はじっとしている。ああ恐ろしや。近くでも別の交通事故があった。気をつけねば。

笠岡市内のガソリンスタンドで聞いた安い食堂で昼食を食べる。おかず2皿にごはん大盛と味噌汁で500円だったが、味はいまいち。

ぐんぐん西へ。昼はやはり暑い。もう慣れた道なので目をつぶってても走れる(ウソ)。そして広島の自宅に戻り、今回の旅は終わった。

  • 今日の天気:晴時々曇
  • 走行距離:234.7km
  • 総走行距離:10381.5km