ほしたびの旅

北海道~広島縦断の旅2005

旅日記22~26日目: 東北6県縦断

22日目: 8月31日(水) 青森県~秋田県大仙市

昨晩22時前頃、寝転がった後に、どこかからのおっさん達が車何台かでやってきて近くにテントを張っている音が聞こえてきた。どうやら大型のテントのようである。大きな声でしゃべりながら、車のドアを何回も開け閉めしていて、その音が響く。設営が終わったと思ったら、何やら飲みながら外で話などしだした。結局11時半頃までわいわいやっていて、迷惑だ。そうかと思うと、朝5時頃には片づけをすませて出て行ってしまった。何なんだあの嵐のような集団は。

6時頃、道の駅よこはまを出発。十和田市から八甲田を抜け、碇ヶ関村の国道7号沿いにある道の駅に寄った。何やらマルメロの加工品が特産品らしく、マルメロパイマルメロソフトというのが気になった。でも、マルメロって何だ?マルメロパイを売っている売店の女の子に聞いてみると、「カリンに似た果物で、生食には向かないが加工して使われ、ブルーベリーのような味」らしい。とりあえずマルメロパイ(140円)を食べてみた。うん、なるほどブルーベリージャムを挟んだパイのような味だ。高いけどいい感じ。次にマルメロソフト(250円)を食べた。少しザラザラした食感があり、こちらもなかなか良い。バイクのところに戻ると、広島市南区から来たというライダーに話しかけられた。彼はこれから初めて北海道に向かう途中ということであった。キャンプ場についての情報交換などする。

城ヶ倉渓谷
城ヶ倉大橋から覗き込む
「道の駅いかりがせき」にある施設
碇ヶ関の番所

国道282号を南下。秋田県に入り、鹿角あたりで昼時になったので、鹿角市役所に寄ってみようと思う。市役所に安い食堂があるかもしれないし、職員の人にどこかお勧めの店を聞くのもよい。結局のところ、職員の人から聞いた、市役所から南へ1km程の所にあるドライブインまんぷくに行った。話によると、みそラーメンに乗っかる野菜の量が多くて、地元の人もよく立ち寄るような店らしい。注文して出てきたものを見ると・・・、うーん野菜の量はそんなに多いとはいえないような気がする。価格も600円だし。それとも、北海道のマウントピンネで恐ろしいほどてんこもりのラーメンを食べて感覚が麻痺しているのか・・・。麺はややちぢれ気味でぷよぷよと弾力性がある感じ。普通の味かな。期待の分だけちょっとがっかり。市役所で550円の定食を食べればよかったかな。

赤茶色に見える玉川
強酸性の湯が流れ込む

強酸性の玉川温泉の湯が流れ込む玉川は赤茶色に見える。北秋田市阿仁打当の打当温泉に併設された「マタギの資料館」は予想より小さかったが、マタギについて知ることができた。ぐんぐん南下し、大仙市太田にある横沢公園キャンプ場に行くことを考える。そこの詳細を聞こうと旧太田町役場である太田総合支所に立ち寄るが、もう5時を回って担当の人がいないので女性の人から案内を受けた。方言でしゃべっているのが、かわいらしく感じられる。キャンプ場は公園内にあるのだが、場所がわかりにくいかもしれないが、平坦なところにあり、きれいな感じ。ただ、バッタやカエルが多かった。中里温泉に入ると、地元のおじさんたちの方言の強い会話が聞き取りにくい。

  • 今日の天気:晴時々曇一時雨
  • 走行距離:352.5km
  • 宿泊地:秋田県大仙市横沢公園キャンプ場
  • 入浴地:大仙市太田町 中里温泉(400円)

23日目: 9月1日(木) 秋田県横手市、湯沢市、岩手県一関市

周りは静かで、朝6時過ぎまで寝ていた。外は一面の霧だった。食事を済ませ出発。横手市に入り、「平安の風わたる公園」という名前に誘われて行ってみた。公園の沼地付近は、後三年の役」(1083年~1087年)における戦場の一つであるらしい。解説板によると、「雁行の乱れ」を見た源義家が敵の伏兵の存在を察知して撃滅させた場所であるということであった。そして元々清原氏の内紛であったその戦いが終わった後、義家の助けで勝ち残った清原清衡は姓を実父方の藤原に戻し、三代にわたる奥州藤原氏の栄華が始まることになる。といった事が、次に行った、後三年の役金沢資料館(100円)で詳しく解説されている。展示物は少ないが、見ていると、館の人がいろいろ説明もしてくれた。金沢資料館で買った入場券で横手市ふれあいセンターかまくら館にも入れるのでそちらにも行った。展示はしょぼいが、マイナス10度で「かまくら」が保存されている部屋がある。大げさな自動ドアを開けて中に入ると、涼しいを通り越して長くいると体にこたえそう。

平安の風わたる公園
後三年の役古戦場跡近く
かまくら
横手市かまくら館にて

旧稲川町である、湯沢市稲庭町に入る。稲庭うどん佐藤養助商店本社工場で工場見学ができるようなので行ってみた。小さな工場で、従業員の一人が工程について説明してくれた。作業は機械ではなく、人手で行われているようだ。帰る前、うどんの切り屑を自由に持ち帰っても良いようになっていたので、用意されている袋に詰めて持ち帰る。

昼食は、スタンプラリーで寄った所の人に聞いた、皆瀬ダム近くにある「ダムの茶屋」に行った。他では味わえないという、(十六代)稲庭吉左衛門の稲庭うどんが食べられるということだ。冷たいのもあるが、温かいのがお勧めといわれたので、温かい稲庭うどん(700円)を注文した。すると、サービスでちまきとゆで卵が出てきたので先に食べる。しばらくして、うどんが出てきた。山菜が入っている。麺はやや平べったい。食べてみると、ツルッと滑らかで、少しそうめんに似ている感じだ。ダシは薄く見えるが、少しだけしょっぱいかなという感じがした。今日も暑いので、温かいうどんを食べた後は汗びっしょり。休憩して出発。

川原毛地獄では所々噴気が出ていた。近づくと熱い。東北電力上の岱地熱発電所PR館は小さくて内容がいまいちだったけど、記念品としてボールペンマーカーをもらった。

川原毛地獄
白と灰色の世界
湯煙が上がる渓谷を見下ろす
小安峡
切り立った岩の間を流れていく
厳美渓

岩手県一関市に入り、厳美渓まで下りてきて、さてどこに泊まろう。近くの尾花が森キャンプ場に行ってみると、もう薄暗くなっていたが外灯も無く寂しい感じ。そして直後に、砂利道のカーブをかっとばして軽自動車が1台入ってきて、中の広場に止めてがやがややっている。というわけで退散、他へ行こう。(^^;)もう遅くなったので近くの道の駅厳美渓に泊まることにした。近くの「かんぽの宿 一関」で温泉に入った。露天風呂では雲の切れ目から星も見えた。

  • 今日の天気:晴、朝霧
  • 走行距離:晴、朝霧
  • 宿泊地:岩手県一関市道の駅厳美渓
  • 入浴地:かんぽの宿一関(600円)

24日目: 9月2日(金) 宮城県古川のずんだラーメン、山形へ

朝はまず、平泉を訪れた。7時過ぎに中尊寺の金色堂を囲む覆堂が見える所まで歩いたが、誰にも会うことが無かった。お堂の前はひっそりとしている。扉は閉まっているので中は見えない。下に降りてバイクの所まで戻ると、一人の坊さんがリュックをかついで出勤していた。

宮城県の鳴子町に入り、荒湯地獄へ。ここも川原毛地獄のように、あちこちで噴気が出ていてときおり異臭がする。近くに電源開発社の鬼首地熱発電所展示館があるので行ってみると、無人でそっけなかったが、内容は上の岱よりは詳しくて良かった。

鉄腕ダッシュで長瀬が座った席
「もちべえ」にて

古川市内に入り、昼食を食べるために、「もちべえ」に向かう。その店は予想していたのより小さく目立たなかった。店内に入ると、入口近くにモチ等の和菓子が並ぶ。ああ、名前を考えれば餅屋なのね。(^_^) 奥側にテーブルと座敷があり、ここで食べられる。隅にあるテーブルの壁には「TOKIOの長瀬さんが来店し座った席です」の張り紙がある。私も鉄腕ダッシュを見て食べたくなったくちだ。ずんだラーメン(630円)もあるが、ここはテレビでも出ていたずんだラーメンセット(840円)を食べる。麺には枝豆が練りこめられていて、やや縮れて固めで、普通の麺とは少し違うかなと感じるが、特別うまいということもなく、まずくもない。ラーメンには、普通のモチ一つ、海老一つ、太目のチャーシュー一つ、めんま、わかめ、ネギ、ゴマが入っている。スープはあっさり系でゴマの香りが良い。セットとして、大根おろしの小鉢、漬物の小鉢、ずんだもち3個が付いている。ずんだもちは去年も食べたが、一瞬臭みを感じるが次に甘さが効いてくる。

ニッカウイスキー仙台工場
単式蒸溜器

次は、仙台市青葉区にあるニッカウイスキー仙台工場へ。案内してくれるお姉さんの歩く後ろ姿がかわいらしい。(^_^) 今日はまだバイクで移動していくのでアルコールは飲めない。試飲コーナーではりんごジュースを2杯飲ませてもらった。そして、帰る前に受付所へドライバー標示板を返しに行くと、おみやげに小さなリンゴジュース1缶もらった。

山形市方面へ移動。国道457号から国道286号に移る。仙台市と山形市を結ぶ国道にしては交通量が少なく、ハイペースだ。そして、笹谷ICでは多くの車が山形自動車道に入っていった。国道286号の方は程なく狭くなり、くねくねの峠道となる。展望もあまり無く、きつい峠道だ。笹谷峠付近でいくらか視界が開け、峠を過ぎたところで振り返ると夕方の日光に照らされた山がなかなか良い感じだ。結局、IC一区間の峠道を約20分かけて通過。トンネルを走る高速なら5分くらいだろう。

泊まりは山形市内南部にある古竜湖キャンプ場へ。もう薄暗くなっていたので道がわかりにくかったが、なんとか到着。道の途中では山形市内の夜景も見えた。今晩は近くの小学校の団体が体験学習とかで来ていて楽しそうにやっている。自炊して食事した後、急いでキャンプ場から南へ迷いながら約7km約15分かけて走って、温泉「天神乃湯」へ行く(迷わなければもう少し短距離で行ける)。ここは内湯が無く、洗い場も含めて屋外に面していて開放感がある。光に照らされた緑を見ながらの温泉は気持ちよかった。キャンプ場に戻ると、引率の大人たちの宴会?は続いていて、寝付けない子供たちも遊んでいる。

  • 今日の天気:晴、朝曇
  • 走行距離:311.5km
  • 宿泊地:山形県山形市古竜湖キャンプ場
  • 入浴地:山形市うわの温泉 天神の湯(300円)

25日目: 9月3日(土) 宮城県蔵王チーズと山形県高畠ワイン

6時に起床し、食事を取ってゆっくり片付ける。子供たちは8時前にバスに乗って帰っていった。私は9時過ぎに出発。蔵王ラインを経て、蔵王エコーラインを快走する。上にあがるに従って涼しくなる。もやがあって遠くの見通しは良くない。峠を越えて宮城県側に降りていくと、また暑くなる。遠刈田温泉から南に数kmの所に「蔵王チーズ」のチーズ工場があったので寄って直売店に入った。そこには各種クリームチーズの試食があったので用意されているクラッカーに乗せて全種類食べてみた。好みなのは、オレンジ、ブルーベリー、そしてノーマルのものだ。低温殺菌牛乳(1杯50円)とチーズドリンク(1杯50円)があったのでそれぞれ飲んでみた(カップ1杯で200ml弱と言われた)。チーズドリンクを飲んでみると、おお、これはいける。ミルクセーキのような感じでもあり、意外に後味すっきり。紙パックでは1リットル420円で売っていた。

不帰の滝
蔵王町の展望台から
試食用の蔵王チーズ
蔵王チーズ直売店にて

再び山形県には入り、高畠町へ。高畠ワイン工場では土曜日ということもあり、多くの人でにぎわっている。試飲した種類は次のとおりだ。
「たかはたナイアガラ(白甘)」、「最上の朝霧(白甘)」、「樹氷のしずく(ロゼ極甘)」、「まほろばの貴婦人(赤、白極甘)」、「最上の紅花(赤辛)」、「フレッシュ&ドライシャルドネ(白辛)」
いずれも、甘すぎる、あるいは辛すぎると感じた。雷雨になったのでしばらく雨宿り。夜は銭湯のような温泉で汗を流し、その近くの駐輪場の軒下で野宿した。

  • 今日の天気:晴後曇時々雨
  • 走行距離:141.2km
  • 宿泊地:山形県高畠町浜田広介記念館横の駐輪場
  • 入浴地:高畠町 温もりの湯(300円)

26日目: 9月4日(日) 喜多方のラーメン、柳津のまんじゅう

腹がすいていたが、喜多方でラーメンを食べるべく、曇空の中、出発。結構肌寒い。山形と福島の県境にある長いトンネルを抜けて福島県に入ってから7つ続けてあるトンネルに入る前に「虹のトンネル」と総称する標識があった。といっても一つ一つのトンネルの標識の色が違うくらいだ。もうちょっとひと工夫ほしいなぁ。照明の色を変えるとか・・・目が悪くなりそうだけど。

喜多方駅に行き、ラーメンマップを手に入れ、近くにいたタクシードライバーに、朝早くからやっているお勧めの喜多方ラーメンの店を聞いた。その中で「坂内(ばんない)」に行くことにした。行ってみると8時前にもかかわらず多くの車が止まっていて多くの人が店内にいる。最も基本となる「支那ソバ」(550円)を食べる。太くて堅めでモチッとしたちぢれ麺は、私の好みではない。喜多方ラーメンは二度目なのだがやはり好きにはなれないなぁ。スープは普通にいけるんだけど。

岩井屋の店頭の人形
人形が首を振ったりする

柳津町に入り、柳津温泉街に向かう。目的はまんじゅう。何件かの店先から蒸気が上がっている。まんじゅう屋のようだ。この街では、粟ともち米を使った黄色い皮で餡を包んで蒸しあげたあわまんじゅうが名物であり、その蒸気なのだ。それでもって、作り始めたきっかけは「災難にあわないように」という、だじゃれのような事らしい。でも、まんじゅうを作るということは、粟が無いわけではない、あわないわけではない(災難に)・・・。

まずは「岩井屋」に入る。店先の動く人形がほほえましい。店員さんが試食のくりまんじゅうのかけらとお茶を出してくれた。あわ(80円)、くり(130円)、茶(80円)のまんじゅうを買って食べた。あわまんじゅうは何かザラザラした感じで、?という感じ。初めての食感だ。くりまんじゅうを食べると、おー、これはいける。皮と栗の間に、できたてだからだろうか、柔らかい白あんがあって、この調和がいい感じ。栗はまるごと入っている。茶まんじゅうは普通かな。

次は「小池菓子舗」に入る。あわ(70円)、くり(110円)のまんじゅうを買って食べる。ここでもお茶を出してくれた。あわまんじゅうは岩井屋よりも良い感じ。くりまんじゅうは普通だな。食べていると、店員さんがきゅうりの漬物を2本丸ごと出してくれた。ピリッとくる感じが良かった。いづれの饅頭も時間が経つと固くなって味が落ちるかもしれないからその場で食べるのが一番だと思う。


静かな川面の只見川

只見町に入り、河井継之助記念館に寄る。河井継之助は幕末の越後長岡藩にあって藩政改革を進めた人で、戊辰戦争では新政府軍との会談が不調に終わって戦うことになり、その戦いで傷を受けて只見町で亡くなった。そのような事が詳しく解説されていて、良かった。只見町の歳時記会館で、昼食としてもりそばを食べた。十割そばということである。こしがあってツルっとした感じだった。

新潟県に入り、魚沼市の旧小出町あたりで夕方になったので、ここの「道の駅ゆのたに」で泊まることにした。温泉に入りに行って道の駅に戻ってから雨が降り出したが、軒下があるのでへっちゃら。

  • 今日の天気:曇、夜雨
  • 走行距離:286.8km
  • 宿泊地:新潟県魚沼市道の駅ゆのたに
  • 入浴地:見晴らしの湯 こまみ(500円)